#467 元農水大臣が警鐘!小泉進次郎は「全くダメ」な理由!農政と日本を救う道とは? 山田正彦氏
(深田)
皆さんこんにちは。 政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。
今回は元農林水産大臣で弁護士の山田正彦先生にお越しいただきました。先生よろしくお願いします。
(山田)
よろしくお願いします。
(深田)
先生、明日(10月4日)自由民主党総裁選挙の結果が出るのですが、先頭を走っているのは農水大臣の小泉進次郎議員です。彼は「お米の生産を増やしましょう」と言ってはいるものの、いかがですか?
(山田)
あれはだめだね。農業のことが分かっていない。
(深田)
いえ、分かっていないのは農業だけではないと思いますよ(笑)。彼のことを過小評価しないでください。何にも分かりませんから。
(山田)
あんなに訳のわからない男とは思わなかった。少しぐらいはまともなことをやってほしいと思っていたけれど、全くだめだね。
(深田)
彼のこれまでの記録を見ると、まともなことをやったことが一つもないのです。普通に務めていれば1個ぐらいはまともなことができますよね。それができないというのはある種の才能なのか、あるいは確固たる意思を持って『絶対に良いことはしない』という決意がないとできないですよね。
(山田)
あんな人がもし本当に総理大臣になったら、日本は困りますね。
(深田)
そうですね。『これは何の罰ゲームなのか?』と思います。
(山田)
本当にだめです。つくづくそう思いました。
(深田)
(笑)何が一番愛想尽きましたか?
(山田)
僕はずっと米の問題や農業、食料の問題に取り組んできました。農水大臣であれば、少なくとも農業従事者、言ってみれば私たちの食料を作ってくれる人の気持ちが分からないといけないです。
(深田)
そうです。現状が認識できていないですよね。
(山田)
農業従事者がどれほど一生懸命やっているのか。その気持ちを理解するために1日でもいいから朝から晩まで一度農業をするほうがよいというのが僕の持論です。
(深田)
絶対にやらないと思いますよ。むしろJA(農業協同組合)を解体して『農林中央金庫や保険のお金をどうしよう』というようなことばかり考えています。
(山田)
そうです。父親の小泉純一郎政権の時には郵政民営化で郵便局がどんどん消えていきました。
(深田)
田舎の人にとって郵便局はインフラですよね。それが減ったことによって金融機関が減りました。農協もインフラですよね。だから田舎に行けば行くほど、銀行がないので農協がなくなるとお金を下ろせなくなりますよね。
(山田)
そうです。僕は昔、農協とは随分喧嘩をしました。なぜなら、僕は一生懸命、有機農業を頑張ってきました。農協は農薬や化学肥料を勧めるので、怪しからんと思っていました。しかし、最近は農協が変わってきました。この前、茨城の日立JAの収穫祭に呼ばれて行ってきました。そこは全面見渡す限り黄金色ですよ。それが全部有機栽培の稲なのです。

(深田)
へえ。すごいですね。
(山田)
ちょうど朝日が出てきて、気持ちが良かったですね。何年か前まではこんなことは全く考えられなかったですよ。

(深田)
有機栽培でそれだけの実がなるのは難しいですよね。
(山田)
見る限り出来高も良さそうでした。組合員だけで5万人の日本有数のJA日立の組合長自らが率先して、あれだけの面積に有機米を作って、僕は感激しました。
(深田)
本当にすごいですねえ。ところで、今の日本の農政はいかがですか?
(山田)
小泉さんは、あっちこっちでいろいろなことを言っているようだけど、JAの組合長に話を聞くと「東京まで行って、小泉さんにいろいろ話しても農業のことは全く分かってくれない」と言うのです。
(深田)
なるほど。農協悪玉論という話があります。愛知県田原市に岡本重明さんという市会議員いらっしゃいます。彼は農協を批判しているのですが、農協が役に立っている部分とだめな部分のどちらもバランスよく見ています。
しかし農協完全悪玉論の人は「農協を解体しろ、なぜなら自民党の利権の票田になっているからだ」と言うのですが、本当に自民党の票田になっているのか疑問なのです。自民党ときちんと話し合えばこれほどひどい農政をしないと思います。むしろ農協の票が離れているのではないですか?
(山田)
今の自公政権は農協のマイナスになることしかやっていません。本来ならば、農家が食べていけるように、石破総理も最初は「所得補償をしよう」と言っていました。それが、政権を取ったら突然「やらない」と言ったのです。
(深田)
そうなんですよ。ですから、これが我が国の七不思議なのです。自民党は右から左まで全ての種類の人が揃っていますが、誰が総裁になってもいつもの自民党に元に戻ってしまうのです。左の石破さんでも右の高市さんでも、総裁になるともいつものおかしな自民党になり『誰がなっても同じ』という強固な基盤があります。
(山田)
これはなぜだと思います?
(深田)
なぜですか? 謎ですよ。
(山田)
やはり、日本の政治には経済界の強い圧力があります。僕は一度だけ経験したことあります。
(深田)
どんな圧力があるのですか?
(山田)
ちょうど福島原発の事故の後に食料の問題で法律を作ろうとした時のことです。法律の名前は忘れましたが、財界の鉄鋼関係者がその法案に反対するために、全議員のところを回っているのです。
考えてみると、政治家はお金がないので、政治資金を集めるためにパーティーを開きます。そういう時はどうしても企業に頼ってしまう。大きい企業なら、何十万、何百万と買ってくれるわけです。企業からお金をもらうと、政治家は企業に反対するわけにはいかないのです。だから、企業献金は絶対に禁止すべきです。
(深田)
ああ、いいですね。
(山田)
これだけは禁止しないと、日本の政治は自民党総裁が石破氏から誰に変わろうと、変わらない。
(深田)
企業献金は絶対禁止にしないといけませんよね。
(山田)
企業献金を禁止して個人献金だけにすれば、日本の政治を変わると思います。これを是非実現しないといけないです。
(深田)
実現してほしいです。
(山田)
かつて、政治資金規正法を改正する時には企業献金禁止で全党が合意をしました。自民党がそれを守っていないだけです。
(深田)
政党交付金が出ているのに企業献金ももらっています。もともと、政党交付金をもらう代わりに企業献金をやめるという話だったのが、自民党はいいところ取りをして両方もらっているということですね。
(山田)
そうです。合意したのにもらっています。
(深田)
相変わらずひどい連中ですよね。彼らはあくどいことに関してはすごく努力するのですよね。政治はお金がかかるというのですが、何に一番お金がかかるのですか?
(山田)
やはり、人件費ですかね。
(深田)
事務所を借りたり、事務員や運転手を雇ったりするだけで、年間1000万、2000万のお金が飛んでいきますよね。
(山田)
僕の知っている人が自民党に何人か、もちろん立憲民主党などにも、まともな政治をやりたい人はいっぱいいます。
(深田)
…(失笑)
(山田)
「いっぱい」と言ったらまずいか(笑)。少なくともいる。
(深田)
多少はいますよね。しかし、まともな政治をやりたくても、まともでない人が出世して、上層部が締め付けています。
(山田)
自由に発言もできない。
(深田)
そうなんですよ。自民党も野党も上が悪いです。下にいい人がたくさんいるのに、なぜ蓋をするのでしょうか。私は「どの政党がいいのですか?」と聞かれると「どの政党も同じです」と答えています。
(山田)
そうです。結局人で選ぶしかない。
(深田)
人で選んでも、根性のない人は党の上からガミガミ言われたら、しゅんとなって黙るのですよ。
(山田)
本当にどうしようもない事態ですね。
(深田)
山田正彦先生の世代の政治家はまだ根性がありました。しかし、今の50代、60代の政治家はもう全然だめです。それより若い人は、ユーチューバー系やインフルエンサー系の人が結構議員になっているのですが、カメラの前ではいいことを言っても何にも知らないから実際に法律や政策を動かす力がありません。一長一短で難しいです。どうすればこの国は良くなるのでしょうかね?
(山田)
最初に言ったように企業団体献金を断固禁止。これがスタートでしょうね。
(深田)
今回は元農林水産大臣で弁護士の山田正彦先生に『だめなのは小泉だけではない。そもそも企業団体献金がだめなんだ』というお話をいただきました。先生、どうもありがとうございました。
(山田)
ありがとうございました。