#658 【国土再建】グローバリズム崩壊に備えよ!荒谷卓が語る「縄文からやり直す」自給自足の里作り 荒谷卓氏(2026.4.15)
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は熊野飛鳥むすびの里代表の荒谷卓先生にお越しいただきました。荒谷先生、よろしくお願いします。
(荒谷)
よろしくお願いいたします。
(深田)
前回は「イラン戦争で一番最初に干上がってしまうのが日本だ」というお話をいただきましたが、私たちはどのようにサバイバルしていけばよいのでしょうか?そこで、むすびの里がなぜ出来上がったのか、その経緯についても教えていただけますか?
(荒谷)
僕は比較的早い段階からグローバリゼーションの最前線、いわば強制的に秩序を作っていくような世界を見てきました。そのため、20年以上前からこのグローバリズムから早く抜け出さなければならないと考えてきました。
当初はグローバル勢力にどう対抗するか考えていましたが「これは勝ち目がないな」と感じたのです。僕のような立場の者が歯向かったところで、自爆テロぐらいしかできないのではないかと考えました。
(深田)
自爆はやめましょう(笑)。
(荒谷)
ただ、グリーンベレー(米国特殊部隊)のオペレーションなどを観察していると、この仕組みは自ら破綻すると感じ取れたのです。つまり、グローバリストは自壊していくと見たわけです。
であれば、戦うことにエネルギーを使うのではなく、彼らが崩れた後に、自分たちが正しいと思う社会、ポスト・グローバリゼーションの社会を作る準備をすべきだと考え、創造の方向へ舵を切りました。それで、どのような社会を作るべきかを考えることにしたのです。
(深田)
なるほど、すごいですね。
(荒谷)
僕は自衛隊を辞めた後、10年間、明治神宮の武道場の館長を務めていました。その時に「憲法を起草する会」を立ち上げ、まず自分たちの憲法を作りました。そしてそれを実践する場として、地域ごとに共同体を作ろうと考え、もう一度縄文時代からやり直すという発想に至ったのです。
(深田)
縄文時代からやり直す。いいですね!
(荒谷)
縄文時代には全国各地に家族的な集落があり、それらがまとまって日本という国になっていきました。ですから、そこから再出発しようと考え、地域共同体づくりを進めることにしました。そして8年前から実際に取り組みを始めました。
三重県の熊野に拠点を作りましたが、そこだけで完結するものではなく、まずは「こういう集落が望ましい」というプロトタイプを示すことを目的にスタートしたのです。
(深田)
試作品ですね。
(荒谷)
そうです。まずは作りながら考えていこうとしました。その過程でホームページやパンフレットなどで「グローバリゼーション後の社会を一緒に作りましょう」と呼びかけたところ、参加者がだんだん増え、現在は約550名ほどになりました。
熊野の拠点はある程度形になってきており、仮に石油が止まっても、食料・燃料・電力を自給できる体制が整っているので、全然問題はありません。ただし、自分たちだけで完結するのではなく、全国に同様の拠点を広げていく必要があると考えています。
(深田)
フランチャイズのようなものですね。
(荒谷)
そうですね。ただし、田舎は良いですが東京などの都市部では農地の確保が難しいです。したがって、建物でも家でも構いませんから「ここに集まろう」という場所と人を確保しようと活動しています。
石油危機や新型コロナなど変な健康危機のような時に備え、セーフティーハウスやセーフティーゾーンを作ろうというものです。個々に分散していると、ロックダウンなどの際に弱いので、そういうものを作っていこうと提案して、スタートしています。また、それらを束ねる独自の社会システムも事前に構想しておく。そのような活動を展開しています。
(深田)
むすびの里では、全部自給自足できるのですか?
(荒谷)
今の社会のシステムがある以上は完全な自給自足は難しいのです。食料については問題ありませんが、税金や保険などは支払わないといけないため、どうしてもお金が介在してくるのです。
(深田)
お金をむしり取られるわけですね。
(荒谷)
そうです。大化の改新での租・庸・調(※1)のように、米や労働、工芸品で納められる制度であればよいのです。現代の税制は現金納付なので、現金化の部分で既存システムから完全には抜けられません。
※1)租・庸・調:飛鳥・奈良時代の税制。租=米、庸=労役、調=特産物、布など。
したがって、まずは非常時に集団として生命を維持できる基盤を整えようと進めています。選挙・請願・陳情で今の政府がなんとかいい政府になってくれることにエネルギーを使うよりは、自分たちで作った方が早いと考えたのです。そのうえで、拠点同士が連携し、より良いルールを作り、理想の統治を構築していくべきだと考えています。
(深田)
なるほど。「理想の政府」ですね。むすびの里ではお米も採れるし、野菜も採れるのですね。
(荒谷)
現在の拠点では、50人程度であれば永遠に賄えますが、それ以上になると難しくなります。そのため、各地に拠点を増やしていこうということですね。
(深田)
それで、賛同者は増えているのでしょうか?
(荒谷)
はい、各地で活動が始まっています。最近の集まりでも、AIで起業している若者たちが、自分たちの分野で何ができるかを議論していました。AIは学習が本質で、今AIを使っているのは悪い人が多いので、AIに善いことを学習させ、日本的な判断ができるAIを作るといった取り組みも進めています。それぞれの分野で理想の社会に向けた挑戦を続け、実践しながら改善していこうとしています。
(深田)
私も「My村」を作ってみたくなりました。どのような土地がよいのでしょうか?
(荒谷)
それは実際にやりながら考えた方がいいです。考えるより、まず行動する。地面を見つけたら耕してみる、種をまいてみる、その積み重ねがいいと思います。
(深田)
まず地面を見つけたら耕すのですか?
(荒谷)
そうです。あれこれ分析するよりも、日本人は本来、理屈よりも腹を決める文化があります。「よっしゃ!」と決めたら、あとは持てる知恵と労力を全て注ぎ込む。その方が結果につながると思います。
(深田)
なるほど。ところで、荒谷さんはなぜ熊野を選ばれたのですか?
(荒谷)
これは偶然というより、神様のお導きと言うか、そう言うと「あいつスピリチュアルだ」と思われるかもしれません。20年以上前から場所を探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。明治神宮を辞める際に武道を教えながらやりたいので、武道場という物件で探していました。しかし、東京は物件がほとんどなく、あっても億単位なので、他を探して熊野に条件の合う物件が見つかりました。
(深田)
いくらでしたか?
(荒谷)
それも全然お金は書いていなかったのです。「武道場」と書いてあり、宿泊施設や食堂なども揃っていました。これはいい物件だと思って電話をしたのです。地元の新聞社の社長が所有者で、奥様が電話に出られて「物件を見ました」とはなしました。
すると「夫は売りませんよ。これは子どもたちの青少年育成のために作ったものだから、そういう目的でなければ譲りません」と言われたのです。そこで「それをやりたいのです」と伝えて、すぐに会いに行きました。お会いして、ものの10分ほどで「お前に任せる」と言われ、決まりました。
(深田)
えー、すごいですね!
(荒谷)
その後「場所を見せてもらえますか」「いいよ、見てこい」となって、行ってみると「よしここで決まりだな」と感じました。
(深田)
やはりご縁ですね。
(荒谷)
そうなんです。お金については、実際に活動を開始する段階になって初めて「この価格です」と言われて「持ってないな…」と思いました。その後仲間のところに行って「これぐらいらしいけど、足りない」と言うと「分かりました」と言って、すぐに動いて調達してくれました。
(深田)
なるほど、そういう流れだったのですね。でも、やると決めたときに仲間が応援してくれるのは素晴らしいですね。
(荒谷)
そうなんですよ。そのときも銀行や不動産関係の人たちが「荒谷さん、そんなところに行って、マーケティングはしましたか?事業計画は立てましたか?」と心配してくれました。しかし「そんなものはとりあえず動けばいいんだ」と進めたら、結果的にうまくいきました。だからあまり考えすぎない方がいいですね。
(深田)
なるほど、考えない方がいいのですね。私も村を作ろうかな?
(荒谷)
やったほうがいいです。思い立ったらやった方がいいです。
(深田)
「萌絵村」どうでしょうか??
(荒谷)
いいですね。バッチリだと思います。
(深田)
萌絵村の中に、むすびの里コーナーも作っておきますね。それでは、むすびの里での若者の参加者はどのように変わっていくのでしょうか?
(荒谷)
人それぞれです。百姓はきついので逃げ出す人もいれば「自分でもやります」と言って始める人もいます。また「日本自治集団」というものも作っていて、事業を起こしたり会社経営やNPOをやっている人たちにも声をかけています。
例えば神戸のラーメン屋さんが参加して活動を始めると、淡路島に土地を買って百姓を始め、徳島で塩田を作って塩を取り、さらに漁業権を得て漁師まで始めるといった具合です。ゲーム会社の人も農業をやるなど、通常の利益主体だけではなく、社会にも役立ち、自分たちのサバイバルにもなる事業を並行して行っています。それが社員もよろこんでやっているのです。
(深田)
意外と喜ばれるのですね。
(荒谷)
そうです。福利厚生として田んぼを作ると「楽しいですね」と言っています。そのような形で広がってきています。自分たちの集団の中では、お米は流通も含めて完全に自給自足体制になっています。
(深田)
流通も含めてですか?どのようにされているのですか?
(荒谷)
自分たちでトラックを出して運んでいます。九州から北関東まで運びます。
(深田)
すごいですね!
(荒谷)
そのように自分たちのマーケットを作れば、グローバル市場とは関係なく、生産者も供給者もハッピーで納得できる価格を自分たちで決めることができます。
(深田)
なるほど。では、むすびの里は今後どのように発展していくのでしょうか?
(荒谷)
これからの生き方として、地道に日本人として日本社会を構成しながら生きていくテリトリーを全国に少しずつ広げていきます。そしてその生活をオープンにして「こちらの方がいいと思いませんか?」と共鳴者を増やしていきます。
上から決めるのではなく現場から積み上げていく。例えば「税を米で納めたい」といった声にも柔軟に応じられる仕組みを作るなど、新しい形を生み出していきます。農政や健康なども現場から意見を出していく。新しく政府のようなものを作るとすれば、コミュニティの代表者を選挙ではなく、人に推される形で立てていく方がよいのではないかと思います。
(深田)
本当にそう思います。
(荒谷)
その代表者たちが話し合いながら物事を決めていく。それを徐々に広めていくのが当面の活動です。
(深田)
そうなんですね。私もむすびの里に留学してもよろしいでしょうか?
(荒谷)
どうぞ、いつでもお越しください。
(深田)
ぜひ行ってみたくなりました。本日は熊野飛鳥むすびの里代表の荒谷卓先生にお越しいただきました。ありがとうございました。
(荒谷)
ありがとうございました。





