#645【現役ガチの人登場!】中東激変でジェット燃料が・・・ベテラントレーダーが予測する「終わらない戦争」の行方は? マイケル氏(仮)(20264.2)
(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は、現役電力会社のエネルギートレーダーであるマイケルさんにご登壇いただきました。
マイケルさん、よろしくお願いします。
(マイケル)
よろしくお願いいたします。
(深田)
私の中では、エネルギー問題が起こったら、まずマイケルさんに話を聞く、という認識になっています。これまでも、そして今も、顔出しはできないのですけれども、さまざまなことを教えていただいてきました。本当にマイケルさんのエネルギーに関する見立ては的確だと思っており、それをぜひ視聴者の皆さんにもお届けしたいということで、今回は少し変装してご登壇いただいています。
そこで、今回のイラン戦争について、30年間エネルギー市場を見てきたプロフェッショナルとして、いかがですか。イラン戦争は終わりますか、終わりませんか?
(マイケル)
一言で言うと、終わらないですね。
(深田)
終わらないのですね。
(マイケル)
煽るつもりはないのですが、やはり日本のメディアは非常に的を外した報道が多く、欧米や中東の現地から見た、かなりリアルな視点がほとんど伝わっていません。率直に言って、多くのトレーダーや実際のマーケット関係者は、今回の事態を第二次世界大戦以降で最大の危機だと受け止めていると思います。
(深田)
そのような状況なのですか?
(マイケル)
それほど深刻だと見ています。
(深田)
第二次世界大戦以来の危機ということは、マーケットの人たちは、ほとんど第三次世界大戦前夜に近いような状況として捉えているということですね。
(マイケル)
その通りです。
(深田)
それでは、そのあたりの背景も含めて、詳しくお話しいただければと思います。よろしくお願いします。
(マイケル)
はい、よろしくお願いいたします。
(深田)
エネルギートレーダーという職業は、おそらく視聴者の皆さんにはあまり馴染みがないと思います。そこでマイケルさん、エネルギーのトレーディングとは、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか?
(マイケル)
はい。いわゆる、石油会社が中東から原油や石油製品を買い付ける、これもトレーダーの仕事の一つです。しかし実際には、その過程で、中東から日本へ、あるいはアメリカを含む世界各地から日本へ届くまでの間に、売買を繰り返すのです。その中で、うまく取引を行いながら収益を上げていくことが、トレーダーの役目です。
(深田)
もともとはリスクヘッジとして始まったものだけれども、今は収益を上げることが目的になっているということですね。
(マイケル)
そうですね。やはり、リアルな生の情報に基づいて判断するのであって、事後の話ではないのです。今起こっていること、そして先に起こることを見通して、ポジションを買ったり売ったりするので、それに伴う情報のアンテナは、おそらく普通の人よりもかなり広く張っているのだと思います。そういう立場です。
(深田)
しかし確かに、その見立てが間違っていたら大損してしまうわけですよね。
だから、30年間生き残っているということは、そういうことですよね。
見立てがそれなりに正しいからこそ、生き残ってこられたということですよね。
(マイケル)
そうですね。合っているかどうかは分かりませんが、生き残ってきたということは、大きな失敗はしていないということだと思っています。
(深田)
そうした電力会社で、エネルギーのトレーディングを30年やってきたマイケルさんに、イラン戦争がなぜ終わらないのか、その背景からお話しいただければと思います。
(マイケル)
了解いたしました。まず、イラン戦争が終わるのかどうか、というところからご説明したいと思います。

1.そもそも何で始まった?
まず「そもそもこの戦争は何なのか」ということです。日本では「トランプが仕掛けた戦争だ」「暴走したトランプが始めた戦争だ」と言われています。しかし、実態としては、おそらくそれは表の話であって、実際にはイスラエルとイランの戦争なのです。
中東で1000年以上くすぶってきたものが、今ここで表面化したわけです。そして、本来であれば誰も手を出してはいけないところに、アメリカのトランプが、イスラエルの囁きを受けて関与してしまった。私は、それが今回の戦争だと思っています。
(深田)
トランプ大統領がイスラエルに乗せられてしまった。そういう形になっているのですね。
(マイケル)
そういうイメージですね。ここは日本人にとって最も分かりにくいところなのですが、そもそもイスラエルとはどういう国かというと、ユダヤ人が世界中を何百年もさまよった末に作った国なのです。
彼らにとって、自分たちが作ったイスラエルを守ることが、何よりも大事なことなのです。世界は誰も守ってくれないという前提で動いているので、攻撃される前に自分から仕掛けるというのが大前提です。
(深田)
そうなのですね。攻撃されてから守るのではないのですね。
(マイケル)
生き抜くことが第一であり、そのためには自分たちから攻めることが第一だという考え方です。その急先鋒がネタニヤフという首相なのです。
あと、イランは日本からすると、なかなか見えにくい存在ですけれども、中東には実はイランとアラブという2つの大きな民族がいて、1400年間ずっと喧嘩をしているのです。その中で、彼らは1979年にイラン革命を起こし、そこで一気に急先鋒化してしまったのです。
イラン革命の大前提として「イスラエルは敵である」ということが国の存在意義になってしまっているのです。加えて、欧米に対する恨みつらみがあり、アメリカとイスラエルがイランにとっては絶対的な敵として植え付けられているのです。
これが一番の大前提にあったわけで、我々日本人はそこに最も鈍感なのですが、今回起きていることは、それが表面化しただけの話なのです。
では、なぜアメリカなのか、という話になりますが、アメリカのメインはキリスト教です。実はそのうち9000万人が福音派と言われる人たちなのですね。人口の4分の1です。
(深田)
かなり多いのですね。
(マイケル)
この福音派は、本当に多いのですよ。そして、これがまた話をややこしくしています。旧約聖書という、聖書の最も原点的な部分を、徹底的に文字通り信じる人たちなのです。その聖書の中に「イスラエルは神の国である」とはっきり書かれているのです。そのため、信仰の面から、イスラエルという国は、アメリカに住んでいる彼らにとっても非常に大事な国だ、という位置づけになっています。
その9000万人の福音派の中に、4000万人の白人福音派という人たちがいて、この人たちはさらに過激というか、さらに強くそれを信じています。そして、この人たちが、いわばアメリカにおけるイスラエルの代理的な存在なのです。
この人たちが政治やメディアなど、さまざまな分野に入り込み、かなり積極的にイスラエルのロビー活動をアメリカで行っています。実は、この人たちがトランプを支えている最大の勢力なのです。
ということは、トランプにとって次の目的は、今年11月の中間選挙で勝つことです。そのためには、この人たちの支持を得なければならない。したがって、この人たちの言っていることを、とにかく後押ししていく。それがトランプのモチベーションなのです。
(深田)
福音派に気を使って、イスラエルのネタニヤフ首相に乗せられてしまったというのがスタートだったわけですね。
(マイケル)
そうですね。一人キーマンというべきか、かなり危うい人間がいまして、ジャレット・クシュナーという人物です。
(深田)
えっ!?トランプ大統領の娘婿ですね。何が問題なのですか?
(マイケル)
彼はユダヤ系の不動産王なのですけれども、ジャレット・クシュナーの父親が、ネタニエフの最大のスポンサーなのですね。
(深田)
えっ!?そうだったのですか。
(マイケル)
そのため、ネタニエフがアメリカに行く時には、クシュナー家に泊まるような関係なのです。
(深田)
そうだったのですか。
(マイケル)
そうなんです。しかも、今のトランプは、能力よりも身内を信じて、どんどん側近につけているのです。クシュナーが今、最も近い存在として、さまざまなことを支えているわけです。そのため、ネタニヤフからのやり取りが、CIAやFBIなど、さまざまな機関を通した情報ではなく、トランプが信頼するクシュナーを経由して、直接トランプの耳に入る構造になっているのですよね。
(深田)
その構造は、私もよく分かっていませんでした。怖いですね。
(マイケル)
結局、今回イスラエルがアメリカをけしかけた背景を、簡単に言えば、そこにあるのだと思っています。
(深田)
ファミリービジネスになってしまっているのですね。
(マイケル)
そのため、少し振り返って整理すると、もともとイスラエルとイランの間には、長くくすぶり続けてきた対立がありました。そこに対してイスラエルは、イランが核を持って攻めてくるのであれば、それに対してはこちらから先に仕掛けることをしたわけです。
さらに、1月にはイラン国内で反体制派の動きも出てきました。それも好機だと見て、一気に仕掛けようとしたのです。そして、選挙で勝ちたいトランプの背中を押し、短期で終わるから一緒に手伝ってくれと持ちかけた。私は、それが今回の一番の背景だと理解しています。
(深田)
トランプ大統領からすると、ベネズエラのマドゥーロ大統領の拘束や、メキシコの麻薬カルテルのトップを一撃で仕留めるといった成功が立て続けにあり、ワン・ツー・スリー、ホップ・ステップ・ジャンプのような感覚があったのではないかと思いますね。
(マイケル)
そうだと思います。そこが、おそらく判断を楽観的にさせてしまったのかもしれませんね。というのが戦争の始まりです。加えて、短期間で終わるという見通しに対して、今回、イスラエルもそうですが、アメリカもおそらくイランを過小評価しているのです。もっとイランがどのような国なのかを知るべきだと思っています。
2.イランの特殊性
イランは、もともとすごい広大な国で、古くはペルシャ帝国にさかのぼります。農業もあり、資源もあり、世界的に見ても民度の高い、人口9000万人の国なのですね。本来はそれほど好戦的な国ではなく、当然アラブとの確執はありましたが、もともと戦争をする人たちではなかったのです。したがって今回は、約8000万人の善良な国民に対して、1979年に起きたイラン革命によって作られた体制、残り1000万人ほどでしょうか、その人たちが現在の悪いイランを作ってしまった、ということが一つの背景にあります。
この体制というのは、宗教指導者体制という宗教を前面に出した統治と、軍事組織によって成り立っています。イランは2つの軍隊を持っているのです。正規軍とイスラム革命防衛隊(IRGC)です。正規軍は40万人強、そしてIRGC、英語ではそう呼びますが、これがだいたい15万から20万人くらいだと言われています。規模だけ見ればIRGCはそれほど大きくないのですが、実はこの人たちの下に、民兵が数百万人いるのです。
(深田)
数百万人いるのですか!?数十万人ではないのですね。
(マイケル)
数十万人ではありません。昔で言えば秘密警察のような存在でして、まずIRGCの立ち位置が何かと言えば、その存在目的は、イラン革命によって成立したこの体制を維持することなのです。
(深田)
そういうことですね。イランの人たちも、今の体制をかなり嫌っている。ずっと監視されていて嫌なのだという背景には、秘密警察的な組織が非常に強いことがあるのですね。
(マイケル)
その通りです。つまり、8000万人の善良な国民が反体制側に回った時に、それを徹底的に叩くのがIRGCの役目です。
(深田)
そうなのですね。
(マイケル)
イランの人たちは賢い人たちで、自分たちでは実はあまり直接戦争をしないのです。彼らは、代理戦争として、中東におけるさまざまな対立関係の中で仲間を取り込みながら、レバノンやシリアにおけるヒズボラ、イラクのシーア派民兵、イエメンのフーシ派、ガザのハマスなど、いわゆる欧米ではテロリストと呼ばれている人たちと非公式の軍事同盟を結んでいるのです。そして、イランの人たちは非常に手先が器用ですので、武器の開発、ミサイルの誘導装置、ドローンの開発といった技術と資金を彼らに与え、彼らが代理で、イランの代わりに戦っているのです。
(深田)
そうなのですね。イランはかなり多くのドローンを持っていますよね。
(マイケル)
月に1万機から2万機ほど、1機数百万円程度で作れる体制を整えていますので。
(深田)
次から次へとドローンを作れるわけですね。その一方で、ドローンを撃ち落とす迎撃ミサイルは、アメリカがそれほど大量に作れるわけではない。そうすると、物量戦になった場合には、アメリカは意外とそこまで優勢ではない、という指摘もありますよね。
(マイケル)
そうですね。そのため、短期決戦で終わらなくなった時には、圧倒的にイランの方が優位になります。さらに、このイランの中でIRGCは、単なる軍隊ではなく、実は巨大な株式会社でもあるのです。
(深田)
会社なのですか。
(マイケル)
そうなのです。実は、彼らは巨大な建設会社を持っていて、いわゆる国家プロジェクトと呼ばれる石油やガスの開発、港湾整備など、そうした事業をすべて受け持っています。
(深田)
それは怖いですね。
(マイケル)
結局のところ、彼らはGDPのかなりの部分を握る存在なのです。だから、お金を持っているのですよ。
(深田)
GDPのかなりの部分ですか。
(マイケル)
実際、30〜40%をIRGCが握っているのですね。
(深田)
それは相当危ういですね。
(マイケル)
その通りです。そのため、この人たちは強い資金力を持っている。さらに、中国やロシアが後ろにいますので、資金は潤沢にあり、技術力もかなり持っています。やはり、核を作れるだけの技術を持っているというのは、大したものなのです。
(深田)
ということは、日本やアメリカのように、防衛費を上げるために議会を通す、といった手続きは必要ないということですか?
(マイケル)
必要ないですね。
(深田)
必要ないのですね。自分たちで武器も作れてしまうわけですね。
(マイケル)
はい。
(深田)
それはすごいですね。
(マイケル)
今の指導者体制は、宗教的な指導をする人たちと、その体制を維持するIRGC、そして正規軍、つまり外と戦う人たちという構成なのです。さらに、戦争の実行部隊は周辺のテロリストグループにすべて担わせている。したがって、この人たちを相手にするというのは、これまでの戦争とはまったく異なるのです。そこが決定的に違うのです。
(深田)
軍隊が会社を持っていて、自分たちでそのまま武器まで作れてしまう。つまり、自分たちで稼いでいるわけですね。国のプロジェクトを受けて収益を上げているので、議会で「防衛費をください」と言わなくても、自分たちで生産力を増強し、増産し、そのまま戦えてしまう。そういう人たちが国家の中枢にいる、ということですよね。
(マイケル)
そういうことです。
(深田)
これは、これまでの戦争とはかなり違いますね。
(マイケル)
まったく違います。
(深田)
なぜイランがそのような国になってしまったのか、とても不思議なのですけれども、やはりアメリカやイスラエルに圧力をかけられ続けた結果、そうした形に進化してしまった、ということなのでしょうか。
(マイケル)
そういうことだと思います。経済制裁を受けたために外資が撤退し、その穴を結局IRGCがすべて引き受けたのです。その結果、皮肉なことに、彼らに財政力、つまり資金力を与えてしまったのです。
(深田)
ロシアとウクライナの戦争の時も、ロシアに対する経済制裁で、外資のレストランチェーンなどが撤退した結果、現地の人たちがその店舗を乗っ取って、自分たちでレストランを経営して儲かったということがありましたよね。
(マイケル)
それと同じような構造です。そういう相手と、今まさに戦っているわけです。これはなかなか知られていませんが、現実にはかなり危険な状況です。
3.現状は?
さて、現在どうなっているのかということですが、まず最初に、いわゆるハメネイ師という宗教指導者がやられてしまったのですよね。結局、あの人が国としてのスポークスマンでもあり、物事を最終的に決める責任者でもあったのですが、殺されてしまった。その後も、実際に何人かが殺されているようで、政治的判断を宗教指導者ができない状況になってしまったのです。
ではIRGCがどうするのか、と言えば、先ほどお伝えした通り、IRGCの存在意義は体制維持ですから、政治的判断によって停戦に向かうということはない。彼らにとっては、自分たちが生き残ることだけが目的です。
先ほども申し上げた通り、資金はある、仲間もいるという状況ですので、どれだけミサイルを撃ち込まれても、実際にはそれほど大きなダメージは受けていません。長期的には、毎月大量のドローンを次々に製造し、ひたすら数で押してきますので、中長期になればなるほど、基本的には彼らの方が有利になってきます。
今、中東全体で段階的に何が起こっているかというと、最初に起きたのはホルムズ海峡の実質的な閉鎖です。実は、1970年代のオイルショックやイラン・イラク戦争、クウェート侵攻など、さまざまな危機はありましたが、ホルムズ海峡は実質的に一度も閉鎖されたことがないのです。
(深田)
そうなのですね。
(マイケル)
過去に例がないのです。「閉める、閉める詐欺」はありましたが、実際に閉鎖したのは今回が初めてです。
(深田)
それほどイランが強い危機感を持っているということですね。
(マイケル)
そうですね。さらに、これは実際にイスラエルが行った可能性もありますが、イランの大規模なガス田プラントが攻撃されました。本来、石油プラントは攻撃しないという暗黙の了解があったのです。中東にとっても、それは収益の源泉ですし、国を成り立たせてきた最も重要な基盤ですから、そこだけは絶対に手を出してはいけない、という認識があったわけです。
ところが、そこにイスラエルがミサイルを撃ち込んだ。するとイランは翌日、サウジアラビアやUAEにある、我々石油トレーダーにとってもよく知られた大規模施設に対して、相次いでミサイルを撃ち込みました。そして、一部の施設は完全に稼働停止になっている。つまり、やってはいけない一線を越えてしまったことが、事態を一段と危険にした第一の要因です。
次に、中東は砂漠地帯であり、ほとんど何もない地域ですから、そこで決定的に重要なのが電力、そして特に水道インフラです。これは、今後の国家の生命線なのです。
(深田)
やはり、海水を淡水化するプラントなどが狙われていると言われていますよね。
(マイケル)
そういうことです。そのため、現時点ではまだ全面的な段階には至っていないものの、局地的にはすでに攻撃が行われているようです。さらに、今回アメリカが海兵隊を送り込むような事態になった場合、イランが周辺諸国の水道インフラを攻撃すれば、中東は本当に、ただの砂漠に戻ってしまいます。
(深田)
やはり、淡水化プラントを攻撃され、水道インフラを破壊されることが、中東にとって最大のリスクだということですね。
(マイケル)
その通りです。ましてドバイは、すでに世界の金融センターとなり、世界中の富裕層が集まる場所です。そこから安全性が失われ、水道も失われた瞬間に、あの都市は本当に、何の価値もない瓦礫になってしまいます。
4 落としどころは?
(深田)
落としどころは、どのあたりにあるのでしょうか。
(マイケル)
ないのだと思います。
(深田)
誰に聞いても、このイラン戦争は終わらないと言うのですよね。
(マイケル)
本来、あまりこういう言い方はしたくないのですが、戦争を終わらせる理由がないのですよ。イスラエルにとっては自国を守るための戦争であり、イランは存在してはならない国を叩くという論理ですから、続ける理由しかないのです。たとえトランプが中間選挙で敗れたとしても、あるいは送り込んだ海兵隊に多くの犠牲が出て、国内で反対論が高まったとしても、おそらくイスラエルは絶対に継続します。
(深田)
アメリカが撤退する可能性はありますよね。
(マイケル)
それは十分にあります。おそらく、シナリオとしてはそうなると思います。
(深田)
それしかあり得ませんものね。
(マイケル)
そうですね。
(深田)
ということは、アメリカについては、トランプ大統領も最近やや尻込みしているように見えますので、本人としても、イスラエルに乗せられて余計なことを始めてしまった、という思いがあるようにも見えます。ですから、本音では撤退したいのではないか、ということですね。
(マイケル)
おそらく、最短で1週間、長くても3週間で終わらせるというシナリオだったのでしょう。それが完全に崩れてしまい、3000人を送り込み、下手をすれば次は1万人を送り込むとも言っているわけですから、泥沼化は避けられないですよね。
(深田)
はい。泥沼化して、アメリカ国内で反発が起こり、アメリカが手を引くというシナリオは考えられる。しかし、イランとイスラエルにはそのつもりがまったくない、ということですね。
(マイケル)
まったくない、という感じですね。さらに、もう一つ危険なのは、これまで静観していたサウジアラビアとUAEが、さすがに強く反発し始めていることです。
(深田)
イランに対して強く反発し始めているのですね。
(マイケル)
そうです。イランに対してです。そうなると、今度は完全にイラン対アラブ諸国という構図になってきますので、イラン側としては、ここまで来たらアラブ諸国の存在そのものを消すという発想になってくるのです。
(深田)
死なばもろとも、という段階ですか。
(マイケル)
まさにそのようなことを、いよいよ王室が言い始めているのですよね。そのため、アメリカに対して「今の段階で手を引くな」という趣旨の発言まで出てきています。そう考えると、中東に平和が戻るのは当分先だろうという見方をしています。
(深田)
そうですよね。私も今年、本来であれば今頃、エミレーツ航空でドバイ経由、あるいはカタール経由でスペインに旅行している予定だったのですが、とてもではないけれども中東経由では行けない状況です。しかもイランが、欧州の観光名所や人が多く集まる場所にミサイルを撃ち込む、といったことまで言っているので、欧州旅行自体もしばらく難しいのではないかと思っています。やはり当面、海外旅行は難しいということですよね。
(マイケル)
そうだと思います。あとで別のところでも話しますけれども、次は安全保障だけではなく、そもそも移動に必要なジェット燃料そのものが作れなくなる段階に入ると思いますね。
(深田)
もうその段階なのですか。これから先、中東に平穏な日々は戻らない。そして、私の欧州旅行どころか、ジェット燃料すら作れなくなる時代に入りかねない、というお話を、エネルギートレーダーのマイケルさんからお話しいただきました。次は、では世界のエネルギー、日本のエネルギーはどうなるのか、という点についてお話をいただきたいと思います。マイケルさん、ありがとうございました。
(マイケル)
ありがとうございました。





