#569 【保守必見】「親日」アピールに注意!台湾人の正体と歴史教育から紐解く日本の安全保障の罠 宇山卓栄氏(2026.1.14)

(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は作家の宇山卓栄先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。

(宇山)
よろしくお願いします。

(深田)
最近は「台湾有事は日本有事」ということが取り沙汰されています。台湾人は日本人と精神性がよく似ており、親日国家だから守らなければならないとい方が多くいらっしゃいます。実際のところはどうなのか、先生に歴史的に紐解いていただきたいと思います。

(宇山)
そうですね。ここには様々なレイヤー、つまり層があります。民族、経済、政治、あるいは国民一般の観点など、いろいろありますので、そこをしっかり見ていきたいところです。特に今回は、台湾の「民族」という点に焦点を当てて見ていきます。

保守の中には「台湾人はいわゆる中国人とは違う」と強調する人がいます。結論から申し上げると、それは間違いです。私たち保守にとって、台湾人と大陸の中国人が別々の民族であってくれれば嬉しいです。私も台湾と一緒にやっていきたいという思いは強くあります。しかし、残念ながら結論としては、台湾人と中国人は遺伝子上、同じ民族だと言えます。

(深田)
そうなんですね。ただ、台湾という島は、南から様々な人が来たり、オランダの人が入ってきたり、その後に中国大陸から人が来たりと、かなり混ざっているのではないかと思っていたのですが、実際はどうなのでしょうか?

(宇山)
その辺がどの程度混ざっているのかを、今から順を追って見ていきます。まず、先ほど私は「中国人」という言い方をしましたが、これは何を指すのですか。漢民族のことですか、あるいは漢民族が、特に北方のモンゴル系などと混血した後の集団を指すのですか。

今は混血が進み、現在の大陸にいる人々は、非常に複雑に混ざり合い、シャッフルされた状態で、私は便宜上まとめて「中国人」と言いました。漢民族はもうおりません

(深田)
漢民族は、殷・周・秦・漢と歴史の流れの中で、もう滅んでいいて、本物の漢民族もういない。漢という国ですら漢民族に憧れていたようですね。

(宇山)
そうです。混血は古代から相当に進んでおり、かろうじて漢の時代までは、漢民族としての主体性を維持できていた面がありました。魏・晋・南北朝、いわゆる三国志の時代以降になるとぐちゃぐちゃにシャッフルされていき、5世紀末から6世紀にかけては、漢民族としては完全に消滅していきました。

(深田)
雲散霧消という状態ですね。

(宇山)
そうです。北方民族などとも混血が進んでいくわけです。このあたりの話は、別途にお話ししましょう。

(深田)
宇山先生のチャンネルで見ていただきましょう。

(宇山)
ここでしますよ。

(深田)
ありがとうございます。ぜひお願いします。

(宇山)
「中華民族とは何か」ということはどう定義し、どの観点から見るかによって捉え方が変わります。とりあえず、大陸にいる混ざり合った人々を便宜的に中国人と括って、台湾人が民族的に違うのか同じなのか。先ほどから言うように、残念ながら同じになっているということです。そうした議論の中で、世の中には「台湾人非中国人説」という考え方があります。

(深田)
「台湾人は中国人にあらず説」ですか?

(宇山)
そうです。南方などから様々な血が混ざっているでしょうという話です。

(深田)
ポリネシア系のような、ということですね。

(宇山)
そうです。よくご存知ですね。もともと台湾には先住民族がありし、それがマレー・ポリネシア系民族です。マレー・ポリネシア系とは、現在の国で言えばマレーシア、インドネシアなどで、厳密には「オーストロネシア語派」と言います。

(深田)
オーストロネシア語派ですか。

(宇山)
はい、オーストロネシア語派です。これに台湾も含まれますし、フィリピンでも特に南方、セブ以南の地域などは、オーストロネシア語派、すなわちマレー・ポリネシア系です。呼び方としてはオーストロネシアでもマレー・ポリネシアでも差し支えなく、要するに東南アジアの島嶼部の民族が、台湾に先住民族として住んでいたわけです。

もともと台湾はジャングルだったのです。中国からは長らく「化外の地」と呼ばれてきました。「化外」とは「化け者の外」と書いて、中国文明の外にある区域と認識され、そこに先住民族が住み、土着の暮らしを営んでいたわけです。

これが後の時代、特に17世紀以降、清王朝の時代に入り、その清の康熙帝の時代、17世紀に台湾が併合され、行政的に初めて中国の枠内へ組み込まれていきます。すると中国大陸から、特に福建省を中心に移民が大量に押し寄せるようになりました。

その時に、大陸から来た中国人が台湾に渡り、先住民族であるマレー・ポリネシア系の人たちと混血をした。そうすれば中国人の血は半分、さらにその子孫が先住民族と結婚すれば4分の1、8分の1、16分の1、32分の1と次第に薄まり、やがて原住民の血の中に消えていったと説明がなされます。これが「台湾人非中国人説」の論拠です。

(深田)
しかし、中国お得意の人海戦術ですよね。どんどん人が入ってくるのだから、結婚しても結婚しても中国の人だったと、逆になるのではないでしょうか。

(宇山)
おっしゃる通りです。人口比がまったく異なります。今の理屈が成り立つのは、先住民族が多数派で、中国から渡ってくる人が少数派の場合で、先住民に同化していく理屈は成り立つのですよ。しかし、萌絵さんのご指摘の通り、中国大陸からやってくる方が人海戦術で圧倒的多数なわけですよ。現実問題、その圧倒的多数が少数派を飲み込むという理屈になっていくのであって、この理屈というのは全くなり立ち得ません。

(深田)
まあそうでしょうね。中国は、こちらの数を常に凌ぐために大量に送り込むことを何百年もやってることですよね

(宇山)
その通りです。各地域に漢民族なり他の民族なりを大量に入れて、同化政策を進める。今、ウイグル、チベット、南モンゴルで行われていることはそれです。混血によって、ある種の絶滅を狙うという目論見があることは、昔からやっているわけです。

今日の台湾の人口構成で、先住民族はどれほどの割合なのかというと、たったの2%です。人数にすれば50万人程度が、先住民族として実際にいます。特に台湾は東側、太平洋側の方は山間の田舎の地域で、そこに先住民族の方々が分布し、今でも暮らしています。

ところが、その人たちもいわゆる中国人化させられており、独自の文明や生活様式を維持しているわけではありません。祭りや催し物の場では踊りや料理を披露し「これが私たち独自の文化です」と示してくれることはありますが、普段の生活は、すでに中国化されているということです。

(深田)
それは、中国の地方へ行った時と同じですよね。お金を稼ぐために少数民族の衣装を着て歌や踊りを披露し、郷土料理なども出してくれますが、中身はもうほぼ中国人です。普段はマンションで惣菜を買って食べるといった、中国式の暮らしになっている。だから見た目だけではわからないですよね。

(宇山)
そうなんですね。ですから、外見は先住民族の雰囲気がほとんど残っていないです。衣装だけは、インドネシアなどに見られるような華やかな装いで、踊り方もインドネシアやフィリピンにそっくりです。しかし、顔立ちはすでに中国化しているように見えることが多い。

もっとも、山奥へ入り、先住民族の部族の人々に実際に会うと、マレー・ポリネシア系の顔つきをしているような方がいる、らしいです。私は写真でしか見たことがないのですが、純血性を保っていると見られる先住民族の方々がいるということです。

いずれにせよ、先住民族は圧倒的な少数派となり、中国系の人々が台湾全域を占め、血統の上でも台湾が中国化していったという点は事実としてあるのだと私は考えています。ところが、台湾の保守派の中にも、この点について反論がありします。

たとえば保守派の代表的論者として、沈建徳さんという元・中工大副教授がいます。先生は著書『台湾常識』『台湾血統』の中で、次のように記述しています。清王朝に征服される1661年時点で台湾の人口は60万人であり、19世紀初頭には190万人に増え、3倍以上になった。一般論としては、この増加分、すなわち約130万人は中国大陸から渡ってきた移民の累積であり、多少の自然増があったとしても大部分は移民によるものだ、と説明されている。しかし沈建徳先生は、そうではなく、これは移民ではなく台湾での自立的な人口増加によるものだ、と主張しているのです。

確かに世界史を見渡せば、200年ほどの間に人口が3倍に増えた地域は数多くいます。ヨーロッパは全部そうです。18世紀から19世紀にかけて、各国・各地域で人口が2倍、3倍へと増えたのは食料事情の急激な改善がされたからです。したがって、台湾の人口増も自立的な増加あり、移民でも何でもないと指摘しているのです。

しかも沈先生は「中国人化」そのものも偽装であったと言うのです。当時の清王朝は、中国人に対して税金を安くしていたので、先住民族が中国人を装い、中国人特有の三文字の姓名を名乗り、偽の系図を作って、自ら中国人になっていったのだ、という主張です。すなわち、人口は自立的に増え、先住民が偽装的に中国化したのであり、血統は先住民族なのだと沈建徳先生は訴えておられるわけです。

そうであったら私たちも嬉しいですよ。台湾はお友達だと思えるという部分もありますから。しかし、今は遺伝子解析を行えば、嘘か本当かは一発で全部わかります。

(深田)
時代が変わりましたね。

(宇山)
変わりました。遺伝子工学の手法で解析すれば、ルーツが一気に明らかになる時代です。では、現代の一般的な台湾人は、遺伝子的にどの民族に最も近いのでしょうか。

(深田)
どの民族に最も近いのですか?

(宇山)
残念ながら、圧倒的に中国大陸の人々、すなわち中国人に近い、ということが断定できるほど、データがたくさん出ています。

(深田)
割合は8割ぐらいですか?

(宇山)
その通りです。大多数が、Y染色体ハプログループのO2という型に該当します。このO2は中国大陸に特徴的な遺伝子型であり、その点が大部分で合致しているのです。残念ながら、そういうことです。ということは、台湾人は血統においては、中国人と見てほぼ間違いないのです。

(深田)
ただ、日本の統治時代も長かったので、日本の精神が台湾に宿っているという方も結構いらっしゃいますよね。

(宇山)
良いご指摘です。私もまさにその通りだと思います。明らかに台湾人と中国人とでは、行動様式が異なる部分があります。もちろん、すべてが違うわけではなく「やはり同じだ」と感じるところもたくさんあります。

しかし、台湾人の気質を考えると、私たち日本人に近い部分も結構あるのです。ですから、皆さんが台北などへ旅行されると、どこかほっとするのではないでしょうか。台湾人の話し方は温和で穏当であり、同じ福建語であっても、福建省の中国人の話し方とはニュアンスがかなり違います。

(深田)
優しく話しますよね。

(宇山)
優しいですね。顔つきも、大分違うのですよ。マレー・ポリネシア系の血が多少なりとも入っているからかもしれませんが、その経緯がどうであれ、福建の人々と台湾人を比べると、顔つきが明らかに異なると感じる場面はあります。ところが、残念ながら、遺伝子で比較すると、結局は福建語や中国語を話す中国人であるという事実が示されます。これを直視しなければならないということです。

(深田)
そうですね。日本的な素地が残っていることは確かですが、日本から離れてすでに80年たっていることも、冷静に考えなければいけません。その間に、どのような教育を受けてきたのかということだと思います。しかも、その期間に大陸から来た国民党政権が教育をしてきたわけですよね。

アンディ・チャンさんという、日本李登輝友の会のジャーナリストの先生が嘆いておられました。10年ほど前、彼が80代の頃に、70代の若者が「自分たちは米軍と共に日帝と戦ったのだから、日本と戦わなければならない」と言い出し、アンディさんが驚愕して、言ったそうです。「お前は何を言っているのか。俺たち台湾人は日本軍と共にアメリカと戦ったんだ」と。

たった10年で歴史認識が逆転してしまうほど、台湾の島の歴史ではなく大陸の歴史を学ぶ教育が進み、その教育が始まってすでに80年が経過しています。したがって、心情的に日本統治時代を覚えている世代がいる間は親日的であっても、反日の歴史教育を受けてきた若い世代が、すでに何代目かになっているという現実も、冷静に見ておく必要があるのではないかと思います。

(宇山)
おっしゃる通りです。萌絵さんは台湾問題の専門家です。問題は台湾人を信用できるかどうかです。私は常に、台湾人であるというだけで無条件に信用してはいけない、と考えています。だからといって台湾と日本の仲を裂きたいわけではありません。

大前提として、台湾と日本が歩調を合わせ、協調して行動し、中国の覇権主義に対抗するという方針は、絶対に忘れてはならないと思います。一方で、縷々申し上げた通り、台湾人はやはり中国人でもあるのです。いざという局面で、中国側に寄りたいと考える人が、台湾社会の中に少なからずいるという事実も、よく見ておく必要があります。台湾だから仲間だとして、諸手を挙げて全面的に信用してしまえば、大変なことになりかねない、ということです。

この点は萌絵さんが最も詳しいのですが、TSMCの問題なども含め、現実として台湾が中国と深く結びついている部分がかなりあります。そこを無警戒に信用してしまうと、日本の機密技術が持ち去られてしまう懸念は、萌絵さんが日頃から指摘されている通りです。

とはいえ、台湾との関係を断ち、日本と台湾が対立すればよい、という話ではありません。政治的には、しっかりと手を結ぶ。しかし同時に、相手の動きも細部まで丁寧に見ていく。この両立こそが、基本的なスタンスではないかと思います。

(深田)
国家間の関係は、人間関係とは異なりますから、好き嫌いで結論を出してはいけない領域だと思うのです。例えば韓国でも、親日の人と親日ではない人がいますが、大半は日本に関心がないと思うのですよ。所詮は外国ですからね。台湾も同様で、親日の人もいれば反日の人もいる。しかし普段の生活で日本のことを常に考えている人は、ほとんどいないと思うのです。

何を最も警戒すべきかといえば、日本の自衛隊が嫁不足で、中国人と大量に結婚させようとしている人たちがいたわけです。自衛隊員のお嫁さんが外国人で、家庭では子どもが外国方式で育つことになります。家に帰って「最近はこうだった」「長らくこういう任務で留守にしていた」と世間話のつもりで言ったことも、すべて吸い上げられてしまうわけです。

台湾も1949年に大陸から国民党軍がやってきた後、嫁不足問題が生じました。日本の農家の嫁不足と同じで、大陸から大量に花嫁が来たのです。相手は退役軍人など高齢男性ですよね。お嫁さんが里帰りで大陸に戻り、赤ちゃんを産むこともあります。

(宇山)
そうすると、その子は一体中国に属するのか台湾に属するのか、という話になってきますよね。

(深田)
そもそも大陸から来た退役軍人に大陸から花嫁が来て、台湾で生まれた子どもあっても里帰り中に別の相手との間にできた子どもでも、いずれも「台湾と関係のない人だよね」という話ですよ。

(宇山)
そうなってきますよね。

(深田)
そのような人たちが相当数、台湾で育っているわけですよね。こうした部分を台湾の人も私たち日本人も、お互いに冷静に見ていかなければならないと思います。

(宇山)
その通りなのです。民族の血というものは争えません。受け継がれたものであり、その遺伝子を受け継ぐ彼らが、本当に中国と正面から向き合い、最後まで戦ってくれるという保証はないです。だからこそ台湾に対して、日本も様々な形で連携を進め「戦ってくださいよ」「一緒にやるのですよ」と常に日本側から言っておかなければならないのです。

彼らは中国人ですから、くるっと手のひらを返して日本やアメリカを裏切り、中国の側に寄っていく可能性も十分にあり得るということを私は言いたいのです。

決して「台湾人を敵視しろ」あるいは「関係を分断させろ」という話ではありません。彼らが中国人であるからこそ、警戒しつつこちら側に引き寄せる努力を日頃からしておこうということです。そして、中国に情報を漏らすような不逞な企業や輩、政治家は台湾にもごまんといますから、そうした動きはきちんと摘発し、直ちに排除しなければならない。日本側もその点について、警鐘を鳴らしていかなければならないです。

ところが、どうでしょうか。日本の政治家は何でもかんでも「台湾の言う通り」です。台湾のことを少しでも悪く言おうものなら「お前は台湾と日本の仲を裂こうとしているのか」といった単純な議論になり、政治家が全面的に台湾を信用してしまっている。私は、それが良くないと言っているのです。

言論人も同様です。台湾を金科玉条のように掲げ「台湾」という二文字を使えば何でも許される、保守の証しだと勘違いしている人がいます。しかし、台湾はそんな柔な国ではありません。実際に何度も現地へ足を運んで取材すれば、どれほど複雑で奥深い部分があるかが分かり、私などは率直に脅威に感じるほどです。そうした点を踏まえれば、日本が台湾とどのように付き合い支援連携していくべきなのか、おのずと見えてくると考えています。

(深田)
私は男性陣に申し上げたいのですが「好きよ」と言われると、ころっといってしまいますよね。そのように言われたことがない男性の悲願かもしれませんが、女性は分かっているわけですよ。「好きよ」と言えば、あなたが財布を開くということを分かっているのですよ。

(宇山)
それは、中国人のことをおっしゃっているのですね。

(深田)
外国人が「私は親日です」と言うと、すぐに「親日なのですね、ありがとう。何でもしてあげるよ」と、キャバクラに嵌るおじさんのようなことはやめてほしいのです。

(宇山)
ああ、その心境と同じなのですね。

(深田)
上から目線なんですよ。上から目線で「発展途上のお前たちの国を発展させてやったのは、私たち日本人なのだから、恩に着ろ」と言って回り、その結果、一部の外国の人から「上から目線だ」と嫌われて心が傷つく。その傷ついた心の隙間を台湾に見透かされ「私は親日です」と言われた途端に、財布の紐が緩み、1兆何千億円も出してしまう。そういうことだけは、やめようということです。

(宇山)
情報を与えたり、機微技術を供与したりするのですね。

(深田)
「好きです」と言われたら、すぐに財布の紐を解く。そこは、きちんと律してくださいということです。

(宇山)
良い例えですね。そういう精神構造ですよ。日本の多くの人たちが、そうした気持ちで台湾を信用しているとすれば、こちらが痛い目に遭います。是々非々ということですね。

(深田)
上から目線で見てはだめです。向こうは強いいのだという前提で見なければいけないと思います。今回は、作家の宇山卓栄先生に、台湾の民族構成についてお話をいただきました。先生、どうもありがとうございました。

(宇山)
ありがとうございました。

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