トランプとゼレンスキー会談公開決裂? 悪いのはどっちだ?トランプゼレンスキー ケント×深田

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵です。今回は米国カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバートさんにお越しいただきました。ケントさんよろしくお願いします。

(ギルバート)

よろしくお願いします。

(深田)

どうも、お久しぶりでございます。

(ギルバート)

本当にご無沙汰しております。

(深田)

アメリカのことと言えば、ケントさんに聞くのが一番だと思っています。

(ギルバート)

私もそう思います。

(深田)

えっ、そうですか。そう思っていらっしゃいますか。

(ギルバート)

パックン(パトリック・ハーラン、芸人)に聞くと、全然違いますからね。

(深田)

そうですね。最近起こった米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領会談で衝撃の破談の結末ですが、あのようなものは今までになかったですよね。

(ギルバート)

あれは今までにないですね。

(深田)

ゼレンスキー側も官僚がトランプ政権のホワイトハウスチームと話し合い、ある程度合意ができたので、あの場に来たのかなと思っていました。

(ギルバート)

合意ができたので、書類を用意して、全部そのままサインをして握手をする。その後、記者会見を開いて、用意していた昼食を食べようということだったのですが、だめになりました。昼食はスタッフが食べたらしいですね。

(深田)

トランプ大統領が記者に「食べていいよ」と言って帰ったらしいですね。あのようなことは本当にありえますか。

(ギルバート)

ありえますね。

(深田)

今回のこの事件は、ゼレンスキーが悪いのかトランプなのか、どちらが悪いのでしょうか。

(ギルバート)

ゼレンスキーが悪いです。

(深田)

ゼレンスキーが悪い。なぜゼレンスキーが悪いのでしょうか。

(ギルバート)

ゼレンスキーは、まず大統領選挙中に民主党のための選挙活動を行っていました。

(深田)

アメリカ大統領選挙で民主党を応援していたのですか。それは内政干渉ではないですか。

(ギルバート)

そうですね。絶対にやってはいけないことです。民主党はゼレンスキーにお金を出し続けようと考えている人が多く、共和党は(資金援助を)もうやめようというムードなので、彼は民主党の選挙活動に参加した。しかし、トランプはこれを快く思っていない。

(深田)

そうですよね。自分の対抗馬を応援するのですから。

(ギルバート)

それはさて置くとして、とにかく人が殺し合っていることを止めないといけない。なぜゼレンスキーが一番悪いのかというと、合意は全部決まっているのに、彼はトランプさんたちに会う直前に、民主党のトランプ嫌いの人と会っていたのです。

(深田)

えっ、民主党の議員に会っていたのですか。

(ギルバート)

議員かどうかわかりませんが、議員だと思います。その人と会って「トランプの罠にはまらないように気をつけろ、トランプの言う通りにしてはだめだ。やはり安全保障の約束を取らないといけない。この書類のままではだめだ」と言われて、それを丸吞みにした。

(深田)

言いなりになってしまった。

(ギルバート)

言いなりになって、結局トランプと言い争いになってしまったのです。トランプと言い争っても勝てるわけがないです。これにJ・D・ヴァンス(米国副大統領)も加わるともう大変なことになる。

(深田)

そうですよね。J・D・ヴァンスも「失礼だろう」と言っていましたよね。

(ギルバート)

それに「今までの応援をありがとう」という感謝の一言もなかったのですね。合意案はアメリカがウクライナとレアアースの共同開発をする。それによって得た利益をウクライナとアメリカが半分ずつ取って、アメリカが今まで無償で提供していた軍事的な支援を回収するということだったのです。

トランプの考え方は極めてまともです。戦争を終わらせるために交渉する時はまず停戦をするのです。トランプがゼレンスキーに相談せずにこれを決めてしまったとゼレンスキーは怒っているかもしれないけれど、そういうことはないのです。スタッフはきちんとゼレンスキーと話し合って内容を決めたわけですからね。

(深田)

そうですよね。会談が終わった後、ゼレンスキー側のチームは「なぜこうなってしまったのか」と当惑していたという記事も出ていましたよね。

(ギルバート)

そういう悪い人が民主党にいたということです。

(深田)

民主党にいたのは、いつも通りですね。

(ギルバート)

結局そういうことです。一度決めたことなので、その時にサイしないとだめですよね。

(深田)

それはそうですよね。お互いに正式な外交ルートでサインすると約束をしているので、トランプ大統領も忙しい中、時間を作って場所も提供したということですよね。

(ギルバート)

それにもかかわらず、トランプやJ・D・ヴァンスを批判し始めるわけです。そうするとトランプは「ちょっと待て、あなたはカードがない」と応酬する。ゼレンスキー側もそれを理解しているはずなのに、それを否定するのです。かつて見たことがないような光景です。

(深田)

見たことはないですよ、あんなひどい終わり方は。

(ギルバート)

ひどいです。会談が終わった後、ゼレンスキーはやはり反省しているらしいです。反省をして「ありがとう、ありがとう」とありがとうの嵐なのですが、トランプはそれを聞き入れないでしょう。もう少し正しく理解しないといけない。

トランプはサウジアラビアでプーチンと話合いましたが、そこにゼレンスキーは呼ばれていないです。なぜならゼレンスキーが譲ることは何もないのです。レアアースの計画についてロシアは賛成ではないようですね。それでも、とりあえずウクライナと合意をした上でロシアに強引に停戦をさせる。そこでアメリカの事業が始まるので、ロシアが攻撃し始めたら大変なことになるわけですね。

ウクライナとアメリカが一緒になることによってロシアに対してすごく強い牽制になります。しかし、ゼレンスキーはそれを理解していないのか、理解しようとしなかったのか、よくわからないが、ゼレンスキーはなぜあのようなことを行ったのか。

(深田)

本当にそうですよね。

(ギルバート)

一部のマスコミはトランプが悪いと言いますが、トランプは全然悪くないと思います。計画通りに進めていたのに、途中でゼレンスキーがアメリカの外交努力が足りないなどと批判をし始めたのですから。

(深田)

あれはゼレンスキー大統領のやり口というか、定番のショーですよね。色々な議会に行って、居丈高なことを言って支援を引き出す。いつも通りにそれと同じことをやってしまったのですね。

(ギルバート)

トランプは「ウクライナにこれ以上の支援をしない」という公約をして当選している。しかも、トランプに投票した人はウクライナの支援継続を考えていないので、今更そのようなパフォーマンスは効かないです。

(深田)

そうですよね。この3年間で、アメリカはウクライナに約17兆円(1140億ユーロ)のお金を出していますものね。

(ギルバート)

アメリカはかなり出していますが、ヨーロッパはそれほどに出していないです。ヨーロッパはロシアの資産を凍結して、それを担保にして貸しています。しかし、アメリカは無償で提供したのです。

(深田)

そうですよね。

(ギルバート)

そこの違いをよく理解する必要があり、それを「返してください」とは言っていないのです。本来なら「返してください」と言ってもよいと思います。こういう共同事業をやることによって返す資金ができます。返せというだけでは気の毒ではないですか。返せるわけがないですからね。

(深田)

そうですよね。

(ギルバート)

これは天才的な考え方だと思いました。

(深田)

本当にその通りです。ロシアに対してはロシアとの共同事業として、一番揉めている東部のドネツク地方でレアアースの採掘を行う。そうするとウクライナは攻められない。ウクライナ側はアメリカとウクライナが共同で採掘を始めるとロシアは攻撃できない。ウクライナは経済的なダメージがかなり大きく、アメリカにお金を返すことができないので、権益を与えつつ事業をすることによってロシアが攻撃してきた時にはアメリカが盾になれる。

(ギルバート)

ウクライナと合意ができてしまえば、ロシアとは合意ができていなくても、これを武器にしてドネツクのレアアースもアメリカがロシアから取ることができるかもしれない。

(深田)

うん、そうですよね

(ギルバート)

そういうことを狙っていたようですね。ゼレンスキーはそれを理解していたでしょうか。

(深田)

もしかすると、理解はしていたけれどもそれを受け入れると、戦争が終わってしまう。彼は戦争を終結させたくなかったのではないかと思います。

(ギルバート)

そう思いますよね。

(深田)

そう思わざるを得ないです。

(ギルバート)

誰が悪かったのかというと、ロシアです。それは世界の誰もが認めています。しかし、トランプは「だからどうなのだ。過去は過去としておいて、今後どうするのか」と言う。とにかく人が殺し合いをして、ロシア側もウクライナ側も毎日、何百人もの兵隊が死んでいるので、これをやめさせないといけない。これを止めなければならないというのがトランプの一番の目的なのですが、ゼレンスキーは納得していないようですね。彼は最後までロシアを追い返したいので、そのための支援がほしいかもしれないが、アメリカからはもう出ないです。

(深田)

そうですよ。

(ギルバート)

アメリカから出ないので、ヨーロッパは慌ててそれぞれの国が出そうと言っているが、出すものがない。お金もなければ武器もない。

(深田)

ヨーロッパも今はインフレで、皆さん困っていますものね。

(ギルバート)

オーストラリアとニュージーランドが、ゼレンスキーを支援すると言っていけれども、何をどのように支援するのかと思います。

(深田)

現実的ではないですよね。アメリカだけで17兆円、日本からも1.8兆円(105億ユーロ)、世界中から40兆円以上(2670億ユーロ)のお金を集めてきて、そのお金は一体どこに行ったのかということもありますよね。

(ギルバート)

それも少し怪しい部分がありますよね。多少腐敗があるのではないでしょうか。

(深田)

なぜか急にお金持ちになったウクライナの高官がヨーロッパで別荘を買い始めたなど色々ありますよね。

(ギルバート)

それは多少あると思うのですが、問題はウクライナにはもう人がいないのです。

(深田)

ああ、そうなのですか。

(ギルバート)

徴兵をかけていますが、誰も応えないです。今、徴兵しているのは40歳代で若者がいないのです。それでどのように集めているのかというと、騙して誘拐するような方法で軍隊に引きこんでいる。これではロシアと同じやり方ではないですか。

(深田)

なるほど、ロシアもウクライナもですか。確かに動画が流れていますね。

(ギルバート)

いくら支援をしたとしても、ウクライナはこれ以上戦争を続けるだけの力がない。第一に人材がいないです。では北朝鮮から来てもらうのか、それはない。韓国から来てもらうか、それも来ない。アメリカは絶対行かない。アメリカ人はいつまでも続く戦争を絶対にやりたくないのです。

(深田)

アメリカが疲弊しますよね。

(ギルバート)

ウクライナがアメリカの核心的な国益なのかというと、違います。

(深田)

違うのですか。

(ギルバート)

違います。アメリカの国益に何があるのですか。

(深田)

確かにそうですよね。

(ギルバート)

あるとすれば、ロシアとNATOとの間の緩衝地帯として頑張っているけれども、そこも理解せずにロシアが絶対に認めないような「私はNATOに入りたいのだ」とゼレンスキーはずっと言い続けていますからね。

(深田)

煽っていますよね。

(ギルバート)

それではロシアはやめない。それぐらい分かっているのではないでしょうか、いや分かってないか。アメリカの核心的な国益がない限り戦争してはだめなのです。

(深田)

ああ、なるほど

(ギルバート)

アフガニスタンも同じです。あれはアルカイダとタリバンを潰した上で、アメリカは引き上げるべきだった。国益でもないのに女性の権利云々と言って20年もの間にあれだけのお金を使った。アフガニスタンはどこの国と組んでも地政学的に重要な場所ではないのです。

(深田)

確かにアメリカからは遠いですね。

(ギルバート)

トランプとしては、アフガニスタンから引き上げるけれどもバグラムという大きな空軍基地だけは、中国の隣なので取っておきたかった。しかし、バイデンという“あほ”がそこをそのまま解放してしまって、タリバンに差し上げてしまった。

(深田)

タリバンに差し上げたのですか。

(ギルバート)

タリバンに明け渡したと思っていいです。何のためにそこで20年間も頑張ったのか。

(深田)

本当ですよね。お金の無駄ではないですか。

(ギルバート)

20年間やり続けたことの意味がないことが分かったので、トランプは第一次政権で引き上げると言っていました。地政学的にウクライナがこれからロシアに勝利することは簡単ではないのです。

(深田)

かなり難しいですよね。

(ギルバート)

かなり難しいです。なぜならロシアは人口がウクライナの10倍もいます。軍隊も少しお粗末だけれども、ウクライナよりは強く、武器もある。

(深田)

しかも、ロシアは自給率が高いですよね。だから兵糧攻めもできないです。

(ギルバート)

ゼレンスキーはものすごくいいチャンスを逃してしまったことを反省しているのでしょうか。それともこの戦争を最後まで続けたということでしょうか。

最後とは何なのでしょうか。

(深田)

戦争の最後はちょっと分からないですね。もしかすると彼の目的は第3次世界大戦を引き起こしてアメリカを巻き込みたいということなのかとも考えられます。

(ギルバート)

それは絶対だめです。

(深田)

ただ、こうして放っておくと、私は最終的にはウクライナ国民がゼレンスキー大統領に対する不満を爆発させる時が来るのではないかと思います。

(ギルバート)

もう既にかなり不満が出ていて、徴兵が全然うまくいっていないということですからね。最初はみんなすごい愛国心を持ってボランティアでウクライナの軍隊に入り、一所懸命頑張った。怪我をしても治ったら、もう一度戦場に戻るということがありましたが、もうそれはないですね。

(深田)

なるほど、今回のトランプ、ゼレンスキー会談でケント・ギルバートさん的には悪いのはどちらですか。

(ギルバート)

ゼレンスキーなのですが、誰が悪いのかはさておき、これからどうするのかということについて、ゼレンスキーは相当謝らないと修復できないと思います。

(深田)

はい、今回は米国カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバートさんに「トランプ、ゼレンスキー会談のつけはウクライナが払わなければならないのではないか」ということについてお話をいただきました。ケント・ギルバートさん、ありがとうございました。

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