#39― 深田萌絵×八幡和郎 『蓮舫二重国籍疑惑を告発した男が語る「蓮舫VS小池百合子」の闘い』

(深田)

政治と経済の話を分かりやすく政経プラットフォーム。ITビジネスアナリストの深田萌絵がお送りします。今回は歴史家兼政治評論家の八幡和郎先生にお越しいただきました。先生よろしくお願いします。

今日は「どうなる都知事選挙、学歴詐称対国籍詐称、疑惑の戦い」ということですけれども、名著『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』を執筆された八幡先生としては、この選挙の行方をどう考えられますか。

(八幡)

私は小池さんが圧勝すると思います。それは、小池さんにとって、蓮舫さんほど都合の良い候補はいなかったからです。小池さんの学歴問題は全くの嘘というよりは、少々盛った感じの話だと思われますし、海外留学の学歴を日本語に翻訳するのはなかなか難しいことがあるのです。

日本では、早稲田大学のように「中退の方が値打ちがある」と言われることもありますが、多くの大学は、卒業しないとあまり意味がなく、ほとんどの方が卒業できますので、卒業と中退しかありません。外国の場合は細々といろいろあり、決められた単位を揃えると、博士号、修士号等がもらえる大学もありますので、きちんと卒業をしていない人が「卒業」という言葉を使っている実態があるのです。

(深田)

そういうことですか。でもカイロ大学とアメリカンカイロ大学は違いますね。

(八幡)

カイロ大学にも在籍していたのでしょう。しかも、あのような国ですから、その辺が割にいい加減なところもあって、話を盛ってしまい、引っ込みがつかなくなってしまったのではないでしょうか。留学はしていたのでしょうが、やはり格好が悪い話です。相手がちゃんとした人ならば、かなりへこむところですが、国籍詐称の人が対立候補では、そもそも論争にならないでしょう。

(深田)

そうですね。学歴詐称と国籍詐称が並ぶと学歴詐称の悪さが霞みますよね。

(八幡)

それはそうですよ。

(深田)

引き立て役になってしまいます。

(八幡)

そもそも政治家としての資格の問題です。

中には「何が悪い」と言う人もいるけれども、日本の法律では禁止されており、海外では二重国籍の人は選挙権どころか被選挙権が無いなど、色々あります。アメリカでも外国生まれの人は、国・州での参政権は認められていません。国籍はそれほど甘い話ではないのです。少なくとも、嘘をついたら一生だめです。学生の時に嘘をつくのは昔のことと済ませるのかもしれませんが、参議院選挙に出て、選挙公報に「台湾から帰化しました」と書いて、それが嘘であると明るみに出れば、二度と政治の世界に足を踏み入れるべきではありません。

(深田)

では、その疑惑の蓮舫さん、今は謝蓮舫さんですか、村田蓮舫さんですか。

(八幡)

今は齊藤蓮舫さんです。

(深田)

齊藤蓮舫さんですね。履歴書によると、齊藤蓮舫さんは1967年生まれですね。

(八幡)

東京生まれです。当時の法律では、お父さんの籍に入ることになっていました。これは日本だけでなく、世界でもそういう国が多かったのです。中華民国籍、いわゆる台湾籍の謝蓮舫さんになりました。お母さんは日本人の齊藤桂子さんという方です。1985年、高校3年生の17歳のときに、法律が変わって、22歳まではお母さんの国とお父さんの国の両方の国籍を持てるようになりました。それで申請をして日本国籍と「齊藤蓮舫さん」という名前を獲得したわけです。その後、青山学院大学に行ってグラビアモデルなどをされていた頃までは良かったのですが、大学を卒業した1990年の23歳の誕生日までに、国籍をどちらか選択しなければならなくなったのです。

(深田)

本来はその時点で、国籍の選択宣言をしなければならなかったということですね。

(八幡)

しかし、85年から90年までは合法的二重国籍でした。選択しなかった90年以降は、国籍離脱の義務を果たしていないだけなので「非合法だ」とは言えなくとも「合法だ」と言い張るのも間違いです。

(深田)

不適法ですか。

(八幡)

「適法か適法でない」「合法か非合法か」という概念ではなく、法律に合致していない状態です。ずっとこの状態が続き、2004年に参議院議員になったときの選挙公報で、「台湾から帰化した」という全く間違ったことを書いたのです。これは法律論的にも間違っています。

(深田)

嘘になりますものね。

(八幡)

国籍取得であって帰化ではないのですからね。その後、蓮舫さんは、小池さんが当選した8年前の都知事選挙に出るという噂があった時に、私は「やっぱり彼女ではまずいのではないか」と言いました。日本では帰化した人が政治家になることは法律的に禁止していないし、問題はありません。私はフランスに滞在していたので、フランス政府でアルジェリア系の官僚や政治家をたくさん知っていますが、彼らは普通のフランス人以上に「私はアルジェリアではなく、フランスの国益を守ります」「フランスが大好きです」と言うのですよ。

ところが、蓮舫さんを見ると、日本の肩を持たない姿勢で中国や台湾との外交問題に臨んでいるように見えますし、日本愛が全然感じられないのです。例えば、和服を着たことがないのではないでしょうか。これに限らず、「日本が好きだ」ともほとんどおっしゃらないのに、「中国人としての誇り」といったことを、もっぱらおっしゃっているのです。「やはり、これではまずいのではないか」「考え直された方がいいのではないですか」と言った結果、蓮舫さんの代わりに鳥越さんが出ました。

その後、民主党が衣替えをして民進党になったとき、初代代表の最有力候補として、彼女がクローズアップされました。そうすると今度は、いくら「野党が滅多に勝たないだろう」とは言えども野党第一党ですから、都知事どころか、総理に名乗りをあげることも可能性として出てきたのです。

(深田)

そうですよね。そのチケットを手にするのですよね。

(八幡)

「民進党代表がこんなことではおかしいでしょう」と言ってガンガンに叩き始めたのです。そして、色々なことを叩いているうちに、たくさん調べて様々な人から情報が入ってくると、「彼女はもしかして二重国籍ではないか」と言う人も現れます。

それで私は「蓮舫さんは国籍問題があり帰化したと言うが、帰化とは、在日韓国人が韓国籍を放棄して日本人になることである。蓮舫さんの場合は違うのではないだろうか。蓮舫さんの国籍は何年何月にどのような状態になって、今に至っているのか、きちんと説明された方が良いのではないか」と言い始めたのです。

(深田)

それが2016年8月ですか。

(八幡)

8月の1か月間、アゴラという言論プラットフォームで、ガンガン叩いたのですが、新聞はなかなか書いてくれません。そこで夕刊フジが「議論がかなり煮詰まってきたので、書きますか」と書かせてくれることになりました。全国紙ですから、一応、本人の事務所に取材をして、裏取りをしないと書けないので、夕刊フジの編集部が「国籍情報について、はっきりしてください」という申し入れをしたのです。すると、事務所が大慌てになったのです。編集部が何をそれほど大慌てしているのか尋ねても、事務所は「ご本人と色々相談しないと」など言ってごねるのですが、編集部としては「相談しなくても記録があるだろう」と当然思っていたのです。

(深田)

そうですよね。記録を見たら分かりますよね。

(八幡)

それで「これは二重国籍だ」と思ったのです。

(深田)

なるほど、その慌てぶりから分かったのですね。

(八幡)

ただ証拠はまだ無かったので、まず「二重国籍の疑いすらある」という表現にしました。これが8月29日です。そうしたら、当然のことながら「わーっ」となりました。

(深田)

二重国籍の疑惑問題で盛り上がりましたよね。

(八幡)

蓮舫さんの方で、周りの人に「ちゃんと国籍を離脱している。いやお父さんがやってくれたはず」と余計なことをたくさん言って、慌てて無駄な動きを色々してくれました。どちらにせよ、国籍離脱をするとなっても、未成年の人が国籍離脱を一人でできるのでしょうか。そもそも国籍離脱すると官報に出るはずですよ。

私が「官報に載っていないので、国籍離脱をしていないのではないか」と言ったら、蓮舫さんは9月6日に「もしかすると、していないかも」と言い出すのです。また、「日本とは違い、台湾の場合、官報は全部ネットで公開されています」と言うと、色々な人が手分けをして、国籍離脱関係の官報を全部調べてくれました。

(深田)

私もやりましたよ。蓮舫さんがちゃんと国籍を抜いたのか、台湾のネットで検索をしましたが、見つからなかったです。

(八幡)

念のために、色んな人が全部見たり検索したりしましたが、謝蓮舫さんのものはないと確認され、一晩でバレてしまったのです。どんどん言う度に、墓穴を掘っていきました。「公示が漏れていた」などグダグダはあるけれども、普通に考えると二重国籍だと分かりますから、ほぼ確定しました。

蓮舫さんは、その場の思いつきで色々言って、かつそれを自分で覚えていないところがあり、今ひとつ政治家として向いていません。野党の議員ならいいけれども、行政は無理でしょう。

(深田)

その場しのぎのことを言ってしまうから、自分で言ったことを覚えていないですね。

(八幡)

彼女の言っていることは相互に矛盾するから、「ブーメランの女王」と呼ばれているでしょう。

(深田)

これは文化の違いだと思うのですが、中華圏の人は議論・ディベートが好きで、その瞬間だけ勝つために、その場その時だけのことを言うそうです。

(八幡)

そういう傾向もありますし、そもそも個人の問題です。別のところでも言ったのですが、パレスチナの重信メイさんという方と、昔テレビで一緒に出ていたとき、「子どもの時から5つほど履歴書を持っていた」と面白い話を聞かせてくれました。

(八幡)

お母さんの重信房子から「今は『あなたは誰だ』ということを間違えれば死ぬのよ、私も同じ」と言われたそうです。「今は日本人の何とかさん、今は何々人の何とかさん」と全部完璧に覚えないといけなかったのです。

もう一つはプーチンさんのことです。安倍さんが言っていましたが、プーチンさんは絶対に矛盾したことを言わないので「あの時あんた、あんなこと言っていたのではないか」ということが絶対に起きなかったのです。このような一貫性が、厳しい国際社会で生き抜くために絶対必要なのです。言っていることがコロコロと変わる人が、東京都知事や総理大臣になったら困ります。

結局この話はどうなったかと言うと、9月13日に「すみません、離脱していませんでした」と言った。なぜかというと、民進党の党首選挙で一般党員サポーター投票を締め切ったからです。「いや実はまだでした」と言ったのは12日に締め切った後でした。それまで票を稼いでいたものだから、そのまま民進党の代表になったわけです。その後もグダグダやっていたけれども9月23日に「台湾籍を離脱しました」と言いました。

皆さん最初は、「蓮舫さんは国籍選択はしたけれど、台湾籍の離脱を忘れていた」と思っていた。ところが、いつになっても本当にしたのか言わないので、もう何も信用できないとして、9月29日にアゴラで「もしかして、あなたは国籍選択をやっていないのではないか。戸籍謄本、台湾のパスポート、それから離脱証明書の3点セットを公開すべきだ」と言ったのです。そこからしばらく経過して、どうしようもなくなったのか、2016年10月7日に目黒区役所で国籍選択宣言を行い、10月15日に至って、「ここに書いているような経緯でございました」とやっと白状したのです。

(深田)

それまではずっと二重国籍だったということですよね。

(八幡)

蓮舫さんに言わせると、二重国籍で9月23日に台湾国籍は離脱したそうです。

(深田)

けれども日本国籍は選択していなかったのですね。

(八幡)

選択はしていませんでした。

(深田)

では、その1か月間は何人だったのでしょうか。

(八幡)

法的にはいささか怪しい日本人ですね。

(深田)

いささか怪しい日本国籍だったということですか。

(八幡)

仮運転免許みたいなものです。

(深田)

仮日本国籍ですか。(笑)

(八幡)

結局、10月7日に国籍選択をしました。この時に「晴れて問題のない身になりました」と言いましたが、果たして、変なお金をもらったとして、返したから許されるものなのでしょうか。翌年の7月18日に戸籍とアゴラがずっと要求していたものを全部公開して、「一応、本当らしい」とはなりましたが、「まだあるのでは」と散々言われている謎があります。

(深田)

まだ謎がありますよね。戸籍謄本も枚数がかなりありますよね。

(八幡)

国籍は戸籍謄本の18、19ページ目に載っているのですが、夫婦と子供2人の戸籍謄本が20ページにもなるのは例がないのです。

(深田)

そうです。精々2枚、結婚しても1枚ですよ。

(八幡)

分かりませんが、考えられることは、国籍をその他にも色々弄くっていたのではないでしょうか。それから、2、3年前に蓮舫さんの長男の村田琳さんの養子縁組が発覚しましたように、養子縁組関係でややこしいことがあるのではないでしょうか。

(深田)

糸山英太郎さんの養子になっていたところ、戻ってきていませんでした?

(八幡)

戻ってきましたが、なぜ出たり入ったりしたのでしょうか。「お金に絡んだ話があるのではないか」など想像ができます。養子を出したり入れたり、他にどこかで誰かが帰化したりすると、戸籍のページ数が増えます。何があるか、分からないのですが、これほど普通でないことをやっているのなら、最低限説明はした方がいいのではないですか。

それから、国籍離脱する際に、有効なパスポートを全部出さないといけないのに、なぜ子供の時のものだけなのでしょうか。特に台湾は、台湾国籍がある限り台湾への出入りは日本国籍のパスポートでやってはいけないのです。少なくとも台湾の国では違法です。それから、国籍離脱証明書も顔が横を向いた写真で何か変です。変なことだらけの状態はまだまだ続いています。「自分は知らなかった」と言っているのに、タレント時代に「私は二重国籍」と言っていたのは何なのかと聞いたら、「いや、あれはリップサービス」と言うのです

(深田)

何のリップサービスなのかよく分からないです。

(八幡)

そうです。要するに、なんやかんやでよく分からないのです。中には「日本が二重国籍を認めないのがいけない」と言う人もいますが、これは間違っています。アメリカは「二重国籍を認めているけれども、好ましくない」と言っているように、世界的には両方の動きがありますが、二重国籍を認める動きは拡大していません。

(深田)

二重国籍のデタラメは講演会でも発表してくださるのですね。

(八幡)

はい、しかも深田萌絵さんがビデオレターで参加してくれます。

(深田)

講演会は6月18日の火曜日19時から、文教区シビックセンターにて「二重国籍問題で蓮舫がついた嘘を暴く」という今の時流に叶ったテーマで、八幡和郎先生がかなり詳細に皆さんにご解説してくださいますので、是非ともお越しください。文教区シビックセンター地下1階アカデミー文教学習室です。なんとすごいことに、1220円の本まで付いてきて、込みでたったの2000円の講演会です。私もビデオレターで参加させていただきますので、皆さん、是非ともお越しください。

(八幡)

それからお知らせがもう一つあります。知恵の森文庫から、源氏物語をテーマとした『地名と地形から謎解き 紫式部と武将たちの「京都」』を出しておりますので、是非読んでいただきたいと思います。

(深田)

今回は、歴史家そして政治評論家の八幡和郎先生から、「蓮舫さんの二重国籍は小池百合子さんの学歴詐称が霞むほどの事件だ」ということをお送りいたしました。先生ありがとうございました。

深田講演会のお知らせです。

6月23日、日曜日14時からは赤坂講演です。経済アナリストの森永康平先生の「積極財政で日本経済は成長できる」という名目でご講演いただきます。後半は森永先生と深田のパネルディスカッションになっています。参加費3000円です。

いずれも説明欄のリンクPeatixからお申し込みください。

政経プラットフォームでは毎回様々なゲストをお招きし、大手メディアではなかなか得られない情報を皆様にお届けします。日本を変えるために行動できる視聴者を生み出すというコンセプトで作られたこの番組では皆様のご意見をお待ちしております。また番組支援は説明欄のリンクからお願い申し上げます。

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