#16ー 深田萌絵×連続起業家CEO 『連続起業家で成功するコツ』

(深田)

政治と経済の話を分かりやすく政経プラットフォーム、ITビジネスアナリスト深田萌絵がお送りします。

今回は連続起業家のCEO(セオ)さんに御出演していただきました。セオさんよろしくお願いします。

これまでセオさんは若い時に起業されて、その後も幾つもたくさんの会社を起業されて、売却されて、いろんなことをされておられるのですが、今回は視聴者の皆さんのために、連続起業家として成功するためのコツというか、方法論があれば教えていただきたいのですけれども。

その前にセオさんは、これまでに03年から10年までに3社、2011年から16年までに4社を立ち上げ、これで7社ですね、2016年にシンガポールの会社を立ち上げて8社目で、その後はトランスコスモスの取締役になられて、その後またスタートアップの会社に投資をされたそうですね。

(CEOセオ)

投資は複数やっていまして、会社自体もたぶん10社以上やっていると思うのですね。でも当然あのイチローとか大谷選手と一緒で、全部当たるわけではないのですよ。その中で幾つか会社が売却されたりとか、上場したりとかいうのがある感じですね。

(深田)

もう10社以上と言った時点で、何社会社を立ち上げたかもはや覚えていない。

(CEOセオ)

いろんなケースがあるのであまり覚えてないです。ライフワークみたいな感じです。

(深田)

ではもうライフワークとして起業を連続的にされていることで、その成功のコツというのはなんですか。数撃てば当たるですか?

(CEOセオ)

本当にそうです。仕事というかビジネスで新しいことをやるわけじゃないですか。新しいことというのはやったことがないわけですから、当たるかどうかは分からないのですよね。

やるまでは分からないのです。やってみたら失敗するかもしれないし当たるかもしれないので、結局は数なのですよ。数が多ければ多いほど当たるのですけれど、多くの人は1回失敗して「あ、辛いな」、2回目失敗して「うっ、苦しい」、3回目「もうやめよう」となるじゃないですか。ただそれを4回、5回、6回、7回とやっていくうちにいつかは絶対に一定の確率で当たるわけですよね。

それまでで大体やめてしまう。そして僕は運が良かったので大体打率が3割、4割ぐらいあるのですけれど、それは運がいいのです。悪い人は多分1割とかしか当たらないかもしれないですし、もしかしたらそれよりも低い人もいればもっと高い人もいます。なので、それはもうやるしかないですね。

(深田)

当たるまで起業し続けるということは毎度お金がかかりますよね。

(CEOセオ)

お金もかかりますし、時間もそこに相当投資することになるので、コミットしなくてはいけないです。そしてそのコミットの数だけやはり自分も成長するので、それが大切かなと思います。

(深田)

その金銭的な成功以上に自分がコミットして自分が成長することの方が重要だということですか。

(CEOセオ)

成長すればするほど、大谷選手が体を鍛えていい食事を取るのと同じように、ヒットの確率も上がりますし、やはりそれは数に応じて。こうやったら成功するというのはないです。ただこうやったら失敗するなというのは分かってくる。そうすると失敗のリスクが下がるので当たる確率は相対的に上がるということです。

(深田)

なるほど。やはり成功するためのメソッドみたいなのものは簡単には得られないと思うのですけれども、こういうことになったら絶対失敗するというような、その条件はありますか?

(CEOセオ)

結構色々ありますね。その業種にもよりますし、年齢とか経験とかも。例えば今の流れでいくと、今インフルエンサーって結構多いじゃないですか。インフルエンサーは自分を売り出して事業するというパターンですけれど、今まで通常の会社はどちらかというと自分はどうでもよくて経営者が別に目立つ必要はなくて、どちらかというとプロダクトとかサービスに認知を付けてやってくるものだったのですよね。これの方が事業に向き合えるというか、このプロダクトをどうやってお客さんに広げようと考えるので向き合っているのですが、自分がインフルエンサー型になってしまうと力点がすこし変わってしまう。実はインフルエンサー事業というのは俗人的ですし、やはりスケールがしづらいです。

だから最近若い起業家によく言っているのですけれど「君がこの会社をやるにあたって会社を成長させたいのか、それとも自分が有名になりたいのかどちらだ」と聞くわけです。そうすると「自分も有名にもなりたいです」という人もやはり最近多いです。そうすると「だったらインフルエンサーになりなさい、会社の経営者はやめた方がいい。会社の経営者は自分が有名になるよりも会社が有名にならなくてはいけないから。結果を出さなくてはいけないから」そういう言い方をします。

(深田)

分かります。私も実は起業をしたことがあって、ITの会社を始めたのですけれども色々あって自分の会社が政治的に潰されたということがありました。

(CEOセオ)

政治は本当に足を引っ張りますよね。

(深田)

本当に引っ張るのですよ。いま政治的に起業するといろんな問題がある。会社経営していても政治の問題で中小企業が潰されていることを訴えるために、執筆を始めたり人前で話をし始めたのですけれど、なんだかいつの間にか自分がインフルエンサーになってしまって、会社がどんどん事業がおぼつかなくなるという逆転現象みたいになってしまっているのですよ。

(CEOセオ)

でも僕はインフルエンサーの職は、それはそれで事業としては今の時代に合っていると思いますし、今の世の中はスケールが全てではないので、必ずしも大きくなることが正義とは僕は思っていないです。なので個人でしっかりそれを立ち上げていくというのは、僕はマルだと思うのです。ただ、大きくしたいとか上場したいとか事業を拡大させたいと言っているのにインフルエンサー的な動きをしていると、違うよねというだけなのです。

明確に目的が分かっていればよくて。僕は事業に関してもそうだし寄付とかもそうなのですけれど、この事業は儲けたいのかそれとも社会的にやりたいのか、この2つはすごく重要で。悪いやつというか「社会的なのだけど」と言いながら裏で抜いていたりだとか、結構そういうのが増えてきているなという印象があって、やはり明確に分けないと。本当に社会的にやりたいのだったら非営利でやるべきだし、やはり事業でやるのだったら営利でしっかりやらなくてはいけないということがあります。

政治がそのいいところだけを取るという感じがすこし最近していて、なにか世の中のためだと言いながらお金儲けに走っていたりだとか、そういうのがすごい気になりますね。

(深田)

それ鋭いですよね。自分自身、会社を立ち上げていろんな政治的な問題を社会の現場で目の当たりにして、そして政治家に問題意識を持ってもらおうと思って情報発信を始めて、いろんな社会活動家的な人に会うのですけれど、問題を放置して「問題がある、問題がある」ということを大きく宣伝して、解決しない方が、お金が集まるから解決しようとしないという、こういうのが政治の中ではかなり多いなと思ったのです。

(CEOセオ)

そうですよね。バイネームで言うのは良くないかもしれないですけれど、NHK党の立花さんが「政治は儲かる」というようなことをおっしゃっていて、「ああそうなのだ、お金が儲かるものなのだ」みたいな感覚であまり来て欲しくないなと僕は思っていて、できればお金儲けしたいのだったらビジネスでやってほしいし、やはり政治はお金儲けではなくて国民のためとか国のためにやらなくてはいけないものじゃないですか。やはり人間はお金をちらつかせると多くの人は動いてしまうのですよね。だからあまりそのメンタルで来て欲しくないかなと思います。

(深田)

本当におっしゃる通りだと思います。本当に私も同じ意見です。ただそうではない人もかなり多いです。真面目にやっている人がどうなるかというと、真面目に政治活動、社会活動をやっている人はお金がないのでマーケットから出ていくことになるのですよね。それなので逆に私はそういう人たちに、定期的に講演会を開いたり執筆をしたりして、生計をきちんとして足元を固めて活動するように考えないとだめですよ、ということは言っています。このバランスが難しいと思うのです。

(CEOセオ)

僕はだから経営者がいい形で支えるべきかなと思っています。僕はちょうど参政党をお手伝いさせてもらっていた時があって、その時に経営者を巻き込もうと。経営者は基本的に政治に絡みたくないのですよ。やはり冒頭で話したように、なにか色々仕事に影響があったりだとかプラスが無いので、できれば関わりたくない。ただ色々聞いているとみんな日本のことを気にしているし良くしたい。納税という形で頑張ってはいるけれどやはり年齢もだんだん30代、40代、50代くらいになってきたら、30代ぐらいはまだあれですけれど40代、50代ぐらいになってくると、もう少しそっちに関わっていかないと本来いけないということもある。

僕は割と上場企業の経営者とかにもっと政治に関わろうと、納税という形だけではなくてもっと優秀なその能力やお金を、これから頑張ろうとしている人たちに投資していくのもいいのではないか、という啓蒙を結構ずっとしています。ただそれも誰が正しいのかというのが僕も政治でずっと生きてきた人間ではないのでわからないのですよね。

理想も経営者って高いのですよ。やはり理想を求めて事業をやっていますので、政治家に対して求める理想も正直ちょっと高い。だからこうあるべきということがあるのですよね。だからそれが少しずれてしまうと、なんだか違うなとなってしまう。

それと経営者のマインドは投資という概念がやはり強くて、お金を出すということは何か大きなリターンがあるのではないかという風に捉えがちなところが正直ある。それをどういう形で、お金で戻すとかではなくてもいいと思うのですが、どういう形で経営者とのバランスが取れるか。今まではどちらかと言うとお金と、まさにワイロではないけれど、そうやって政治と経済はやってきたのでしょうけれど、今はちょっと違う形で求められている気がします。

(深田)

本当に視点が素晴らしいなと思います。会社を経営して会社経営者がお金を儲けて、余裕のあるお金で候補者を支援するというのはすごいいい考え方なのですよ。経営者同士は頭が良くてレベルの高い人が多いじゃないですか。ところが経営者として政界にパッと目を向けた時にものすごく不毛な話をしている人が多くて、一体この中で誰を選べばいいのか分からなくなるというのは当たり前だと思うのです。

(CEOセオ)

代議士というか、本当に誰を選べばいいのか。表面的にはみんなうまいじゃないですか、政治家は口もうまいし爽やかだし、僕みたいに怪しい雰囲気を漂わせているわけではないので。皆さんスーツを着て爽やかじゃないですか。だからわからないですよね。どうやったら分かるのかな。会社でも例えば新卒とか中途採用する時にいくら面談したって働かないとわからない。

(深田)

わからないのですよね!

(CEOセオ)

やはりしばらく付き合ってみないとわからないじゃないですか。だから経営者と政治家の接点をもう少し増やして、そんな偉い先生とかでなくてもいいのですよ、若手の経営者と若手の政治家の方を会わせる会とか、こういうのは結構やっていきたいなと思っています。

(深田)

すごく面白いと思います。やはり政治的に志が高い人は結構勉強を好きな方が多いのですよね。そういう人たちが実際どうかというと社会の実態と少し遠いのですよ。

国政は特にパターンがあってまず世襲ですよね。世襲だとお金持ちなのです。相続税がかからない政治資金団体を受け継ぐので。

(CEOセオ)

その辺も本当にどうなっているのですかね?なぜそんなに政治のルールはゆるゆるなんですかね?

(深田)

なぜかと言うと政治資金団体のゆるゆるな法律を作っているのが政治家なので、自分に有利な風に作れるわけです。それなので世襲がまず多い。

世襲でなかったらどういう人が出てくるかというと、立候補する地域で生まれ育って東大を出た官僚で、よく政治家の言うことを聞く人を党として出すという官僚系。ではこの官僚系がどういうマインドの人が多いかと言うと、真面目で勉強して人の言うことを聞くタイプが多いので、国民を救うという目線にならないのですよ。国民のためにと言っているのですけれど、この人たちは高学歴、高年収で社会のことを知らないわけです。私はよくこれを言うのですが、女性政治家に対して「働く女性ってね、中小企業で働いているともう本当に賃金も低いし大変なのです」という話をしたら「この国に女性差別はない!」と断言するのです。

差別とかそうではなくて、実際に男性よりも女性の方が平均年収は低い統計的事実があり、中小企業で働くと産休育休を全部取れるなんて夢のまた夢。そういう現実を知らない官僚も多い。

3番目のパターンはタレント系です。アナウンサーと知名度のあるタレントが選ばれるのですが、タレントさんというのは守られているわけじゃないですか。社会とほぼ接点がないのですよ。特に若い時からタレントをやっていると、もう10代は学校にもあまり行かずに芸能界にいる。20代もそのままタレント活動をして、30過ぎて売れなくなったから政治家をやるという、こういう路線で来ると社会のことを何も知らないまま政治家になって国民の実態的な生活を知らないのです。そういう人たちが多いからこそ、政治家と政策と国民が望んでいることはものすごい乖離が出てきてしまうのですよね。

(CEOセオ)

国民も選挙で投じる時にやはり認知度とか表面的なキャリアや見た目、ルッキズムなところが結構あるじゃないですか。そこでしかなかなか判断ができないというのもあると思うのですけれど。それによって結局そういう人を立候補させた方がいいのではないかという風になってしまっている現実があるのかなと思っています。

僕がラジオ番組をやっている時にサッカーの選手にゲストで来ていただいた時に、これはすごくいいなと思ったのが、僕はJリーガーの選手って政治家に向いているのではないかなと思ったのですよ。

(深田)

その心は!

(CEOセオ)

これはなぜかと言うと、先ほどのロジックにはまっていそうなのですが、実はJリーグは地場産業なのですよ、ものすごく。枠が野球ほど大きくなくて、かなりニッチなところにサッカーのチームがあって、その選手たちが子供たちと触れ合っていて地場にずっと面している。だから地場の人たちから応援されていて、この人もその地場に恩を返したいという気持ちでサッカーをやっている。そうすると辞めた後にサッカーも当然ながら席がないのですよね、解説者になったりコーチになる人というのはわずかです。

でもすごく皆さん本当にいい人なのですよ。いい人でそのエリアの人たちから愛されているし、その人もそのエリアから離れるつもりはないという人は結構多い。やはりその場所のことをよく考えている人が市議会議員とか町会議員とか、そういうのはすごく向いているなと思う。ただ勉強が足りない可能性はあるのですよ。だからそういう人たちを教育できる仕組みとか、そういうのがあるとすごくいいのかなと思っています。

(深田)

本当にそう思います。そういう政治家を育てる塾みたいなものがあるのですけれど、そこの代表例が松下政経塾なのです。あれはそれまで世襲しかいなかった政界に、そうではない人たちを送り込もうという試みで作られたのですけれど、その結果、松下政経塾出身の政治家が結構いろんな問題を起こしていたりするのですよね。松下幸之助さん自身も「自分の人生での失敗は政経塾だった」と言っているのですが、その成功版が欲しいですよね。

(CEOセオ)

やはり政治で難しいのは思想のずれというか、そこなのかなと思っています。例えば進歩主義者というか、とにかくテクノロジーとか経済が全てを救うという。そうするといま問題になっているワクチンとかも、すごいテクノロジーで成功すれば、ガンが治ったり風邪を引かなくなりますよみたいな触れ込みだとした場合に、そういうものを成功させたい、とにかく進歩主義ですね、進歩することが全て、犠牲はしょうがない、という考え方でやりたい人というのがやはり中にはいて、そういう人たちがトップになってしまうと、多分そういうヒエラルキーの教育になっていくと思うのです。だから教育の場所はすごく重要ですよね。

(深田)

そうですよね。そこのところと民主主義の根幹である思想言論の自由とのバランスかなと思っています。方法論以上に、目線をどこに持つかだと思うのです。国民目線で本当にできるのか、生活している人の目線でできるのかというところが、おそらく今の政治に欠けている部分なのかなと思います。

(CEOセオ)

難しいですよね。冗談まがいで言うのですが、例えば、木村拓哉さんがカローラのCMをずっとやっていた時に、では木村拓哉さんはカローラに乗っているのかな、本当にカローラのことを分かるのかなみたいな。でもそれは知名度と国民に対する受けでキャスティングするわけじゃないですか。

それでは政治家は果たしてどういうポジションであるべきなのか、本当に国民のことを総理が分かるかといったら、プライベートジェットでしか移動していないわけですから、その人が街のバスの混み具合とか路線の不都合が分かるわけがない。

たまに見に行って「あっ、悪そうだね」なんて言ってもそれは全然意味が違うと思うのです。そこのインフラ整備に過剰に投資されても困るというのもあると思うので、そこは難しいですよね。

(深田)

バランスはすごく難しいと思います。

連続起業家のセオさんは、投資は数だ、起業は数を撃たないとわからないということなのですけれども、政治の世界もきっと政治家と直接会って一緒に何かやってみないと私たちは分かることはないのかな。

(CEOセオ)

本当にそうだと思います。僕も今回参政党で凄くいい勉強になりまして、色々学ばせていただいたところもあります。

(深田)

分かります。私もいろんな政治家の先生、いろんな政党の先生方と色々お世話になったり軋轢があったりしましたけれども、数撃てば当たる時も来るのかなという一抹の不安を抱えつつも日々精進しております。

今回は連続起業家のセオさんに、数撃ちゃ当たる起業の話をしていただきました。そして政治も危ないねということも合わせてお伺いしました。ありがとうございました。

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