「少子化は若年層の低収入ではない」に反論! 安藤裕元議員×深田萌絵

ご視聴はここをクリック

【目次】

  • 00:00 1. オープニング
  • 01:04 2. 女性が働かないと家計が支えられない
  • 04:34 3. 所得が低い男性は非結婚率が高い
  • 06:08 4. 解雇規制緩和で中年男性が失職
  • 09:39 5. 役に立たないリスキリング
  • 11:37 6. 女性に負担を求め過ぎ
  • 14:33 7. 子育てを軽視し過ぎる
  • 18:03 8. 専業主婦になる自由を取り戻す

皆さん、こんにちは政経プラットフォームITビジネスアナリストの深田萌絵です。本日は、元衆議院議員で税理士の安藤裕先生をお招きしています。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

先日、先生のX(旧Twitter)アカウントを拝見していたのですが、新説「少子化の原因は若者の貧困化ではない」という投稿を見かけました。そのリンクをたどる時間がなかったので、今日はその真意を教えていただきたいと思います。

(安藤)
あれは逆説的なタイトルをつけた投稿です。実際には「少子化の原因は経済的な理由ではない」という主張をする東京大学の教授がいて、その方の研究を紹介する動画をYouTubeにアップしました。

私は、「経済的理由に決まっているだろう」と思いますが、その教授の「経済的な理由ではない」の論文が賞を取ったという話もあり、こういった議論は本質から目をそらさせています。少子化はすでに深刻で、出生率は下げ止まりといわれても低水準のままで、今年は出生数が大幅に減少しています。

(深田)

70数万人でしたよね。

(安藤)

70万人を切るかもしれないと言われているほどで凄く減っています。原因は将来への不安や希望の喪失です。所得が増えず、給与も上がる見込みがない中、自分の生活だけで精一杯な人が多い。さらに、女性も男性と同じように働いて稼ぐことを求められます。結果的に、結婚しても子どもは1人だけという家庭が増えています。

(深田)
お金の問題だけではなく、文化的な役割分担も影響しているように思います。共働きが当たり前となった一方で、家事や子育ての役割分担が文化的に進んでいないのも要因ではないのかと最近思い始めています。

最近、20代前半から20代半ばの若い女性たちと話していると、大企業に入った人たちは22才で400万円、24~5才で年収400数十万円、そのまま行けば高卒の人でも40才くらいで600万円、大卒の人で800万円を超えて意外と恵まれた環境にあります。

私の場合は、85年に男女雇用機会均等法が成立していましたが、私が、98年に卒業をして社会に出た頃は女性のキャリアのレールがありませんでした。25才になるとクリスマスケーキと呼ばれキャリアのレールパスが「ガクン」と無くなる時代でした。

今の若い方たちにはバラ色で、私たちの時代から見ると考えられない程にお給料が安定していますが、一方で、中小企業や非正規で働く女性たちは、恵まれていない状況です。こうした状況を踏まえ、政府が子どもを育てやすい環境づくりを進める必要があると思います。

(安藤)

そうですね。少子化白書にも出ているのですが、男性の有配偶率は、男性の所得と綺麗に比例しています。所得の高い男性は結婚している比率が高く、所得の低い男性は結婚していない比率が高いです。結論から言えば男性の所得が高ければきちんと結婚をして子供が居ます。男性の所得が低ければ結婚もしない。結婚もしなければ子供も出来ません。

(深田)

そうですよね。皆さんも結婚をすれば子供を持ちたいと思いますよね。でも、確かに稼いでいない人と結婚できるのかと言えば女性は躊躇しますし、親からも止められますよね。

(安藤)

そうです。結婚をしても「私が働きに出ないと食べていけない」となりますし、現実的にも愛だけでは語れません。

(深田)

それは、昔に比べて所得が安定している人たちが減ったと言う事ですか?

(安藤)

そうですね。他にも男女の所得の格差をなくさなければならず、低い方に合わせるために男性の所得水準は下がってきています。さらに危険だと思っている事は今後、解雇規制緩和を進める話が出ています。

解雇規制緩和が進められれば解雇されるターゲットになる人は40代、50代の男性です。そして若い人を採用をします。若い人たちはクリエイティブ能力があり色々と無理も利きますし、それなりの安い給料で雇えます。

安い給料で20代、30代を雇い給料が上がる40代、50代になればまた解雇できると言う地獄の様な日本社会が恐らくやって来ます。

(深田)

50才を過ぎた男性の転職は結構厳しいと思いますね。

(安藤)

そうです。そしてリスキニングと言っていますが、上手く行くとは思えませんし、50代、60代が学びなおし、新しい技術を習得したとしても雇うとは思えませんね。

(深田)

私も、50代の男性を雇って色々と有りトラウマになりましたが、40代、50代で解雇されればとんでもない事になりますよね。

(安藤)

そうです。その様な事になれば、結婚をして子育てどころではなくなりますし、40代、50代は丁度お子さんが大学に行くなどで一番お金が掛かる時です。その様な大事な時期に突然解雇になり「すみません。今日から無職です。」リスキニングで学びなおしますとは言えません。

(深田)

しかし、リスキニングの間は、国の方から少しは生活費的なものが出ますよね?

(安藤)

そこまで出ないと思います。学びなおしの為のお金の支援は出ると思いますけど。

(深田)

なるほど。それは、講座を開いている企業の方に入り儲かる仕組みですよね。おかしな仕組みだと思います。やはりスキルは‘‘オンザジョブ”でなければ身に付きませんし、教えてもらっていても出来ません。

(安藤)

そうですよね。具体的にイメージが沸き必要に駆られて技術は身に付きます。

(深田)

そうですね。私も21歳の時に貿易実務の勉強をしましたが、教科書がとても古くて、現場の実務とあまりにもかけ離れていて使い物になりませんでした。転職にも使えない内容で、これでは何の役にも立たないと思いました。では、少子化問題をどう解決するのかという話に戻しましょう。

(安藤)
そうですね。私の考えでは、女性には働く自由もある一方で、家で子育てに専念する自由も取り戻さなければ、この少子化問題は解決しないと思っています。働かなければ家計が破綻する、教育費が払えないとなると、子どもを産むこと自体が大変です。子どもを産むことは男性にはできませんし、身体的・精神的な負担は女性に集中します。

これを男性がどれだけ共感しようとしても、経験できない以上は完全には理解できません。それなのに、男性と同じように働き、出世し、稼ぐことを求められる。どれだけ女性に負担を押し付けるのかと思います。それでは恋愛する時間すら取れないですよね。

(深田)

そうなんです。恋愛しようとしてもスケジュールが埋まっていて、時間がないんです。夜中にはアメリカとのミーティングもあって、睡眠時間を削るしかありません。その様な女性の為に付き合ってくれる男性を先に国が用意して頂きたいです。

(安藤)
国が派遣してくれるサービスがあったらいいですね(笑)。でも、それほどの負担を女性に押し付けるのは求めすぎですね。

(深田)

そうです。稼いで、出世して、その上役員になって良妻賢母になれと、しかも子育ても大変そうだけど費用は自分で負担をしてとは訳が解りません。

(安藤)
そうですね。女性が「家でゆっくり子育てしたい」と言える環境を整えるべきですし、それが可能なだけの稼ぎを男性が持つべきです。そうすれば女性には働く自由も、働かない自由も生まれるわけです。それを取り戻す事が、私はとても大事だと思います。

(深田)
子育ては本当に重労働です。働きながら子育てをする女性は、職場ではほっとすると言います。家に帰れば自分の食事をする時間もなく、トイレも行けず、化粧水を塗る余裕すらない。これでは心身ともに限界が来てしまいます。ベビーシッターを安価で利用できるようにすることも必要ですが、そもそも人手不足の現状で「自分の子供を知らない人に預けられますか?」と言う事にもなります。

(安藤)

そうすると「外国人に預けます」と言う話にもなります。

(深田)

今、私もハウスキーピングサービスをお願いしていますが、外国の方は断らないと外国の方が来てしまいます。恐らくベビーシッターの派遣も人手不足を理由に外国の方が来るでしょう。多様性の中で育つと言えば聞こえは良いですが、やはり子育ての仕方の違いや文化的な背景が異なり、やって欲しくはないと言う事も通じない。育児方針にもすれ違いが出ることもあると思います。

(安藤)
その話は、自民党内でも話したことがありました。外国人の家政婦を入れましょうという意見です。自民党の女性議員は、「子育てを任せたい。子育てを任せられる様にしないと女性が働きに出られないではないか」と言っているのです。しかし、赤ちゃんに最初の言葉をかけるのはどこの国の言葉なのか、という問題があります。

その様になると日本語ではなくなり、「その子はなに人になるのか?」という話になると思います。やはり子供の頃から優しい日本語の言葉で話かけるのが理想だと思いますし、それを普通の日本人の家庭は望んでいると思います。

「子供は、どうせ何を言っているか解らないし、寝ているだけだからと言って誰がやっても構わない」という話ではないと思いますし、すごく育児を軽視をしていると思います。「親がやらなくても誰かに任せればよいと軽く見過ぎです。それよりも女性は働いたほうがよい」という本末転倒な議論をしているような気がしてなりません。

(深田)

そうですよね。働いてベビーシッターを雇えるだけの稼ぎまで到達できるのならばよいですが、大部分の女性はベビーシッターの貰っている時給と同じくらいの時給で働いています。女性がベビーシッターを雇って働きに出てもプラスマイナスゼロの状態を生み出す状況を何故、国が望むのかと言う事です。

普通の女性の方でしたら300万円から400万円くらいですが、女性活躍推進を推進している女性政治家や女性官僚やアドバイザーは、年収2千万、3千万、4千万と貰っている人たちです。

その様な人たちが、「働いてしっかり稼げば一人分の給料は払える」と言われても一般の方たちは全く受け止められないと思いますし、男性の議員の先生方は、この様な乖離をどの様に考えていらっしゃるのか疑問に思っていました。

(安藤)

それはですね。男性は言いにくいのです。女性が「何故あなたたちは反対するの?」という話になりますし、女性の議員が「女性目線で進めようとしている」と言うと男性議員は「あっ!そうなのですか」という感じで言いづらいのです。

(深田)

しかし、女性の活躍推進で中心になっている人たちは昼間からシャンパンを持って「かんぱーい」と言いながら写真を撮りSNSに投稿をしています。その様な事は一般社会とは違います。

シャンパン一杯3000円のその3000円のシャンパンを飲むことが叶わない層が大部分です。ですので、シャンパンを持った写真を投稿すれば、国民からの反発が当然の様に起きます。その事を分からない様だと地に足が着いた政策は出てこないと思います。

(安藤)

そうですね。だから少子化は解決に向かわないのです。

(深田)

女性が稼ぐのは良いと思いますが、家庭での文化的な役割分担(家事、育児)の見直しをして解消して頂きたいですね。国も男性の稼ぎをもっと増やす対策を同時に考えるべきですし、家庭に入る自由も残して頂きたいですね。

(安藤)
その通りです。「専業主婦になる自由を取りもどせ」です。

(深田)

今や専業主婦は特権階級ですよ。

(安藤)

専業主婦になりたいと言う女性は多いですしね。

(深田)

女性を沢山雇いましたが、大半の女性は仕事は好きではありません。仕事が好きな女性は大企業などでバリバリ働いています。小さい会社で働く女性は、生活費を稼ぐためで時間をきちんと決めて帰りたいのです。

(安藤)

その様に暮らしていける様にした方が良いですね。そして結婚をして子育てをゆっくりした気持ちでやっていただく環境を取り戻しましょう。まずは、消費税を廃止して社会保険料も減額しましょう。

(深田)

昔は社会保険料が安く、消費税もなかったので、手取りが多く男性の稼ぎで節約すれば十分暮らしていけましたよね。そこに戻るべきだと思います。

本日は、少子化対策について消費税減税と社会保険料減額の必要性を含めてお話しいただきました。安藤裕先生、どうもありがとうございました。

Visited 19 times, 1 visit(s) today

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です