#100―加藤康子 × 深田萌絵「トヨタ会長の日本批判の真相」

(深田)
自由な言論から学び行動できる人を生み出す政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵がお送りします。今回は元内閣官房参与の加藤康子先生にお越しいただきました。加藤先生、よろしくお願いします。

最近、メディアを賑わせているトヨタ会長の「今の日本はもう頑張ろうという気になれない」という発言が話題になっていますが…

(加藤)
あのですね、この「今の日本は」というのは誰に対して言っているのかというと、メディアに対して言っているのですね。

(深田)
これは日本に対してではなく、メディアに対する牽制。

(加藤)
大メディアの報道がガンガンガンガンとトヨタ叩きでしょう?トヨタ会長の言葉とう言うのは切り取られて、いろんな形で悪いメディアにバーンと出されている。要するにみんなに読んでもらえると思って切り貼りをして。あれは朝日新聞デジタルですけどね。非常に残念だなと思いますね。

これはメディアに対して発言しているのですね。

例えばこの前の豊田会長の記者会見でも、不正は不正として認めているのですよ。その後に「安全性に問題はない」とおっしゃっているのは、ユーザーに対して発言しているのですね。それを国交省の基準に対して文句を言っているかのように切り取られて「VS」の構造になってしまうのですね。

(深田)
トヨタと国交省があたかも対立しているかのように。

(加藤)
それで記者会見のやりあいみたいな形になっておかしくなっていく訳ですね。だからやっぱり、メディアの功罪というものはものすごく大きいのですよ。

でね、今日実は日経平均が3600円値下がったのですが、これはまさしく日銀の植田総裁の発言から出てきたのですけれど、NISAで日本国民が、一般の株に興味がない人たちまでも株に投資して、日銀の利上げの話が出てきて株が暴落した、またコロナで融資を撒いていて、今度は貸し剥がしも始まる、そういうところを考えると、ある面で詐欺みたいなもので、これで得をするのは誰か?誰だと思います?

(深田)
外国人投資家ですか。

(加藤)
金融機関ですよ。銀行を救うために。3600円も落ちている訳だから、これは責任を感じるべきですよ。

財務省のやりたい放題で、また財務省の神田さんが参与になったりしていますけれど。財務省を抑えるには、人事しかないのですから。

(深田)
岸田さんの金融資産倍増計画みたいな・・・

(加藤)
政策保有株ね、何が一番心配かと言うと、結構トヨタは狙われているのですよ。狙われているというのは、世界の自動車の新車販売台数の大体3台に1台は日本のメーカーで、その半分がトヨタなのですよ。だからトヨタなくして日本経済はないのですね。ハッキリ言って。トヨタの部品メーカーも含め、全体で日本を守っているという、そのトヨタさえ外資が獲ってしまったら、そうしたら日本はないわけですよ。だからみんなトヨタを狙っているのですね。

今までは株の持ち合いである程度安定した経営をしていたのを、金融庁のおかしな新自由主義の人たちが、持ち合いを無くして政策保有株を放出しろなんてやって、株価の不安定化を招くようなことばっかりをやっているわけですよ。

トヨタが日本でこれからも頑張って、みんなでトヨタを応援するぐらいな感じでないと、日本経済はやっていけないと思いますよ。

(深田)
本当にそうですよ。トヨタの日本経済に対する貢献度、労働市場を支える力はすごいですよね。

(加藤)
これだけ叩かれても、トヨタは今営業利益最高で、今年4月から6月の連結決算では前年同期比17%増の1兆3084億円、すごいですよね営業利益。

(深田)

たぶん絶好調だから叩きたいのじゃないですか、メディアは。

(加藤)
でもね、ハイブリッドがこれだけ伸びているのですよね、テスラは4月から6月の営業利益は33%減ったのですよ。

(深田)
テスラは今売れていないですし、値下げもしていますものね。

(加藤)
33%減っても、例えば経産省にソフトウェア・デファインド・ビークル (以下、SDV)を増やせと言われて、SDVの定義って何ですか?と聞くと「いや、テスラみたいな」とこう言ってくるのですよね。「テスラのようにアップデートする車を」と。

本当に自動車産業が豊かになれば、日本国民の経済も豊かになるのですが、儲からないものに一生懸命投資しているように思えてしょうがない。

(深田)
私はハッキリ言います。SDVはコケますよ。何故かと言うと、我々は自動車メーカーさん向けのソフトウェアを作っていたわけです。私たちはチップの中身の設計なのでまだハードウェアよりなのですが、OSの上で作っているソフトウェアしかやってない人達というのは、OSと ソフトウェアを組み合わせた時にやっぱりどうしてもディレイ(遅延)が出るのですよね。

遅延が出ると車はダメなのです。遅延がどれぐらい出るのか、遅延を出さないようにどのようにソフトウェアを設計するのかとか、そこまで考えられない人たちが作ったソフトウェアで車を作ると、事故の原因になるわけですよ。

(加藤)
今テスラの場合にも非常に訴訟が多いですからね。崖から自動運転でそのまま落っこちたみたいな、そういうことで訴訟していますよね。

ちょっと私申し上げようと思ったのは、マークラインズの2024年1月から7月の速報で北米のマーケット見てみましょうか。

1位はGMなのだけど、前年度比0.5%落ちているのですね。2位はトヨタなのです。これ前年度比11%伸びています。すごいでしょう、11%伸びている。

(深田)
これは株価ですか?

(加藤)販売台数です。3位はフォードで3%。4位はホンダで9%伸びている。9位にスバルが入っているのですよ。5.6%アップね。テスラは10位なのですけど13.6%ダウンしています。基本的にはですね、やはり日本のメーカーは強いのですよ。あと、マツダがその下に入っていますけどね、このマツダも確か13%アップだな。

(深田)
結局、内燃機関が強い車が評価されているということなのですよね。

(加藤)
だからね、アメリカのマーケットで売れているのは内燃機関で、日本のメーカーなのです。だから株価落ちているけど心配しないで、しっかり今買い時なので、日本の自動車は北米マーケットで売れていますから、アジアでも売れていますから。そこはもう全く心配しないでぜひ株を買って、後で値上がりをぜひ期待していただきたいと思います。そういう点で、例えばもう一つ、アメリカのマッキンゼーの調査によるとですね、EV車を買った人の46%が次は内燃機関を買うのですって。

(深田)

そうですよね。

(加藤)

買いたい。明確に北米でそういうデータが出ているのですね。これを見てみるとですね、基本的には来年度の予測がつくと思うのですよ。来年度ね、内燃機関に戻りたいという人がそれだけ多いとなると、どんなにEVを推したところでマーケットは大きくならないですよ。そこに向かって一生懸命日本政府はね、補助金を出してEVを購入補助金をしていくわけでしょう。で、各メーカーにEVを作れ作れとやるわけでしょう。儲からない売れない車を作れと、一生懸命に推しているわけですよ。

(深田)
本当そうです。もうね、どこの自動車メーカーのエンジニアに聞いても、EV車本当はやりたくないと言いますよ。

(加藤)

もうね、BYDはあれだけ持ち上げているけれど、でもものすごい今故障の率が多いのもBYDなのですよ。だからもうそれはもうものすごくいろんな走行テストなんかでも出ていますけれどね。なんかトヨタだけが不正しているようなことをメディアは言っているけれど、実際BYDなんかの火災とかもう大変なものですしね。いろんなところでトラブルも多いわけですよ。やはり耐久性があることに関して言えば、中古車市場でもやっは日本車の人気はもう圧倒的なのですよ。

(深田)
EV車などもう中古車市場では

(加藤)
資産価値がないのですよ。だからね、そういうものに一生懸命購入補助金を出している、国民の税金で補助金を出しているという愚、それからあと、それだけ事故率が高くなるというのは、車はね、例えばSDVの場合、アップデートでいろいろと解決するってね、実際安全性とはね。例えば自動運転などもまだまだね、技術的な課題もたくさんありますし、モニターに保護シールを貼っていたらどんどんどんどんね、電気を使っちゃうっていうね。

そういう機能に力を入れていくというところに補助金を出していくわけでしょう。よりEVに近いところに。彼らにとってみて、その彼らはユーザーでもないかもしれないですよ、だって役人の人は送り迎えの車がついているわけだからね。ユーザーでもないし、車にそれだけ造詣があるかどうかわからないわけですよ。経産省の自動車課だってね。まして中小の企業にね、EVになりなさい、内燃機関からEVに転換したらいろいろと支援するみたいな、そういうプロジェクトまであるわけじゃないですか。
本当に、じゃあEVになる先に、EV車がものすごく需要があって売れるのであればいいけれど、儲からない、売れないものに突っ込ませるわけだからね。

(深田)
しかも役に立たない。

(加藤)
それに物理的に、EVになったら電池が自動車の4割でしょ。そこのところの、例えば資源の面でも3割以上、生成過程で7、8割中国が抑えているところに突っ込ませるわけだから、日本の土台を破壊するわけですよ。

(深田)
いやだって中国ばり儲かるわけですよ、EV車を推進すると。

(加藤)
もう自動車強国中国を作るための施策に協力しているようなものなのですよ。そういうことを本当に国民の税金でやっていいのかというのは、私はかねがね疑問に思っているし、基幹産業を破壊すること、例えばそういうところに予算をかけるということ自体、私はどうしても納得いかないです。

(深田)
いやいや、絶対本当に私も許せないなと思いますよ。

(加藤)
そう、日本を牽引している自動車産業で、やはり携わっている人たちのモチベーションにも影響すると思うのですよ。だからそこはもうちょっと、日本を牽引して頑張ってくれている人たちを応援するような、そういう政策になってほしいな。媚中じゃなくて、中国ばかり応援するのじゃなくて、グローバルエリートの彼らが褒められるために、やれ脱炭素だとかやるのじゃなく。やはり世界で売れている車は日本車なのだから。

(深田)

おっしゃる通りです。

(加藤)

北米の1/3は日本車ですよ。これを見たら。キアやヒュンダイも結構台頭してきていますが、彼らはEVもやっているけれど、売れている車は内燃機関なのです。

(深田)

そうですよね。本当にEV車は使えませんからね。アメリカでも、私のオフィスがあるシリコンバレーでは結構EV車が走っていますが、そもそも電気が足りなくて信号すら停電するのですよ。こんなところでEV車に乗っていたら、そのうち車を充電する電気がなくなるだろうといつも心配しています。

(加藤)

シリコンバレーの人は今回もカマラ・ハリスを応援しているみたいですが、新しいことをやるのが一つのアイデンティティだからね。

(深田)

そうなのですよね。このままEV車にしろ、太陽光パネルにしろ、この二つを脱炭素政策として日本は推進していますが、

(加藤)

これらは両方媚中ですからね。

(深田)

媚中である上に、日本の既存の産業が大迷惑しているわけです。電力会社も太陽光パネルの不安定な電力供給を無理やり買わされて大迷惑、太陽光パネルの分の電力を買わなければいけないので新規投資もできない状態です。

(加藤)

日本を破壊して満足、それを一生懸命応援して、脱炭素に近づいたと喜んでいる政治家もいるからね。

それが国民の代表として出てきていること自体にも非常に疑問を感じます。

(深田)

今の政治家たちは、事実と異なる認識を持っていて、グローバリストのプロパガンダに政策を決めているから、変な方向に向かっている状態なのですけれども、「今の日本は頑張ろうという気になれない」という豊田さんの言葉は、日本国民の心に響いたと思います。国が企業や産業をいじめているような形になっている中で、どうやって私たちは頑張っていけばいいのか、という風に私は捉えました。

(加藤)

私は製造業だけではなく、農業を含めて日本で頑張って生産している人たちに感謝の気持ちを持っていますが、逆に日本の政治家はサービス産業ばかりを重視する。サービス産業とか金融とか。

でも、物作りのみなさんが日本を支えているのですよ。それは農業から工業に至るまで、額に汗して働いている人たちが我が国の経済を根底から支えている。

地方経済も彼らがあるから持っているわけです。だからそれを原点として政治家には忘れないでもらいたいし、私は生産者の皆さんにはもう心から心から感謝しています。

官僚の人たちは消費者を見て政策を作るのですよ。だから今回もやれ利上げとか言っても、結局年金受給者とかやはり生活者・消費者、ここだけをこうマスを見るのですよね。

でもそのマスを食べさせていくには、少子高齢化の中で少ない人たちがトリクルダウン効果で製造業のようにものすごく生産性高く多くの高齢者をこれから支えていかなければいけないので、物作りに頑張れ頑張れって応援する政策も必要なのですよ。

彼らの士気が下がるようなことをしてはいけない、もっとね大切にしてほしいね。

(深田)

本当そうですよね。今の政治家には日本で頑張って良かったっていう国づくりをしていただきたいと思います。誰が一番日本を頑張ろうという気にさせない政治家だと思いますかと、こんなこと聞いちゃって大丈夫ですか?

(加藤)

どうでしょう。私は誰か

(深田)

批判するこの人じゃダメっていうのか、もしくはこの人だったら頑張れる国になれるよっていう。

(加藤)

私は脱炭素を全面に掲げてやる人たちというのは信用できないですね。だからやっぱりジャパンファーストを全面に出してほしい。やっぱり世界は全部国家資本主義に動いていて、あのアメリカの民主党政権でさえも、グローバリストからだんだんとアメリカンファーストになっているわけですね。

トランプはもっとアメリカンファーストでしょうけれど。ヨーロッパもEUもEUファーストなのですよ。日本だけがグローバリストで、日本をバーゲンセールするようじゃ話にならないし、外資がどんどん日本を買っていくような日本にしてはいけないですよ。

(深田)

元内閣官房参与の加藤康子先生から、どうやったら日本が強くなれるのかというところをしっかりとお話しいただきました。先生ありがとうございました。

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