西田昌司で京都は増税地獄の真相! 二之湯真二氏 #378

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【目次】

(深田)

みなさん、こんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は、参議院選挙・京都選挙区に無所属で立候補されている二之湯真士さんにお越しいただきました。二之湯先生、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

(二之湯)

よろしくお願いいたします。

(深田)

実は、二之湯先生のことは、「西田昌司被害者の会」の関係者の方からご紹介いただきました。その方は、西田議員の元秘書や関係者からストーカー行為を受けたり、『週刊文春』にさまざまな情報を流されたりと、複数の被害を受けた方です。先生ご自身は、どのような被害を受けられたのでしょうか。

(二之湯)

私の場合も、かなり大きな被害だったと考えています。2024年2月に行われた京都市長選挙に立候補するため、私は以前から活動を続けていました。もともと自民党所属の京都府議会議員として活動していたのですが、当時、自民党京都府連は市長選において誰を推薦するかをまだ正式に決定していませんでした。そのため、私は自民党に在籍したまま立候補の準備を進めていたのです。しかし、やがて他の候補者が擁立される見通しが明らかになった時点で、私はきっぱりと離党届を提出しました。

ところが、その離党届は受理されず、後に党紀委員会が開かれ、私に出席の要請がありました。党紀委員会とは、本来、党の規則に違反した者に対して処分を行う機関ですが、私はすでに離党届を出しているにもかかわらず、呼び出されたのです。その際、委員長を務めていたのが西田議員の側近とされる人物でした。私は「私が一体、何の規則に違反したとされているのですか」と尋ねましたが、返ってきた答えは「今からここで考える」というものでした。

(深田)

それでは、まるで中国共産党のようではありませんか。

(二之湯)

本当にその通りで、非常に驚きました。その場では、具体的に「この行為が問題だ」という指摘も一切ありませんでした。そして最終的に、私は「党の秩序を乱した」という理由で、除名処分を受けたのです。

(深田)

すでに離党しているにもかかわらず、除名処分になるのですか?

(二之湯)

そうなのです。離党届を出していたにもかかわらず、最終的に除名処分となりました。そして何より、西田さんというのは、もともと裏金問題を抱える議員です。

(深田)

まったくその通りです。典型的な裏金議員だと思います。

(二之湯)

ただ、この事実をご存じない方も多いのではないでしょうか。

(深田)

私、最初はリニア中央新幹線の話かと思っていました。

(二之湯)

いえ、そうではありません。リニアは、東海道新幹線、つまり東京から大阪までの幹線に何らかの事態が発生した場合の代替ルートとして建設が進められているものです。

(深田)

そうですよね。それに、リニアはスピードが速いことでも注目されています。

(二之湯)

その通りです。しかし、実はそれよりもはるか以前、1970年代に「北陸新幹線」の建設がすでに決定されていたのです。これは、東京から大阪までを日本海側経由で結ぶ新幹線計画です。

(深田)

それは驚きですね。私が生まれる前から始まっていたのですね。

(二之湯)

まさにそうなのです。私たちが生まれる前から構想されていたにもかかわらず、いまだに完成しておらず、現在は福井県の敦賀まで到達した段階にとどまっています。そして、その敦賀以西のルートをどうするかという点で、大きな揉め事が続いているのです。

(深田)

敦賀までは、すでに開通しているのですか?

(二之湯)

はい、すでに通っています。現在、東京駅から北陸新幹線で敦賀まで行くことが可能です。東京駅を出発し、群馬、長野、新潟、富山、石川、福井と通って、敦賀まで到達します。

(深田)

それは知りませんでした。その路線には、まだ一度も乗ったことがありません。

(二之湯)

ぜひ一度、乗車されてみてください。1時間に2本か3本は運行されていると思います。

(深田)

敦賀までは、所要時間はどのくらいでしょうか?

(二之湯)

おそらく4時間台で到着できるはずです。私自身、東京からはまだ乗ったことがありませんが、概ねその程度の時間で行けると思います。ただ、問題はその先、つまり敦賀からさらに西へ、京都・大阪方面へと延伸するルートです。ここで大きな対立が起きているのが、いわゆる「北陸新幹線 京都問題」なのです。

(深田)

それはもう、いったい何十年も揉め続けているのではないかという印象ですね。

(二之湯)

その通りです。そして、この京都問題については、ここ8年ほど計画が停滞している状況が続いています。敦賀までの延伸はすでに決定しており、それが正式に決まったのは2016年12月のことでした。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム、以下「与党PT」と呼びますけれども、敦賀以西のルートを検討する委員会が設置され、その委員長に就任したのが西田昌司氏です。

(深田)

それはもう、今後さらに揉めそうな気配が濃厚ですね。何か、ろくでもないことが起きそうな予感がしてしまいます。

(二之湯)

最終的に、小浜―京都ルートが正式に決定されました。実はそれに至るまで、5つの候補ルートが存在していました。最も古い案は、国の原案として提示されていたもので、たとえば田中角栄元首相がかつて提唱していた「小浜から大阪へ抜けるルート」です。このルートでは、京都府の中部から北部あたりに新駅が設けられる可能性があるとされ、実際、京都府亀岡市では40年以上にわたって駅誘致運動が続けられてきました。

ところが、敦賀以西のルートを本格的に検討する段階になると、さまざまな案が持ち上がりました。たとえば、「米原ルート」は琵琶湖の東側を通る案で、「湖西ルート」はその西側、いずれも滋賀県を経由する案です。また、「小浜―京都ルート」はJR西日本が推進していたものでした。さらに、西田昌司氏が主張したのは、「小浜から舞鶴を経由して京都駅へ至る」という、かなり大きく迂回するルートでした。加えて、古くからの小浜―大阪ルートも依然として候補に残っていました。

これらはいずれも公共事業であり、当然ながら税金が使われるため、費用対効果や費用対便益といった観点から慎重な検討が行われました。その結果、最も合理的とされた「小浜―京都ルート」が採用されるに至ったのです。

(深田)

なるほど、それは妥当な判断だと思います。

(二之湯)

やはり、京都駅を経由するというのが大きいですね。

(深田)

確かにそうですね。ちなみに私、京都の嵯峨にある短期大学に通っていたのですが、亀岡や舞鶴というと地元の方には失礼かもしれませんが、正直なところ、それほど人が多いエリアではない印象があります。

(二之湯)

おっしゃる通りです。人口は少ないですね。敦賀や小浜にしても同様で、いずれも過疎化が進んでいます。ただ、北陸新幹線の整備には、太平洋側と日本海側との地域格差を是正するという目的もあります。

昔からよく言われてきたことですが、「なぜこんな田舎に高速道路を通すのか」といった批判もある一方で、通さなければ地域の衰退はさらに進むだけ、という現実もあります。ですので、私は北陸新幹線をしっかりと大阪までつなげるべきだと考えています。

ただし、その中でも「小浜―京都ルート」に決定するにあたっての“決定プロセス”には、やはり大きな問題があったと感じています。

(深田)

具体的に、何があったのでしょうか?

(二之湯)

まず、京都の人々が最終的に誰一人としてこの決定を喜んでいない、という状況になってしまったのです。

(深田)

なぜ、そうなってしまったのですか?そもそも、「小浜って、どこでしたっけ?」という印象すらあります。

(二之湯)

小浜は現在では非常に小さな町で、国道162号線を京都から北上していくと到達する場所にあります。福井県のなかでも京都に最も近い西部、いわゆる若狭地域に位置しており、原子力発電所が集中している地域でもあります。

当初は、小浜から大阪方面へ延ばす構想がありました。そうなると、途中の京都府亀岡市に新駅ができる可能性があり、地元では長年にわたって誘致活動が続けられていたのです。

しかし、最終的に決まったのは「小浜―京都ルート」でした。つまり、亀岡とはまったく関係のないルートになってしまったわけです。そのため、期待していた地元では落胆が広がりました。実際、地元の有力な代議士も、この決定が下された際に「もう二度と亀岡には来るな」と発言するほど、強い怒りをあらわにしていたと聞いています。

さらにもう一つ、舞鶴を経由する案についてです。これはご指摘の通り、大きく迂回するルートとなるわけですが、この案を強く主張し始めたのが、まさに西田昌司氏なのです。

(深田)

あの方、本当に余計なことばかりする印象がありますよね。

(二之湯)

舞鶴だけでなく、京都府北部の各市町村の首長たちも大きな期待を寄せていたのです。「必ずこのルートで実現させる」と何度も集会を開いて盛り上げていました。地元の方の話では、当時は安倍元総理まで招いて、「このルートで進める」といった意思表示まで行っていたそうです。

丹後半島という地域がありますが、あそこは高速道路も高速鉄道も通っておらず、さらに京都には空港もないため、かねてより「東京から最も遠い場所」と言われてきました。そうした地域の住民たちも、新幹線によって利便性が高まることに大きな期待を抱いていたのですが、結果的に彼らには何の恩恵もないルートが選ばれ、落胆と怒りが広がっています。

(深田)

西田さんに対する反発が強いのですね。

(二之湯)

はい。その後、西田さんからは、「代わりにこういった施策を考えている」とか、「なぜこのルートが選ばれたのか」といった説明や謝罪の言葉も、まったくなかったというのです。

(深田)

西田さんなら、いかにもありそうな対応ですね。たとえば、コロナ禍の最中には、彼はYouTubeで「コロナの給付金は借りられるだけ借りなさい」「返済しなくてもいいように、私が国に掛け合いますから、皆さん安心して借りてください」などと発信していました。しかし、コロナが落ち着いた途端に返済期限が到来し、西田さんの言葉を信じて借り入れた多くの企業が倒産に追い込まれる事態になったのです。

(二之湯)

おっしゃる通りです。それと同じようなことが、新幹線の件でもありました。新幹線を誘致する際、当然ながら地元自治体には工事費の一部負担が生じます。ところが、西田さんは当初、「地元負担は一切ない。京都区間は全額、国費でまかなう」と主張していました。その発言を信じて、地元では「それならがんばろう」と大いに盛り上がったのです。

ところが最近になって、西田さんは一転して「地元負担は当然ある」といった前提で発言をされています。

(深田)

やはり、そういう方なのですよ。西田さんは、本当に信じがたいほど大胆な虚偽を口にされます。

(二之湯)

まったくです。もはや、自分にとって都合の悪い現実は、脳内で勝手に消去されているのではないかと思うほどです。

(深田)

実は私、西田昌司さんのYouTubeチャンネルで、かなり辛辣な言葉を浴びせられたことがあるんです。

(二之湯)

そうでしたか。

(深田)

その時の配信では、「深田萌絵さんのYouTubeを見ました」「あの人の日航機の解説は全くのデタラメです」と発言していたのですが、翌日には一転して「いやいや、私は深田萌絵さんのYouTubeなど見たこともありません」と言い出したのです。いったい、どっちなのかと呆れてしまいました。

(二之湯)

そのあたり、本当に不可解ですね。そして、話を北陸新幹線に戻しますが、京都駅に新幹線が乗り入れることについて、京都市民がどう感じているかというと実はこの件について、最近まで知らなかったという人が大半を占めているのです。

(深田)

それは納得できますね。

(二之湯)

もともと京都駅には東海道新幹線が通っていて、「のぞみ」も1時間に何本も運行されています。さらに、北陸方面へは「サンダーバード」という特急があり、それで十分に便利な状況でした。したがって、「新たに北陸新幹線の駅を誘致しよう」という運動は存在しませんでしたし、「北陸新幹線が京都駅に来ることが正式に決まった」と知っている市民も、実はごく少数だったのです。この「京都問題」が表面化するまで、ほとんどの人がその事実を知らなかった、というのが現実です。

(深田)

この北陸新幹線の「京都問題」については、ここ半年ほどの間に、ようやくルートをめぐる議論が少しニュースで取り上げられるようになった、という印象ですよね。

(二之湯)

そうですね。だいたい半年から1年ほど前から報じられるようになったと思います。ただ、私はその前から、京都市長選挙の際に「これは非常に大きな問題です」と訴えてきました。京都市長選挙ではさまざまな政策課題を掲げましたが、特にこの件は重要だと考えていました。

実際、2023年の年末、西田昌司さんがご自身のYouTubeチャンネルで、突如こう述べたのです。「新幹線の総事業費が3兆円だとすると、京都の負担は約1兆円です」と。以前は「すべて国費でまかなわれる」と主張していたのに、急に話が変わったわけです。ゼロだった負担が、突如1兆円になったというのは、衝撃的でした。

そもそも京都府や京都市が、そうした巨額の公共事業費を負担した前例はありません。私が京都府議会議員として在職していた時期にも、大型の箱物事業としては、せいぜい京都にサッカースタジアムを建設した案件が最大規模で、その事業費が150億円程度でした。

(深田)

それが、当時の京都での最大の事業だったのですね。

(二之湯)

はい、当時の知事も「それが最大規模」と話していました。ですから、それと比べても桁違いの金額を京都府や京都市が負担するというのは、まったく現実的ではありません。

さらに問題なのは、小浜―京都ルートの構造です。このルートは、見た目には地上を通るように思えますが、実際にはほとんどが地下トンネルで建設される予定です。福井県から京都駅まで、地下を掘り進める形になります。

ところが、京都市内の地下には「京都水盆」と呼ばれる、琵琶湖にも匹敵する規模の地下水の貯留層が存在します。このルートがそこを直撃する可能性があるため、地下水の水質や水量が変化するのではないか、という懸念が出ています。京都では、地下水を活用して酒造や豆腐づくりなどを行っている事業者が多く、そうした人々からは深刻な影響を心配する声が上がっています。

また、これほど大規模な地下トンネルを掘るとなると、その際に排出される掘削土は膨大な量になります。試算によれば、東京ドーム16杯分に相当する土が掘り出される見込みです。

(深田)

まるで、山がひとつできてしまいそうですね。

(二之湯)

そして問題は、「掘削で出た大量の土を、どこに処分するのか」という点が、現時点ではまだ決まっていないということです。さらに、その掘削土のうち、おそらく約3割程度には、ヒ素が環境基準値を超えて含まれていると見られています。そのため、しっかりとした対応のもとで適切に処分しなければなりません。こうした土は、「要対策土」とも呼ばれており、一般の土と同様に扱うことはできません。

しかしながら、その処分地が未だに確定しておらず、候補地として噂されているのが、車両基地の建設予定地でもある場所です。新幹線には車両の整備や管理を行うための基地が必要ですが、京都市の南側に位置する宇治市や久御山町の一帯、かつて「巨椋池(おぐらいけ)」という大きな池があった場所が、その候補になっているといわれています。巨椋池は過去に水を抜いて埋め立てられ、現在は広大な農地となっている地域ですが、そこに掘削土を搬入し、さらにその上に車両基地を建設するのではないか、という話が浮上しているのです。

これには驚きの声が多く、「えっ、それはさすがに……」という反応が広がっています。

さらに深刻なのは、リニア新幹線や北海道新幹線など、すでに建設が進められている大深度地下トンネルのルートにおいて、地下水の枯渇や地盤沈下といった問題が実際に発生しているという点です。

(深田)

リニア新幹線の工事でも、地盤沈下が起きているのですね。

(二之湯)

岐阜などでも、リニアの工事に伴う地盤沈下が実際に起きています。そうした中で、たとえば京都仏教会などからも、「もし地盤沈下が起きた地上に文化財があれば、どうするのか」といった声が上がっており、各方面から怒りの声が噴出しているのが現状です。

また、今回の計画では、現在の京都駅の地下にさらに新たな新幹線の駅を建設する案が浮上していますが、その工事費用の大部分は京都市が負担することになっています。しかも、京都駅周辺はもともと交通渋滞が深刻な地域です。そのような中で工事車両が出入りすれば、さらに交通規制が敷かれ、市民や観光客の利便性に大きな影響が出ることが予想されています。

(深田)

京都駅は、今やインバウンドの影響で大変な混雑ですよね。

(二之湯)

まさにその通りです。そのような状況の中で、大規模工事が行われることで、ますます駅の利用がしにくくなるという懸念が広がっています。工事車両の出入りが増えることで、「本当に大丈夫なのか」という不安の声が上がっているのです。

(深田)

私も最近よく京都を訪れます。実は髪を切るために京都まで行っています。

(二之湯)

そうなのですか。

(深田)

はい。京都の九条にある美容室に通っていて、東京からわざわざ通っています。ですが、行くたびに驚かされるのが、タクシーがまったくつかまらないということです。駅前では何十メートルもの行列ができていて、なかなか乗れません。

(二之湯)

それは本当にそうですね。

(深田)

さらに、新幹線のチケットを買うにも、窓口に長蛇の列ができていますし、駅の構内全体がとにかく混雑しています。

(二之湯)

京都駅の収容能力、いわゆるキャパシティの問題も深刻です。これ以上、新たに新幹線が乗り入れるとなると、駅としての機能が本当に維持できるのかという不安があります。駅構内の動線や施設の運用、そして周辺の交通渋滞も含めて、大きな混乱が生じるのではないかと懸念しています。

(深田)

確かにそうですね。すでに現在の京都駅構内では、新幹線の乗り場の下にある土産物店や飲食店など、買い物ができるスペースが常に混雑していて、人とすれ違うのも困難なほどです。そのような状況の中で、さらに利用者が増えるとなると、駅全体の環境は一層悪化すると思います。

それに加えて、地下鉄へのアクセスも良いとは言えません。エスカレーターのない階段も多く、かつての旅館が違法に増築を繰り返したような構造で、駅の地下は複雑につながっています。今でもそのような状態なのに、新たな路線の導入によって混乱が拡大するのは明白です。

(二之湯)

そのような駅環境の中で、大規模な整備工事に莫大な税金を投じるというのが現状です。しかし、実際のところ、京都市民にとって「新幹線が京都駅につながったとして、それで北陸に行く機会がどれほどあるのか?」という根本的な疑問が残ります。多くの人が、「それほど北陸へ行く用事はない」と感じているのです。

しかも、工事は完成までに30年、あるいはそれ以上かかるとも言われています。そうした長期にわたる計画に対し、巨額の税金を使うことへの不満や怒りが、徐々に市民の間で広がってきています。つまり、「京都問題」としての認識がようやく共有されるようになってきたのです。

(深田)

正直なところ、必要性を感じませんね。

(二之湯)

私もそう思います。京都駅に無理に接続する必要があるのか、改めて疑問を感じざるを得ません。

(深田)

京都駅は、これ以上混雑が進めば、いや、すでに今でもキャパシティオーバーの状態ですよね。

(二之湯)

私もそう思います。

(深田)

そのうえで、今回の新幹線整備によって税負担が増えるということは、具体的にどの税が使われるのでしょうか? いわば「新幹線税」のようなものでしょうか?

(二之湯)

今回の整備新幹線の事業スキームとしては、まず国と地方自治体が共同で工事を行い、完成した線路をJRが借りて運行するという仕組みです。つまり、実質的には国と地方が多くの費用を負担し、JRはそれを使って新幹線を運行するという形になります。

ただし、JRが支払う使用料は、新幹線の運行によって収支が取れる範囲内に抑えられているため、事業費が大きくなってもJRの負担が極端に増えることはありません。むしろ、事業費の増加分は国と地方の負担に跳ね返ってくるのです。

現在、計画当初よりも事業費が倍以上に膨れ上がる可能性が指摘されています。

(深田)

それは当然ですよね。ここ5年で資材価格も人件費も倍以上になっていますし。

(二之湯)

そのとおりです。そうなれば、国と地方の負担が大きくなるのは避けられません。国にはまだ財政的な余力がありますが、地方自治体の場合はそうはいきません。財政赤字で地方債すら自由に発行できない中で、限られた公共事業費の中から、完成しても利用頻度が高いとは言えない北陸新幹線に、たとえば京都府であれば毎年100億円単位の出費を続けなければならなくなるのです。

(深田)

そもそもJRって、いまや完全な私企業ですよね。株式市場で資金を調達している以上、採算の合わない路線を国や地方に依存せず、自ら資金を出すべきではないでしょうか。調達できないのは、事業として成り立たないからだと思います。

(二之湯)

ご指摘のとおりです。ただ、現在の整備新幹線の制度では、「国がルートを決め、国と地方で整備し、それをJRが借りて運行する」という前提になっているため、こうした費用構造になっています。したがって、事業費が膨れ上がれば膨れ上がるほど、地方自治体の負担が重くのしかかる仕組みなのです。

(深田)

そうなると、今後30年間、年間200億円から300億円規模の負担が続くということになるのでしょうか?

(二之湯)

その可能性は十分にあると思います。

(深田)

では、それだけの税収増は見込まれているのでしょうか?

(二之湯)

いえ、特に税収が増える見込みがあるわけではありません。

(深田)

それに、人口が急激に増えるわけでもありませんよね。ということは、京都府民一人ひとりの税負担が増えるしか道はない、ということですか?

(二之湯)

そうなります。あるいは、これまで予定していた他の公共事業を中止したり、延期したりする必要が出てくるでしょう。それ以外にも、公共事業以外の施策を削減することも検討されざるを得なくなります。新幹線は国家プロジェクトですので、地方側は他を犠牲にしてでも対応しなければならない構図に追い込まれるわけです。

(深田)

結局、京都府民全体が「西田昌司被害者」になるようなものですね。

(二之湯)

まさにその通りです。

(深田)

本日は、「西田昌司被害者の会」、参議院選挙・京都選挙区に無所属で立候補されている二之湯真士先生をお迎えし、「京都問題」について詳しくお話を伺いました。どうもありがとうございました。

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