#415 左派は中朝利権、右派は米台利権。 日本は機能不全国家のままファシズムへ突入!? 内海聡氏
(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回はDD Clinic院長の内海聡さんにお越しいただきました。内海さん、よろしくお願いします。
選挙お疲れ様でした。
(内海)
ありがとうございました。
(深田)
やはり今回の選挙を見ていてすごく思ったのが、外国人問題だったりとか、スパイ防止法だったりとか、憲法改正だとか、そういう感じで結構右傾化が顕著になってきたのかなというところかなと思います。
(内海)
右傾化なんてレベルじゃないですよ。極右だったらそう言っていますから。私も移民政策は反対していて、街頭演説とか公約にもそういうものを入れていました。そういう面では保守っぽいところもあるかもしれませんけど、今回の結果は右派とか右傾化というレベルじゃない、というのが私の認識です。完全ファシズム化というイメージだと思います。
(深田)
そこまで世の中が右に傾くというのは、今までの自民党、自公政権に対する揺り戻しというか。
(内海)
反動というか、もともと左派という政党があって、それが政党名をはっきり言ってしまえば立憲とか社民とか共産、れいわとか、そういうところが左派ってことになるのでしょうけど、その左派が何も受け皿になっていない。それは皆さんご存じでしょうけど、中国韓国シンパで、ぶっちゃけ在日の背景を持っているというのが流れとしてあり、それがいいことを言う時もあるのだけれども二枚舌だから信用されない。結局みんな保守を求めるのだけれども、自公政権とか自民党が昔は保守的な要素を少しは持っていた。しかしこの数年間、特に媚中派がめちゃくちゃ増えて、何をしたいのかよくわからない、魂を売っているみたいなモデルになった。そうすると、他のところに保守という思想を探すしかなくなり、とにかく極右的なことを言っていれば中国に対抗できるとか、俺たちの権利が守られるとか、俺たちが偉そうにできるとか、そういうふうに考える人が増えて、どんどん極右の方に流れていっているのが今の状況だと思います。
(深田)
外国人問題や、外国人による不動産取得問題、その他いろんな外国人犯罪を警察がちゃんと取り締まっていないことなどに対する不満は、国民の間で溜まっていたのかなと。
(内海)
そうですね、溜まっていると思います。しかしこれ、止まらないと思います。結局自民党とかも選挙前になってちょっと対策するとか、選票の取り組みみたいなことを言っているけど、結局今回の選挙が終わって、どの政党も速攻で増えた議席を背景にコロコロ言うことを変えてきている。自民党も選挙前だけの姿勢だったと思うので、この移民政策とか外資優遇政策は、選挙前だけいいことを言っただけであんまり変えないと私は思っています。
(深田)
確かにそうかもしれないです。ちょっと言ってみただけ系。
(内海)
とにかく今の保守は、萌絵さんの思想がどうかは私もちゃんと認識してないけど、定義としてはよく伝統的な主義とか、復古主義的な思想があるという風にいいことばかり言う。しかし、保守なんて一歩間違えたらすぐに権力志向になり、権力者をあがめ奉り、周囲に対しては非国民だとか排外主義に走るのです。左派が言いそうなセリフですけど、そういうふうにどんどんなっていく傾向が強まっているし、しかも本人たちはそれに対して自覚がない。もう危険きわまりないというか、どうしようもないと私は捉えています。街宣でもそういうことを言っていたのですけれども、あまり響かなかった。有権者は、改憲の問題でも極右化の問題でも興味がないのかな。一部のネットを見ている意識層だけがそこに興味があるというイメージかなと思っています。
(深田)
ただ、日本の政治って右が左だって言いますけど、どっちもそれなりに売国していますよね。
(内海)
そうです。そもそもどっちも一緒という感じです。
(深田)
なので、この右と左の二択だと、どっちもグローバリズムに乗っちゃう。この提示の仕方がおかしいです。
(内海)
そう。右がナショナリズムだからグローバリズムに対抗する、みたいなことを言っている時点でおかしいです。結局、極右化しても極左化しても、全体主義化して一部の人間だけがおいしい思いをして、みんな貧民になり、扱いは奴隷になるということは変わらない。極右化しても極左化しても、モデルの根本は変わらない。それを「グローバリズム反対」とか言っていれば、ぶっちゃけバカが引っかかると思ってやっているのが今のモデルだと思います。
(深田)
右も左も、本当はどっちもグローバリズムだよ、ということに対抗しようと思ったら、やり方は何がありますか。
(内海)
僕ら、今回議席もらえなかったので、あんまり偉そうに言うと負け犬の遠吠えとかコメント欄に書かれそうですけど…。いわゆる権力志向というのは、極左であっても共産主義ド直球で、北朝鮮とか、昔のロシア、今の中国みたいなモデルになるわけじゃないですか。保守を突き詰めていったら王族志向になって、要するに昔の伝統的王族貴族奴隷制になる。結局その戻るは変わらないと言っている。要するに、右とか左というモデルじゃなくて「支配」だと私は思います。最低限の人間の基本的人権、国民主権、生きる価値や権利といったものを、一部の人間が勝手に決めるモデルか、最低限何でも自由にして好き勝手やればいいということじゃないですけれども、最低限のものは担保されているものと、そうじゃないものとの対立だと思うので。支配主義と、日本では自由主義、民主主義もちょっと違う気もしますが、とにかくそういうものが今の対立構図のようになっている。しかし日本人はいま自由に慣れきっている、「当たり前じゃん」と思っている。日々、普通に飯を食って、居酒屋で酒を飲んでいるから、自分たちの権利が制限されるというイメージを持っていないと思います。
(深田)
私もちょっとしたきっかけでお上に逆らってしまうことがあったのですが、お上と対立すると憲法の有り難みをすごく感じます。権力者から刑事告訴をされるなど、色々ありました。やはり、憲法で与えられた言論の自由が保障されているので、その範囲の中に実は収まってしまう。憲法がなかったら、自分は危なかったかなと。お蔭様で公権力から守られた、ということを感じると、「憲法っていいな」「憲法から恩恵を受けたな」と実感します。
(内海)
ある程度戦いを経験しないと実感できないかもしれません。
(深田)
そうですね。好きで戦っているわけじゃないですけど、気がついたらこんなことになっていたという感じです。しかし本当に、刑事告訴されたり、圧力をかけられたりすると、「憲法っていいな」と思います。これ、みんなに体験してほしいなと思います。
(内海)
あまり体験するといい思いはしないかもしれません。
(深田)
皆さんにはもっと言論の自由を行使して、しっかり公人を批判してほしいです。
(内海)
本当にそうだと思います。それそのものを今どんどん奪おうとしている。最初は憲法以前の問題として、SNS対策から言っています。これもある種、憲法違反的な部分があります。まずはデマ扱い、フェイクニュースと言ってしまえば終わり。それから言論封圧のようなことをやるようになり、そのムードが強くなってきたら、憲法を改正したり、権力者がより権力を持つような法律を作ったり、あとは緊急事態条項もそうです。そういうものを通してくる流れになると思います。今回、それが一つの争点だったはずですが、あまり争点にならなかったのかなと。みんなとにかくどんどん極右化に流れている。いいふうに捉えれば、日本を外資や移民から守りたいという気持ち。それが極右化の反動になっているわけですけれども、その流れが強くなりすぎた結果が今回の選挙結果なのかなと思います。
(深田)
外国人問題というよりも、全部日本の政治家が引き起こした日本人問題ですよね。
(内海)
移民政策もそうですが、外国人旅行客に来てもらうのはいいのです。しかしルールはめちゃくちゃで、日本人のほうが冷遇されていることがたくさんあった。すでに過去にそういうことをやってきた流れがあるので、それを何とか元に戻したいというのが今回の結果でしょう。それと改憲は違いますよね。
(深田)
そうですよね。憲法改正案を見ても、「日本人の権利がもっと守られます」ではなく、制限される。国民の権利が奪われていくだけですよね。
(内海)
ほとんどの人がまず、憲法改正案とか自公の改憲草案とか参政党の創憲内容とかを見ていない。僕は街宣中とか選挙運動前から結構ライブで配信していましたけど、ライブ配信を見る人は僕のことを知っている人が多い。それでも半分以上は見ていない。
(深田)
憲法は、読んでいない人が多いですよね。
(内海)
自公の改憲草案の中身も、全部戦前憲法、大日本帝国憲法に戻すようなイメージの内容になっています。
(深田)
統一教会案ですよね。
(内海)
勝共連合ですか、勝共でもいいのだけれども、勝共連合とかが言ってきた中身と同じ内容になっている。参政党の創憲なんてもっとひどいです。カルト丸出しみたいな、そういう内容になっていて、日本国憲法やそれに関する最低限の人権、基本的人権、国民主権その他については一言たりとも触れられていない。それをテレビで突っ込まれたら「当たり前のことだと思っていた」みたいな、ふざけているにも程がある。それを書いているのが弁護士なのだから、絶対憲法の勉強なんかしたことないと思います。そういう内容になっています。こういう話は私だけが言っているわけじゃなく、例えば日弁連でも誰でもどこでも言っているレベルの話なのに、これを何年もかけて、例えば参政党の創憲案なんか作られているわけです。これからブラッシュアップすればいいみたいな言いが、通用するわけがない。本当に戦前憲法、明治憲法に戻したいという意図があって、例えば「憲法に徴兵制なんて書いてないからそんなことは担保されない」なんておバカなことを言う人がいますけれども、実際に歴史では軍国主義になって徴兵制になったわけです。それは憲法に書かれていなかったからこそ、どうとでも恣意的に解釈され、その流れに持っていかれてしまう。文章で最高法規として「徴兵制や軍国主義にならないように」と書かれていることは、最後の砦なのです。
(深田)
なるほど。
(内海)
その最後の砦を無くしたら、人間は後からどうとでも嘘をつきますから、それを恣意的解釈というものです。何が起こってもおかしくない。
(深田)
私が一番驚くのは、憲法改正に賛成している人たちが意外と読んで比較していないことです。
(内海)
テレビやメディアでさえ言い出すようになりました。今回、参政党と国民民主党も強力な改憲派ですから、その2つが伸びてついに扱い出した。日本国憲法にはこう書いてあるけど、こっちには書いてない。じゃあ何をしたいのだみたいな指摘を大手ニュースでも見るようになりました。しかし、それは当たり前の話で、私たちは以前から言っていただけのことです。やっとメディアも取り上げるようになったのかなという感じです。
(深田)
保守系メディアでは長年「憲法9条を改正しないと自衛隊がかわいそうだ」という話が流れていました。私も最初はそうだなと思ったのです。憲法9条については確かに議論の余地があると思います。ただし、出てきた改憲案を見たら「基本的人権はどこに行ったのでしょうか」みたいな。
(内海)
9条の話も左派の政党は、自衛隊も否定すると思います。私も街宣の時はよく言っていましたが、自衛隊は何も否定していません。知り合いも多く、頑張っていると思いますし、実際には自衛隊はなんだかんだ言って強い。集団的自衛権と個人的自衛権は違いますし、それで
警察予備隊から始まった解釈は今でも十分通用すると私は思っています。だから自衛隊は普通に頑張ってもらえばいいわけです。専守防衛という発想も日本人らしくて良いと思います。「自衛隊をなくせ」という話とは全然違いますから。しかし9条でいうと、付帯条項というのが改憲の中にあり、今回の自公草案では9条が国防軍にするという、まるで軍国主義になるような条文になっているのです。どちらかというと、自衛隊は結局のところ軍隊は軍隊なので、どれだけ着飾ろうが何をしようが、問題はそこではなくて、付帯条項の方に「国際協調の名の下に派兵できること」が書いてあります。つまり、これが入ってくるということは、アメリカの2軍とか3軍になるということです。これがすごく重要なのに、ほとんど誰も言わないのです。
(深田)
なるほど。アメリカが「行け」と言ったら行かなきゃいけない。
(内海)
アメリカは今まで世界中で、お金持ちの都合で戦争を起こしまくってきたのに、リチャード・アーミテージ氏とかジョセフ・ナイ氏とかジャパンハンドラーと呼ばれるような人たちが、ずっと「憲法改正してアメリカ軍の2軍3軍になれ」みたいなことを言ってきた。そして「どんどん参加しろ」と。そうしたら、僕らは国を守る為のものではなく、違う目的の為にこき使われるようになるわけです。
(深田)
米軍がたまに、アメリカ国内で傭兵部隊や民間軍事会社にアウトソースしている。自衛隊が、そのアウトソース先の一つになっちゃう。
(内海)
自衛隊がそんなものの為に使われても、アメリカが正義だという前提から入るのはおかしいのに、保守系の人はそこから入ってくるのです。「アメリカが正義なのだ」みたいな。
(深田)
しかし、「対米従属はいい加減にしろ」と言っている人も多い。
(内海)
矛盾も極まりない。それも、もともと安倍氏とか清和会系が、その矛盾を抱えたままずっとやってきたわけですから。そこからもう詐欺です。自主独立みたいな発想で行くなら、アメリカから独立しないとどうしようもない。
(深田)
そうですよね。でも「対米従属だ」とか言いながら、中国にすり寄ってきたのも安倍政権なのかなと、私は思っていますが。
(内海)
日本は列島なのだから、どこからも自立していて、どこともうまく、あまり仲良くしすぎず、敵にもなりすぎずくらいの感じでやらないと、外交的にはおかしいです。
(深田)
そうですよね。
(内海)
ロシアも中国も半島もそうだし、台湾もそうだし、アメリカもそうだし。本当に自主独立型外交をしないと。アニメとか漫画レベルでも言っている気がするのですが、なんでどこかに従属しなきゃいけないのか、本当によくわからない。
(深田)
自立している気分になりながら、ちょっとご主人様を探している、これだと思います。だってほとんどの人は会社勤めしているじゃないですか。仕事がなくなったら「自分で起業しよう」じゃなくて、「転職しよう」でしょう。常に新しい帰属先を求めてしまう。これは意識の問題で、私も女性に「もっとスキル身につけて転職しようよ」とか「キャリアアップしようよ」とか言ったことありますが、中々うまくいかなくて。なぜかというと、彼女らの夢は結婚してお嫁さんになることだから。それが悪いわけじゃないです。だって結婚は楽しいし、好きな人と一緒にいて子供を育てるって、普通に女性の夢じゃないですか。
(内海)
嬉しいですよね。
(深田)
楽しいし。ただ、「そんなものなのだ」という価値観の中で、「もっと資格をとって転職しようよ」なんて外から言っても、「余計なお世話」みたいなオチになっちゃう。そういう感じだなと思いました。ということで、自主独立路線は意識改革から始めないといけない。
(内海)
そうですね。今回も自主独立から選挙の話も始まったのです。選挙が始まったのですけど、中々響かなかった。
(深田)
皆さんが、もっと言論の自由を行使してみたらどうですかと。言論の自由の際を見に行くという。
(内海)
私、口が辛いから「奴隷根性」とか言っちゃったのがダメなのかもしれません。
(深田)
奴隷根性と言っちゃうと、確かにダメですよね。奴隷根性というか、結局、今までと違う未知の世界に行くのがちょっと怖い、そういうところはあるかもしれないです。
(内海)
自閉的な恐怖感みたいな、変わりたくないというやつ、それは当然あると思います。
(深田)
そうやっているうちに、だんだんアメリカに食われ、中国に食われという状況になる。
(内海)
真綿で首を絞められている。
(深田)
外国人はけしからんとなった瞬間に軍国主義になって、実は外国に支配されていた、みたいな。
(内海)
歴史は繰り返す。そのままです。
(深田)
ということで今回は、DD Clinic院長の内海聡先生に、右傾化するとか極右化する日本の未来についてお話をいただきました。どうもありがとうございました。