#574 渋谷のゴミ拾い8年!リアルライフヒーローが語る「過去最悪の惨状」とゴミ箱がない理由 スミレンジャーZ氏(2026.1.19)

(深田)
みなさん、こんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は、リアルライフヒーローであるスミレンジャーZさんにお越しいただきました。スミレンジャーZさん、本日はよろしくお願いいたします。

(スミレンジャーZ)
よろしくお願いします。

(深田)
本当に、すごいお姿ですね。

(スミレンジャーZ)
少し絵面が独特ですよね。今、画面で私も自分自身が見えているのですが、映像を見ながら「これは一体何だろう」と思ってしまいました。

(深田)
なかなかこれまでにないビジュアルで、非常に斬新な形でご出演いただき、本当にありがたく思っています。今回お声がけしたきっかけですが、1月の初めに私がアメリカに滞在していた時に、X(旧Twitter)を見ました。すると、三が日が明けた後の日本の渋谷が、まるで地獄のような様相を呈している様子が目に入ったのです。大量のごみが積み上がる中で、たった一人、黙々とごみを拾っていらっしゃる姿を拝見し「この方は一体何者なのだろう」と強い衝撃を受けました。これはぜひお話を伺わなければならないと思いました。

(スミレンジャーZ)
ダイレクトメッセージをいただきましたね。最初は正直なところ「偽物ではないか」と疑ったのですが、ご本人だと分かり安心しました。

(深田)
実は、スミレンジャーZさんの存在自体は以前から何となく存じ上げていました。ごみ拾いをする戦隊ヒーローがいるとなんとなく認識していました。ただ、今年の1月に渋谷の光景を見て「渋谷はここまでひどい状況になってしまったのか」と本当に驚きました。

(スミレンジャーZ)
ええ、本当に、ここまでひどくなってしまいました。
(深田)
これまでとは比較にならないほどのごみの量だったのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
そうですね。私はヒーロー活動を始めてから8年になりますが、渋谷のごみ拾いでは過去で最も多い量だったと思います。

(深田)
普段は、仲間の方々と一緒に活動されているのでしょうか?一緒に拾われるる方はいらっしゃるのですか?

(スミレンジャーZ)
はい。一緒に活動してくれるヒーロー仲間もいますし、渋谷区議会議員の方も何名か親しくさせていただき、一緒にごみを拾っています。ただ、あの日は私が掃除に行く前から、観光で訪れた方が「渋谷が大変なことになっている」と投稿をいくつもしており、それが目に入ってきました。正月も終わった頃で現地に向かいました。そのため、あの日は一人での活動でしたが、普段は数名の仲間と一緒に行っています。

(深田)
つまり、お正月の間は清掃に入る方も少なく、とんでもない状態になっていたということなのですね。

(スミレンジャーZ)
そうですね。ある程度は予想していましたが「まさかここまでとは」という思いでした。

(深田)
とはいえ、お一人で活動されることもあれば、仲間の方と一緒にごみ拾いをされるのですが、この活動を始められたきっかけには、何かあったのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
私自身、ヒーロー活動は8年前から始めたのですが、ボランティア自体は15年ほど前からやっています。

(深田)
もともとごみ拾いのボランティアをされていたということですか?

(スミレンジャーZ)
ごみ拾いに限らず、さまざまなボランティア活動全般に関わり、保育園を訪問するボランティアから始めました。

(深田)
それは、どのような内容のボランティアだったのですか?戦隊ヒーローものですか?

(スミレンジャーZ)
いいえ、まったく違います。中学生の頃、私自身が少し複雑な子ども時代を過ごしていた時に知り合いから声をかけられ、たまたま保育園の子どもたちの世話を任されたことがありました。その経験を通じて、小さなことでも感謝されるというのは、とても気持ちがよく、生きがいにつながるものだと感じたのです。それがきっかけとなり、以後、ボランティア活動を続けてきました。

さらに、子どもの頃からウルトラマンや仮面ライダー、戦隊シリーズといったヒーロー作品が好きだったこともありました。大学生で、20歳前後の頃に、それらの思いが自分の中で重なり合い、「自分自身も変身して活動すれば、独自性を打ち出せるのではないか」と考えました。実際に始めてみたところ、気がつけば8年間、このような形で活動を続けています。

(深田)
こちらのスーツは、すべてオリジナル作品なのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
完全なオリジナルというよりは、市販のスーツをいくつか購入し、それらを組み合わせたり、色を変えたりしながら作り上げています。

(深田)
襟元あたりに付いている、黄金のプレートのようなものは、どのような意味があるのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
この黄金のアーマーは、私には師匠がいまして、すでに引退されたその師匠がかつて使用していたものです。ここに「方南町」と書かれています。

(深田)
杉並区の方南町ですか(笑)?

(スミレンジャーZ)
はい、その通りです。2年前まで杉並区方南町を主軸として活動していたヒーローがいらっしゃって、その方から受け継ぎました。

(深田)
これは、お金のマークではなく、「南」という字なのですね。

(スミレンジャーZ)
そうです。「方」「南」「町」の三文字です。そのため、引退後に倉庫に保管されていたものを、関係者の方々に相談して、私が引き継がせていただいたという経緯です。

(深田)
由緒ある変身スーツということですね。

(スミレンジャーZ)
そうですね。このスーツには、さまざまな思いや意思が込められています。

(深田)
そうなのですね。この8年間、ごみ拾いを続ける中で、活動の場に渋谷を選ばれた理由は何だったのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
私が行ってきたボランティア活動と、ヒーローへの憧れが結びついた大きなきっかけは、2017年の渋谷ハロウィンでした。最近はかなり落ち着いてきましたが、特に2017年頃は、暴動のような事態が起きるほど混乱しており、ごみの量も非常に深刻な状況でした。私はボランティア活動の一環として、現地にごみを拾いに行きましたが、ハロウィンということもあり、少しハロウィンらしい服装で向かいました。すると、想像をはるかに超える量のごみが散乱しており、その光景に強い衝撃を受けました。私は栃木県出身ですので、なおさらその異様さに驚いたのだと思います。

また、少し派手な格好で行動すると、多くの人に見てもらえるという点にも気づき、そこから発想を広げてヒーローという形に行き着きました。普段の渋谷についても、三が日明けに投稿しましたが、8年前から既にひどい状況でした。そのため、これは一過性ではなく、日常的かつ継続的に取り組まなければならないと考えるようになり、結果として、この姿で活動を続けるようになったのです。

(深田)
活動の頻度としては、月に数回程度でしょうか?

(スミレンジャーZ)
不定期ではありますが、頻度としてはおおよそ3日に1回くらいになります。

(深田)
3日に1回ほどのペースで渋谷に出動されているのですね。

(スミレンジャーZ)
年間を通した平均で見ても、そのくらいの頻度で活動していると思います。

(深田)
最近はインバウンドも増えてきていますし、投稿などを見ていると「インバウンドが原因だ」と指摘する声も少なくありませんね。

(スミレンジャーZ)
ただ、私自身は、ごみ問題とインバウンドを強く結びつけて考えてはいません。

(深田)
そうなのですね。

(スミレンジャーZ)
ごみ問題について投稿すると「インバウンドのせいだ」「外国人が悪い」といった反応を受けることがありますが、私は少し違うと感じています。あくまで私個人の解釈ですが、インバウンドが要因の一つかどうかと問われれば、要因である面は否定できません。しかし、それは外国人観光客の受け入れ数が増え、日本国内に滞在する外国人の総数が増えたという意味での話です。同じ割合でマナーの悪い人も増えますよね。つまり、インバウンドによってマナーの悪い外国人の割合が高くなったわけではありません。実際に現地で見ていると、外国人も日本人も結構ごみを捨てています。

(深田)
日本人も捨てていくのですか?

(スミレンジャーZ)
はい、日本人も普通に捨てています。

(深田)
それは、年齢層による違いはあるのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
やはり、比較的若い世代が多いですね。

(深田)
そうなのですね。若い方がごみをポイ捨てしてしまう傾向がある。

(スミレンジャーZ)
コロナ禍に広がった路上飲みの文化によって、ごみの量はさらに増えています。

(深田)
コロナ禍で飲食店が利用しづらくなったため、若い人たちがコンビニで飲み物や食べ物を買って路上で飲食した後、そのまま捨ててしまうのですね。

(スミレンジャーZ)
自粛が終わった後も、手軽な宴会感覚で路上飲みは続いており、そのような人たちが一つのまとまりとして定着してしまっています。もともと、ごみを捨てる人はそれほど多くありませんが、ごみが落ちていると「ここに捨てても問題ないか」「ごみ箱もないし仕方がない」という感覚で捨ててしまう人が増えているのだと思います。

(深田)
確かに、ごみ箱があり、街がきれいに保たれていると、ごみは捨てにくいです。例えば東京駅前では、ほとんどごみが落ちていないため、ポイ捨てをする人は見かけません。「ここではポイ捨てをしてはいけないのだ」と無意識に感じる空気があり、日本人だけでなく外国の方もごみを捨てないです。

一方で渋谷では、日本人が率先して路上飲みをしてポイ捨てが広がり、街が散らかっている。そのため「ごみはこの辺に捨てればいい」という雰囲気になっていると思います。

(スミレンジャーZ)
そのムードは、確実にあります。日本人か外国人かという違いは、あまり関係ありません。もちろんごみを捨てるべきではないというのが大前提であり、理想ではあります。それに加えて、誰もがごみを捨てにくいと感じる環境づくりや、ごみ捨てをしてはいけないという空気を醸成する街づくりが必要だと考えています。そこに目を向けず「ポイ捨て問題は外国人のせいだ」と決めつけると、問題の本質が全く見えなくなってしまいます。

(深田)
そうですね。そもそも、街中にごみ箱自体があまりありませんよね。これは、オウム真理教による地下鉄サリン事件をきっかけに、街からごみ箱が撤去されてしまいましたよね。

(スミレンジャーZ)
確かに、なくなりましたね。

(深田)
この経緯は知っていますか?

(スミレンジャーZ)
知っています。ただ、私は当時まだ生まれていません。事件は30年前のことですから、私は現在29歳で、ぎりぎりその時代を経験していないですね。

(深田)
私は当時、高校生でした。

(スミレンジャーZ)
そうなのですね。自分にとっては、かなり昔の印象です。

(深田)
私が子どもの頃は、駅のホームや駅の外、自動販売機の横にも、至るところにごみ箱が設置されており、どこでもごみを捨てることができました。しかし、地下鉄サリン事件以降、ごみ箱に危険物が仕込まれるかもしれないという警戒から、ごみ箱が一斉になくなりました。

(スミレンジャーZ)
ごみ箱の問題は渋谷区に限らず、都内全体で本来は必要なごみ箱を復活させることが一つの目標だと考えています。ただ、ごみ箱の話題に触れると、コメント欄では必ずといっていいほど「サリン事件があったからごみ箱がないのだ」という指摘が出てきます。しかし、それは30年前の出来事なのですよね。

(深田)
スミレンジャーZさんが生まれる前ですね。統一教会とは別の悪質なカルト団体が起こした事件の影響でごみ箱が撤去され、私たちは今も影響を受けています。それにしても、ごみ箱問題はなぜ解決しないのでしょうか?

(スミレンジャーZ)
私の解釈では、大きな理由の一つは、ごみ箱が撤去された直接の原因がその事件だったと思います。事件直後は警戒が強まるのは当然で、コロナ禍の時も強い警戒や自粛が求められました。しかし、その後の再設置については、手間や費用を惜しんでいるのではないかと見ています。渋谷区に限らず、ごみ箱が少ない地域には、そうした事情が共通していると感じます。一方で、港区のように比較的多く設置されている地域もあります。

渋谷区に限って言えば、背景にはSDGsブームの影響もあると考えています。社会問題の解決そのものよりも、取り組んでいる姿勢を派手に示すと拍手される時代がありました。渋谷区も同じで、今の区長が流行に乗りたいあタイプで、社会問題として注目される施策を次々と打ち出していた時期がありました。

トイレツーリズムが話題になれば、デザイン性の高いトイレを設置して、一時的に大きな称賛を受けました。しかし、管理の負担が大きく、税金の無駄遣いや根本的な問題解決になっていない点も、最近では指摘されています。

こうした施策を続けていく中で、それによって支持を得る政治家もいれば、事業を通じて税金を受け取る事業者もいます。その結果、途中で方向転換ができなくなっているのだと思います。言い換えれば、ごみ箱の設置を含め問題を解決してしまうと、問題があることで成り立っているビジネスやPRができなくなるということがあると確信しています。

(深田)
一般の国民からすると、年収1,000万円の区議会議員にごみ拾いをさせるよりも、本来、政策として解決できる問題ですよね。

(スミレンジャーZ)
解決は可能です。これははっきりと言えます。私自身、この活動を通じて議員の方々とも数多く話をしてきました。行政全体が消極的でも、個々の議員の中には非常に熱心な方も確実にいらっしゃいます。

また、私自身が20代前半の頃、いわば渋谷におけるSDGsの流れの中で「問題があることで成立する事業」に関わる仕事を、斡旋された経験があります。そこでは、いわばお小遣いをもらって盛り上がっている企業側の立場も間近で見てきました。

その構図を実体験としてよく知っているからこそ「できない」のではなく「やりたくない」のだろうと強く感じています。可能か不可能かで言えば可能ですが、やりたいか、やりたくないかで言えば、明らかにやりたくないという判断が働いているように見えます。

(深田)
ごみ箱の設置は、どうしても避けたいということですね?

(スミレンジャーZ)
ごみ箱の設置もそうですし「問題がありきの事業」に多くのお金が回っているので、解決してしまうとそのビジネスが止まってしまいます。その点については、私はかなり強い確信を持っています。ですから、解決策は確実にあると考えています。

(深田)
最近のニュースでは、区がごみ箱を設置するのではなく、店舗側に設置させようとしていますね。

(スミレンジャーZ)
あれは正直、あり得ない話だと思っています。私自身も強く批判しています。しかも、その根拠とされている調査資料が、私のSNSに投稿した画像を無断で使用した、著作権侵害のケースもありました。そのため私は、店舗内へのごみ箱設置を求める動きは、ポイ捨て問題の責任を行政ではなく、店舗や民間に転嫁するための口実ではないかと見ています。

(深田)
路上飲みの問題も大きいですよね。私たちの世代は、路上飲みの文化がなかったのですが、スミレンジャーZさんの周囲には路上飲みをする人はいますか?

(スミレンジャーZ)
私自身の友人には、路上飲みをする人はいません。そうした行動を取る人とは、あまり関わらないようにしています。ただ、活動の性質上さまざまな人と接点があるため、会ったことがある人の中には、そうした人たちはかなりいます。飲み会の後に「店が開いていないから、コンビニで買ってその辺で飲みましょう」と提案されることもありますが、私はその場合「パスします」と断っています。

(深田)
やはり、若い世代の間では、それが一つの文化として存在しているのですね。

(スミレンジャーZ)
かなり浸透しています。しかも、多くの人があまり罪悪感を持たずに行っています。

(深田)
私たちおばさん世代からすると、道端でお酒を飲むというのは、すごくだらしないというかやってはいけないことをしている感覚です。お花見や縁日でござを敷いて飲むことはありますが、夜の8時や10時にコンビニの前で缶を開けるのは強い違和感があります。

(スミレンジャーZ)
このようなヒーロースーツを着て街を歩いている人間が言うのもおかしいかもしれませんが、個人的には格好が悪いなあと思います。

(深田)
その格好で路上飲みをされることは、さすがにないですよね。

(スミレンジャーZ)
この格好で店の中で飲んだことはあります。マスクを少し顎まで下げて飲むことはあっても、路上で飲むことは、この格好でも、普段の格好でも絶対にありません。

(深田)
そうなのですね。ただ、若い世代の間では、そうした路上飲みが一部で定着してしまっている。

(スミレンジャーZ)
二次会の流れで、それを当たり前のように提案する人が出てくることもあります。

(深田)
二次会がそうなるのですね。私たちの時代では、二次会といえばカラオケで、お互いの下手な歌を聴き合う、別の意味での罰ゲームをしました。

(スミレンジャーZ)
今は状況が違います。一軒目が終わると、二次会に行ける人は誰か人数を確認し、入れる店を探します。それで見つからなければ「ではコンビニで買って飲もうか」という流れになってしまいます。

(深田)
路上飲みからポイ捨てが増え、ハロウィンや路上飲みで問題が拡大しているのですね。

(スミレンジャーZ)
その通りです。渋谷は以前から汚い街だと言われており、私が活動を始めた8年前もものすごく汚かったです。しかし「取り組んでいる姿勢」を見せるための事業に注力し、本質的な問題解決を先送りにした結果、徐々に状況が悪化していきました。そこに路上飲みが重なり、一気に膨れ上がった、という印象です。特に顕著だったのは、コロナ禍の緊急事態宣言が出た時期でした。

(深田)
そうなのですね。渋谷区をはじめとする行政、そして政治が、問題を解決しないことで利益を得る構造に慣れてしまったのですね。

(スミレンジャーZ)
その点が、私の結論であり、強い確信でもあります。

(深田)
インバウンドの問題にしても、受け入れている側である政府は、その実情を分かっているはずだと思ってしまいます。

(スミレンジャーZ)
そう思います。ごみ問題を含め、分かりやすい社会問題があると、すぐに「外国人のせいだ」と言う人がいます。一方で「外国人のせいではない」と強く主張してくる人もいます。そのように感情的な応酬が起きている状況が、問題ありきのビジネスをしている人たちにとっては都合が良いのではないかと思います。議論の論点や軸がずれてしまい、根本的な解決に向かわなくなるからです。

(深田)
本当にその通りですね。ごみ箱を設置すれば、かなりの部分は解決する話なのに、と思ってしまいます。

(スミレンジャーZ)
はい。非常にシンプルですが、それが有効な解決策の一つであることは間違いないと考えています。

(深田)
本日は、リアルライフヒーローであるスミレンジャーZさんにお越しいただきました。スミレンジャーZさん、ありがとうございました。

(スミレンジャーZ)
ありがとうございました。

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