#6ー 深田萌絵×キャノングローバル戦略研究所 杉山大志 「太陽光パネルが環境を破壊する」

(深田)

政治と経済の話を分かりやすく、政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵がお送りします。

今回は「太陽光パネルが環境を破壊する」のテーマで、キャノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志先生にお越しいただきました。先生よろしくお願いします。

話題の太陽光パネルですが、実は私も5年ぐらい前から、太陽光パネルは全然エコじゃないと、いろいろと話をしてきたのですけれど、この太陽光パネルがいかに悪なのかについて語らせたら、杉山先生の右に出る者はいないほどなので、太陽光パネルがいかに環境に悪いかについて、お話ししていただいてよろしいでしょうか。

(杉山)

はい、環境に悪いのもあるのですけれど、でも、もっと大事なことを今おっしゃった。悪なのですよ。タイトルも「どのぐらい悪なのか」の方が良かったかもしれない。というのは、環境だけではなく幾つも問題があって、私が一番気にしているのは、やはりウイグルの人権侵害と関わっていることです。いま世界の太陽光パネルの9割が中国製ですよ。そのうちの半分が新疆ウイグル自治区の製造工程と関わっている。強制労働とか、ジェノサイドなどと関わっている疑いがとても濃厚です。だからアメリカはもう輸入禁止までしている。

それでアメリカの税関では、もう入れなくなった太陽光パネルなどが山積みになっていたりする状況なのに、日本は喜んでバンバンと補助を出して推進し、自治体までそれを義務化するとか何とか、東京都などがやっている。何を義務かするのかと私はもう本当に頭に来る。この人権の問題がまず一番気になるところです。

それから本当に環境に優しいのかの話で、もちろん最近よく写真が出回るようになりましたが、山を切り開いてメガソーラーをダッーとやる。

(深田)

阿蘇山とか真っ黒ですよね。黒光りしています。

(杉山)

あれもすごい面積が要るのですよね。100万KWの原子力発電所、普通の原子力発電所ひとつと同じだけの電気を発電するために、どれぐらいの面積がメガソーラーで必要かと言えば、よく山手線の中いっぱいと言うのです。

でも私が実績を基に計算したら、実はその2倍必要だと分かった。なぜ山手線の面積の2倍になるかと言えば、山手線の面積をひとつとしている人は、綺麗に敷き詰めたらたらそうなると計算している。しかし、実際のメガソーラーはそういうわけにはいかない。通路などを残しておかないといけないし、少し山になっていたら、そこは敷かないなどがある。何しろ膨大な面積が必要になる。しかも晴れた時しか動かないから、少しも原子力発電所の代わりにならないのですよね。

(深田)

しかも太陽光パネルは年々発電効率が落ちていきますし、ホコリを被ったら発電効率がさらに落ちます。

(杉山)

本当に施工が悪いのはどうか分からないけど、劣化がどれぐらいするかは、それほど悪くないという話もある。ただ膨大な面積が必要になることで、生態系を保全したいと言うのだったら、何が一番大事かと言えば、生き物の住処をきちんと取っておくことです。生態系保全だと言っておいて、その一方で太陽光パネルを敷き詰めるのは一体なのだという話になるわけですよ。しかも森林を切り開いて作る。本当は日本の植生は放っておくと森になるはずだから、それだけの木を切ればCO2が出るわけですよ。

それに加えてもうひとつあってですね、スライドを見せたいのです。これは多分見たことがある人は少ないと思うのですが、これは中国の新疆ウイグル自治区の航空写真です。ここに太陽光パネルの原料の製造工場があるのですが、よく見るとその隣に石炭火力発電所が建っている。そこからベルトコンベアがずっと伸びていて炭鉱があるのです。明らかにここで石炭を掘り、それで発電して太陽光パネルを作ろうとやっている。石炭を燃やしCO2をバンバンバンバン出して、それで太陽光パネルを作る。

これを日本などに輸出すると、日本人はCO2が減ると言って喜んでいる。自分の家の屋根に乗っけたりすることが起きている。太陽光発電が動いていれば、その間ほかの化石燃料を節約して減らすことはできるのだが、森林破壊と、作る時に石炭燃やしていたら、このCO2が決して馬鹿にならない。太陽光パネルのCO2の削減効果などは、こういうのをきちんと入れたら半減ぐらいしてしまう世界なのです。だけど日本政府はこういうことを、今まったく無いことにしている。

(深田)

おかしいですよね。だって日本の自動車工場が自動車を作る時に、どれぐらい CO2を排出したのかまで計算しないといけない時代なのに、太陽光パネルを作っている側は、CO2をどれだけ排出したのかは公開されているのですか。

(杉山)

していないでしょうね。

(深田)

ないですよね。聞いたことがないです。

(杉山)

ないですね。いやそもそもね、日本の太陽光パネルを設置している事業者は、中国製であること自体を認めていないのですよ。東京都の太陽光パネルを義務化するという条例の審議が一昨年にあったのですけど、その時に新疆ウイグルと強制労働と関係あるようなパネルを、なぜそんなものを義務化するのだと、私は請願を出して言ったのです。そうしたら東京都から返ってきた返事が、「いや事業者に聞いたら、みな日本製のしか使っていません。中国製は使っていません」と言いました。

(深田)

そんなわけないです。シェアもほとんどが中国製です。

(杉山)

シェアね。ひょっとしたら、いわゆる日本製かもしれないのだけれども、それは中国からパネルを買ってきて、名札だけ日本でつけているようなOEMみたいなのとか、あるいは中国から中身を買って来て、日本で最後の枠だけ取り付けるとか、そういう話だと思うのですよね。サプライチェーンまで遡っていったら、もう中国製だらけ、新疆ウイグルだらけです。ということは、製造時はみんな石炭で作っている。

(深田)

もう本当にその通りだと思います。だって太陽光パネルの素子はほとんどウイグル製ですよね。

(杉山)

そうですね、シリコンのね。本当にこういうことを考えると、これを屋根の上に乗せるのは何なのだ。私は「屋根の上のジェノサイド」という表語を作って広めたのですけど、結構広まりました。見ているともう本当に不愉快になる。

(深田)

 ですよね。太陽光パネルを子供たちがいる学校の屋根に取り付けるとか、ちょっと頭が狂っているとしか思えないですね。

(杉山)

この間、高校生から「本を読みましたけど、今まで学校でずっと擦り込まれてきたことは太陽光は環境に良いです。良いですとずっと言われてきて、それを覚えさせられて試験にも出て、だけど一体何だったのでしょう」というメールを貰った。教育現場というのは、今そういう恐ろしいことが起きているのだと分かりました。

(深田)

本当に恐ろしいですね。嘘ばかり教えますものね。太陽光パネルを学校の屋根に設置したら、火事の時どうするのでしょう。

(杉山)

それも問題になっていますよね。

(深田)

水をかけられない。

(杉山)

太陽光パネルは壊れても光が当たれば発電してしまうのですよ。そこが普通の電気と違うところで、普通の電気だったら、漏電すればその元の方で漏電を検知して遮断しますよ。だから感電する心配はなくなるのですが、太陽光パネルは火事になってもそうだし、地震になってもそうだし、例え太陽光パネル自体が壊れても、その周りの線がいくら切れても、光さえ当たれば発電するので、感電の危険が必ずあるのですよね。

(深田)

そうですよね。今回、能登半島の地震でも、太陽光パネルが崩れた所には近寄らないようにと言われていましたものね。

(杉山)

そうなのですよ。だんだんそういうケースが今出てきている。でも一番心配なのは東京ですね。太陽光パネルを義務化するとか言っていますけれども、東京には0m地帯があるわけですよ。江東区とか足立区とか江戸川区と荒川区とか、あの辺りは大水害が起きる可能性もあるし、大地震が来る可能性もある。その時無数に太陽光パネルがあって、ぐちゃぐちゃになってしまったら、もうどこで感電するか分からない状態になるのです。

(深田)

実はあの辺りはほとんど埋め立て地です。江東区などは江戸時代から面積3倍になっているぐらいの埋め立て地なので、埋め立て地のエリアが多いのですよね。だから川沿いなどは少し洪水になると大体沈むのですよ。

(杉山)

埋め立て地も多いですし、あとすごく地盤沈下したのですよね。高度成長の時に地下水を工場のために汲み上げて、江戸川区や江東区などの辺りは、50年ぐらいで3m沈んだところが結構たくさんあって、普段から海抜が低いですよね。

(深田)

だから2階ぐらいまで浸水したりすることがあります。

(杉山)

本当にひどい洪水が来ると、5m浸水とか10m浸水とも言われていて、その時そこら中に太陽光パネルがあったら、どうやって避難するのか、どうやって救助するのか、どうやって復旧するのかが大変な問題になるでしょう。これも一昨年に東京都に言ったのですよ。

そうしたら、またこれが役人回答でね。太陽光パネルが浸水した時や、破損した時は近寄らないで専門家を呼んでくださいと答えるわけですよ。そんな大震災や大水害で辺り一面やられている時に、専門家を呼んでも来るわけないだろう。

(深田)

専門家以前にレスキューが来ませんからね。

(杉山)

しかも 感電して人が亡くなったらどう責任を取るのだと言っているのですけれど、まだ感電で死亡した事例はありませんとか答える。信じられないでしょう。

(深田)

本当に恐ろしいですよね。本当に役人らしい回答だとは思います。浸水も怖いですし、火事になった時に水をかけられないのは、もう既成事実ですよね。

(杉山)

だって放水した水を伝って感電するのですよ。あとは水溜まりが下にあったら当然感電します。もうひとつ恐ろしいのが、結構リチウムイオンバッテリーを併設しているようなところがあって、リチウムイオンバッテリーは電気自動車に使っているのと同じで、燃え出したら手がつけられなくなり、水をかけるとバーンと爆発してしまう。このあいだ鹿児島だったか、消防隊の人が大火傷したという話があったのは、たぶん電池が爆発したのです。

(深田)

 リチウムイオンバッテリーほど危険なバッテリーはないです。

(杉山)

よく電気気自動車が燃えている映像がありますが、それと同じです。

(深田)

しかも、リチウムイオンバッテリーこそ、セパレーターに亀裂が入ったりすると、それだけで自己発火するのに、そこにさらに水をかけたら爆発して当然ですよね。そういったものを日本だけではなく世界もなのですけれども、特に東京都が太陽光パネルを条例で義務化する恐ろしい時代になる。これを一体どうやって止めていけばよいのでしょうか。

(杉山)

太陽光もそうだし、とにかく今脱炭素祭りの日本なのですけれど、その背景には利権があって、止めるためにはやはり皆で声を上げていくしかないのでしょうね。

(深田)

この脱炭素利権のために、危険な太陽光パネルが推進されている。そして電気代に乗っている賦課金が、太陽光パネル代として業者に入っていくのですよね。

この辺りの利権構造については、次回、杉山先生から詳しくお話しいただきたいと思います。

先生今回もありがとうございました。

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