日本政府「米が行方不明」 米価格高騰の犯人は「JA中抜き」の真相に迫る!?

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【目次】
00:00 1. オープニング
00:43 2. 米価高騰は流通業者の買い漁り
04:27 3. 業者の買取価格はJAの数倍
08:13 4. 種米まで無くなる
10:58 5. 5年で食料自給率60%にできる
15:48 6. アメリカの余剰農産物購入で自給率低下

(深田)
皆さんこんにちは、政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵です。
今回は元農林水産大臣で弁護士の山田正彦先生にお越しいただきました。
先生よろしくお願いします。

(山田)
はい、どうもよろしくお願いいたします。

(深田)
最近、米の価格がすごく高くなっています。昨年(2024年)は10kgが3,500円で流通していた米がもはや6,000円です。これは農家の方の(生産者)価格が上がっているのかなと思ったら、JA(農業協同組合)が米農家から購入している米の価格は10kgが2,273円で、少し上がっているだけです。ここまで倍になるということは、一体誰が中抜きをしているのでしょうか。なぜこのようなことになってしまったのかと、今、巷では奥さんやママさんたちが大騒ぎをしています。

(山田)
そうですね。昨年、本当に米がスーパーから全く消えてしまったことがありましたね。

(深田)
そうですよね。夏に一度ありましたね。

(山田)
だから、今年(2025年)もそうなるのではないかと心配している動きが色々ありますよね。ただ、農林水産省が生産量と需要量を公表しています。それを見ると今年はそんなに心配するような数値ではないのです。

(深田)
心配しなくてもいいのですか。

(山田)
農水省の統計だけを見ているとそうですね。ところが実際の米価格は非常に高くなっている。

(深田)
そうですよね。何か急に値段が上がっていますよね。

(山田)
私も自炊して、今は米を買って食べています。

(深田)
先生は自炊されているのですか。

(山田)
そうです。だから確かに米の価格が非常に上がっていると思っている。しかし生産者価格はそれほど上がっているわけではないのです。

(深田)
そうですよね。米農家の方がこれで儲かっているのであれば、私たち消費者も納得できるのですけれど、これは誰かが中抜きしているだけではないのですか。

(山田)
そうですね。農水省もそこは誰がどうしているのかまでは把握をしていないようです。ただ今年の生産量というのは分かります。今の日本の水田は1,250万トンぐらいの生産能力があり、今年の生産量は679万トンです。まあ、680万トンくらいですよね。需要量は生産量より5万トンほど低い数値でると政府は考えている。そこからすれば、米が極端に不足しているということはあり得ないのです。

(深田)
そうですよね。急にみんなが毎日米を2倍食べることはないですよね。

(山田)
そうです。どこでどのようになっているのか。JAとか僕の知っている流通業者に聞いてみても分からないのです。ただ、金儲けのために業者が米を買い漁っているというのは事実です。

(深田)
JAが犯人ではないのですね。JAではなく流通業者が買い漁っている。

(山田)
例えば茨城県の場合には、JAの今年の米の買い入れ価格は概算で60kgが1万8,000円で始まりました。それが今いくらで買っているのかというと2万4,000円です。

(深田)
そんなに上がっているのですか。

(山田)
上がっています。もっと上がりそうなので、2万5,000円から2万6,000円ぐらいでないと、JAも農家から集荷できないという状況です。どうやら業者が60kgを7万円で買に入っている。ちょっと驚きました。ということは去年のように米不足が起こるのではないか。
余剰の米と言えばおかしいのですが、今、JAの倉庫とか業者の倉庫とかどこかにあるはずなのですね。JAにも色々聞いてみましたが、大体JAで把握しているのは全体の30%ぐらいのようです。

(深田)
JAは全体の3割ぐらいしか持ってないということですか。

(山田)
そうではなく、もっと持っていると僕は思うのですが、量を掴み切っているの がそれくらいですね。今年は流通業者がJAだけなく直接米農家から大量に買いに入っているようです。

(深田)
なるほど、去年は米価格が高騰したので、直売で買いに行っている。だからJAにも回ってこない。

(山田)
JAも集荷しきれていないところが出てきている。

(深田)
今まで農家の方はJAが買ってくれると思ってJAに売っていたのだけれども、JAよりも高く買ってくれる業者が現れたので、そちら行ってしまった。

(山田)
業者が金儲けをしようとする。去年のように高くなるだろうと見越して、実際に業者が米を買い漁っているということ僕は聞いていて、かなり行われているような気がする。

(深田)
では今、米価格が高騰しているのは、JAが中抜きして大儲けしているのではなく、別の業者が買いに来ているからですか。

(山田)
そうですね。JAは基本的に協同組合なので、儲かると組合員に還元しなければいけない。JAがきちんと精算してくれれば、今年の農家の手取りは、2万4,000円から2万5,000円にはなるはずです。ところが、2年前は60kgあたり1万円を切っていたのです。農家の手取りはそれほど安かった。

(深田)
2年前は1万円を切っていたのですか!?

(山田)
切ったところもあり、切らなかったところもあるけれども、栃木県は1万円を切った。これでは農家はやっていけない。

(深田)
確かに生活できないですね。

(山田)
2年前はそういう状況だったが、去年は米不足になった。今年は業者が金儲けをするためにかなり動いたのではないか。生産者価格も2万5,000円ぐらいまで行っているのではないか。そこに7万で買に入っている業者がいるというので、もっと上がりそうな気がする。

(深田)
私は、これは何なのかと思っていたのですよね。米の値段が上がっているけれどもJAが米農家から買っている値段はどうも違う。JAではなく、卸業者というか、間に入って買い付けに行っている業者は「1俵5万から6万円で買っている」というツイートがある。これは一体何なのかわからないと思っていたら、農家が正規のJAルートで販売していたものを、今はバイヤーが買いに来て「そちらの方が高いので、そちらに行く」となっているのですね。

(山田)
そうなっているところも結構ある。

(深田)
しょうがないですよね。今まで生活が苦しかったので、せっかく上がったのだから「高値で売りたい」となりますよね。

(山田)
なりますよね。そうすると農家もどんどん売ろうとするので、逆に種用の米 がなくなるのではないか。

(深田)
種用の米までなくなってしまうリスクがある。

(山田)
産地ではそういうことを本気で心配している。

(深田)
そうなのですね。だからなのか、農林水産省はこれまで「絶対に備蓄米を出さない」と言っていたのが、最近は「そろそろ出そうか」と言っていますよね。「備蓄米を少しずつ出す可能性もあります」と言っているのは、価格が高騰しているのを調整するためなのでしょうか。

(山田)
これまで米の価格が安かったので、僕は今の価格で当たり前だと思っています。ただ農水省としてもそういう状況に対しても心配をしているのでしょう。

(深田)
そうですよね。種もみまでなくなってしまうと次の米が取れないということですよね。そもそも、米の生産量がなぜこのように減ってしまったのですか。そこが疑問ですよね。

(山田)
そうですよね。日本の農地は水田があります。水田は世界で一番優良な農地なのです。

(深田)
優良な農地ですか。土地としては一番いいのですか。

(山田)
耕作地としては一番よい。

(深田)
知らなかったです。

(山田)
なぜかと言うと、連作障害がないのです。

(深田)
連作障害がないのですか。

(山田)
連作障害という言葉を聞いたことありますか。

(深田)
ないです。

(山田)
麦とか野菜もそうですが、同じ作物を同じ畑で作っていくとだんだん病害虫が発生してきて収穫量もどんどん落ちていくのです。それで連作障害と言います。そのために土壌を消毒したり、多量の農薬を使ったり、化学肥料を使ったりということがたくさん起きているのが現在の農業です。
本来、日本の水田は毎年相当な収量があるのです。よいことに今から60年前まではい日本の食料自給率は80%あったのです。

(深田)
そんなにあったのですか。今はもう4割を切っていますよね。2倍もあったのですか。

(山田)
64年前はですね。今から64年前は自給率が80%ありました。それがわずかにこの40~50年で自給率が38、37%まで下がり、さらに減っていっている。皆さんは、日本の食料自給率はもう回復しないだろうと思っているでしょう。しかしこれは間違いです。

(深田)
間違いですか。

(山田)
今もし僕に農林水産大臣をやらせてもらうならば、5年で日本の食料自給率を60%まで持っていきます。

(深田)
ええ、すごい。それにはどんな秘策があるのですか。ここで話すと誰かが真似をするかもしれないですが、是非教えてください。

(山田)
それは、日本の水田が一番いいと言ったでしょう。なぜなら、さっき話した連作障害がないことに加えて、米を作って収穫した後、麦を作れるのです。昔はみんなそうしていた。だから、麦だけで500万トン作っていたのです。

(深田)
それはすごいですね。

(山田)
9月~10月に米を収穫した後、11月には麦の種を蒔いて次の年の6月~7月には全部収穫して、また6月~7月に田植えをする。これの循環だった。

(深田)
では年2回取れるのですね

(山田)
それを二毛作と言って、日本の水田はみんなそうしていました。その次の年は大豆を作ったのです。

(深田)
では麦を作ったり、大豆作ったりする。

(山田)
大豆を作ると窒素分が農地に固定されるから、化学肥料が全く必要ない。

(深田)
化学肥料は、ロシアとウクライナが戦争を始めてからすごく高くなっていると言いますよね。それが必要なくなる。

(山田)
元々、80年前までは何も必要がなかったのです。僕が小学生の頃は農薬や化学肥料などはなかった。それが中学生ぐらいになってから、農薬や化学肥料を使い始めた。中学時代は自転車で田んぼまで行って、上半身裸で日本手ぬぐいでマスクをして、肩かけ式の噴霧器で吹き付けていた。今考えるとぞっとする。

(深田)
本当に恐ろしいですね、そんなことをされていたとは。今、先生がおっしゃったように、米も高くなっているし、そして自給率もものすごく下がっている。それを一気に60%まで上げられる策というのが二毛作なのですね。

(山田)
二毛作です。米の後に麦を作り、その後大豆を作る。今は麦を500万トンぐらい輸入している。それはこれまで自分たちで作っていた。今でもそれはやればできるのに、政府は麦や大豆を作らせなくしている。なぜかというと、アメリカに指示をされたのです。

(深田)
やはり、アメリカ様ですか。アメリカファーストですね。

(山田)
アメリカは小麦が余剰農産物であるので、日本に「アメリカの小麦を買え、日本は麦を作るな、大豆も作るな」と指示をして、そして自給率がどんどん減っていく。分かりますね。

(深田)
分かります。ひどいですね。

(山田)
ひどいです。アメリカの言いなりになって、麦を輸入し、大豆を輸入し、日本は今、毎年750億円の予算を組んで水田をどんどん壊していっている。水田で麦も大豆も作っていたのに、『畑地化政策』といって水田では麦も大豆も作れないようにする政策を農水省は打ち出している。しかし、これまで通り水田で二毛作をやれば十分です。

(深田)
そうですよね。水田で二毛作をやるだけで食料自給率が60%になりますよね。これで行きましょう。

ではここで告知です。“令和の百姓一揆”ですね。第1弾が2月18日院内集会とありますが、これはどちらであるのですか。

(山田)
議員会館の中で行います。

(深田)
すごいですね。院内集会は2月18日の4時から衆議院第2議員会館第1会議室で、そして3月30日は、なんと青山公園南地区他目的広場でトラクター行進があります。楽しみですね。

今回は「なんでこんなに米価格が高くなったのだ!?犯人はJAではなく中抜き業者が発生していた!?」ということと「それでも米農家は食っていくのは大変なのだぞ!」ということを、元農林水産大臣で弁護士山田正彦先生にお話しいただきました。
“令和の百姓一揆”も開催されるということなので皆さんお楽しみにしてください。
山田先生、どうもありがとうございました。

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