#474【衝撃】残留農薬は煮ても焼いても消えない!日本の食の安全崩壊の真実 山田正彦氏
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。
今回は元農林水産大臣で弁護士の山田正彦先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。
(山田)
よろしくお願いします。
(深田)
先生、最近発売された『歪められる食の安全』という本に、食品表示について書かれています。最近はパッケージの表示が変わって、この食品が一体どこで作られているのか、よくわからなくなってきました。

2025年7月 角川新書
(山田)
以前は「国産」という表示が時々ありましたよね。でも今は絶対見ないはずです。
(深田)
なくなったのですね。私はアレルギー体質なので、買い物に行くときは、輸入品は不安なので、国産品を中心に買っています。4、5年前に法律で改正されて、輸入の小麦などに農薬グリホサートの残留量が何百倍まで緩和されて、恐ろしいことが横行しています。菜種、ひまわりも数百倍まで緩め、国民の命を危険にさらしているわけです。
(山田)
そうですよね。昔は中国の食品は危ないと言われていました。たとえば、ラウンドアップという除草剤は、主成分がグリホサートですが、中国の方が日本よりも150倍厳しいのです。中国の方が厳しくて、日本の方が緩和している。
(深田)
そうなんですよ。菜種油などは国産でないと嫌だと思っているのに、分からなくなっているのです。先生、このキャノーラ油について教えてください。
(山田)
このキャノーラ油は国内製造となっていますよね。それを生協の方が「この表示を見て国産と外国産のどちらだと思うか」と聞き取り調査をしたところ、3割の人が間違って、国産だと思っているのです。
(深田)
やはりそうですよね。国内製造と記載していると国産なのかと思います。これは、菜種を絞ったのが国内であって、グリホサートが400倍の菜種をアメリカから輸入して使っているということですよね。こんなものは危なくて怖くて使えないですよ。
(山田)
使えないです。残留農薬と因果関係があるとは一概に言えないのですが、今、子供たちの発達障害がすごい勢いで増えています。子供たちの約8%が、発達障害児として学校で通常クラスの授業が受けられない状態です。
何が原因なのか、これをしっかり考えないといけないのですが、20年前から農薬ネオニコチノイドの散布量と発達障害の増加度合いが一致しているのです。

(深田)
なんと⁉
(山田)
今は、発達障害の子供たちがもう7%ぐらいになっています。何が原因かと言うと、やはり『食』にあると思うのです。
(深田)
確かに、人間は食べたものでできていますものね。
(山田)
そうです。『食』の中でも一番怖いのは残留農薬ですよね。昔は、残留農薬は水で洗ったり、水につけたりすれば落ちていました。しかし、今は『浸透性農薬』といって、水につけて洗っても、煮ても焼いても消えないのです。
(深田)
えっ⁉煮ても焼いても消えないのですか?
(山田)
消えないです。全部体に入っていきます。
(深田)
怖いですね。
(山田)
そうでしょう。いろいろな異論はあると思いますが、この20年で、発達障害児がこれだけ増えたことと、農薬散布量の増加カーブがほぼ同じなのです。だから、相関関係はあると思うのです。
ラットの実験でも、それが明らかになっています。実験は実際に映像でも見られるのですが、バタバタしたり、じーっとうずくまったりする。親、自分、子の世代では問題ないのですが、怖いことに孫、ひ孫の世代になるとどんどん増えていっているのです。
(深田)
あっ、摂取している本人ではなく、孫世代ぐらいから出てくるということですか?
(山田)
そうです。孫世代ぐらいから異常なラットが出てくるのです。人間でいうと、発達障害児と似たような症状がラットに出てきます。なぜそのようになるのかについて、大学の先生がラットの実験をして立派なデータと映像があります。
厚生労働省が安全基準と定めている1日当たりの摂取量の半分以下のものをラットに入れて、神経症状などを実験をしました。怖いのは、自分や次の世代まではそんなに異常はないけれど、孫、F3(曽孫)、F4(玄孫)の世代にどんどん出てくるのです。
(深田)
私はアレルギー体質ですが、父も母もそんなにアレルギーがないのです。母親にすれば「自分が全く何にもないのに、なんで子供がアレルギー体質なのか全然理解できない」といつも言っていたのですが、そういうことも何か関係あるのですかね?
(山田)
はい。今、生まれてくる子供は結構アレルギーが多いのですが、昔は、ほとんどいなかったのです。通常のクラスで授業が受けられない子供、文部科学省でいう発達障害児ですが、これも20年前は4000人しかいなかったですが、今、20万人を超えたのです。
(深田)
発達障害の子にアレルギーが多いとよく言われますよね。
(山田)
今、子供がアレルギーになっているケースが多いですよね。アレルギーが怖いなと思っていたのだけれど、それより怖いのが発達障害児なのです。僕はこの前、奄美大島から宮古島まで行ってきました。宮古島は校舎が余っていたのですが、生徒数が少ないのに、足りなくなりプレハブで作っているのです。
(深田)
えっ⁉余っていたはずの校舎が足りなくなっている。なぜ足りなくなったのですか?
(山田)
生徒の数は減っているのですよ。
(深田)
生徒の数が減っているのに、なぜ校舎が足りないのですか?
(山田)
通常のクラスで授業を受けさせることができない子供たちの特別支援学級、この教室が足りなくなって、プレハブで作っているのです。
(深田)
そういう時代になったのですか。
(山田)
だから、今、地方の市議会議員が「特別支援学級の校舎を増やせ」と言っているのです。それぐらい深刻なのです。
(深田)
残留農薬問題はそれぐらい深刻なのに、食品表示が変わったために、食パンの表示を見ても、小麦粉は国内製造としか書いてないのですよね。だから「国産なのかな」と思う人がいますよね。私もパッと見た時は「あれ?国産なのかな?」と思いました。
(山田)
そうでしょう。もしかしたら、国産かもしれないと思いますよね。
(深田)
これは違うのですか?
(山田)
違います。これはカナダかアメリカの小麦粉で、残留農薬が必ず入っているはずです。この表示は、小麦を輸入して国内で製造したということです。
(深田)
ああ、小麦を輸入して国内で挽いたから、この小麦粉は国内製造ですということですね。
(山田)
そうです。かつて、20年前になるのですが『食品表示法』という法律で、僕が農水大臣になる前に作られました。その法律では原産地表示が義務付けられているのです。
(深田)
これは2008年のものですね。この『加工食品の原料原産地表示について』これは山田先生が作られた法律ですか?

(山田)
僕が一人で作ったわけではないのですが、大臣になる前に民主党政権の時に作った法律です。当時JAグループが、これを『加工品の原料原産地表示について』というタイトルでこういう運動を展開したのです。
(深田)
次は内閣府の調査ですね。
(山田)
この時『国産と表示していたらどうなるか』について内閣府が初めて実施してくれたのですが、その後はほとんど調査らしい調査をしていないのです。そうすると国産品を選択するものが89%です。
国内製造など紛らわしいものではなくて、国産ならば国産と表示すればいいのです。
(深田)
そうですよね。私もそう思います。私も外国の野菜と国産の野菜があったら、高くても必ず国産の方を買うようにしています。
(山田)
買いますよね。しかし、その表示が消えてしまったのです。
(深田)
ですから最近は、どこでできている加工品なのかというのが、ますます分からなくなってきたのです。これは、2、3年前に「国産大豆で作った豆腐です」という表示で「製造ラインの中に1粒でも外国産の大豆が混ざっていたら、違法にする」と決められて、それを業者が聞いて震えあがって『国産』と書かなくなったのです。
(山田)
あの時、検討会があったのですが、消費者庁の説明は「1つでも遺伝子改変のものが入っていたら、厳罰に処します」と言ったのです。だから、誰も「国産」と書けなくなってしまったのです。
(深田)
「遺伝子組み換えではない」とも「国産」とも書けなくなる。消費者庁が、消費者のためではなく大企業のために、産地を分からなくして、食品が何なのか分からなくすることに加担しているのですよね。
(山田)
まったくその通りです。この前、高知県の馬路村に行きました。高知空港から車で2時間ぐらいかかりました。国産の柚子ぽん酢ですね。そこの課長に「消費者庁から『国内製造』と表示するように言われなかったか?」と聞いたら「指導を受けました」と答えたのです。
(深田)
小豆島の手延素麺もかわいそうですよ。
(山田)
表に「100%国産小麦使用」と書いてあるのに、裏では「原材料名には国内製造」になっている。
(深田)
原材料名だけを見ると、小麦が国産なのか外国産なのか、全く分からなくなってしまったということですね。
(山田)
それを消費者庁が指導している。
(深田)
そうなんですよ。今の消費者庁はもう地獄の使者ですよ。
(山田)
本当に大変な話です。さきほど言ったように、発達障害の子供たちも深刻なのです。
かつて20年前は4000人しかいなかったのに、今20万人を超えている。これをなんとかしないといけないのです。
(深田)
本当になんとかしたいです。私はこの食品表示問題をすごく深刻に捉えているのですよ。自分にとっては死活問題です。アレルギー体質からすると、どれを食べたら安全なのか、食べるまで分からないのは怖いですからね。
(山田)
そうですよ。この韓国の映像を見てください。
(深田)
韓国ですか?
(山田)
韓国は、きちんと3か国まで原料、原産地名を書いているのです。では次を見てください。日本の法律(食品表示法)の第四条の部分です。これは僕が大臣になる前に作った法律なのですが、原産地を表示することとなっています。

(深田)
そうですね。『内閣総理大臣は、内閣府令で、食品及び食品関連事業者等の区分ごとに、次に掲げる事項のうち当該区分に属する食品を消費者が安全に摂取し、及び自主的かつ合理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めなければならない』とはっきりと書かれていますね。その中に原産地と書いています。
(山田)
ところがね、次の映像を見てください。その消費者庁が、こういう規則を国会の審議なしに施行規則を作ったのです。

(深田)
元々は「原産地を表示しなさい」と議会で審議されて成立された法律なのに、議会を通さずに施行規則を作ってしまった。施行規則は法律の下ですよね。マイナーチェンジをしたということですよね。それがこちらの食品表示基準第3条ですね。
(山田)
そうなんです。「国内製造でいい」と訳のわからないことを書いているのです。
(深田)
このように食品表示基準第3条で『国内』でいいと言いつつ「何か一粒でも異なるものが入っているものを『国産』と書いたら厳重に罰する」と脅迫しているわけですよね。これでは中小企業が震え上がってしまいますよね。
(山田)
だから国産という表示がなくなったのです。
(深田)
大企業と中小企業の違いを考えると、大企業は大量生産をしてコストを下げて、多くの添加物を入れて安く均質なものを作り、スケールメリットを取りに行くわけですよね。
しかし、中小企業はそれぞれのお客様の嗜好に合ったもので、国産が好きだとか、どこの柚子など原産地がはっきりしているものが好きだとか、そういうのをターゲットにビジネスしているわけですよね。
そういうものを潰そうとしていますよね。
(山田)
福岡に無添加で明太子を作っている会社があります。そこの社長に「国会に来てくれないか」と頼みました。そこは本当に無添加なので食品表示に「無添加」と表示すると、同じ明太子を作っている大企業が困るので「国内製造にしてくれ」と言われたのです。
(深田)
ひどいですね。
(山田)
そこの社長は「他社は8種類の添加物や保存料を使うけど、うちは一切使っていません」と言うのです。
(深田)
食べたいです、それ。
(山田)
それが表示できなくなるのです。
(深田)
怖いですね。食品表示問題をどのように解決していきましょうか?
(山田)
これはもう憲法上、国民の知る権利を侵害しているのです。
(深田)
知る権利も侵害していますし、生存権も脅かされていますよね。アレルギーで死んでしまう人もいるわけですから。
(山田)
そうです。営業の自由では、特に小さな企業を侵害していますよね。これは本当に法律違反なので、実は弁護士仲間と食品表示を2年間勉強してきました。消費者庁を呼んで、国会でも何回も質問をしまして、消費者庁に意見書も出しました。それでも聞き入れないのです。
こうなったら裁判をしようということになりました。
(深田)
国家損害賠償請求でしょうか?
(山田)
我々は国民として権利があります。そして、国は改めろということです。食品表示法12条に基づく、訂正の申請、国が是正措置を求める申請を、今出そうとして準備ができたところです。
(深田)
この委任状ですよね。弁護士先生が7名ですか?
(山田)
それに私が入ります。
(深田)
全部で8名の弁護士団で、食パンや食用菜種の表示で、小麦や菜種の製造地の原産地を表示することを求める訴訟ですね。これは絶対にやってほしいです。
(山田)
で、今募集を始めて、1000人を超えました。
(深田)
私も賛同します。集団訴訟としてやった方が、そういう意識を持っている人、被害者がたくさんいるいうことになりますから、1人でも多い方がいいですよね。
(山田)
多い方がいい。
(深田)
皆さんにはQRコードを見ていただき、裁判に賛同していただける方は、ぜひともご登録ください。

(山田)
その中の委任状があります。自分の名前と認め印を押して、これを送っていただく。今、全国で1000人超えました。
「まず食品表示法の趣旨に基づいて、国に表示をきちんとしなさい。今のようにいい加減で『国内製造』と書くのではなく、国産表示を認め、原料原産地を原則として韓国のように表示しなさい」という申し立てを近くする予定です。
(深田)
ぜひ応援します。私もこれ委任状に捺印しますので頑張ってほしいなと思います。
食品表示問題は国民にとって死活問題です。特にお子さんを育てていらっしゃる方は非常に心配されていると思うのですけれども、今、山田正彦先生がこの食の安全を巡って一生懸命戦ってくださっていますので、皆さん、ぜひとも応援してください。
今回は、元農水大臣で弁護士の山田正彦先生にお越しいただきました。どうもありがとうございました。
(山田)
ありがとうございました。





