アメリカ人の怒り爆発 カマラ・ハリス極左政治への不満 ロバート・D・エルドリッヂ × 深田萌絵 No.164

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【本編内容】

  • リベラル惨敗の理由
  • 民主党の公約不実行、国民をバカにしている、エリート思考、第一次トランプ政権への  妨害工作→国民が欺瞞に気づいてきた。
  • 大統領は傀儡政権。献金ドナーたちのパペットに成り下がってる。
  • 民主党のDEI主義の弊害で能力は二の次
  • 民主党不信からトランプ人気へ、労働組合が共和党に
  • トランプ勝利の意味は民主主義の復活を期待させる

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォームITビジネスアナリストの深田萌絵です。今回はロバート・エルドリッヂさんに、なぜカマラ・ハリスは大統領戦であれほど惨敗したのかについてお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

ここ何年もアメリカだけではなく世界で、リベラル政策が押し進められ、世の中を支配しています。私は英語の勉強しているのですが、アメリカ人の英語の先生に政治の話をすると、「リベラル寄りなのだけれど、近年のリベラル政策に疑問を抱いている。しかし、はっきり言うと批判を浴びるからお茶を濁すしかない」というような、すごく微妙な雰囲気を出します。しかし、「自分はリベラルでトランプ大嫌い」と言う人もいらっしゃるのに、一体カマラ・ハリスがこれほど惨敗したのはどのような背景があったのでしょうか。

(エルドリッヂ)

今回、カマラ・ハリス率いる民主党が惨敗した理由は山ほどあります。やはり分析して反省しなければ、今後12年間は民主党政権が建たないと思います。私は共和党でも民主党でもなく、既存の二大政党に所属していません。どちらかといえば、第三政党を支持する方で、なるべく客観的に見ようとしています。民主党が8年以上前からとんでもない政党になってきていることに、少しずつ国民が分かってきたと思います。民主党の惨敗は今回から始まったのではなく、少なくとも8年前から

「民主党は公約を全く実行しないし、我々のために何もやってこなかった」と不満が出てきており、トランプ政権に移行した背景があります。

2015年、ある家族の結婚式がアメリカで開かれ、15年の秋に久しぶりにアメリカに行ったところ、国民の不満がすごく伝わってきました。最初、なぜそこまでイライラしているのか分かりませんでした。

しばらくして、2016年にバーニー・サンダーズが民主党候補予備選に出た頃、バーニーの熱烈な支持者らが、約20の不正を繰り返したヒラリー・クリントンに騙されて、大統領候補指名を奪ったのです。国民はそんな民主党にさらにうんざりしました。16年の大統領選で負けた後、反省せずむしろ「責任はロシアにあった」と主張するために工作して、責任転嫁しました。民主党もメディアも、合法に当選したトランプを嫌って認めませんでした。さらに民主党は、司法あるいは警察を武装化し、議会もトランプ弾劾をしました。せっかく国民の半分が投票した大統領が、ちゃんと政権運営ができないという不満があったのです。

2020年の大統領選は、明らかに不正があったのですが、それを認めようとせず、1月6日に議会で事件があったときも「トランプのせいだ」と言いました。大統領選中、民主党のヒラリーが、deplorable(情けない・とんでもないという意味)という言葉を使って、国民の半分を「とんでもない人たちだ」と馬鹿にしていました。いかに民主党がエリート意識になっているか分かると思います。本来であれば、民主党が労働階級派を代表するものだったのに、90年代のクリントン政権からエリートを代表するように変わっていきました。そして共和党が少しずつ企業から一般国民を代表するようになった背景があります。

今回はそもそも能力のないハリス副大統領が大統領候補になるはずがありませんでした。バイデンが仕方なく彼女を大統領候補にした理由は政治的な妥協です。いわゆるアイデンティティ・ポリティクスです。

(深田)

つまり、女性であるカマラ・ハリスが大統領候補と、ポリコレの観点から都合が良かったということですね。「女性であり黒人というこの二つが掛け合わさり、リベラルの支持層が拡大するだろう」という考え方があったのでしょう。誰がカマラ・ハリスを選んだのでしょうか。

(エルドリッヂ)

7年前から裏にいるのはクリントン達です。ヒラリー・クリントンは2017年、そして2019年に、政治献金しているドナーたちの前で、カマラ・ハリスを後継者として紹介しています。アメリカでは政治家に力があるのではなく、政治献金している人たちに力があるので、政治家はパペットになっています。

(深田)

だから、「傀儡に献金するドナーが政治を決めるのだ」というエリート意識ですね。

(エルドリッヂ)

元々ドナーである企業が民主党と共和党の両方に献金しています。言いなりの民主党と元々思想的な共和党をうまく使い分けるようにしていたのです。しかし最近変わってきており、企業が民主党に政治献金をしています。例えばGoogleは94%ぐらい民主党に政治献金をしています。GAFAMやSNSの大手会社が民主党関係者と結婚する形で癒着しています。

しかし、アイデンティティ・ポリティクス、DEIなどリベラル派の一般国民は、今回民主党にNOと言ったのです。

(深田)

DEIは何の略称ですか。

(エルドリッヂ)

Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字です。要するに、アイデンティティ・ポリティクスを最優先にして能力は二の次にしたのです。人種、ジェンダー、LGBTQなど性的志向といった仕事と関係ないことを最優先しています。

(深田)

「能力ベースではなく、ジェンダーや属性といったポリコレによって掛け合わせたものを前に建てればリベラル的に人気が出るだろう」という考えだったということですね。そもそも民主党は労働組合という働く人たちや弱者たちを守る組織に寄り添っていたはずなのに、エリート意識がどんどん高くなっていき、お金を献金する人たちのパペットになってしまい、弱者を全く見なくなったのですね。

今回、大統領選挙のラリーが始まった夏一番の驚きは、今回の選挙戦で労働組合が共和党についたことだと思うのですが、やはり象徴的なことだったのでしょうか。

(エルドリッヂ)

おっしゃる通りです。有言実行ならば労働組合などの有権者は、そのまま民主党についたのでしょうが、長年公約だけ掲げて何もやってこなかったのです。医療改革にしても、4年前バイデン大統領が掲げた学生ローン免除にしてもです。ご存知のように、アメリカの大学費は高いので、多額のローンを借りており、苦しい生活をしています。しかし、全額免除だった政策が、その後5万米ドル、さらにその後1万米ドルと減っていった挙句、やっていないと思います。

バイデン政権の間、様々な政策を口では言ったのですが何も実行せず、その代わりに能力がない人たちを優先していたので、国民がますますで生活に苦しんでいきました。「物価が高い」「給料が上がらない」「家が買えない」「家庭を築けない」という状況が長年続き、完全に騙されたと多くの国民が気づいています。

(深田)

日本のイメージの中のアメリカは、シリコンバレーのIT長者が華々しい生活を送り、サンフランシスコやカリフォルニアで仕事をすると世帯年収は12万ドルが当たり前という国です。だから「日本は低年収の人がたくさんいて可哀想だ」と言う人もいます。

一方で、最近のサンフランシスコの惨状を見ると、ドラッグユーザーがホームレスになっていたり、犯罪率もかなり高まったりしているのに、カマラ・ハリスは950ドル以下の犯罪が重罪から軽罪とする政策「プロポジション47」を打ちました。この政策はリベラルの中でも意見が割れていると指摘されていますが、この辺りはどうでしょうか。

(エルドリッヂ)

矛盾ある問題が山ほど存在しており、これはその一つだと言えます。

(深田)

アメリカ市民にとって、今回の選挙は単純にカマラ・ハリス嫌いではなく、民主党に対するNOであったということなのですね。

(エルドリッヂ)

どちらかと言えば、自由が奪われつつある「アメリカに対するNO!」「政府に対するNO!」でした。今回の選挙では、トランプ大統領を支持しない人、好きでない人、トランプに投票しない人がいたとしても、多くの国民が「アメリカは異常状態である」と気づいたのです。

私は、今回の選挙は「アメリカ民主主義の復活」だと思っています。つまり、トランプ勝利が「アメリカ民主主義は完全に消えたのではないのだ」という希望になっています。

(深田)

なるほど。ここ4年は、外側からアメリカを見ていても、暗黒社会なった部分がかなりあると感じたのです。年間何百万人もの移民が押し寄せ、ホームレスが爆増し、ニューヨークでもサンフランシスコでもホームレスだらけになり、ドラッグユーザーが増加し、集団強盗などの犯罪も頻繁に起こるようになりました。一部の移民によって犯罪が引き起こされているのに、警察は動かないどころか、政策に反対する人たちに対して警察やIRSが無理やり捜査に来るのです。司法の武装化が市民を弾圧し、閉塞感を生み、「これほど私たちの生活が脅かされているのに、なぜ政府は動いてくれないのか。それどころかなぜ私たちを弾圧するのか」と不満となりました。民主主義の終わりが近づいてきていることに対するアンチテーゼとして、今回トランプに投票したということですね。

(エルドリッヂ)

そうですね。また、海外政策にも多くの国民が疑問を持っています。民主党政権になると、戦争が増えて戦争ビジネスになるので、お金がどんどんウクライナや中東に流れていきます。しかし、多くの国民はそのお金をアメリカ国内の問題解決のために使ってほしいと考えています。

(深田)

なるほど。今回の選挙で「アメリカの民主主義が終わるかもしれない」「私たちアメリカ市民のお金が外国人にばかり流れ、アメリカ市民のために使われていない」と気づき、今の政治に「NO!」を突きつけたこと、プラス、トランプさんの大人気がシンボリックに支えたことが、トランプ勝利に繋がったのですね。

今回、『18歳からの脱奴隷論』の作者であるエルドリッヂさんに、2024年の大統領選挙になぜ民主党が大敗してトランプが再選したのかご解説いただきました。エルドリッヂさん、どうもありがとうございました。

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