#428 西田昌司だけじゃない! 北陸新幹線地下水問題。大阪府は反対派市長を出禁へ!? 山本景氏

#428 西田昌司だけじゃない! 北陸新幹線地下水問題。大阪府は反対派市長を出禁へ!? 山本景氏

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム プロデューサーの深田萌絵です。

今回は大阪交野市長、山本景さんにお越しいただきました。山本さんよろしくお願いします。

(山本)

よろしくお願いします。

(深田)

前回は、大阪万博問題についてお話しいただいたのですけれども、私もうひとつ気になっている問題があります。先日、京都府の地方議員の先生、二ノ湯真士さんにお越しいただいたのですが、彼は北陸新幹線問題で北陸新幹線 小浜〜京都ルートを通すと、地下水問題が発生することをご指摘されていたのですが、北陸新幹線は大阪まで来るのですか?

(山本)

京都を通った後に、京都府内の松井山手、京田辺市を通った後に、北川市、大阪の北河内エリアを通った後、新大阪まで通る予定にはなっています。

(深田)

北河内ってどの辺りですか?

(山本)

私の交野市もですし、枚方市もそうですし、寝屋川で大東さん、門真、守口、あと四条畷。その七市を北河内というのですけれども、そのエリアを通って新大阪まで伸びることにはなっています。

(深田)

ルートとして変なところだなと思ったのですが。

(山本)

本来、京都〜新大阪間って、直線で行ったら淀川よりも北側を通って、今の東海道新幹線ですけれども、また別で淀川の南側。淀川左岸を通るということにはなっています。

(深田)

それをわざわざ地下のトンネルを掘って通す意味ってあるのですか?

(山本)

通すときに久御山町とかでしたら、橋梁と行って橋。要は、地上を通すことができるのですけれども、大阪府内となりますと、もうすでに住宅とか工場とか建ってしまっていますので、そこを立ち退きさせるというのは現実的ではないので地下40メートルよりも深いエリアの大深度地下で北陸新幹線を通すという計画にはなっています。

(深田)

でも京都から新大阪に繋ぐのですよね。今、京都〜新大阪間って10分で通るわけじゃないですか、それをぐるっと回ってくる意味って何かあるのですか?

(山本)

理由はどちらかと言ったら、実はJ Rの会社の問題もかなりあって。というのも東海道新幹線だと新大阪まではJ R東海です。一方、北陸新幹線はJ R西日本です。もし、これが米原、もしくは京都で乗り換えになったとすると、J Tの東海の新幹線に乗るので、

(深田)

西日本の利益にならない。

(山本)

ならないですね。

(深田)

私、このJ R問題は根が深いなと思うのですよ。そもそも、もう私企業じゃないですか。私企業なのになぜ国と地方自治体がお金を出して公共工事をして、そこからJ Rさんに対してレンタルしないといけないのかというのが、まずそこが第一に解せないです。だって上場企業ですから、株式市場ですとか、あとは債券市場で調達するべきだと思うのですよ。そうじゃなくて税金を使うとなると、ガバナンスがきかなくなりますよね。

(山本)

民間でも、国なり府なり市がお金を出すというのは、たまにあります。やはり公益性とか、公共性がある場合。新幹線に関しては、基本的には3分の1ずつで負担割合は定めていると、ここをちょっとややこしくしているのが、やはりJ Rの東海さんとJ R西日本。今もう完全別会社になっているので、別会社だけれどもこの大阪であったり京都に関しては、当時J R東海の新幹線が通っている。J R西日本の新幹線が逆に通っていないというねじれみたいなのがあって、それとJ R西日本の理屈としては自分たちで別に通したいと。

(深田)

でも、二ノ湯真士さんの話を伺う限りでは、とてもじゃないけど採算が合わないというか、5年前のコロナ以前の時の見積もりよりも工事費も倍ぐらいに膨らんでいて、かなり京都府民の負担も重いということなのですけれども、これって大阪府民は、どれくらい負担することになるのですか?

(山本)

大阪府も大阪府内での工事で発生した費用の3分の1に関しましては、大坂府が負担はすることにはなります。これは京都も同じことです。

(深田)

そうですよね。京都も年間、下手すると500億、600億という負担になってきて、そうすると他の公共事業ができなくなるとおっしゃっていたのですけれど、大阪府はどうなのですか?

(山本)

大阪府は、そういった問題がありながら大阪府としては、これまで小浜〜京都ルートを支持はしていたと、参議院選挙の頃から急に、比較検討というのを言い始めて、つい先日は(吉村)知事も比較検討というのを急に出した。

(深田)

結構、参議院選挙期間中に、ここで北陸新幹線 小浜〜京都ルートというのを批判させていただいたのですよ。だから結構皆さんの意識が高まっているかもしれないですね。

(山本)

ややこしいのが大阪府であったり、維新の府員団は過去はずっと小浜〜京都ルートでいくと。急に知事が考え方を変えましたけど、一方で維新の国会議員団、もしくは維新を作った橋本徹さんは、過去からもうずっと米原ルートと言っていて、同じ政党政治団体なのに捻れが生じています。

(深田)

前原ルートを言っているのは?

(山本)

日本維新の会だったり、もしくは維新を創設した橋下徹さん。同じグループなのに内部で意見が違っていまして、そこがかなり問題をややこしくさせているのかなとは思っています。

(深田)

なるほど。維新って、やはり国会議員と地方で結構、意識が違うと言いますものね。あまりスムーズじゃないというか。ただやはり、このJ Rの問題って国鉄の民営化ぐらいまで遡って根が深い問題かなと思っているのです。結局、J R東海の葛西(敬之)会長が、自民党安倍派のタニマチみたいな存在だったわけですけれども、その葛西元会長はご存命の間というのは国鉄を民営化する時に、新幹線だけが一番儲かるじゃないですか、どう考えても。そして過疎地は儲からないじゃないですか。一番儲かるところ(東海道新幹線)だけを切り出してJ R東海にして、そこの会長に君臨して、ずっと国会議員の議員会館の隣のキャピトルホテル東急に年がら年中ホテルを借りて、年間のホテル代6,000万円ぐらいで借り上げて、ずっと安倍派の人たちとの密会を繰り返して、何かいろんなことをお話しされたと思うのですけど、そう考えるとやはりJ R東海の安倍派人脈というのは、こちらが強いので、そうじゃない人たちはJ R西日本を使って新たな利権を作ろうとしているのかなと私は思っているのですよ。それが、小浜〜京都ルートなのかなとか。

(山本)

だからJ R東海とJ R西日本とそれぞれの考え方の違いがあって、そこの争いになってしまっていて、そこにいろんな政党の思惑が絡んできて、非常に複雑にはなってはいますね。

(深田)

では、今J R東海対J R西日本の代理戦争みたいな状態になっている。

(山本)

なっていると思います。それに、いろんな自治体。都道府県とかだったら代わりに争ってとなるのですけれども、そこに地下水とかまで絡んでくる自治体からしたらとんでもない迷惑なので。

(深田)

交野市は、地下水なのですか?

(山本)

交野市の水道水の8割は地下水です。

(深田)

そうなのですね。じゃあ地下水資源が豊かな。

(山本)

そうですね。且つ、それを水道利用している。

京都市だと琵琶湖疏水なので、水道水に関しては琵琶湖の水ですけれども。交野の場合、地下水をそのまま約8割水道として利用しています。

(深田)

ということは、新幹線がそこを通ってしまうと、その水源がどうなるか分からなくなってしまうということですよね。

(山本)

だから少なくとも調査はしている。京都でやっているぐらいの調査はしてというお願いはして、今は調査中の段階です。

(深田)

でも最近の環境影響評価の調査を見ていると、ものすごい杜撰なのです。

2− 3年前に熊本の水問題を調べていたのですけれども、TSMCという半導体企業を熊本に誘致する時に莫大な水を使うのですよ。菊陽町という町の一年間で町全体が使う水の量が400万t程度です。それと同じぐらい使っちゃう。1社でですよ。町中の工場が一年で使う水を一社で吸い上げたら、水資源おかしくなりますよねということで、結構 チラシ配りですとか、街頭演説なんかして運動していたのです。

その結果、熊本県は水の調査をしたのです。それが、熊本の水資源って本当は減っているのですけれど、減ってないという結果を出したのです。その調査の仕方っていうのは、王雨の日の翌日だけ計測池の水の深さを計測して、わざと水増しした状態で数値を取っているのです。そういうのを見ると、調査もちゃんとやらないと国というか、やりたい人たち推進派が改ざんした数字を出してくるのを懸念しています。どうですかね?

(山本)

まだうちは今調査をやってもらっているところなので、やはり調査結果を見てからの話になるのですけれども、やはりうちで言いますと市民の生活用水に関わってくるので、かなり慎重に見極めないといけないかなと思っています。

(深田)

それで京都府の議員さんとお話をしたりするのですか?

(山本)

京都の一部自治体とは、京都市では無いのですけれども、南丹市さんとかとは話はもうすでに始めているところです。

(深田)

そういった自治体さんなんかも水資源の問題に関しては、かなり懸念をもたれていると。

(山本)

水もありますし、あと掘削のときの残土の影響とか。

(深田)

そうですよね。残土はどうなるのです?

(山本)

残土は必ず発生しますので、必ずどこかに置かないといけないので。

(深田)

もう夢島に積んでおいたらどうですか?

(山本)

いやー。なかなか残土って置ける場所って無いんのですよ。

(深田)

そうですよね。そもそも小浜〜京都〜新大阪に新しくルートを作る必要があるのかって、そもそもそこですよね。

(山本)

はい。

(深田)

北陸新幹線を推進している協議会みたいなのあるのですよね。

(山本)

大阪府は今も残っていまして、大阪府が実質的には主体ではあるのですけれども、北陸新幹線の早期全線開業実現大阪大会。ちょっと長ったらしい名前なのですけれども、そちらでの協議会は残っております。

(深田)

そういうところで水の問題とか議論されているのですか?

(山本)

今年8月4日に開催されるので、招待状も届いたので話をしたいと言ったたら、もう一年前はまさかそんな話だと思わなかったというシラを切られたので、事前に抗議文を先週持って行ったところ、話をする機会をくれるどころじか「もう出席するな」と。

(深田)

え?!招待状を送っておきながら出席するな!ですか?

(山本)

はい。

(深田)

それは大阪府の府知事が?

(山本)

もう府知事は会ってくれないので、大阪府の都市整備部の鉄道の関係の課がありますので、そちらの課長から出席するなと直接言われております。

(深田)

え?それって大阪府の都市整備部の課長が、大阪府内にある市の組長に対してお前くるな!と

(山本)

そうです。招待状は送ってはくれているのですけれども、交野市の主張を言いたいと言ったら出席してくれるなと。

(深田)

そんなことあっていいのですか?

(山本)

一応、向こうの言い分は盛り上げるためのイベントなので、交野市が喋ると盛り下がるというので来るな!と。

(深田)

盛り上がるとか盛り下がるじゃなくて、その前に話し合わなきゃいけないことがありますよね。

(山本)

だから京都ではそういった大会が開かれてはいないですね。大阪では開いていますけども。

(深田)

京都で開かれないのですね。

(山本)

はい。何故なら、反対している自治体も多いので。

(深田)

京都はですか。

(山本)

ええ。自治体でそういった合意形成を図れないので、大阪はもう推進でこれまでやってきていますので。

(深田)

でも、京都でポシャったら大阪まで来ないですよね。

(山本)

そうです。急にもう今となっては比較検討とか言っていますけれども、その比較検討の知事の理由が京都で地下水の問題があって、なかなか理解が得られないと言っているのですけれども、なぜか大阪では交野市が地下水を理由に意見を言いたいと言ったら逆に大阪の都市整備部の課長には「来るな!」と言われていると。

(深田)

有権者に選ばれた組長ですよね。それを大阪府の課長クラスの人が、お前来るな!と行って、それは民主主義的なのですか?

(山本)

民主主義に反することですし、一方で吉村知事は京都府の地下水の懸念に関して理解はしていて、比較検討と言っているのに、同じ大阪府内の自治体が地下水に懸念を示したら大会には来るな!と。

(深田)

ひどい!本当、相変わらずですね。大阪府。

(山本)

だから整合性が取れてないので。

(深田)

整合性が全然取れないですよね。意味が分からないです。

(山本)

市の中で既に、北陸新幹線に関しては米原ルートか小浜〜京都ルートかで整合性取れてないので。

(深田)

そうですよね。

北陸新幹線、京都から新大阪に行くまでの北河内の他の四条畷とか、門真とか、寝屋川とか、枚方とか、そのあたりの市はどういうふうに考えているのですか?

(山本)

そういう市からすると、地下を通るだけ無関係なのですよ。というのも水道水がすべて淀川の水なので。

(深田)

その人たちは淀川なのですか。

(山本)

実を言うと沿線で地下水を使っているのは、うちと京田辺、京都府です。京田辺では、基本的には地上を通る。だから地下水には影響がない。

(深田)

京田辺は地上を通るけど、片野に入るときは地下に入ると。

(山本)

そう。大阪府内は地下なので。すると地下水には影響が出てくる。じゃあうちで地上を通せるかと言ったら、もうすでに住宅開発とかされてしまっているので、地上を通すのはもう困難です。

(深田)

はい。住民の反対運動を仕掛けるしかないですね。

(山本)

もう、住民レベルではもちろん反対なのです。

(深田)

なるほど。複雑ですね。でも関西って、私は奈良で育ったのですけど、奈良とかだとちょっと掘ると、すぐに古墳が出てきて10年工事が止まるみたいなことがしょっちゅうあって、京奈和って通りました?

(山本)

いや、いまだにと言う状況ですね。

(深田)

そうですよねで。そういう状況なのえ、そんな簡単に京都の地下とか掘ったら何か凄いもの出てきちゃうのじゃないのかなとか。

(山本)

一方で米原とか、湖西線のところとなると、今度は滋賀県が反対します。

(深田)

そうなのですか。

(山本)

すると、どう解決されるのかなとは思ってはいます。都道府県が賛成しないと、新幹線通らない、通せないものですので。

(深田)

そうですよね。滋賀県は、今反対なのですね。

(山本)

自分たちのところに通すと今並行している在来線がJ Rから切り離される。そこはもう滋賀県山沿線の自治体で面倒見ないといけなくなるので、それは困る。湖西線がJ Rじゃなくなって第三セクター(公的・企業組織でない)になったらどうするのかと言ったら、それは困る。

(深田)

それは、困りますよね。

(山本)

じゃあ第三セクターにするのを止めるって方法はどうかと言ったら、それをやってしまったら、これまで新幹線を通した他の県や府が、何故、そこだけ第三層セクターにしないのかと怒ります。

(深田)

そうですよね。じゃあ結構、北陸新幹線問題J R西日本がJ R東海に対抗心を燃やしているけれども、それが結構迷惑な展開になっているといういことですね。

(山本)

いずれにしても滋賀を通そうが京都を通すそうが、非常に難しい状況ですし、そもそもそこまで何故通す必要があるのかと言われた時に、やはりJ R西日本とJ Rか東海の問題がやっぱりありますので。

(深田)

そうですよね。そもそもインフラって分割しちゃだめですよね。やはり密集地が化措地を養うみたいな、全体でひとつのモデルになっていると思うので、やはり国鉄を民営化した時点で結構失敗だったのではないのかなと思います。

(山本)

民営化かつ分割で、分割の仕方もかなり不公平な分割をしていますので。

(深田)

そうですね。お金が儲かるJ R東海新幹線を葛西さんがもっていって、そのまま政権と癒着しちゃったというやり方も結構ずるいなと思いました。しかし、北陸新幹線問題根が深いですね。

(山本)

深くて、これはどう解決するのと言ったら、現状無いのではないかなと思っていて。

(深田)

解決策がないと。

(山本)

仮に、小浜とか、もしくは舞鶴とか、そこは通したとしても、別にそこを通すための新幹線ではないですし。

(深田)

そうですよね。結構、在来線でも普通に行けちゃうところで、特にサンダーバードでしたっけ。

(山本)

はい、むしろサンダーバードはだいぶ利便性が悪い意味で落ちてしまいました。直通で大阪から行けなくなりまして、敦賀で乗り換えなので。

(深田)

なるほど。なんでそうなったのですかね。

(山本)

今もう新幹線通っていますので、在来線は既に切り離されてしまっています。

(深田)

いろんな弊害が出てきているということなのですね。もう北陸新幹線問題も問題が多すぎですね。

(山本)

福井は推進派で動いていますけれども、石川県はもう割れていて、どちらかといったらこんなにややこしいのだったらもう米原を通せ。東海道との東海地域の名古屋との結びつきも大事ということで、それぞれの県が主張が変わってしまっています。

(深田)

そうですよね。しかも私は、最初北陸新幹線問題は水の問題があるって伺った時に、リニアのことかなと勘違いしたのですよ。

(山本)

同じくトンネルを掘るという工事なので同じことなのです。

(深田)

リニアでも結構揉めていますよね。

(山本)

リニアは通す時に、複数種類あるトンネルの堀り方のうち、シールド工法ではなくて普通の三角トンネルという普通にトンネルを掘るような工法でやってしまっていたので、あれをやるとほぼほぼ必ず地下水への影響というのが出てしまいます。

(深田)

なるほど。本当にこの北陸新幹線問題も着地点が見えないですね。止めるのが1番みたいな。

(山本)

もう現状で止めて、もう一度考え直した方がいいとは思っています。

(深田)

そうですよね。

北陸新幹線、百害あって一利無しということを大阪府交野市長山本景さんにお話をいただきました。どうもありがとうございました。

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