#618【トヨタが日本撤退?】製造業が消える!トランプ・高市政権で加速する「製造業空洞化」の恐怖 大井幸子氏(2026.3.4)

(深田)
みなさん、こんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は、株式会社SAIL代表の大井幸子さんにお越しいただきました。大井さん、よろしくお願いします。

(大井)
よろしくお願いします。

(深田)
大井先生には先日、今後のドル円の見通しについてお話しいただきましたが、今回は第2次高市政権が成立して、今後「トランプ高市」で、どうなるのですかね?

(大井)
どうなるのでしょうかね。トランプさんも高市さんも3月19日に日米首脳会談をやるということで、選挙中にトランプさんが全面的に高市支持を表明していまして、株価も今すごいですよね。日経平均株価が6万円に近づいてぐんぐん上がっています。ドル円も行ったり来たりしながら思ったより円高にはならずに160円と比較的適温の感じです。

この前、高市さんが日銀の植田総裁を読んで、指導ではないけれども「金利上げるのではないない」と発言しました。あれはトランプさんとの約束ではないでしょうけれど、日銀が金利を上げると円高の方に行ってはいけないということでしょう。

トランプさんは中間選挙がありますので、景気を悪化させたり株価を下げたりしたくないですからね。そのため、このあたりは日米双方がうまく調整しながら進めているように見えます。日本としても、急激な円高や株価の暴落は避けたいところですから、お互いにある程度ちょうどよい水準で折り合いをつけている状況といえるでしょう。

現在、株価は大きく上昇していますが、その背景には円高と言うよりも、トランプさんがAI革命でこれを強力に推進し「黄金時代を作るぞ」やっていますから、AI関連産業が注目を集めています。特に私たちが「イネイブラーズ(※1)」と呼んでいる分野が活発化しています。これに伴い、半導体関連企業や、インフラ整備に必要な工具・ツールを提供する企業なども恩恵を受けています。
※1)イネイブラーズ:インフラ、データプラットフォーム、導入コンサルティングなど

日本企業の中にも優れた技術を持つ企業が多く、そうした企業の株価が市場を牽引する形で上昇している状況です。現在は、いわば日米双方にとって比較的良好な、ウィン・ウィンの状況にあると言えるでしょう。

(深田)
そうなのですね。確かにそのような状況ですね。

(大井)
そのような意味で、現状は「トランプ高市」の体制が比較的うまくマネジメントされている状態だと感じます。以前懸念されていたような、急激な円高によって株価が大きく下落するという事態は、今すぐには起きないか感じがします。

(深田)
今すぐはないという感じですか。あとは、円安や円高に大きく振れるということも今のところなさなそうですか?

(大井)
今のところ今すぐではないのですけれど、株が上がりすぎて心配だと言っている人たちもいるし、様子見でしょうかね。それで、3月19日の日米首脳会談で私が気にしているのはやはりあのプラザ合意2.0というものですよね。

(深田)
えっ、プラザ合意2.0とは何ですか?

(大井)
今、そのような話が出てきています。1月23日に日銀の政策決定会合で利上げ見送りなって、円安方向に大きく動きそうになりました。そこで翌24日にレートチェックが行われました。このレートチェックというのは、日銀や財務省が単独で円を買い支えるというよりも、日米で協調して対応する可能性を探る動きです。つまり、お互いの為替レートの状況を確認し「どの程度の水準で介入するか」を事前に確かめ合うプロセスです。

そのようなレートチェックが行われたということは、次の段階として日米の協調会議があり得るという流れが見えてきます。もし何か大きな変動が起きた場合には、かつてのプラザ合意のように、日米が調整しながら市場介入を行う可能性も考えられます。もう完全になんかアメリカ様の言う通りのよういな状況です。

(深田)
今のところ全てアメリカ様の言う通りですよね。

(大井)
うまくいっていればいいのですけれども。

(深田)
アメリカ様の言う通りということは日本にとって不利ということですよね。

(大井)
ウィン・ウィンが続くかどうかですよね。

(深田)
アメリカは、今のトランプ大統領の考えは強いドルがいいのか、弱いドルのがいいのかとなるとどちらなんですか?

(大井)
現在、為替全体でドルインデックス(※2)で見ると、ドルはやや安いです。基準を100とすると、今は97〜98で低くなっています。円とドルで見ると、円は160円近くまで安くなり、ある程度の調整が入ると考えられます。
※2)ドルインデックス:円やユーロなど複数の主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを指数化したもの

ただ、1985年のプラザ合意の時代とは異なります。当時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」で、日本の輸出が拡大し、自動車や家電、半導体など多くの製品がアメリカ市場に流れ、アメリカが危機を感じました。

今は時代が違います。アメリカの輸入相手国として、日本の占める割合は以前ほど大きくありません。むしろEU、中国、メキシコ、カナダなどからの輸入の方が大きな割合を占めています。そのため、ドル円だけを対象とした為替調整は、アメリカにとってはかつてのプラザ合意ほど大きな意味を持たないかもしれません。しかし、日本にとっては依然としてインパクトがあります。

これまで円安が続いたことで、輸出企業にはメリットがありました。しかし今後、輸入産業が拡大するのか、あるいは輸出企業が工場ごとアメリカへ移転してしまうのかという問題があります。

トランプさんは、製造業の拠点をアメリカに戻す方針を明確にしています。企業にはアメリカに来て生産拠点を設け、そこから世界に輸出するよう求めています。つまり、アメリカが世界の製造拠点を取り戻すという構想です。

もしトヨタやホンダなどの企業がアメリカで生産し、その製品を日本へ輸出するような状況になれば、日本にとっては円高の方が輸入には有利になります。現在は円安によって輸入物価が上昇していますが、状況が逆転する可能性もあります。

しかし、そのような流れが進めば、日本国内の製造業が根こそぎ持っていかれる恐れがあります。重要な技術や生産拠点が海外へ移転し、日本国内が空白化する可能性もあるでしょう。そうなれば雇用問題も深刻になります。日本はどのように雇用を維持していくのかという大きな課題が生じることになります。

(深田)
そうなのです。トヨタも、日本市場向けの自動車をアメリカで生産すると言い始めています。そうなると、日本の製造ラインで働いている人たちはどうなるのでしょうか。

(大井)
さらに、技術流出もありますね。

(深田)
これまで、国際社会で日本の自動車産業はさまざまな摩擦にさらされてきました。いわば、日本の「自動車いじめ」があったわけですよ。欧州でもアメリカでもいじめられました。その中で日本政府がトヨタなどの企業を守ってきたのかというと、むしろ日本政府が自動車いじめをしていたわけですよ。実は日本車の方が燃費がいいのに不正を疑っていろいろいじめたのです。

その結果、自動車企業は、日本の政治家と交渉するよりも、中国やアメリカの政府と交渉する方が合理的で話が通じやすいと感じるわけですよね。

(大井)
確かにその通りですね。かつて通産省がさまざまな政策を行った結果、日本企業が潰れたことありました。マイクロエレクトロニクス分野や、1970年代から80年代にかけての半導体産業もそうでした。

本当に頑張って技術革新をしている企業からすると「それならばアメリカに拠点を移した方が早い」と考えます。

(深田)
結局、半導体協定も経済産業省が成立させてしまいました。それを終結したのは日立や東芝など、日本の民間企業のOBたちでした。彼らがアメリカに行って「これだけやったのだから、もうやめてください」と交渉して「もう気が済んだでしょう」で終わったわけです。

(大井)
では日本から見るとなんか外圧が来てやっと終えたという感じですかね。

(深田)
いえ、政府ではなくて民間努力で民間、日米半導体協定というのは終結したのですよ。政府は国民の経済活動をいじめ抜いて、売国を行ったのですよ。自助努力してきた企業の人たちが耐えられなくなって、民間企業の現役の人が行くのは問題だからOBで熟練した知識のある人たちがアメリカに行って「もうここまで努力したのだから、もういいでしょう」と説明したのです。

その頃、1996年頃には多くの技術が韓国や台湾へ移転していたため、アメリカ側も「それならばよいだろう」といって、着地したのですよ。

(大井)
そうなのですね。

(深田)
このような経緯を見ると、日本の政治家が存在する意味はありますか?

(大井)
確かに、どこを見て政治をしているのかと感じですね。

(深田)
その通りです。アメリカと中国を見て政治をしているわけですよ。

(大井)
何かもらっているからでしょうね。

(深田)
何かあるのですよね。

(大井)
利益共同体でないと国民の税金で成り立っている政府なのに「どっち見て政治しているんですか」ということになるじゃないですか。

(深田)
そうなんですよ。そのような不気味な状況が長く続いています。そして今度は、一番大事なトヨタがアメリカに行ってしまうのです。

(大井)
そうですね。日本で育ってくる次の新しいリーディングインダストリーというのがなくなりますよね。芽が出てきても潰されて、みんな持っていかれてしまいます。

(深田)
そうなんですよ。トランプと高市さんで今後、日本はずっと搾取される一方ですか?

(大井)
搾取されるか51州目になるかぐらいじゃないですか。

(深田)
51番目の州ですか。

(大井)
もし51番目になればアメリカの中の国ですから、そこまで酷いことはしないという感じはするけれど、日本を守りたい人には、絶対あってはいけないことですよね。

(深田)
ある意味、日本を守りたかったら51番目になるしかない。それぐらいしか選択肢がないのかもしれないですね。

(大井)
1985年以降、プラザ合意以降、まさにおっしゃった流れになるじゃないですか。

(深田)
アメリカも結構乗っ取られているわけじゃないですか。アメリカで麻薬の問題や人身売買の問題とか深刻な事件が起こっていますよね。仮にアメリカになったとしても日本にあのトラブルが起こることになるので、日本が決して安泰とはならないですよね。

(大井)
余計に危なくなります。その意味では、日本が今のようにガラパゴスの島でいた方がいいかもしれないですね。

(深田)
徹底的にガラパゴス化するかということですかね。どうすれば生き延びられるのですかね?

(大井)
そこが今の高市政権にとって一番の課題だと思いますよ。どうやって生き延びるかということで、もう日本の皆さんもかなり分かってきているではないですか。萌絵さんの視聴者もそうですけれど「何か変だ」と皆さん気づいてきて目覚めています。

やはり、これから先大丈夫なのか?自分の子供や孫の世代まで日本が存続するかどうか。このまま平和だったらいいですけれどね。

(深田)
そうなんですよね。高市さんも結構表裏があって、言っていることとやっていることが違っています。朝令暮改でさっと手のひら返す。「竹島の日(2月22日)堂々と閣僚が出席すればいいんだ」とかっこいいことを言って、みんなが「そうだ」と賛同していたら「出さない」と。

(大井)
何らかの圧力があるのでしょうね。実際のところは分かりませんが、首相になる前は「自分がリーダーシップを取る」と言っているけれど、なったらもう取り囲まれて動けないじゃないですか。

(深田)
石破さんと高市さんの何が違ったのかということになると思うのです。それまで、右の首相、左の首相といろいろあるのですけれど、安倍さんは保守寄り、岸田さんはリベラル寄りで菅さんはどっち向いているのかわからない。しかし、路線としてはずっと移民政策、ずっと増税政策、竹島はずっとほったらかしで、やっていることはみんな一貫して同じだった。この構造上の問題にそろそろ我々国民が気がつかないといけないです。

(大井)
本当にそうですね。行動を見ないといけないです。ああだ、こうだと言うけれど、では、その結果はどうなったのかということですね。今おっしゃったように行動の結果を見ると、自民党はみんな一緒だねとなっている。

高市さんは「私を取るか、他の人を取るか」と言って選挙で勝った。したがって正当性を持って政策を実行することが期待されます。しかし今それができないことがだんだん分かってきているから厳しいのですよね。国民から見ると手のひら返しをされて、自民党の体質に気づいてきたにではないですか。

(深田)
やはり「野田さんがいいのか、斎藤さんがいいのか、私がいいのか誰にするの?」と選択をさせたのですが、もしかしたら野田さんでも同じだったんじゃないですか?

(大井)
それはどうでしょうか。野田さんは、もっと混乱していたかもしれないですよ。

(深田)
多分、言っていることは違うのだけれど、やることは同じだったんじゃないですか。増税して、竹島の日には知らん顔をする。いつもの自民党な感じです。

(大井)
それを選んで国民が今まで生き延びてきたから、いいとしてきたのですけれど、本当にそれで大丈夫かどうかということが、今そこに来ているように思います。

(深田)
今後も自民党路線でいくと、国民が確実に生き残れないというところが見えてきているのですよね。トランプの関税投資で80兆円以上のお金がアメリカに流れるという中で、そこに対して「いや自分の国を成長させないといけませんから」という言葉は高市さんの口からは出てこないわけですよ。

(大井)
あれは石破が決めたことだからと言えばそうなのだけれど、お金がアメリカに行ってしまいますから。

(深田)
そうです。それは同じ自民党の高市政権の中で起こっていることですからね。

(大井)
そうなんですよ。

(深田)
AI投資についても、去年の夏頃から、アメリカの金融業界では「もうAI投資はポシャるよ」と言われ始めているわけなんです。なぜなら、AIに対する投資でいろいろなものが値上がりしてブームが起こっているだけで、AI事業ではお金が全然儲かっていない。ずっと赤字なのですよね。

(大井)
今は投資をしていて投資収益がどのぐらい出るかというのがまだみんなよく分かっていない。ただ「すごいぞ、すごいぞ」と投資をして、データセンターもすごい勢いで建てています。そういう意味で、先行投資で設備投資とか資本投資で、GDPも伸びるじゃないですか。

しかし今、株価は盛り上がっているけれども、プライベートクレジットでは、オラクルが社債などでお金を借りまくってデータセンター建てていますが、そういう企業はAI事業で収益が出るのかどうかわからないのです。まだ誰も見ていない世界なので、負債が大きくなり過ぎると「ちょっとこれは大丈夫か?」とみんなが感じてきていますよね。

そういうほころびが見えてきています。プライベートクレジットという領域でソフトウェアのセクターに大量にお金を貸し付けているファンドがあるのですけれど、今そういうところの株価がかなり落ちてきて「ちょっと危ないかな?」という状況です。

(深田)
ほころびが見えているのだけれども、自転車操業みたいな感じで投資のお金が入ってくる限りブームは続けられる。その投資のお金は日本と韓国からのトランプ関税投資だけれど、それが終わったらもう一気に崩れますよ。

(大井)
だから、またトランプさんが韓国や日本に来て「おい、金出さんかい」となるわけですよね。それを見越して、今後もトランプ政権からの圧力が続くのではないかと考えられます。高市さんがうまく「イエーイ」と対応できるのかなというところですね。

(深田)
「イエーイ、カツアゲされます」となるのではないですか。

(大井)
お金抜かれてしまいますからね。お金で解決すれば、命が助かるのであれば、それはそれでよしとする人もいるかもしれないけれど、いつまでもそんなことをされて大丈夫なのか懸念されます。

(深田)
カツアゲされ続けたら私たち飢えて死んでしまいます。

(大井)
お金が尽きる時がありますからね。それが心配ですよね。

(深田)
“The end of money is the end of love.”(金の切れ目が縁の切れ目)ですか?

(大井)
“No money, no honey.”(お金がなければサービスも受けられない)ですね。笑って話している場合ではない問題です。

(深田)
今回は株式会社代表の大井幸子先生に「高市トランプでどうなる今後?」というちょっと恐ろしいお話をいただきました。先生、どうもありがとうございました。

(大井)
ありがとうございました。

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