#627【法改正の悪夢】今度は銀行や病院が勝手に「後見人」を立てる?成年後見制度の恐ろしい裏側とは?闇と戦う戦士 宮内康二氏(2026.3.13)

(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は一般社団法人後見の杜代表の宮内康二先生にお越しいただきました。宮内先生よろしくお願いします。

(宮内)
こんにちは。

(深田)
ここまで成年後見人制度の問題についていろいろお話を伺ったのですが、政府も成年後見人制度の危険性に気がついて、改正案のディスカッションに入っているということが報道されています。

改正されると成年後見人は「今まで解約できなかったのが問題なので、本人が申し立てれば解約できるようになります」とか「財産処分等の仕事が終われば、自然と後見人もいなくなりますよ」「使い勝手が良くなったからもっと使いましょう」というようなことが言われています。この改正案はどうですか?

(宮内)
嘘です。

(深田)
嘘ですか?

(宮内)
茶番です。

(深田)
茶番ですか。

(宮内)
今までは一番重いのが後見人、中くらいの保佐人、軽いのが補助人とレベルがありました。後見は明治時代の禁治産、保佐は準禁治産、補助は2000年から新設されたのだけども、3つありました。要介護で言えば1、3、5のレベルで「重い後見と保佐は能力が回復すれば自立してください。無能力宣告を解きますよ」というような感じです。

準禁治産は能力が回復したら自分のことは自分でやる。これは「私的自治の原則(※1)」で自分のことは自分でやるわけで、後見状態は異常事態だからね。補助だけは新設しただけあって、頭が治るか、やってもらうことがなくなったか、どちらか2条件だった。
※1)私的自治の原則:個人と個人の間で結ばれる契約については、国家が干渉せずそれぞれの個人の意思を尊重して、個人に判断・決定をにまかせる。

後見、保佐は回復だけという1条件で、補助が2条件でやることがないのにいつまでもへばりついている。報酬を毎月5万、6万、10万円取られているというクレームが出たので、これ以上は税金のようなビジネスは無理だと業界も諦めたわけです。今までの後見と保佐を一番軽い補助に吸収したのです。

(深田)
後見と保佐を全部補助にしたのですか?

(宮内)
補助にしました。だから要介護5、3、1をやめて、全部要介護状態のような感じにする。これで入り口が広がりますよね。

(深田)
そうですね。後見と保佐が補助に落ちたのではなくて、補助の権限が後見まで上がったというそういうことですか?

(宮内)
そうではないです。廃止などと言っているけれど嘘ですから。保佐が蒸発してなくなってだけで、後見は補助の中の奥の方に押し込められているのです。

(深田)
ああ、なるほど。レベル3の補助のような感じですね。

(宮内)
だから全然、新しいものはないです。これまであった法律を消して残したのを足すだけでしょう。だから斬新なことは一切ない。もともと私からすれば途中で終わらせることは、途中というのはなくなる前にということですよ。取り消しの手続きをやっているから、後見も取り消されたり、保佐も取り消されて補助も取り消されている。それは治ったからということだったのだけど、要は2条件の補助に全部押し込めることで「治ったらやめてもいいし、用がなくなったらやめてもいいようにしよう」というだけで新規性はゼロです。

使い勝手が良くなったとか言うが「何を言っているのか」といことですよ。用事がなくなったかなくならないかの基準がないわけです。だから家裁が「まだです」と言えば、その後見の闇の中から出られないわけです。

例えば、ある高齢者がいて、老人ホームに入りました、問題は空いた家と乗っていた車を処分することです。この2つの仕事があるけども、判断能力が不十分でできないのです。それでは「やりましょう」と後見になったらまず車を売る。車についていた自動車保険券も解約して、20万ぐらい戻ってきました。

次は家です。業者に見積もり取って「一番高いところに売ります」と家庭裁判所に言って、売りました。例えば8000万で売って、なら8000万入ってきて、不動産屋に3%の手数料を払うなどいろいろあって、7500万円ぐらいがおじいちゃんの口座に入った。

そこで「不動産売却が終わったので、後見も終わりですよね」と息子さんとかおじいさんが言うと、家庭裁判所は口座を確認すると結構お金があるので「これは誰かに保管してもらわないと危ないので。まだ終わりません」となるのです。

(深田)
そんなことを勝手に裁判所が言うのですか?

(宮内)
今までもそうです。

(深田)
今の時点でもそうなのですね。

(宮内)
ずっとそうなのです。だから終わるなどいう確約はゼロです。

(深田)
今の法律でも取り消しはできるのだけれども、家庭裁判所はそれをやってくれないだけなのですね。

(宮内)
そうです。最初に後見の内容を担当者たちに伝えることです。例えば、やってもらう仕事がABCの3つで、それは遺産分割、不動産売却、老人ホームの入居手続きだとして「この3つが終わったら自動的に終わり」と最初に宣言をするのです。そうでないと「まだです、まだです問題」が出てくるのです。

(深田)
そうですよね。

(宮内)
「それはずるい」と言っても「その時の本人の預貯金も守らないといけませんから」と言う。

(深田)
いや、本人の預貯金は守ってないでしょう。弁護士が使っていますよね。

(宮内)
「お金を取っているじゃないか。守っているのは銀行だ」と言うことですよ。

(深田)
確かにおっしゃる通りです。

(宮内)
100億あろうが100円だろうが同じですよ。

(深田)
そうですよね。本人でなければお金を下ろせない。

(宮内)
だから「終われるから後見制度を使って」というのは嘘なのです。終わらない(終わらせない)のではないかとい問題が俺はかなり増えると思う。それが1つ。これが表向きにプロパガンダされている改正のポイントなのだけど、裏で超危険なことが起きている。

(深田)
超危険とは何ですか?これ以上酷いことがあるのですか?もう十分に酷いのですけれど。

(宮内)
たくさんあります。今までは、入り口は3つしかなかったのですね。後見人を付けるにあたり①本人、俺につけてくれ②家族につけてくれ③(自治体が)住民につけてくれ。この3つしかなかった。

ところがこれからは、銀行とか病院、さらに貸金業者が「この預金者ボケていてなんか面倒臭いのです」とか「この人、金借りて返さないのですけど」と言って、裁判所に後見人の前座となる特別代理人というピンチヒッターをつけてくれと言えるようになるわけです。

(深田)
銀行とか病院はまだ理解できるのですが、その貸金業者さんまでですか?

(宮内)
要するに取引の相手方ということだからどこでも同じなのです。

(深田)
そうですよね。

(宮内)
携帯電話屋さんもそうですよ。

(深田)
携帯電話もそうなのですか?

(宮内)
私からすれば、これは回収後見ですよ。取引先が、例えば病院とか施設で、お金を払ってくれなくて未払いが400万溜まっていることがあるわけですよ。督促しないと時効になるから要求するでしょう。

それを後見の手前の特別代理人という制度で回収できるようになるわけです。特別代理人は1打席の代打のようなものだからそれで終わるはずです。それなのに当面の仕事を終わらせた後に、裁判所に「この人はまだまだ危ないので、俺やってあげますよ」と出せるわけです。

申立権を持つことができるわけです。今までは、本人・家族・自治体だったのに、取引の相手方が家庭裁判所に要請して、特別代理人に就いた人が「俺やりますよ」と手を上げると「ではそのまま残ってくれ」となって入り口が大きく広がるわけです。

(深田)
銀行は危険ですよね。なぜならいくら持っているか分かっているのでしょう。

(宮内)
分かっています。しかも、その後見の手前の特別代理人の報酬を銀行側が予納しますからね。例えば貸金業者さんでもいいのだけれど、500万焦げついているとします。後見の申立権がない、すなわち本人でもないし家族でもないし自体でもないから後見は使えないわけですよ。裁判をして初めて自治体が出てくるというのが面倒臭かった。今度はそれを飛ばせるわけです。これで「彼から取ってきて」と報酬を予納する。

(深田)
先払いするのですね。

(宮内)
さっき言った後見候補者名簿から家庭裁判所が「後見の手前の仕事が発生したけどやるか?」と言われ「ください。ください」と言われて、それをやらせて、終わらせて、また居座る。だから「寄ってたかって後見」なのです。後見についてすごく危機意識を持っている高齢者やその家族は、どこで密告されるかわからないので「もうおちおち買い物もできない」と言っています。

(深田)
そうですよね。銀行はやばいですよね。

(宮内)
だから運用の調整で、法改正があっても、施行まで時間がかかるわけです。

(深田)
この改正案を考えたのは誰なのですか?自民党ですか?

(宮内)
あるおじさんです。これは前からある理屈ではあるのです。その特別代理人でいいのであれば、後見制度は不要ではないですか。

(深田)
確かにそうです。

(宮内)
その都度やればいいでしょう?

(深田)
そうですよね。いらないですね。

(宮内)
(その制度は)どういうことなのかという話までをできる人はいなかったですね。

(深田)
これは自民党が考えているのですか?

(宮内)
いや、まだそこまでいっていない。学者です。学者というか、法務省の法制審議会で民法の後見があるのだけど、メンバーを見てもらえば分かります。ほとんどが後見業者と言われる弁護士・司法書士・社会福祉士及び家庭裁判所の関係者、民法学者です。利用者側は認知症の家族会の方などが入っているが、議論を見ていると、私からするとほとんど核心につくことは言えていない。おそらくわからないのですよね。

(深田)
そうですよね。私も最初報道を見て、わからなかった。江東区にお住まいになっている武田和子さんというおばあさんがいきなり連れ去られました。警察が鍵を壊して入ってきて、それも区長命令だったので意味がわからないなと思ったのですよ。でも調べるとそれは全部合法なのですよね。

(宮内)
そうですよ。私も家に入って、残金を数えたり、いろいろやったけれど、もしかしたら社会福祉協議会の職員がおばあちゃんのお金をくすねて、それが発覚するのを恐れて、身柄拘束、権利剥奪、それで拉致をして後見で蓋をして、あとは弁護士に任せる。

弁護士は「本人が会いたくない」と言っています。「本人が『会いたくない』と言っている事実を証明してくれ」と言ってもやらない。だから警察が鍵を壊して入ってきて怖かったと思うのだけれど、警察からすれば何をされているかわからないから、緊急性があると思う。

(深田)
そうですね。

(宮内)
「本人を急いで保護しなければいけない」というような社会正義でやっているのではないですか?

(深田)
ああ、なるほどね。

(宮内)
笑えたのが「鍵を綺麗にドライバーで外しただけですから、壊れていません」。器物破損とかそう話ではないのですよね。あれはあれで役所絡みでしょ。このような事件もあちこちであるのだけれど、さすがに自治体も後見をやると、自分たちの「権利の濫用」とか「民事不介入の原則に反しているのではないか」とか言われるからやめましょうかとなっているわけです。弁護士たちの仕事を作りたいのはわかるけれど「本来の福祉で頑張りますよ」となっている。全国の自治体の中で後見推しの自治体は半分ぐらいしかない。

(深田)
半分もある。

(宮内)
特に地方に行けば行くほど、住民のためにならないのです。お金の流れだけ考えてください。誰のところにお金が行くのですか?

(深田)
弁護士です。

(宮内)
そうです。後見人だけが儲かる。お金が減るのがご本人、増えるのは後見人。あとは変わらないでしょう。だからやめましょうという雰囲気はある。今、自治体が使い控えをしてくれそうだからいいのだけど、そしたら今度はマーケット使ってきた。銀行、病院、施設、携帯電話、貸金業者…。

(深田)
闇金業者も混ざっていそうですよね。

(宮内)
どこだっていいのです。「この人は認知症で困っているので、これでよろしく」と言ったら、家庭裁判所が「わかった」とあてがう。

(深田)
えっ、医師の診断書はいらないのですか?

(宮内)
それをどうやるのかよく見えていない。まだ法改正の内容は見えないけれど、今までの傾向から、言い出しっぺが提案すれば、決まりそうな雰囲気ですから。

(深田)
えっ!?嘘をつかれたら一発で終わりじゃないですか?

(宮内)
後見制度というのは、本人をダメ出しするからご本人に面接することになっているのだけれど、特別代理人は本人の能力否定をしないし、サポーティブなわけです。後見とは建付けが違うわけです。

(深田)
なるほど。

(宮内)
だからそ、それを報道したメディアはないでしょう。

(深田)
ないですね。

(宮内)
入り口がすごく広がるのですよ。誰に通報されるのか分かりませんよ。居座られるのですよ。

(深田)
この法案を今作っているのは、法務省なのですか?

(宮内)
法務省です。

(深田)
法務省がオリジナルを自分たちで出しているのですか?

(宮内)
これを今作っているところです。

(深田)
でも政治家が推してないとやらないですよね。

(宮内)
後見は、利用者が少ないから政治家さんはこれまであんまり関心なかったですね。利用者が少ないですから。

(深田)
士業の人が推している。なるほど。弁護士は濡れ手に粟ですものね。禁治産宣告するだけでその人の財産を乗っ取れるわけですから。

(宮内)
「後見人は弁護士がいい」という訳のわからない固定観念をやめてほしい。私が思っているのは、後見人というのは介入効果次第なのです。後見人がついて本人のスマイルとか可動域だとか、金を使えば使うほど効果があるのであれば、合格なのです。後見人がついたことで、認知症や知的障害で、ちょっと静かで、消極的だった気持ちが動き出して、クラス会に行くとか洋服を買うなどで積極的にお金も使えるわけです。

(深田)
そうですよね。

(宮内)
そうやって今まで福祉や医療でできなかったところができるようになる。特に社会生活、人間生活の充実ですよ。在宅生活とか身体介護とかではなくて、社会性があればあるほど、加算ボーナスだと思うのです。これは本人の財産とは関係ありません。今は使わせないようにするわけです。使ったら減りますからね。

(深田)
生活費とか手術費は、使って当然のお金なのに、弁護士が使わせないというのはおかしいですよね。

(宮内)
自分がもらう分が減るからね。そこは利益相反ですよ。

(深田)
ああ、なるほど。

(宮内)
だから預貯金に入れるために株も処分売却するのです。配当で毎月100万あるのだと言っても、株をぶっ壊して(売却させて)預貯金に入れる。株ぶっ壊しボーナス&ベースアップ。保険解約、不動産売却でボーナス&ベースアップ。だから何十年かけて作ってきた資産がかなり壊されます。壊してボーナス&ベースアップという報酬体系があるからね。

(深田)
ああ、なるほど。そうやって乗っ取られていくのですか。その報酬体系が諸悪の根源ですね。

(宮内)
そうです。

(深田)
無償にしないといけないですね。

(宮内)
無償でなくてもいいのですよ、結構面倒くさいから。後見をやらなければいいだけのことですが、後見される側もする側も、いいことをやったからこの報酬になり、大したことがなかったらこの程度になるという相場感がないと後見制度を使わないと思う。

家族が使わなくなったから自治体が使って、自治体も使うのを控えてきたら、世の中が使うでしょう。それは銀行も貸金業者も相手方は使いたいですよ。

(深田)
そうですよね。今回、江東区では首長申し立てで勝手に後見人をつけて、しかも警察を使ってそのままおばあさんがいなくなった。動画も60万回ぐらい回っているので、これは結構大々的に認知されましたね。

あれでやはり私もその動画を見て「えっ!?」と思いましたし、多くの人がはっと気づいたところなのかなと思います。

(宮内)
江東区は、確か福祉計画か何かに首長申し立てと、本人申し立ての支援の件数が数量化されていた。

(深田)
年間110件ですね。

(宮内)
だからおかしいのですよ。なぜ数値目標を出せるのでしょうか。

(深田)
そうですよね。今の区長は大久保さんだったかな?

(宮内)
あの人は東京都の福祉局の人でしょう?

(深田)
そう、福祉局の人なのですよ。

(宮内)
だから後見推進派ですよ。

(深田)
だから恐ろしいことが…。

(宮内)
東京都福祉局の話をすれば、10年ぐらい前かな「後見には気をつけましょう」と貼って、注意喚起をしていたのです。ところが促進法ができた頃かその後に、パタッとそれがなくなったわけです。いやいや後見の問題が解決されないのに、せっかく気をつけましょうと言っていたのに「何で取ったの?」と聞いたのですが「あの、その…」ですよね。

「あのその」ではないですよ。だから怖いと思いますよ。「視聴者の方々が、自分の祖父母、ご両親、自分のためにとりあえず何をしたらいいのか」というのは次回にしますか?

(深田)
そうですね。65歳にならないように気をつけないといけないですよね。

(宮内)
そんなピーターパンじゃないのだから。

(深田)
65歳になった瞬間から高齢者福祉法ですか?

(宮内)
そうなのですが、知的障害、精神障害、老人福祉法、高齢者虐待防止法、この辺りが入り組んでいるのだけど、どこにも入らないのもあるのです。

(深田)
どこにも入らないのですか?

(宮内)
どこにも入らない人は、検察官がやるのですよ。検察です。検察官申し立てというのがあるのです。

(深田)
検察官申し立てとは何ですか?

(宮内)
銀行、病院その他取引先が家裁に裁判所に通報してくれるから“後見業者”は「そこにやられたか~」というのが多分増える。「後見の入り口はあいつにやられた」というのと「後見を使うと出口が終わらなくなる」という「やられた」と「終わらない」の2つですね。

今までやられたっていうのはほぼ自治体で、あとは仲の悪い親族だけだった。もうわからないです。。

(深田)
ここからもう闇の世界。これは改正を止めないといけない。

(宮内)
だから4月頃から衆参の法務委員会で出てくると思うわけですよ。だからそれを止める秘作はもうあるのだけどね。

(深田)
はい。これは徹底的に取り上げていかないといけないと思います。今回は、後見制度改正の問題点について、一般社団法人後見の杜代表の宮内康二先生からご解説いただきました。次回は後見人から自分の身を守る方法についてご解説いただきたいと思います。先生、どうもありがとうございました。

(宮内)
ありがとうございました。

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