#354 どちらが先か?台湾有事と朝鮮戦争。元航空幕僚長の見解がリアルすぎる!! 田母神俊雄氏
(深田)
皆さんこんにちは政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は第29代航空幕僚長の田母神俊雄先生にお越しいただきました。閣下よろしくお願いします。
(田母神)
よろしくお願いします。
(深田)
今回は、台湾有事と朝鮮戦争というテーマでお話をいただきたいのですけど、最近、中国の人民解放軍が、かなり挑発行為を行っているのですけど、台湾有事、朝鮮戦争どちらが先なのだろう?
(田母神)
これは今の段階では分かりませんね。昔と違って、今は衛星があったり、通信網で監視したりするから、攻撃の準備を始めると分かるのですよ。攻撃ってそんなに簡単ではないのですよね。「頭きたな、明日から攻撃するぞ」というわけにはなかなかいかない。
(深田)
そうなのですか。
(田母神)
そんなことはできない。例えばホテルで300人集めてパーティーをやる、これだって2,3ヶ月準備しないとできないですよね。
(深田)
そうですよね。
(田母神)
攻撃するとしたら、何万人も動く、何百機も飛ぶ、何百隻も船が動く、これが無計画には絶対できないのですよ。
(深田)
確かにそうですね。
(田母神)
準備をしないとできない。だからロシアがウクライナに入っていく、これも5ヶ月半ぐらいの準備がありますよね。あそこで訓練をやるのだとか言って準備をして、準備を整えて入っていっているわけですよ。陸上戦力だけでも、これが空と海が加わるともっと複雑になるから、そんなに簡単にはできない。だから中国が台湾に侵攻する、あるいは沖縄に侵攻するとか言っても、半年以内で準備が完了することは私はないと思っています。それは、北朝鮮が韓国に侵攻すると言っても、それも半年以内でかかれるってことは私はないと思っている。だから半年以上の余裕時間を持って攻撃があるかないかは分かる。そして自衛隊は毎日、例えば北朝鮮とか中国が、それぞれ韓国やあるいは台湾、沖縄とかの攻撃をする準備に着手したかどうかということを毎日見ている。
今着手してない、多分今日現在着手してませんね全く。そうしたら半年以内に侵攻が起きることないです。でも民間では、これいつ来るかわからないと言った方が受けるから
(深田)
そういうことですか。
(田母神)
だからいつ来るかわからない、怖いと言っている方がテレビに出られる、本にも書いてくれと言われる。それは僕らが見たら明らかな嘘なのですよね。
(深田)
嘘ですか。
(田母神)
できるわけがない。
(深田)
今、朝鮮半島、韓国はユン大統領が罷免され、非常戒厳動議でドタバタして、色々な大臣が辞めざるを得ない状況の中、代行の代行の代行みたいな人が防衛大臣になり、38度線で指令を出す司令官が誰もいないみたいな、現場知らない人ばかりみたいな状態で、今北朝鮮が来たらやばいのではと思っていたのですけど、それはないと。
(田母神)
ないですね。
(深田)
安心しました。
(田母神)
例えば、100人200人の部隊で、ちょっと何かちょっかいを出すとか、そんなことはできますよ。でも組織的に大国が相手を支配するような形で戦争を始め、支配することを目的に戦争を始めるというようなことはできませんね。
(深田)
中国が台湾侵攻するのは簡単なのですか?
(田母神)
簡単じゃないですね。海をまず渡らないといけませんから、中国が現体制のまま台湾侵攻を開始することはできません。
(深田)
どういうことですか?
(田母神)
それは部隊の配置を変え、戦線で兵力を集中したり、弾薬を整えたりそういうことを全部やらないと侵攻はできません。だからそういう準備の兆候が見えたら、侵攻の準備を開始したなということになると思いますけど、兆候が確認できなければいきなり進行することはないと言っていいと思います。
(深田)
先ほどの話でもありましたけど、実は台湾軍って実は大陸寄りということを考えると、台湾軍の退役軍人は、台湾軍を引退した後、大陸でコンサルタントとして解放軍に入ったり、いろいろやっているのですよね。
(田母神)
だからそれは、日本の会社の技術者が中国に呼ばれて退職したら日本にいたら年金をもらって、多少どっか子会社に就職したりして暮らせるかもしれないけど、中国がこの日本の技術者を高い金で呼ぶわけですよ。今辞めた時の給料の3倍あるから来いとかいう。それで行っている日本人もいっぱいいますよ。中国はそういうことはやって、台湾に対しても台湾の軍人なんかも呼んでいると思います。台湾の状況を情報収集するには、教えてくれる人がいなければ自分たちの能力だけで、中国軍が台湾の細部の状況を掌握するのは難しいですよ。台湾を知っている人を呼んで聞くのが一番早いわけですよ。そういうことを中国はやっていると思います今もね。
でも攻撃って本当簡単じゃなくて、航空攻撃なんかも、まず正確な地理情報が要ります。どこに何があるのか、正確な地理情報。これは今GPSとかあるからかなり精度で平時から掌握はしていると思うのだけども、この他に攻撃するには、脆弱性情報というのが必要なのだ。
脆弱性情報というのは、あの施設はミサイル20発撃ち込めば壊れるとか、爆弾30発で壊れるとか、そういう脆弱性情報が必要なのです。ただ攻撃をしたけど何の被害もないということでは攻撃の意味がないでしょう。だから攻撃計画を作るときは、必ず正確な地理情報と脆弱性情報がいる。これで攻撃計画を作って、じゃあこれはどこの部隊に誰が指揮官で、どういう武器を使ってやらせるかということを細かく全部計画するのを攻撃計画という。これは平時からはできてないですよ。だからアメリカが例えばアフガン戦争でアフガンを攻撃する、世界で一番即応性が優れているというアメリカ空軍でも、1ヶ月以上準備かかっていますよ。中国なんかの状況では半年以上は絶対かかりますね。
(深田)
今すぐ中国が台湾を侵攻するというのは無理。
(田母神)
それはもうありえないですね。
(深田)
ありえない。そうやって台湾有事だ、台湾有事だと騒いでいる人たちはそれが、
(田母神)
金儲けのため騒いでいるようなものですよ。そういった方が儲かるから。
(深田)
どうやって儲かるのですか?
(田母神)
テレビに呼ばれたり、本や雑誌書いてくれとか、だから北朝鮮がミサイルを撃ち始めた時、私も「田母神さん、北朝鮮がいつ日本に向かってミサイル撃つのか?」とよく聞かれました。絶対撃たないから心配しなくていいと私が言っていたらね、そのうち質問が来なくなりましたマスコミから。
(深田)
そうなのですか。
(田母神)
田母神さんに聞いても面白くないから。
(深田)
撃ち込まれるというと、じゃあ防衛装備を増やさなきゃいけないみたいな話になり、お金流れますものね。
(田母神)
そうそうそう。戦争とか軍事攻撃の目的っていうのは何ですか?金儲けです最終的には。
(深田)
そうですね。
(田母神)
攻撃したらおそらく締め上げられて、経済的な利益を失うだろうというような攻撃はしないのですよ。それは一国の大統領とか総理大臣がそんなことを命ずるはずがない。必ずこの攻撃で相手が屈して金を出してくるとか、金儲けができる、何か利益があるということが確認できなければ攻撃はしない。
(深田)
なるほど。じゃあロシアは、どういう目論見でウクライナに侵攻したのですかね?
(田母神)
冷戦終結後のNATO側の対応があるでしょうね。というのはゴルバチョフ大統領とレーガン大統領の間では、NATOは西ドイツが東ドイツの併合は行うからこれは認めてくれと。それ以降は1日たりとも東側には出ていかないと約束していたわけですよね。だけどもそれにも関係なくアメリカのNATO側の東欧諸国に対する工作は続いたわけですよ。だから次から次とみんなNATOに寝返って行ったわけでしょ。最後に残ったのがウクライナですよ。
(深田)
一番隣接していますしね。
(田母神)
このウクライナが、もしNATOに入ってしまったら、ロシアとしては目の前が敵だから緩衝地帯が全くなくなるわけです。これは絶対に止めないといけないと、だけどこのウクライナに対してもアメリカの工作は続いたわけですよ。
それはウクライナの国民というのは、ウクライナの西部、NATOに近い側はどちらかというと欧米系の考え方を持った人たちの民族ですよね。ロシア西海岸はロシア系の民族なのです。真ん中が少し入れ混じっているという状況で、そういう中でウクライナの内戦状態というのはずっと続いていたのです。
このアゾフ大隊って出てきました。アゾフ大隊というのは、もともとはウクライナのアメリカ大使館司令部があった。
(深田)
えっ、そうなのですか?
(田母神)
そこからスタートした。
(深田)
えっ、アゾフ大隊ってナチス?ネオナチみたいな。
(田母神)
これはアメリカがウクライナの内戦状態を起こそうとして、工作した結果でしょうね。このアゾフ大隊というのは。これで1万6千人ぐらいのロシア系住民が殺害されている。時間をかけて10年ぐらいで殺されているのです。ビクトリア・ヌーランドというクリントン国務長官の時の副長官なんかが、何度もウクライナを訪問していますよ。けしかけていると思いますよ。内戦状態を作って、アメリカのグローバリストに支配されている人たちだから、結局ロシアの資源を奪いたいわけですよね。世界一の資源大国。それはロシアが戦争をやって疲弊して、ロシアの国力が弱まれば奪えるということでしょうね。
(深田)
だからトランプ大統領がロシアとウクライナに提案したのは、半分資源をよこせみたいな話でしたものね。
(田母神)
トランプ大統領はそういう中で、いわゆるグローバル勢力に支配されていない初めてのアメリカの大統領なのじゃないですかね。今までのアメリカの大統領は、共和党民主党に関わらず、グローバリストに支配されているわけですよね。だから工作なんかをどんどんやっていたわけでしょ。
でもトランプ大統領はそうじゃないから、USAIDなんかね内政干渉をやめろと、これは日本の陸海空3自衛隊の予算が5兆円の時に、USAIDというのは年間6兆円の予算を使っているのですから。
(深田)
すごいですね
(田母神)
これは別に戦闘機買うわけじゃない、護衛艦買うわけじゃない、戦車買うわけじゃない工作費として6兆円なのだ。
(深田)
すごく巨額のお金が工作活動に使われていますね。
(田母神)
根拠はないけど、それは世界各国がアメリカの内政干渉を受けていると思う。日本も自民党の政治家なんかも相当工作を受けているのじゃないかと、私は予測していますね。
(深田)
そう思いますね。
(田母神)
マスコミなんかも完全に支配されているのですよ。
(深田)
日本でアメリカの兵隊さんがレイプ事件を起こして、基本的には女性に不利だっていうのも、日米合同委員会がどうのという話が出るのですけど、そのあたりはどうなのですかね?
(田母神)
軍も一般の国民社会と同じですから、一般の民間の社会で起きることは軍の中でも起きるのですよ。ただ軍の場合は少ない。私が空幕長やっていて、航空自衛隊が刑事犯を起こす航空自衛官がね、民間人の10分の1の確率です。警察署の白書で、日本人は1000人いると20人ぐらいが捕まるのですよ。刑法犯で。自衛隊は1000分の2ですから、10分の1くらい少ない。でも自衛隊が起こした犯罪とかは、満遍なくなく報道されてしまう。
(深田)
大々的に報道される。
(田母神)
だから自衛隊大丈夫ですか?とか言う人がいるわけですよ
(深田)
米軍はどうなのですか
(田母神)
米軍は、自衛隊より多いですね。
(深田)
多いですか。それって日本の法律で裁けるのですよね。
(田母神)
裁けます。今まで地位協定で、アメリカのことはアメリカが裁くということになっていたけども、今やっぱりそれはおかしいのではないかという日本の世論も強くなって、目立つ犯罪については、アメリカも日本に犯罪者を引き渡して、日本で裁かれるようになっていますよね。
(深田)
それは何かやっぱり最初はそうじゃなかったけど、徐々に世論の力で変わってきたと。
(田母神)
日米合同委員会が、日本の憲法の上にあって、あそこで決められたことで日本政府が動いているという人がいるけど、これは嘘ですね完璧に嘘。
(深田)
そうじゃないのですか。
(田母神)
そんなことありえない。日米合同委員会で、いろいろアメリカは当然要求します。日本もアメリカに大した要求じゃないけど要求を出します。そういう中でアメリカの要求を飲むか飲まないかを決心するのは日本政府だから、アメリカが言われるおりにはやっていませんから。
(深田)
年次要望書みたいなのが、もう公開されなくなったのですか?
(田母神)
そうですねね。年次改革要望書は今はなくなりました。アメリカに日本が完全に動かされているというのは嘘ですね。
(深田)
あー、そうではなくて日本の政治家が、何か個人的な利益のために、言いなりになっていると。
(田母神)
多分、その中に今までだとUSAIDの6兆円の予算が、工作には使われていたのではないかと。私はLGBTの法案なんかも、自民党も3分の2以上が反対でしょ?当初。
(深田)
そうですね。ほぼ全員が賛成。
(田母神)
それがあっという間に決まってしまうでしょ?その間でやっぱりエマニュエル大使の工作があったのではないかと予測しますね私は。あの人はこれだそうですから・・・
(深田)
なるほど。
(田母神)
そういうこともあって、日本は結局アメリカに弱いわけですよね。
(深田)
アメリカに弱いのじゃなくて、お金に弱いのじゃないですか。
(田母神)
お金にも弱いけども、やっぱり国の守りをアメリカに依存しているということが一番の弱みですよ。だからアメリカが日本を守ることに協力しないといったら、自衛隊は相当戦力ダウンします。というのは、自衛隊はアメリカの戦闘機使っているでしょ。アメリカのミサイルシステム、アメリカの情報交換装置、いわゆるデータリンク。今は空中の戦闘機と海上の護衛艦、地上のミサイル部隊、何にも喋らなくても味方が何やるかわかる。
(深田)
衛星経由で全部つながっているのでね。
(田母神)
昔は、「俺は東の目標に行くから、あなた西の目標に行って」とか電話でしていたでしょ。もしもし電話で。今はそれ喋る必要ない。全部アメリカの暗号を介して繋がっているということです。
(深田)
アメリカは全部わかっていると。
(田母神)
戦闘機とか、ミサイル部隊、暗号って自衛隊も毎日変わるけど、カセットみたいのをはめて抜くだけだから中身はよくわからない。アメリカが作ったものを使っている。アメリカの戦闘機を今日本がF-15F-35とか使っているけど、これは結局アメリカの暗号で行動しているということですよね。これはアメリカが協力しないということになると、通信とかみんな壊れてしまう。それを握られているから「言うこと聞かないか?じゃあ止めるぞ」と言われないように、やっぱりアメリカのことを忖度しないといけない。
(深田)
なるほど。じゃあやっぱり日本も独自の暗号システムを作るってね。
(田母神)
そのためには、やっぱり自分の国は自分で守ると歴代総理大臣が言う、そのためにはどうするか、まず主要兵器の国産化から始めないとダメですね。戦闘機、ミサイルシステムだ、データリンクだとか。それを国産にして初めてアメリカの干渉を受けることなく、戦力発揮できるようになる。今は完全に支配されているのだから現在。これやっぱり10年20年かかります一生懸命努力しても。だから総理が変わったとしても、次々と兵器国産化を進めるという方針のもとに、日本が進んでいかなければいつまでたっても抜けられない。
アメリカの言うこと聞かされる、アメリカの国債を1400兆円も買わされる、1400兆円は、もし日本国内で使われたら日本国民我々の生活は劇的に変わりますよ。
(深田)
そうですよね。それだけのお金があったら日本だって、すごく経済成長もできるし強い国になりますよね。
(田母神)
だから国の守りを他国に依存しているということは、大きな代償を払っているのだということに日本国民は気がつくべきなのですよ。そのためには憲法を直さないとだめでしょ。でもこの憲法改正に反対するわけだ日本人が。アメリカに貢ぎ続けてくれと言っているようなものですよ本当に。
(深田)
私も憲法9条改正には賛成なのですけど、他の何か余計なオマケがついてくるので、そこが少し悩みどころですよね。
ということで、今回は第29代航空幕僚長の田母神俊雄先生に、台湾有事は一体どうなるのかということについて、そして本当に我々日本の政府は米軍の言いなりなのかということについて教えていただきました。どうもありがとうございました。