農家収入の真実! 時給10円の衝撃的な現実が明らかに!?  山田正彦氏

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【目次】
00:00 1. オープニング
00:41 2. 農家の時給は10円
03:56 3. 他国は農家に所得補償
07:59 4. 食糧基本法の芋作りも不可能
11:31 5. トラクターで集合して令和の一揆


(深田)
今回は元農林水産大臣で現在は弁護士でいらっしゃる山田 正彦先生にお越しいただきました。よろしくお願いします。

前回「令和の百姓一揆」を目指すという大イベントを考えていらっしゃると伺いました。そのチラシを見て驚いたのですが、農家さんの時給10円というのは冗談なのでしょうか?

(山田)
いえいえ、本当です。

(深田)
本当にそうなのですか?

(山田)
はい。2021年と2022年の統計を見ていただければわかります。
この統計表の農業所得を時給に換算すると10円になります。


(深田)
え.. それでどうやって生活するのでしょうか? すみません、年収はどれくらいになるのでしょうか? 収益から経費を計算すると、結局1万円ぐらいしか残らないということですか?

(山田)
そうです。自分たちが食べる分の野菜とか、最近では果樹農家や野菜農家など専業でやるところも増えています。ただ、やはり米農家が多い。農業の収入が時給換算で10円という状況では、農業だけで生計を立てるのは困難なのです。

(深田)
いや、これ時給10円というのは、中国の奥地よりもひどいですよね? これ、本当に日本の話なのですか?

(山田)
日本です。

(深田)
先日、東大を卒業したのに就職はせず、祖父の田んぼを継いだという「米利休さん」という22、23歳くらいの若くて素敵な方をSNSで見かけました。昨年の年収が15万円だけでした、というインスタグラム投稿をしたところ、高学歴で農業をするなんてとか、年収15万円なんて嘘だろうなどと炎上していました。年収15万円というのは本当だろうか?と疑問でしたが、この統計を見たらあり得るだろうと思いました。

(山田)
日本ではそれくらい米の生産原価は安いのです。本来、米の価格はもっと上がっていいものなのですよ。とは言え、もともと農産物の価格は世界的に安い。だから、特にヨーロッパはそうですが、農家収入の8〜9割、アメリカも4割は所得保障になっているのです。
アメリカの場合、農家は米、麦、大豆、その他主要農産物の生産原価を毎年出しますが、生産原価を割った時は、赤字にならないように必ずその差額を農家に直接支払いすることになっています。農家と政府は収入保険に加入し、農家が4分の1、国が税金を使って4分の3を掛け、直近5年間の平均収入の8割を国が農家へ直接支払います。要するに、国によって生産原価は保証され、収入の8割は保険で所得保障されるということなのです。日本でもできますよね?

(深田)
そうですよね。食料自給率4割を切るところまできているのですから、今こそやるべきですよ。しかも今、業者さんが間に入って、米一俵、5〜7万円で買い上げする影響を受け、米10キロで6〜8,000円まで高騰してる。

(山田)
そうそう。だから、議員になってすぐに日本の農業の実態を調査しました。そして、大臣になった時にアメリカやヨーロッパ並みの所得保障制度を2011年に導入しました。

(深田)
そうだったのですね、知らなかったです。

(山田)
欧米並みとまでは行かなかったのですが、当時で6000億円の予算を確保しました。今考えればわずかな金額でしたが、それでも実施した結果、ずっと右肩下がりだった農家所得がたった1年で17%上がりました。

(深田)
今、中国と日本の関係が微妙で、「台湾有事が起こるかもしれない」と言われていますよね? だから防衛予算を増やしている。でも、防衛予算を増やしても、有事が始まって物流が止まったら、私たちは餓死しますよね? そう考えれば6000億円くらい使って農家さんを支援し、さらに食糧を備蓄することが必要ですよね?

(山田)
中国は一年半分の食糧備蓄ができています。

(深田)
日本はどうなのでしょうか?

(山田)
日本は一ヶ月半分の備蓄しかありません

(深田)
え?!それは少なすぎますね。政府がもっとお米を買うべきですよね?

(山田)
その通りです。政府がもっとお米を買って備蓄すれば、農家も助かるし、国防上の安全保障策にもなります。そして、今のように米価が急騰している時には、政府が市場に放出できる。しかも、米は「籾(もみ)」の状態で保管すれば、100~200年持ちますから。

(深田)
えっ!? 籾で保管すればそんなに持つのですね?

(山田)
そうですよ。これほど優れた備蓄方法はないのですよ。

(深田)
全く知らなかったです。でも、正確な法律名は忘れてしまったのですが、最近になって日本政府が「有事の際のために食糧確保のために芋を作りましょう」といような新しい政策を出しましたよね? しかも、「作物の生産計画を提出し、計画通りに出荷しなかったら罰金50万円」という話も出ていてひどいと思います。

(山田)
本当にひどい話ですよ。芋を作るにしても、前年の種芋がなかったら作れないわけですから。

(深田)
そうですよね。何もないところから芋はできませんよ。

(山田)
私の生まれは五島列島で昔から芋を作っていましたが、冬に保管するには地中に穴を掘って窯を作り、そこに一つずつ寝かせて増やしていく必要があるので、政府は簡単に「芋を作れ」「作らなかったら罰金」と言いますが、それほど単純な話ではないのですよ。それで食料自給率を達成しようなんて、そんなバカな話はないですよ。

(深田)
無理なのですね。

(山田)
ええ、無理です。だからこそ、食料政策としては、常に農家に所得保障をして、農家が安心して持続的に食糧を作れる仕組みを整える必要があるのです。所得保障制度は絶対に必要です。それで日本でも海外並みに所得保障制度を導入しようという動きがあって、若い人を中心に農家も立ちあがろうということで「令和の百姓一揆」を起こそうとしています。

(深田)
そういうことでしたか。時給10円というのは冗談かと思ったのですが、本当にそうなのですね。

(山田)
本当なのですよ。

(深田)
先ほどの「米利休さん」は年収15万円と言っていて、これはどういうことなのだろう?と思っていましたが、10円で1000時間働いたら確かにそういうことになりますね。

(山田)
そうですね。ただ、この統計は2021〜2022年のものなので、今はもう少し上がっているかもしれません。

(深田)
15円〜20円くらいですか? いや、それにしてももう一桁多くないといけないですし、最低時給くらいは欲しいですよ。

(山田)
そうそう。1240円くらいは欲しい。

(深田)
それはそうですよね。

(山田)
そういう状況でも、農家さんは今も農業をして、米を作り続けていますよね? どうしてだと思いますか?

(深田)
どうしてでしょうか?

(山田)
ひとつには、農地があり、家があり、家の周りに畑があれば最低限、食べて生活することができる、ということがあります。それから、私もそうですが、日本人は先祖代々の田畑を守りたい、お墓を残したいという気持ちが強いということもあります。だから時給10円でも農地を荒らしたくない。そうやって頑張ってきたわけですから。しかしそれを支えるためにも、国は農家に対して税金を使い、少なくても欧米並みの所得保障を導入しなければならないですよ。

(深田)
そうですよね。

(山田)
それで今回、トラクターで集まって国会議事堂を占拠する「令和の百姓一揆」のような話もありました。でも、あまり過激なことはやめようというところに落ち着きましたけれども。

(深田)
いえいえ、それもいいですよ。その光景、見てみたい気もしますから。

(山田)
結構、トラクターも集まりそうですし。

(深田)
最近、X(旧ツイッター)か何かで、「トラクター百姓一揆」の様子を観ましたよ。どこで起こっているのかはわからないですが、流行っているかもしれませんね?

(山田)
そうですね。

(深田)
「税金が高すぎる」と言って、普通の人たちが財務省の前で演説していますから、やはり五公五民は取り過ぎですよ。

(山田)
取り過ぎですよね。例えば、島根県の吉賀町。あそこの町長さんは良い方で、私も何回か行ったことがあるのですが、そこではトラクターのデモを行いましたよ。その時、町民の皆さんが「トラクターに初めて乗る!」とか、「写真を撮ってほしい!」などとすごく盛り上がっていました。

(深田)
そうでしたか。考えてみたら私、トラクターに乗ったことないですね。

(山田)
だから我々も青山公園南地区で3月30日 午後2時、全国からトラクターを集めて行進する計画を立てています。

(深田)
分かりました! 視聴者の皆さんの中で「深田萌絵をトラクターで迎えに行くよ!」という方がいらっしゃったら、ぜひ深田萌絵チャンネルまでお知らせください!

(山田)
先頭のトラクターに乗ってみませんか?

(深田)
いいですね、楽しそうです!

(山田)
みんなでトラクターに乗って、若い人や一般の方々に向け、日本の農業がどれだけ大変なのかを知ってもらう。そして、「所得保障を復活してほしい! 欧米並みに農家が食べていける仕組みを作ってほしい!」と、大きな声を上げようとしています。

(深田)
「令和の百姓一揆」、国防の観点からもやはり必要ですし、行動を起こすことは大事だと思います。有事になった時、いきなり食料自給率を上げるなんて、正直無理なので今から準備する方がいいと思います。

(山田)
本来は、一年分の備蓄が必要ですよ。

(深田)
先ほどおっしゃっていましたが、日本は備蓄が1ヶ月半分しかない.. ということは知らなかったですから。1ヶ月半なんて、もしも日本が中国の軍隊に封鎖されたら、もう終わりじゃないですか!?

(山田)
そうですね、もうお手上げです。以前、自衛隊の幹部と話したことがあって、緊急時に自衛隊が戦争を遂行するには、3000カロリー以上は必要だとおっしゃっていました。でも、今の日本の食料自給率で輸入が止まったら、一人当たりの食料がわずかしか確保できない。そうすると、自衛隊としては国民の食糧を奪うわけにはいかないので、自衛隊員はカロリー不足で戦えないのです。

(深田)
え!? そんな…。防衛予算を増やしてアメリカから型落ち兵器を買うよりも、まず「我々のエネルギー」を確保ですよね?カロリーがなかったら我々は生きていけないですし、兵糧攻めをされたら終わりじゃないですか。

(山田)
はい、生きていけないですね。自衛隊が1ヶ月半分しかない受給を独占するわけには行かない、とその自衛隊の幹部の方は本気で悩んでいました。

(深田)
この国、何かおかしいと思います。食糧自給率を上げるためには、「罰金」ではなく
「ご褒美」ですよね。

(山田)
それに今言ったように、麦や大豆を輸入するのではなく、昔のように田んぼで作り二毛作をすることが大事なのです。

(深田)
そうすると肥料もいらないし、窒素も自動的にインストールされるから自然に土壌が豊かになりますよね。

(山田)
そう。大豆も作って、昔ながらの農業を復活させる。そして、欧米並みに所得保障制度を導入したら、農家収入の8割は保証する。これは大事なことです。

(深田)
ええ、本当に大事ですね。今日は先生のお話をお聞きして、すごく癒されました。
今回は元農林水産大臣で弁護士でいらっしゃる山田 正彦先生に、
「米農家、時給10円の背景と所得保障制度導入で安全保障を高めよう」ということをお話しいただきました。
先生、本当にありがとうございました!

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