2 歴代首相に仕えた元政調会室長が語る『裏金問題と割れる自民党』

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【目次】

  • 00:00 1. オープニング
  • 00:36 2. 自民党の最近の裏金問題について
  • 03:00 3. 安倍派について
  • 06:17 4. 無傷の萩生田議員と週刊新潮
  • 07:50 5. 処分を軽くした背景は?
  • 10:30 6. 6月解散狙ってると思われる理由
  • 13:30 7. 今後の自民党どうなるの?
  • 15:33 8. 自民党支持率回復の見込みは・・・

(深田)

政治と経済の話を分かりやすく、政経プラットフォーム、ITビジネスアナリスト深田萌絵です。本日は政治評論家兼歌手の田村重信先生にお越しいただきました。本日よろしくお願いします。

田村先生は自民党政務調査会でお仕事をされてきたということですが、自民党の内情にはかなりお詳しいと言うことで、最近の裏金問題の本当のところは一体どうなっているのかを、視聴者にやさしくご解説いただきたいのです。

(田村)

僕は大学を卒業して最初に仕事を始めたのが、宏池会という派閥ですね。その当時は大平正芳さんが会長で、三木内閣で大蔵大臣をやっていました。その後自民党本部に入ったのです。

パーティーを熱心に始めたのは福田派です。福田赳夫さんの時代に何をやっていたかというと、政治家に原稿を出させて本を作ったのです。それをパーティーでお披露目するのが始まりというか、その頃から熱心に福田派だけはパーティーをやっていた。そんな印象が非常に強いのです。

いま宏池会は、官僚出身の政治家が多いですから。割合と外界との繋がりがある。田中派は公共事業の関係でお金が配られていた。そんな事があってですね、福田派はパーティーの問題が関係していると思っています。

(深田)

この今回の裏金問題というのは、基本的に安倍派と二階派が狙い撃ちにされていますが、本当は全派閥やっていますよね。

(田村)

全派閥がやっていますね。だからそこが政治的じゃないかと言われているわけです。主流派で力のあるのは、やはり麻生さんのところの派閥とか、茂木さんのところの派閥はもう全く無傷ですから、そこは一つあるわけですね。

それで狙い撃ちされたのが、いわゆる安倍派、二階派で、それから宏池会も少しあるというので会計責任者が起訴されたりとかになっているわけですが、一番大きいのは安倍派ですね。

(深田)

今回、安倍派が狙い撃ちにされたのは、そういったところにも何か背景があるのでしょうか。

(田村)

そうですね、背景というか、結局、次に誰が責任者になるかが、すごくあやふやでしたから、それで集団指導体制みたいなものがあったりしていました。そうするとやはり狙われ易いと言うか、崩れ易いと言うか、それは守りをきちんとしているのと、そうでないとの違いがありますからね。

(深田)

安倍派の中でトップがこれだけ一年以上決まらなかったのは、やはり安倍さんの中のパワーバランスがかなり微妙だったからですか。

(田村)

微妙だったからですよね。だから集団指導体制で5人組だとか、あるいは安倍さんの時は、塩谷さんと下村さんが会長代理をやっていたわけだから、普通で言えば、その辺が出てくるわけだけど、そうじゃなくて、ほかの5人組というのが出てきて、塩谷さんが座長と言うことになったわけです。結果的にはその塩谷さんが一番ババを引いてしまった。今回、処罰されたわけです。もう離党をせざるを得ないのではないですか。そんな感じになっちゃった。

(深田)

今回その5人衆の中で萩生田議員が、一番森喜郎元首相に優遇されて引き上げられてきたところで、何か確執があったとか、そういった話が出ているのですが。

(田村)

やはりお金の額も大きいですからね。ただ、いま問題になっているのは、今回事実解明がずっとされていないことですね。5人衆の処分についてもバラつきがある。不公平がやはり大きいことですね。

深田さんなどにも、いろんな会社との関係がありますけど、社員が不祥事を起こした場合は、関係がなくとも必ず社長は何らかの責任を取りますよね。自民党の場合は誰かと言えば岸田総理です。総理は何も責任とっていないから、それに対する批判ですね。

それと世論調査などを見ていても、二階さんは今度選挙に出ないと言ったけれども、処分がないところに対する不満が大きいです。

(深田)

岸田首相がですね、まったく自分は関係ないみたいな顔をしているのが、一番おかしいのじゃないかと、皆さんが思っているところですね。

(田村)

それから先ほど言った萩生田さんの問題ですが、明日発売の週刊新潮に取り上げられて、不公平じゃないかという批判があることが出るのです。

(深田)

週刊新潮4月18日に囲みで出るということですね。

(田村)

逆に萩生田さんに対する批判が強まっている。

(深田)

確かに萩生田議員だけが今回の処罰の中で、ほぼ無傷なのですよ。これはやはり岸田首相との距離感が影響しているのですか。

(田村)

そのところが週刊新潮にみな書いてあるわけです。再選を狙う時に安倍派をまとめてもらうとかね、いろんなこと書いていますよ。

(深田)

そうですよね、そもそも安倍派解体の後に萩生田派に50人ぐらいが集まるという話も裏から聞いたのですけど、そういった動きがやはりあるのですか。

(田村)

その辺はどうなのでしょうね。それと東京都連の会長は続投していますよね。

(深田)

そうですよね。だから結局、そもそも政調会長という座を辞していて、そしてその役職取り消し処分と言っても、都連の会長はキープしながら、そのほかの役職はもう無いのですから、萩生田さんはまったく無傷なのですよね。

(田村)

それに対する不公平だという批判が非常に高まっている。ほかの人は厳しい処分にもかかわらず、なぜ萩生田さんが、この問題については深く関わっているだろうに、どうしてこんな処分なのだ、不公平だと。

(深田)

そうですよね。額も2800万円に近い額ですね。今回岸田首相はこの処罰をすることで、それが皆さんが思っていたよりも軽かったというね。

(田村)

世論調査の結果を見てもですね、やはり今回の処分が軽かったというのが出ていますよね。共同通信などでも非常に軽かったとか、ANNの調査でも軽い処分だという数字に、やはりなっていますよね。

(深田)

その軽くした背景はあるのですか。

(田村)

結局ですね、今回はある程度処分しないと、訪米を控えていますからね。訪米する上においても、一つの区切りをつけるのと、もう一つは、やはりね解散総選挙。それを考えると思うのですよ。衆議院の補選がありますから、その結果は、自民党は二つの選挙区で候補者を出さないのですから、最初から負けですよね。そのようなこともあって、衆議院の補選に負けると、岸田批判が高まるから、それをなくすためには、その時に一緒に選挙をやってしまえと言うのと、またその次には6月に国会が終わったところでやろうと言うのがあるわけですね。

そこは考えていたわけですから、その前にひとつのけじめをつけたと言うことですけど、それに対しての批判が強いわけです。先ほど言ったように事実解明が上がっていない、処分の差が大き過ぎる、最高責任者が何も責任をとっていないと言うところがあるわけですね。

(深田)

岸田首相の思い描いたシナリオとしては、処分でけじめをつけて、そして訪米を成功させて帰ってきたら、支持率回復で解散というシナリオを描いていらっしゃる。

(田村)

それは直近であるとすれば、その補選と同時に選挙を行うことはあったわけですけど、今一つ考えられるのは、まさに国会が終わる頃の6月解散で選挙を狙っている。

(深田)

まだそれは狙っているということなのですよね。

(田村)

充分にそれは狙っているわけですよ。だから総理の顔写真入りの政治活動用ポスターを配布しています。『経済再生実感をあなたに』というポスターを4月8日付で各議員会館の事務所とか、それから選挙区、比例の支部にそれぞれ百枚ずつ送っているわけですよ。

それを貼っておけばいいわけでね。このポスターは政党の政治活動用ポスターですので、事前にしておけば選挙期間中でも、そのまま掲示することが可能です。文章もついて出ていますし、そのポスターは2年も3年ももつわけがないわけですから、ちょうどもつ時期といえば6月解散総選挙をやった辺りまできちんともっていますから。そのために考えたということも充分あり得るわけです。岸田首相は気持ちとしては、わざわざ政治活動用のポスター作り、まだ勝負に出てくる可能性があるわけです。

(深田)

いま解散選挙を打ったところで勝ち目があるのですか。

(田村)

いや、ないですよね。そこらがあるわけです。だからこの辺が人によって違うのです。本人はね、良い話ばかりが耳元に来れば、よしやろうという感じになるけど、実際はそうじゃないこともあるし、世論調査なんか見ると、議席をだいぶ減らすのではないかというところがあるわけだから、公明党などは今どうしてもやってもらいたくない。そこはありますけど、意外と岸田さんは思いっきり人の意見を聞かないでやることがあるわけですよ。

(深田)

非常にポジティブな方です。

(田村)

そうです。最初にだから総裁になって解散総選挙でしょう。そんなことはあるわけです。

(深田)

法案を通す時にもかなり強気で、ゴリ押しで結構行きます。

(田村)

派閥の解消だってね、宏池会の派閥を解消しますとバンと言っちゃうわけですよ。だから麻生さんとか茂木さんとかは慌ててしまうわけです。

(深田)

基本的にすり合わせとかないタイプですよね。驚いたのですけど、岸田首相と今一番関係が深い他の幹部はどういう人たちですか。

(田村)

前の木原副長官などが側近だと言われていますけどね。その辺のとよく話をして決めるのじゃないですか。

(深田)

今、その解散選挙に打って自民党はこの後どうなるのですか。

(田村)

具合悪いですね。負けですね。結局のところは世論調査ですよね。岸田首相に対する支持率が高いのか低いのか、あるいは政党支持率が高いのか低いのかが、これがやっぱり一番大きな決め手ですよ。要するにアメリカから帰ってきて支持率が少し上がりましたけど、上がり方が少ないですね。不支持も非常に高いですからね。このままではなかなかできないでしょうね。また、しばらくして世論調査があるでしょうけれども、その数字を見ながら考えるじゃないですか。

(深田)

どれぐらいまで回復したら、6月解散というシナリオの現実味が帯びてくるのでしょうか。

(田村)

支持と不支持の差が狭まればね、いいですけど、倍ぐらいある状況だとなかなか思い切って解散総選挙はでき難いでしょうね。

(深田)

今回のその裏金問題、もともと増税に増税を重ね、その中で裏金問題が噴出し、インボイス制度の中の確定申告。

(田村)

そうそう確定申告をやっていますけど、結構大変ですよね。領収書を集めてやらないといけないから。

(深田)

大変です。その割に収支報告書ってザルですものね。

(田村)

だから、そういう意味では政治献金は税金がかからないので、きちんと記載さえしておけばいいわけです。記載もしていないものに対しては反発が強いのは当たり前の話ですよね。

(深田)

はい、今回は裏金問題で岸田首相、これかなり致命傷を負ったまま本当に6月解散選挙になるのかならないのか。

(田村)

そうですね。尾を引いたままということですね。

(深田)

まだ今4月17日なのですけれども、今の時点ではまだ全く見えてこない。回復する見込み無いですものね。

(田村)

なかなか無いと思いますね。だから誰が始めて、安倍さんが止めて、誰が再開したのかと、それすらも解明できないので難しいですね。

(深田)

今補選の真っ只中ですけれども、補選でも自民党が今二敗はもう確実ということで、この後解散選挙を打てるかどうかは、支持率次第だけれども、上がる見込みはない、6月はまだ現時点ではその見込みが弱いと言うことです。

本日、田村先生の方から自民党裏金問題、そして今後の政局どうなるのかをお話いただきました。

最後にお知らせです。5月25日田村重信氏講演会、自民党の立党精神が大事。保守合同憲法改正で自衛隊を軍隊にという講演会、5月25日土曜日の6時半から文京シビックセンター地下一階のアカデミー文京学習室で開催されますので、よかったら皆さんこちらも合わせてお申し込みください。

本日も政経プラットフォームご視聴くださいましてありがとうございました。先生、ありがとうございました。

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