#633【疑わしきは罰せよ】目を付けられてら最後、恣意的逮捕と自白強要が横行する日本の検察・司法システムを徹底解説 八幡和郎氏(2026.3.21)

(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、法律家として八幡和郎先生にお越しいただきました。八幡先生、今回はなぜ法律家なのですか?法律家は言い過ぎでしょう。

(八幡)
いや、そんなことはないです。東京大学法学部を良い成績で通っていますよ。公務員の法律職と言う枠で、これも上の方で通っています。

(深田)
本当にそうなのですか!?

(八幡)
はい。良い法律家だったのですよ。

(深田)
信じられないけれど、そうなのですね。すみません、失礼しました。先日、先生のフェイスブックの投稿で日本の司法システムの問題についてお話をされていました。私も以前から、この国の司法に関しては疑問を抱いているのです。

私はとてもではないけれど、公平だとは思えないのです。例えば、田久保真紀元伊藤市長は、学歴がおかしいのではないか、卒業証書は怪しいのではないかということで家宅捜査されました。一方、同じように学歴が怪しく、かつ卒業証書も怪しい東京都知事は、全く何のお咎めもないわけです。

ガーシーさんや立花隆さんはどちらもN国党の方で、名誉毀損で証拠隠滅の恐れがあるので逮捕というのも意味が分からないのです。証拠隠滅も何も、彼らはYou Tuberとして堂々と配信しているので、証拠隠滅のしようもなく、逃亡のおそれもない。

ガーシーさんはまだしも、立花さんは次の日から選挙に出ると言っているから逃亡のしようもない。それを、なぜ逮捕してしまうのでしょうか。日本の司法システムはかなり不思議なところがあると思っています。

(八幡)
はい。日本の司法システムは「何が公平か」ということをよく言われていて、あまりにも世界の司法システムと乖離していて、非常識だと思うのです。

(深田)
どういう部分が非常識なのでしょうか?

(八幡)
一言で言うと、人質司法(※1)です。これは、逮捕すると言うことが処罰になっている。つまり、例えば、選挙違反でも何でもそうなのだけれども、逮捕されて、その後、釈放されても、おそらく職を失いますね。事業をしていたら、商売あがったりです。ところが、逮捕されずに有罪になったけれども罰金とか執行猶予とかで済むと、逮捕されていない限りあまり社会的打撃がないのです。
※1)人質司法:被疑者・被告人が否認又は黙秘している限り,長期間勾留し,保釈を容易に認めないことにより,自白を迫るものとなっているなどと批判されている。

(深田)
そうなのですか!?

(八幡)
そうなのですよ。だから、逮捕されるかどうかが一番重要です。しかも、警察で逮捕をされて、検察の場合もありますが、起訴をされる。起訴をされたら、今度は99%(ほぼ確実に)有罪ですよね。

(深田)
そうなのですよ。恐ろしいですよね。

(八幡)
しかも、外国とどこが違うのかというと、よくカルロス・ゴーンさんについて、彼はなぜ逃げたのかというと、嫁さんと会うなと言われるのですね。しかも、話をしてもいけない。連絡を取ってもいけない。それでは刑務所と一緒ではないかとなるのです。

(深田)
あ、そうですよね。まだ有罪になっていないのですよね。だから、逮捕されただけで接見禁止命令がつき、弁護士とも1日15分だけしか話せないのです。

(八幡)
通訳も、自分で通訳を選べない。今、カルロス・ゴーンさんはレバノンにいて、フランスからも逮捕状が出ています。ただし、ゴーンさんがフランスに旅行して、仮にフランスに入国するとどうなるのかというと、24時間以内に出られます。

(深田)
何と!?そうなのですか?

(八幡)
それで、ちょっと外国に出るのが難しいかもしれませんが普通に経済活動できます。ですから、例えば、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行総裁はIMFの専務理事になった時も、欧州中央銀行総裁になった時も、刑事被告人だったのです。刑事被告人なのに、新たに総裁になっているのです。

それからフランスのラシダ・ダティ氏はアラブ系の素晴らしい美人の政治家で、今は文化大臣なのです。この人がカルロス・ゴーンから賄賂を何億円か受け取ったとして、刑事事件になって被告なのですよ。ところが新たに文化大臣になって、この間は、マクロン大統領に付いてイギリスに行って、ウィンザー城の晩餐会で、チャールズ国王の隣の席に座っているのです。

(深田)
被告はまだ有罪確定してない段階なので対等なのですよね。

(八幡)
そんなに難しい事件ではなくて、経済犯とか、政治犯とか、男女間のいろいろなトラブルなどは、刑事事件で訴えられたとしても、民事と同じように対等の立場で裁判所で議論をして、有罪になったら然るべく処置するということいいと、私は思うのです。

(深田)
そうですよね。

(八幡)
だから、ホリエモンも捕まえる必要がなかったし、ゴーンもそうだった。もっと遡ると、最初はリクルートの江副浩正氏(※2)です。非常に多くの人が「あれは捕まえる必要がない。少なくとも当時は、未公開株の譲渡が悪いという論理感はなかった」という考えです。
※2)江副浩正氏:株式会社リクルート創業者。1988年リクルート事件で贈賄容疑で逮捕、贈賄罪で起訴され、有罪判決となった。
それから、ウィニーの開発者(※3)、ホリエモン、村上世彰氏(※4)、ゴーン氏など、皆捕まる必要はない。それから、故田中角栄、河井克行元法相(※5)、それから今おっしゃっていた人もそうです
※3)ウィニー事件:ファイル共有ソフト「Winny」の開発者の金子勇氏が著作権法違反幇助の疑いで逮捕、最終的に無罪が確定。
※4)村上ファンド事件:村上世彰氏が率いるファンドがニッポン放送株式をインサイダー取引で多額の利益を得た。
※5)河井克行氏:参院選の数か月前に妻の票の取りまとめで、地元の政治家などに現金を渡したが、受領者側は大半が刑事処分が見送られた。公選法違反適用は選挙期間中か直前が通例。

(深田)
ガーシーさんとか立花隆さんですね。

(八幡)
共通点は、これまでならば同じことをやっても捕まらない、刑事告訴されないものを、初めて告訴されたということです。

(深田)
そうですよね。刑事告訴はするかもしれないけれども、それでいきなり逮捕というのはどうなのでしょうか。

(八幡)
まず、これまで罪に問えなかったことを罪に問うと検察の中で「巨悪を眠らせなかった」といって功績になるのです。これがおかしい。「これまで捕まえなかった者を捕まえたらなぜ功績になるのか?」と思うけれど、もともとこういう案件は、証拠が十分に揃っていないことが多いわけです。証拠が揃っていないからと言って、カルロス・ゴーンでも他の人でもそうだけれど、逮捕して、長期間拘留するのです。

(深田)
拘留をするのは、おかしいですよね。

(八幡)
だから、証拠十分に揃っていないものを立件しようと思うから、長期間勾留して「自白しろ」と迫るのです。それで、もうヤケになって自白する。こういうことを引き出そうとするわけです。それまで罪にならないものを新たに罪にする必要があることは、もちろんあります。でも、そういう時には、捜査もある程度紳士的にやるべきです。

(深田)
自白主義がおかしいのですよね。

(八幡)
そうです。それがおかしい。

(深田)
そうじゃなくて、証拠主義にすればいいのに、それはやらないわけです。

(八幡)
99%有罪のなかで無罪になってしまうと、検察官は大恥をかく仕組みになっているからですね。

(深田)
いやフィフティ・フィフティ、50%が有罪というのが本当の民主主義的な国家じゃないですか?

(八幡)
50%かどうかはともかく、少なくとも被告が否認するのであれば、7~8割でいいですよ。

(深田)
それよりも、証拠がないのに証拠を捏造する。密室の中で無理やり供述させて、誘導尋問で引っ掛けて、無理やりそれで「自白した」という調書を作る事自体がNGなのです。それは犯罪ですよ。

(八幡)
例えば、カルロス・ゴーンと一緒に捕まったグレッグ・ケリー(元日産代表取締役)被告は、10件くらいある罪状のうち一つだけ有罪になった。だから冤罪ではなくもないのですよ。それは分からないですけれど、裁判所の方も全部無罪にすると検察のメンツが立たないだろうと思って、一つだけ有罪にしたように見えますよね。

(深田)
そもそも、カルロス・ゴーン事件は、取締役会を開いて、その決議を持って会社の資産を移転しているわけですから、有罪になるのであれば取締役決議で賛成票を投じた取締役全員が有罪であるべきなのです。財産を移転しておきながら、賛成していた人たちが徒党を組んで検察に「これは事件だ」と言って持ち込んだ。「いや、犯人お前やろ!」と思います。

(八幡)
河井克行さんの事件は、県会議員に「お前は起訴しないから」と言って自白させた闇の司法取引なのです。ケリーさんの場合は、私は全く無実だと思いますけれども、1件だけ有罪になったので、無罪放免にはならなかったのだけれど、アメリカとの外交関係に配慮して、アメリカにすぐ帰ったわけです。そうしたら、英雄として扱われた。

(深田)
なぜですか?

(八幡)
要するに、巌窟王みたいなものです。日本の不当な司法と戦ったと。それから富士山か何かの帰りに車を運転して、日本人を轢き逃げしたアメリカ人がいる。これは、アクシデントだというのでアメリカも引き渡したのです。それで、日本の刑務所に入っていた。

ところがアメリカでの裁判が確かにおかしいけれども「あの裁判はおかしいよね。言い分を十分に聞いていない」と。結局、アメリカから圧力がかかって、結果的にどうなったのかというと、刑期の途中にアメリカで残りの刑期を務めることになった。向こうへ返したら直ちに釈放で、これも英雄として扱われました。英雄ですよ。しかも関係者は、日米地位協定を廃棄しろと言っているのです。

(深田)
どうしてですか?

(八幡)
日米地位協定はどういうものかというと、本来ならアメリカ軍人の裁判は軍法会議でやるのが原則なのです。

(深田)
どうしてですか?

(八幡)
外交官と一緒です。

(深田)
そうなのですか?

(八幡)
外交官が殺人事件を起こしても、日本の司法に問われないのと一緒なのだけれども、ただ特別に日本側に裁判権を場合によっては渡しましょうというのが地位協定なのです。これも基本的に形式は、世界中そうなのです。ただドイツに比べて、日本は引き渡し条件が厳しいのです。日米地位協定を改定してドイツ並みにしたかったら、ドイツ並みの司法にしないとダメなのですよ。

(深田)
ドイツ並みの司法とは、どんなものなのですか?

(八幡)
さっき話した、推定無罪があくまでも家族にもちゃんと会えるとか、そういう取り調べをやれるようにする。まず、轢き逃げ事件についていうと、確かに轢き逃げしたのは悪い。ただ言い分があった。

若干でも富士山に登って高山病になったとか言うのですけれども、それはともかく、高山病になったせいだということについて日本の裁判所は、細かく審議をしなかった。こうなってくるわけです。私はグローバリストですから、基本的に日本だけ特殊な制度というのは、よほど合理性がない限りやめていった方が、日本のためにはなる。

(深田)
私は、グローバリストじゃないのですけれど、日本の司法システムがあまりにもご都合主義的な部分が多くて、目をつけられたらもう最後になってしまう。非民主主義的なシステムなのです。

では「アメリカはどうなの?」というと、逮捕される瞬間から、取り調べを受ける時も、きちんと動画を撮っているわけなのです。脅してないかとか、逮捕の瞬間は正当だったのかとか、被疑者にも権利があるということを知らされているのか、弁護士を呼ぶのかどうかと聞かれたのかどうか、そういう基礎的なところがちゃんとなっているわけなのです。

そして、ディスカバリーというシステムです。検察側が何らかの被告にとって有利な証拠を検察側が隠していたら、それを出すように要求できる。検察側が自分の都合に応じて自分に有利な証拠を出して、不利な証拠を隠すとかできないように、多少はなっているわけです。工夫はされているわけです。

被疑者が、一般国民の方が司法システム、検察、警察よりも、持っている権力の量が違うので、そこを是正するような民主主義的な措置が、システムに組み込まれて取られているわけです。それが全くないのです。

(八幡)
もちろん日本の司法のために、一応どういう弁解を普通やるのかというと、アメリカの司法の場合には、弁護士を立てて、自分で守らなければ結果が間違っていても、守れなかった者が悪いという面もあるわけです。

例えば、陪審制も日本よりもさらに陪審員の判断が、裁判官のアドバイスを受ける日本の裁判員制度よりもっと優勢になります。例えば、間違って死刑にしたというのも多いわけです。それは、被告人は守る権利があったけれども、守らなかったということで正当化されたりすることはあるのです。

確かに言えることは日本の制度は非常に極端に世界と違いすぎる。もうひとつは、その結果として、新しいことをやる人に厳しい。つまりホリエモンもリクルートも、これまでの日本人や経営者がやっていなかったようなことをすると、当然それで損をする人が出てくる。

例えばゴーンに切られた下請け企業は恨みがあるので「あいつを捕まえろ!」となって、捕まえると巨悪を倒したと功績になる。これでは日本の経済が新しくなれない。国際競争に勝てない。だから、新しいビジネスをやるなら日本でやると危険だとなるのです。だから、ゴーンさんのようなことをやると、世界の優秀な経営者は、絶対日本に来なくなります。

(深田)
そうなのです。日本が変だと思う部分は、金融機関に務めていたので分かるのですけれど、グレーゾーンのものを何年も放置するのです。その割には、いきなり見せしめ逮捕とかするわけなのです。

(八幡)
派手なことをやるとやられる。それが今の検察の中の改革では解決しません。検察官は何も悪いことをしておらず、立派な人がほとんどなのだけれども、日本の裁判制度、検察制度をどうするのか、外から一度、国民的に大議論をしないと、自助努力では改革できる性質の話ではないと思います。

(深田)
私は、スパイ防止法制定の前に司法改革をしないと、今のままだともう冤罪で、どんどんいろいろな人が理由なく拘留されていくという事態になりかねないと思っているのです。

(八幡)
家族問題でも子供の連れ去り問題でも、うっかりしてちょっと目立ったことしたから捕まるわけですよ。

(深田)
日本の発展には、司法システムの改革が不可欠です。

(八幡)
日本経済が成長しない最大級の問題は、新しいことをやる人を敵視する司法システムがある。

(深田)
システムではなくて、司法システムを利用する権力者みたいな人が、自分の恣意的な思いで使っているのも問題にあると思います。

(八幡)
その通りです。

(深田)
今回は、今日は法律家として八幡和郎先生に、日本の司法システムについてお話をいただきました。先生、どうもありがとうございました。

(八幡)
ありがとうございました。

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