#659【理解不能】4万円の立替で弁護士が激怒?!成年後見人の異常な支配と、家族が直面する絶望的な裁判 仲島幹朗氏(2026.4.16)
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、司法書士の仲島幹朗先生にお越しいただきました。仲島先生、よろしくお願いします。
(仲島)
よろしくお願いします。
(深田)
最近、この番組は、成年後見制度の被害者によくご出演いただいています。この制度で、本人の意思に反して区長や市長などの首長に申立てられて、後見人が選任され、親族が引き離されてしまったケースがあります。その後、後見人を解任しようとしても、自分は親族であるのに解任できないと言われるのです。この成年後見人を解任することは、やはり非常に難しいのでしょうか?
(仲島)
今の制度では、ほとんど不可能です。横領をするとか暴力を振るうといった顕著な事実がない限り、解任はできません。私もこれまでに何度も相談を受けてきましたが、そのような場合には、解任請求を行うと強く迫って、辞任していただいたことはありました。
ただし、そのケースでは本人(被後見人)の財産額がそれほど多くなかったため、後見人も「そこまで言われるのであれば」と辞めようと判断したのだと思います。
(深田)
そうですか。高齢者の財産が少なければ、うま味がないので手放すけれども、例えば1億円ほど持っていて、毎年100万円、200万円と報酬が見込めるような高齢者であれば、手放したくないために戦うということですね。
(仲島)
そうです。戦うでしょう。手放したくないでしょうからね。私が受けた相談は娘さんからだったと思います。後見人が何もしてくれず、面会にも来ないと訴えておられました。施設に行くと、本人の下着が汚れていることがあり、施設に申し入れてほしいとご家族が後見人にいろいろ伝えたそうですが、十分に対処してもらえなかったのです。
しかも、その司法書士は本人に年に一回も会いに来ないという極めて不誠実な対応をしていました。そのため、解任請求を行うという伝え、最終的には辞任しました。やはり資産が少なかったこともあり、家族から強く言われ、さらに変な司法書士(仲島氏)も出てきたので、辞めたのだと思いますが、通常は辞めません。
また、ご家族が家庭裁判所の書記官などに電話で事情を説明し、対応を求めたとしても、普通は取り合ってもらえません。「担当の先生にすべてお任せしています」と言われるだけで、終わってしまい、非常に難しいのです。少なくとも、今の制度では、後見人に辞めてもらうことは無理ですね。
(深田)
そうなんですね。それで、今、成年後見人に対して解任請求を行う場合、ご本人の意思で申立てを行える状態ではないことが多いと思いますので、ご家族が請求を申し立てる形になるのですか?
(仲島)
そうだったと思います。解任請求権者は、あらかじめ決められています。
(深田)
解任請求ができる権利を持つのは、二親等以内の親族でしたよね?
(仲島)
そうですね。確か、そのような仕組みだったと思います。したがって、誰でもできるわけではありません。私の事案では娘さんでしたから、当然、請求することができました。そのような形で進めることになります。ただ、解任請求については、私の著書にも書きましたけれども、他の事例で任意後見監督人の解任請求を出したことがあるのです。
(深田)
任意後見監督人ですか?
(仲島)
そうです。以前、家族会の方がお話しされていましたが、通常の法定後見についても「この制度を使わない方がよい」とおっしゃっていました。その理由は、問題のある弁護士や司法書士が後見人になるからだということでした。
「では任意後見を使いましょう」という話にもなっていたのですが、任意後見になった場合でも、任意後見を発動させるためには、任意後見監督人の選任を申し立てなければならないのですね。そうすると、また問題のある司法書士や弁護士が任意後見監督人として来るのです。本当に、どこまでも付きまとってくるのです。
(深田)
怖いですね。金の亡者ですね。
(仲島)
怖いです。飯の種になると思えば、また来るのです。
今回、制度の変更案を少し見たところでは、任意後見監督人候補者に、任意後見人が所属している団体を推薦できるという恐ろしい内容が書かれていました。そうなると、問題のある司法書士が所属する社団法人が任意後見人を引き受けていた場合、監督人も同じ団体の人間が選ばれるという懸念が生じます。
うろ覚えなのではっきりとは言えませんが、よく見ていくと自分たちの都合がいいようにばかり制度を作っているのだなと感じて、恐ろしくなりました。
話を戻しますと、その任意後見監督人に弁護士がついたことがあったのです。私が任意後見人を務めていた方で、ご本人は80歳近い高齢の男性でした。その方の妹さんも同じ有料老人ホームに入っておられました。
ある時、お兄さんが新たにデイサービスを利用することになり、その費用を早急に支払わなければならなくなったのです。施設には預かり金として一定のお金を渡していたのですが、妹さんが、私(後見人)に相談するまでもなく、預かり金の中から「お兄ちゃんのために出して」と言って、少し出されたのです。額にして4万円台でした。
私が金銭管理をしていましたから、私に一言あってもよかったのかもしれませんが、施設も妹さんも、4万円程度なのでわざわざ言うほどでもないと考え、とりあえず出しておいて、後で処理したのです。事実としては、それだけのことでした。ところが、これを知った東京大学法学部を出た任意後見監督人が、後見人を通さず勝手にお金を出したと問題視したのです。
それは妹さんが、お兄さんのために、善意で行ったのですよ。そもそも、お兄さんと妹さんはご両親が早くに亡くなり、当時、妹さんはまだ高校生で、お兄さんが妹さんを育てたのです。いわば親代わりだったのです。非常に恩のあるお兄さんのために、デイサービス料金4万何千円を一時的に立て替えただけの話でした。
しかし、それが気に入らないと言って、その任意後見監督人が訳の分からないことを言い始めたのです。
(深田)
4万数千円について、妹さんにご自身で払わせたくないということなのですね。
(仲島)
妹さんが立て替えて支払ったのです。
(深田)
立て替えて支払ってしまうと、しかしその分は、お兄さんの財産、つまりその弁護士が管理している財産から出せるはずだ、ということですね。
(仲島)
弁護士というより、実際に管理していたのは私で、本来であれば、施設から「デイサービス料金を支払ってください」という通知を受けて、私が支払うべきところを、妹さんが勝手に立て替えて払ったのがけしからん、という話になったのです。まったく理屈が分からないので、こうした大切な福祉的なお金は、軽々に他人から贈与を受けてはいけないと変なことを言い始めたのです。
(深田)
それは怖いですね。
(仲島)
頭が変でしょう。
(深田)
しかも、他人ではなく妹さんですからね。
(仲島)
そうです。しかも、親代わりとなってくれたお兄さんのためにお金を出したのです。結局、それはおかしいではないかということで揉めました。しかし、先方はまったくこちらの言い分を聞き入れませんでした。そして最終的には「そもそも被後見人のサービス利用料を別の方に最終的に負担させることには、慎重にご判断いただくことが必要と考えます」と言ってきたのです。
妹さんは4万円を立て替えましたが、お兄ちゃんのためのことだから、もう返してもらわなくてよい、とおっしゃっていたのです。4万円程度だから構わないということです。
そのように処理しようとしたところ「先方は、もちろん負担する方が親族であり、被後見人本人に資産が乏しいなどの事情があり、かつ負担者が正常な判断能力のもとで喜んで贈与するのであれば問題はないかもしれない。ただし本件では、被後見人本人も十分な資産を有しており、年齢に照らしても妹に支援していただく必要性は乏しいように思う」と言ってきたのです。実際には、お兄さんは何千万円もの資産を持っておられました。
さらにおかしいのは、その次の記述です。「なお、被後見人ご本人に贈与の可否を判断する能力はないかと思います」と書いてあったのです。しかし、お兄さんは常に判断能力がないわけではなく、普通に会話もできるのです。しかも、その任意後見監督人は、お兄さんに一度も会っていなかったのです。
(深田)
会ったことがない方だったのですね。
(仲島)
会ったことがないにもかかわらず「なお、被後見人ご本人に贈与の可否を判断する能力がないかと思います」と決めつけているのです。さらに次に出てきたのが「今後、被後見人から妹に贈与するようなことは厳に慎んでいただきますようお願いいたします」と言ってきたのですよ。
4万円の件についても、妹さんがデイサービス費用を立て替えただけで問題視し、とにかく今後は、少額の贈り物であってもしてはいけないのですよ。例えば、クリスマスプレゼントだと言って渡すことさえ認めないということです。贈与そのものを厳に慎むよう求めてきたのです。
(深田)
本当に細かなことにまで、いちいち弁護士が口を出して、偉そうな顔をするということですね。
(仲島)
そうです。偉そうな顔をしているのですよ。
(深田)
その後、この人は解任できたのですか?
(仲島)
できませんでした。
(深田)
解任請求はされたのですか。
(仲島)
しました。この妹さんから解任請求を出しました。そもそも、この弁護士がなぜへそを曲げたのかというと、お兄さんをデイサービスに通わせる際に、私(監督人)に相談しなかったと怒ったのです。
しかし、監督人に逐一相談する必要はありません。後見人が判断すればよいことです。私が後見監督人に相談せずにデイサービスの利用を決めたことで、東大法学部のプライドが傷ついたのでしょうね。女王様ですから「何でもかんでも自分にお伺いを立てなさい」ということだったのでしょう。そこからこうした難癖をつけるようになったのです。
まさに世間で言うところの難癖でした。些細な贈与であっても、とにかく認めないという姿勢でしたので、これはあまりにもおかしいということで、私から審判官に伝えたのですが、審判官の対応も曖昧でした。そのため、妹さんが非常に憤慨されて「あんな人は首にする」ということで、解任請求を出されたのです。
(深田)
妹さんは、もうあのような後見監督人は許せないということで、解任請求をされたわけですね。
(仲島)
そうです。しかし、結局のところ、第一審では敗訴しました。これは二審制なのですが、第一審では当然のように負けたのです。私の本の中にも、その審判官による訳の分からない論理がたくさん載っています。
そして第二審は高等裁判所で行われ、二審制ですからそこで終わりになります。高等裁判所は錚々たる審判官で、経歴を見ると有名事件を数多く担当してきたような裁判官です。結局は最初から結論ありきで、弁護士を傷つけないようにするためにはどのような変な理屈にすればよいかという方向で判断されるのです。
(深田)
やはり、そのようなことが行われるのですね。成年後見制度については、今改正議論が進んでいます。その中では「これまで解約できなかった成年後見人を解約できるようにする方向で動いているので、皆さん安心してください。もっと成年後見制度を使ってください」という説明もなされているようです。
しかし、先日お越しいただいた社団法人後見の杜の宮内先生によれば、実は成年後見制度は、現行法上も解約できることになっているとのことでした。それにもかかわらず、事実上解約できない状態を生み出しているのは家庭裁判所なのだ、とおっしゃっていたのです。
(仲島)
確かに、そうだと思います。とにかく解任できない方向で運用しています。
実際、私のように解任請求を出したとしても、最初から結論ありきで、弁護士側を勝たせるような判断しか出ませんので、極めて難しいのです。私の場合は、一応、私がアドバイスをして、妹さんから申し立ててもらうという形を取れましたし、私がついていたからできました。
しかし、一般の家族が解任請求を行うとなると、弁護士でも立てない限り難しいと思います。しかも、弁護士も同業者を訴えるような案件は嫌がるので、非常に困難です。したがって、解任は非常に難しく、今ではほぼ不可能にしょう。
(深田)
現行法でも、成年後見人を解任できる制度的な建て付けにはなっている。しかし実態としては、行政と家庭裁判所と士業の仕事を生み出す金蔓(かねづる)の制度になっている。家庭裁判所は弁護士や士業、つまり後見人の味方をするので、解任は極めて難しいということですね。
(仲島)
ブラックボックスのようなものです。法律家と裁判所、そして行政が、市民には見えないところで、何か物事を進めてしまっている印象があります。本来であれば、そうしたところとは独立した、後見監督庁のような第三者機関が必要なのです。
しかし、家庭裁判所は第三者としての役割を果たしていません。しかも、今回の改正案を作る過程にも、弁護士や司法書士の団体が加わっていますよね。結局、利害関係人ばかりが入っているのです。
(深田)
利用者は会議の場に呼ばれておらず、士業の人たちだけで議論が進められているわけですね。
(仲島)
そのため、自分たちの既得権益を守る方向に進むのは当然ではないでしょうか。
そして、書かれている内容は、きれいごとばかりです。弁護士、司法書士、それから家庭裁判所、これらがプレイヤーであり続ける限り、この制度は結局、使わない方がよいと思います。本当にそう思います。
(深田)
今は、地方自治体の首長が申し立てるだけで後見人をつけられるようになっています。さらに次の改正案では、病院や銀行、貸金業者が、相手に問題があると判断すれば、後見人選任の申立てができるようになるという改悪に向かっているはずなんですよ。
(仲島)
それは恐ろしいことです。実際に、強い利害関係を持つ人が申立てを行い、それを公平中立に審理してくれればまだよいのですが、現状でも診断書を重視し、鑑定をほとんど行わないまま審判を出しています。
今後も、家庭裁判所には十分な予算も人員もないでしょうから、状況は大きく変わらないのではないでしょうか。非常に怖いことです。本当に恐ろしいことです。都合のよい形で審判が出され、その結果、貸金業者が債権を回収していくようなことになれば、まさに悪夢です。
(深田)
本当に怖いですよ。
(仲島)
悪夢ですよ。さらに悪用が進むおそれもあります。
(深田)
本当にそう思います。今でも首長申立てによって引き離され、薬漬けにされている高齢者の方もいらっしゃいますからね。
(仲島)
私自身は、実際にそこまで確認したわけではありません。ただ、先ほどから申し上げている通り、やろうと思えばそうしたことが可能になってしまう制度ですから、怖いです。
(深田)
そうですね。やはり、そもそも利用者に対する救済法がないことが最大の問題であり、今後の改正案でも、その点が改善されるどころか、むしろ改悪の方向に進んでいるように思われます。非常に恐ろしい問題がると感じました。
今回は、司法書士の仲島幹朗先生に「後見制度は一度つけたらやめられないので、皆さんもつけないよう気をつけてください」というお話を伺いました。先生、ありがとうございました。
(仲島)
ありがとうございました。





