#288 なぜ誰も説明しない?大阪万博会場の深刻な建設遅延問題 建築アナリスト森山高至氏

(オープニング)
日本の建築がファスト化して、もう手抜きでボロボロ。
もしかしたら電気も来ないかもしれないね。
今誰も説明に立たないし、急に主催者側がスーッと今、消えようとしているのですよ。

(深田)
皆さんこんにちは。「政経プラットフォームIT」、ビジネスアナリストの深田萌絵です。今回は建築アナリストの森山高至先生にお越しいただきました。

先生、すいません、実は先生のお名前、「高至」の「高」をずっと「隆」の字で表示していましたが、「高い」の「高」でした。申し訳ございませんでした。

(森山)
いや、あの、最初からずっと気づかずそのまま来ちゃったので、まあ別にどうぞ。

(深田)
昨日、みんなで慌ててサムネを取り替えまして…大変失礼いたしました。
ということで、先生が最近『ファスト化する建築』という本を出されるとのことで。

(森山)
そうなのです。もう来月早々、たぶん15日前後に出ると思うのですですが、『ファスト化する日本建築』という本が扶桑社新書から出ます。

(深田)
素晴らしいです! 私も予約しました。

(森山)
もう書影も出ているのです。

(深田)
はい、じゃあこの辺に書影を編集で入れておいてください。お詫びの気持ちです(笑)

(森山)
いえいえ、ご紹介ありがとうございます。

(深田)
まさに今、日本の建築がファスト化して、もう手抜き、ボロボロ。
早く簡単にできるですが、「いいでしょ?」のような。でもすぐ壊れちゃうよ、のような。
そういうものになってきちゃっているのかなと。

(森山)
本当にそうですよね。
なんでそんなことになっているの?って。そもそも建築って、ファスト化しちゃいけないものなのですよ。

(深田)
そうですよね。

(森山)
なにか、「早く安く」じゃなくて、もっとじっくり作って、で、お金かかっちゃうのですが、でも建築って何十年、100年、200年経って「すごいね」って言われるのが目的なのに。
それがなにか、「早く安く、壊れちゃえ」のような。なんだ、これはと。そのあたりをテーマに書いたのが今回の本です。

(深田)
その最たる例が、万博なんじゃないかという。

(森山)
うん、まあね。万博の建築っていうのはイベント用の一時的なものだから、本来は「ファスト」の中の「早い」はあってもいいかもしれない。でも実際は、最先端の技術で、ただ安く作るのではなくて、新しいテーマを提示するというのが、本来あるべき姿なのですがね。

(深田)
でも今回、自慢の「似非国産リング」について、木材は何パーセント国産だったのですか?

(森山)
3割ぐらいだったみたいです。

(深田)
知人から写真が送られてきてですね、「万博のリングが建築される様子をずっと見てきたのですが、杭を打つクレーンの姿がなかった」って言われたのですよ。調べてみると、「フローティング工法」というのを使っているらしいと。

(森山)
そうです。地盤が悪いところで立てる方法って3つぐらいしかなくて。
1つは、杭を打つ方法。硬い地盤まで長い杭を打つ。でも、柔らかい層が厚すぎると、杭がとても長くなってしまって大変。
2つ目は、いわゆる「フローティング工法」。船のように建物を浮かせる。地下に空気の入った地下室、つまり空間を埋め込んで、その浮力で支える。
3つ目は、「EPS(発泡スチロール)工法」。道路工事でよく使われるのですが、最近は臨海部の埋立地なにかでも試されている技術です。

(深田)
でも、あれってもうすでに土台の盛土の部分が侵食してきて、大丈夫なのかという…。

(森山)
ああ、リングの根元が崩れているやつでしょう。見た目が激しいから「建物崩れるのではないか」と思われるですが、あそこには一応、杭が打ってあるという話なので、杭が打っているのであれば、木造リングの柱は、沈みはしないです。

(深田)
あ、なるほど。じゃああれは、似非国産で杭は碌に打ってないけど、水際だけはちゃんと杭を打っているので、突然、崩れるみたいなことはない?

(森山)
そう、ないです。でも僕はね、最初、杭を打っているって情報を知らなくて。
担当したゼネコンが「杭を打たせてくれ」って強く言ったのに、万博協会側から「他が打たないのだから、あなたのところも打たないで」って言われたって話を聞いていたのです。

(深田)
えー、それおかしいですよね。

(森山)
そう。さっき深田さんがおっしゃったフローティング工法の中の発泡スチロールの埋め込みとかをやっているらしいのですよ。だからあそこの海際だけ杭を打ってしまうと、ひとつ繋がりの建築物の中で、基礎のやり方が違うというのは、凄く気持ち悪いこと。こっちは浮いてこっちは留めているみたいな。足元が半分、右と左が別々の靴を履いているみたいな。下駄と運動靴みたいな感じになってしまう。だから、杭が竹馬だったら、力の伝わり方があそこだけおかしなことになるかもしれない。でも一応計算上は大丈夫なようにしてあるはず。

(深田)
なるほどねー。じゃあリングの土台が崩れているって言われているけど、問題ないですか?

(森山)
「問題ない」とは簡単には言えない。だって、そもそもあんなこと普通起きないでしょ。池の護岸が崩れるなんて、聞いたことない。
水際の護岸って、ああいう所が崩れないように頑張るのが土木技術。

(深田)
そうですよね。確かに。

(森山)
そう。「洗掘(せんくつ)」って言葉があって、橋脚の周りの土砂が水流で削られて、杭がむき出しになる現象なのですが、それが進むと柱が不安定になって危険なのですよ。
歯茎がなくなって歯が抜けそうになるのと同じ感覚です。

(深田)
怖っ。

(森山)
でもね、あそこは水の流れもそんなに強くない。普通は起きないのです。それなのに崩れているって、これはおかしいよねって話なのですよ。

(続きは動画で!)

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