「稼ぎながらビジネス感覚を養う法」 CEO×深田萌絵 No.95
【目次】
- 00:00 1. 日本人のファッション
- 06:29 2. 不要と思う物をドンドン売る
- 10:42 3. ほとんどの人がやらないからやった者勝ち
- 13:35 4. 根拠のない自信で行動が変わる
- 18:35 5. 人間心理を制した者が勝つ
(深田)
自由な言論から学び行動できる人を生み出す政経プラットフォーム、ITビジネスアナリスト深田萌絵がお送りします。今回は、シリアルアントレプレナー(連続起業家)のCEO(セオ)さんにお越しいただきました。CEOさん、よろしくお願いします。
今回は、この番組を見ている皆さんが、どうやって収入を増やしたらいいのだろうとお悩みなので、何か方法を伝授していただけますでしょうか。
その前に、今日はCEOさんの会社の洋服を着てみました。両脇にリボンがあって、シルエットがゆったりしていて、あまり体のラインが目立たないのですが、フワッとしていて可愛いです。そして無難。この「無難」ってすごいですよね。しかもお値段もお手頃ですし。
(CEO)
アウディーレというファッションブランドですね。全日空さんとコラボレーションして作りました。「馴染むけれど埋もれない」というコンセプトです。無難を言い換えるとそういうことなのですけれど、全部無難すぎても面白くないので、リボンなどのワンポイントを入れています。
(深田)
女友達と買い物に行って服を選んであげることがあるのですが、無難なのがいいと言うのですよ。日本人の女性は、無難なものが好きですよね。
(CEO)
それは教育の問題だと思います。日本人はアップサイドを狙うよりも、マイナスを恐れる教育を受けていますからね。だから、マイナスを受けないような服を選びたくなるのだと思います。
(深田)
日本人女性が好きな色は黒や紺、白、ベージュのような、誰からも批判を受けないような色が多いですものね。
(CEO)
だからこそ、ユニクロみたいな会社が生まれたのでしょう。
(深田)
同じファストファッションでも、H&MやFOREVER21などの海外ブランドは、もっとデザインが豊富ですよね。
(CEO)
そうじゃないと海外では売れないのですよ。日本はコンサバなものが好きで、使い回しができる服が好まれますが。
(深田)
普通のTシャツ、普通のカーディガン、普通のセーター、普通のジーンズのようなものをユニクロは幅広く揃えていますが、「無難を追求する」という考え方が日本の教育に合っているのですね、
(CEO)
そういう文化なのです。「能ある鷹は爪を隠す」ではないですが、派手な格好を嫌うのかもしれないですね。それは個性がないとも言われてしまうので、原宿などで派手な人たちが生まれたりするのは、ある種の反発なのではとも思います。
(深田)
たしかに、日本のファッション文化は不思議ですよね。無難路線だけを追求する人たちと、ゴスロリなどのコスプレのような人たちがいますものね。
(CEO)
そうなのです。ベーシックで、コンサバで、マイナスを受けたくないというカルチャーに対するカウンターカルチャーとして、ものすごくエッジの効いたものができて、海外ではそれが注目され評価されたりします。原宿や秋葉原あたりだけのことで、多くの人はコンサバですからビジネスとしては儲かりませんが、ある種の日本の新しいカウンターカルチャーとも言えるので、ここをどう育てていくかが重要かもしれません。
(深田)
日本は、やはり教育なのでしょうね。
日本のファッション誌もおかしいです。海外のファッション誌は自己表現を追求しますが、日本のファッション誌は客観的なのですよ。ママ友と会う時の服、子供の送迎や入学式の時の服、OL向けの上司受け服、モテ服、女子会の服など、他人から見てどうかが基準になってファッションが決まっているのです。
(CEO)
相手を気にして服を選んでいるのですよ。
本来は自分が何を着たいか、どういう服が好きなのかが重要なのですけれど、主体性がなくなってしまうのです。個性はでないですよね。
(深田)
そうですよね。
私もいろいろな仕事をしているので、クローゼットにいろいろな服があるのですが、キャリアウーマンに見える服、YouTubeに出るための服、遊びに行く時の服、パーティーに行く時の服、全部揃えていたらクローゼットがパンパンになります。
(CEO)
良く言えば、日本人は相手のことを考えてあげられる人種なのだと思います。周りのことを気にして生きているということです。いまはそれが悪い方向に捉えられがちですけれど、人間性や生物としての根底にあることなので仕方ないですよね。
(深田)
そうですね。
私も、若い時は帰国子女かと思われるくらい型破りでしたが、30歳を過ぎると「やはり自分は日本人なのだな、日本で教育を受けてきたのだな」と思います。
日本人は無難に生きるように教育を受けてきたので、この番組の視聴者の中にも、もっと収入を増やしたいけれど、なかなかその一歩を踏み出せない人が多いのです。でも、今日はそういった人たちにも収入を増やす秘策があると聞いたので、教えていただけますか。
(CEO)
僕はずっと起業を繰り返しているので、本当は起業をお勧めしたいのですが、それはハードルが高いと思う人が多いですよね。なので、まずできることとしては、「所有しない」ということです。
例えば、洋服を買う時、必ず売る前提で買うのです。若者は最近そうですよね。所得が増えていないのに、なぜあんなに洋服を買えるのかというと、売るつもりで買っているのです。つまり、買った瞬間に「この服は5000円だけど、メルカリで2000円で売れるから、実質3000円だな」と計算して買っているのです。それをさらに3回くらい着たら、実質1000円くらいになるわけです。「所有しない」という考え方を持つことでお金が回るのですよ。
家の中にある不用品をメルカリなどで売ると、誰でも10万円くらいにはなると言われています。日本人の特徴なのかもしれませんが、ストックしがちなのです。でも不要なものはどんどん売った方がいいですね。自分には不要でも、それを必要としている人がいるのです。
これはビジネスの基本です。ビジネスというのは、自分が持っているものを誰かに提供してお金を頂くとういうものですから、その考え方を学ぶには良い方法ではないでしょうか。
いまはメルカリやジモティーなど簡単に売るプラットフォームがあるので、どんどん活用すると良いと思います。
(深田)
私もYouTubeを始めてから服の数が必要になり、何回かしか着ないのにいちいち新品で買っていたらバカみたいだなと思って、いまはメルカリで買っています。
(CEO)
買い方もそうですし、何よりフローを仕立てていくという考え方を持つことです。仮に所得を増やしても「何に使うのか」というところまで目的がないと意味がないですし、お金は増えないのですよ。その思考では元々増えないのです。
(深田)
女性でも、ものすごく稼ぐようになった人は、欲が強い人が多いですよね。
前の会社で、とてもダイヤモンドが好きな方がいて、とにかくダイヤを買い集めていたのですが、気が付いたらダイヤを扱う年商何十億という会社の社長になっていました。
お金を稼ぐためには、最初は欲が必要なのですね。
(CEO)
そうなのです。たとえばiPhoneを買うには20万円が必要だとしたら、そのお金を稼ぐために何を売ればいいのかを考えるのです。そして、売りたくはないけれど売れば20万円になるものがあるなら売った方が良いです。そうすると古い物から新しい物に変わるので、どんどん代謝していきます。自分の消費も増えるし、それを買う人もいます。所有しないことで経済が回っていくのです。
たまにしか使わない物、使っていないものがあればどんどん売って、フローを意識してみると良いと思いますよ。
(深田)
メルカリなどで買った服でクローゼットがパンパンになりつつあって、全然使っていない服もあるのですが、やはり売った方がいいのですね。
(CEO)
売った方がいいです。もし売れなければ捨てた方がいいですね。捨てなくても、ユニクロなど回収してくれるところもありますし、寄付するという手もあります。そうすることで部屋が狭くても大丈夫になるかもしれません。コストも下がるし、コストが下がるということは収入が増えたのと同じ意味ですから、使えるお金が増えるということです。
そういうこともひとつの手段で、繰り返していくとだんだんビジネス脳になってきます。そうなってから起業するのをオススメしますね。
(深田)
私、ビジネス脳になってなかったかなと思います。溜めるのが好きで、揃っているのを見ると満足してしまいます。
(CEO)
気持ちは分かりますよ。揃っていると安心しますよね。でも今は便利ですから、写真や動画を撮って売ってしまいましょう。
(深田)
わかりました、そうしますね。
起業はハードルが高いと思っている視聴者の方が多いのではないかと思いますが、起業が簡単だと言えるのはどうしてですか?
(CEO)
起業自体は簡単です。まず登記をすればいいだけで、登記して代表になるだけで起業はできます。起業自体は簡単なのですが、問題は「何をやるか」とか「どうやってビジネスを成功させるか」に悩んで躊躇するのだと思います。なので、ビジネスモデルをどう考えるかだけなのです。知識よりも行動ができるかどうかが鍵なのですよ。
ほとんどの人が行動しないから、行動した人が勝っているだけです。
(深田)
やったもの勝ちですよね。行動しない人はもったいないなと思います。
政治活動でも、政治家に陳情するより、反対運動などをやってみると意外と通ったり勝ったりすることがありますから。
(CEO)
なので、萌絵さんも都知事選に出た方が良かったかもしれませんよ。
(深田)
今年の5月、6月は疲れていて、都知事選に出るなんて考えられませんでした。母が「次は都知事選に出たらいいじゃない」と言っていましたけれどね。さすがに100万票とか200万票は取れないと思います。
(CEO)
このようなケースはどう思いますか。
たとえば、都知事選に出る時に「絶対に通らない」と自分で思っていて、相手もそれを分かった上で、「なぜ出馬するのか」と聞かれることがありますよね。有権者のことを考えると「負ける前提」とは言えないので、「絶対に勝ちにいきます」と皆さん言いますが、あのような場面で「プロモーションです」と言ってはいけないのでしょうか。
(深田)
先日、石丸さんの選挙コンサルをされた藤川さんにお話を伺った際に、「あの出馬は新党を立ち上げるためのプロモーションですよね」と聞いたところ、石丸さん本人は本気で受かると思っていたそうです。
(CEO)
やはり本気で受かるつもりでやらないとダメなのですね。もちろん起業も同じで、成功するつもりでやらないと成功しないのですが、とは言ってもという部分はありますよね。
(深田)
そうですね。
でも、選挙に出る候補者を見ると、何かを掴んできた人は本気で自分は当選すると思っているのですよ。
出馬するという人を止めたことがあるのですが、本人は本気で当選すると思っていました。結果的には落選したのですが、そういう人たちは過去にいろいろと成功してきているので、そのくらいでないと頭一つ抜けることはできないのかなとは思います。
(CEO)
なるほど。
そうすると、選挙をたくさんやっていて、いろいろと分かってきてしまうとダメなのでしょうね。
(深田)
そうですね。現実が見えてしまうとダメですね。
成功している社長も、すごくIQが高いわけではなくて、「これで勝てる」という思い込みだと思います。
(CEO)
根拠のない自信があるのですよね。
(深田)
それがとても大事で、いまの若い人たちは自己評価を気にしすぎだと思います。
(CEO)
そう考えると、若い人が立候補した方が、知識が少ない分、勝ちにいく気持ちになれるのでしょうね。
(深田)
若いとか若くないとかではなく、その人の「思い込み力」ではないでしょうか。「自分は勝つのだ」と本気で思っている人は、本気で勝ちにいくので強いと思います。
(CEO)
まず行動が変わりますからね。
(深田)
客観的に自分を分析するような冷静な人に、出馬は難しいと思います。
私も、もし選挙に出るとしたら、「自分はどれくらいの票が取れるか」と計算してしまうので無理です。
(CEO)
でも、やるとなれば考え方が変わるかもしれないですよ。
(深田)
そうですね。考え方を変えれば、100万人チャンネルにして参院比例は間違いなく当選する人になろうとか、逆算して行動が変わるかもしれません。
(CEO)
極論ですが、選挙対策に強い人がいれば、誰でも勝てるものなのでしょうか。
(深田)
そこは何とも言えないですね。選挙対策の人たちがメディアと繋がっているとか、業界で有名なのでメディアが寄ってきたりする効果はあると思います。
でも、今回の選挙で石丸さんがなぜ伸びたのか、藤川さんにも本人にも分からないと言っていました。藤川さんとしては、「石丸さんの演説は中身がないのに、みんなが喜んで聞いているから理解できない」と思いながら応援していたと言っていました。
(CEO)
そうすると、政策やマニフェストは関係ないことになりますね。
(深田)
選挙のお手伝いをしたことがあるのですが、この番組を見ている人は政治の政策に興味があるけれど、95%ぐらいの人は政策に興味がなさそうです。
この人知っているとか、いい人そうだとか、最後は看板やポスターを見て誰にしようかなという感じで決めるのではないでしょうか。
だから、政策をしっかり勉強するよりも、最後は人間心理を制した人が勝つのではないかと思います。
(CEO)
うがった見方をすると、石丸さんが出て多くの票を取ってくれたことで得をしたのは、小池さんですよね。蓮舫さんの票が割れたでしょうし、小池さんに入れたくない人も流れたでしょうから。もし、その票が蓮舫さんに流れていたら、逆転されていた可能性も考えられます。
石丸さんは気づいていないかもしれませんが、そういう人たちも彼の選挙活動に協力していたのかもしれないとは思っています。
(深田)
たしかにそうですね。
ただ、だとしても自民党は石丸旋風をかなり警戒しているようです。彼がこの勢いに乗って新党を立ち上げたら自民党から流れる人がでるでしょうし、維新からも何人かは流れると思います。特に、自民党はイメージが悪化していて、このままでは次の選挙で落選する可能性のある人が多いですから。
(CEO)
元々維新もそういう感じで始まったわけですよね。なので、蓋を開けたら同じなのではと思いますが、戦略家ばかりで巧妙ですから、そんなにストレートなものでもないのかもしれません。
(深田)
ただ、石丸さんの演説を何度聞いても、なぜこの内容で多くの「かっこいい」というコメントがされるのか、これは本当なのだろうかと思ってしまいます。
(CEO)
そうですね。SNSでの反応は工作もできるので嘘かもしれないのに、それをさも本当のことのように感じているのが現代ですよね。「いいね」の数にしても、ボットが押している可能性もありますから。
(深田)
ところが、石丸さんのボランティアには延べ5500人くらいが参加して、初日のボランティア説明会には1000人以上集まったみたいです。それだけリアルでも何らかの力が働いているようですよ。
(CEO)
もちろん、リアルでもネットでも戦略がありますし、宗教団体もそういうやり方をしています。そういうところでたくさんの人を動かしたり戦略を作っていけば、勝てる可能性があるのでしょうか。もし、そうなのであれば、経営者たちは真剣に考えた方がいいですよ。そういうことができる人たちはたくさんいると思うので。
(深田)
そうですね。
それと、無党派層をまとめられたら、いまのような政治不信の時代でも勝てるかもしれません。彼らに投票してもらうための心理学を攻略できた人が勝つのではないでしょうか。
(CEO)
それがパンデミックのような出来事を利用することなのかなと思います。
いくら政治は関係ないと言っていても、パンデミックは自分に関係あるので行動せざるを得ないですから、コロナをきっかけに政治に興味を持った人も多いと思います。
(深田)
いまの反ワクの流れは、パンデミックで目覚めたという人が多いですからね。
デモに何万人も集まるようになりましたし、そういう事件が人々の心理を動かしているのかもしれません。
(CEO)
それも戦略の一部かもしれませんが、答えは出ないですよね。
(深田)
答えは出ないですね。いっそ宗教の教祖になるしかないかもしれないです。
(CEO)
いえいえ、まずは身近な物を売ることから始めましょう。
(深田)
今回は、身近なもの、自分が持っているものを売って代謝させ、ビジネス感覚を養って起業してくださいというお話でした。今回もありがとうございました。