No55. 深田萌絵 × 森功「日本を操る黒幕列伝第一弾『●●教と極右』」

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【目次】

  • 00:00 1. オープニング
  • 01:19 2. 自民党と統一教会の接点
  • 05:07 3. 裏金問題と統一教会
  • 08:46 4. 選挙に弱い議員は統一教会頼み
  • 11:10 5. 安倍氏の紹介だったことはなぜか否認
  • 15:09 6. 宗教と政治が密接につながっている
  • 18:51 7. 応援の対価として公約にサインさせる
  • 21:55 8. わが国の政策への影響
  • 24:01 9. 統一教会のやり方から学ぶ

(深田)

自由な言論から行動できる人を生み出す政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵がお送りします。今回はノンフィクション作家の森功先生にお越しいただきました。森先生、宜しくお願いします。

今回は語ってはいけない日本の黒幕列伝ということで、日本に渦巻く色々な陰謀論、その背景にいるフィクサーや右翼のドンなどの黒幕がいると、宝島社から『日本の黒幕』という本を出されました。

森先生はこれまでにも『同和と銀行』という名著や『日本の闇と怪物たち』などで、日本の政治を実際に動かしているのは誰なのか?についてフォーカスされていらっしゃいますが、今回は統一教会のようなカルト宗教はいかに自民党に食い込んできたかについて教えてください。

(森)

私は、この本で統一教会のことに触れているわけではないのです。この問題については色々な方々が色々と言われている分、すでに語り尽くされていると思います。

結局のところ「安倍元首相と統一教会の関係は一体どうなったのか」についてが謎でそこから火がついたのです。

この様な問題が起きると、「誰に統一教会との繋がりがあって、誰の紹介でどんな関係か」という部分に対して、当事者たちは「知らなかった」のオンパレードなわけですが、今の「政治と金問題」に通ずるようなところがあります。

言うなれば安倍派から連綿と繋がってきた統一教会と自民党政治との関係なので、やはりそこを遡っていく必要があると思います。

(深田)

もともと統一教会を日本に招き入れたのは安倍元首相の祖父、岸信介氏だと思うのですが、彼らはどのくらい深い関係にあったのでしょうか?

(森)

元々、岸信介氏が今の安倍派を作り、反共の旗頭としての文鮮明氏が日本に勝共連合を作り、勝共連合議連の様なモノを自民党の中に浸透させていったということだと思います。

その一番の協力者が岸信介氏で、その後、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏と引き継がれたのです。自民党の中でも安倍派議員が多い事も、そこに原点があると思います。

(深田)

戦後、反共産党という枠組みで固まるのは理解できますが、冷戦も終わり今頃、反共産党というスローガンを掲げている人たちとわざわざ連携するのが、少し時代的に違うような気がするのですが、未だにそこを中心に集まるという事ですよね?

(森)

それは未だに残っていると思います。児玉誉士夫氏がいわゆる反共の盾となり、日本の暴力団を集め関東二十日会を作り、その頃から統一教会との関係もあったのです。

要するに右翼団体と統一教会の関係は、その頃から付き合いがあり、今の日本財団の前身の笹川良一氏が、勝共連合と言いますか、統一教会の最高顧問という肩書きで活動し、児玉誉士夫氏も盟友として付き合いがあったということだと思います。

(深田)

別の本で、安倍氏の暗殺に関わっていたのがカルト宗教の一部だと言われています。その時のカルト宗教と右翼の大物が一緒になり兵器の売買に絡んでいたと指摘されているのですが、その辺りはどうですか?

(森)

兵器の売買までは分かりませんが、右翼団体の人たちは、わりあい横の繋がりが大きく、軍事訓練などは韓国で行ったりしていました。児玉誉士夫系の右翼が中心となり、小佐野賢治氏などがそれをバックアップするような動きは確かにありました。

実際、小佐野賢治氏の側近が韓国に渡り、軍事訓練の指導をしているようなことは私も聞きました。武器の売買までは分からないのですが、軍事訓練にその様なカルト団体と言いますか、統一教会が関わっていた可能性は高いのかもしれないです。

(深田)

軍事訓練に児玉誉士夫氏や右翼やカルト宗教が関われた背景には、政治家の動きがあるということですか?

(森)

全て自民党政治とは繋がっています。日韓基本条約ができる頃に遡りますが、韓国と日本がいわゆる対共産主義の共闘方法として、日本政府の保守派が右翼を全面に押し出し、連動していく様なことではないかと思います。

(深田)

統一教会が憲法改正の草案に深く関わっていたり、そのような草案に他の右翼団体もかなり賛同し、推進しているのですが、こうした連携ができた背景はご存知ですか?

(森)

統一教会が憲法改正にどの様に関わっていたのかは私は知りませんし、何とも言えません。

(深田)

自民党の裏金問題と今回の統一教会の問題は関連があると思うのですが、これは裏金問題を公にすることで、自民党から統一教会の影響を排除しようとする動きがあるということですか?

(森)

それはあるのではないですか。自民党というよりも安倍派です。安倍派と統一教会の関係を浮き彫りにすることにより、「今までの関係を精算する・断ち切る」との動きは自民党内でもあると思います。

解散してしまいましたが、何と言っても安倍派は最大派閥であり、簡単には行かないという事と、新しい材料の様なモノがあまり出てこないのです。政治と金の問題です。

例えば統一教会は、安倍派だけではなく色々な議員の選挙活動を手伝ってきています。脛に傷のある自民党員が沢山存在しており、安倍派だけの問題でもなく、一掃すると言っても中々そうもいかないのが現状だと思います。

(深田)

統一教会が、自民党全体に浸透出来ているのは途轍もない事だと思うのですが、どの様な方法で入り込んだのでしょうか?

(森)

間違いなく選挙です。自分の取材でいくつかの事務所から聞いていますが、都内の安倍派の重鎮のある議員は、統一教会窓口の専用の秘書を置いていたりします。

その様な事は知らないと言いますが、実態は統一教会の人がボランティアで選挙活動を手伝い何万票も集めてくれ、非常に助かるわけです。特に選挙に弱い人たちは、統一教会頼みというような現状が生まれるということです。

(深田)

八王子の萩生田光一議員も統一教会にかなり頼っていたと言われていますね。

(森)

萩生田氏からお聞きしましたが、色々と言い訳と言いますか説明していましたが、一番の問題になったのは萩生田氏が 生稲晃子氏(タレント)を選挙に出すにあたり、統一教会の集会に行った時、萩生田氏が後ろ盾となり、八王子の世界平和女性連合の集会に連れて行った事が問題だったのです。

萩生田氏は、知らなかったと仰っているのですが、実は、その日の40分後、1時間後には、第一次安倍内閣の政策秘書官でもあった無所属の井上義行氏も同じ会場で演説会をしていたのです。私は、二人に話をお聞きし、そのテープ起こしを持ってきているのですが、二人の言い分が全く食い違っているのです。

萩生田氏は、沢山の人が集まっていて丁度良いと思い連れて行き、「井上義行氏の講演活動があるので人が集まっていた事に後で気が付いた」かの様に言っているのです。

逆に井上氏にお聞きすると、「生稲晃子氏の演説会があるからついでに立ち寄ったらどうか」と声を掛けられて行ったと言い、言っている事が真逆なのです。ハッキリどちらが本当なのかは分かりませんが、どちらかが嘘をついているという事です。

直接、萩生田議員にも「言い分が食い違っていますよね」と言ったのですが、萩生田氏は井上氏に聞いてもらわないと分からないと言い、井上氏は萩生田氏に聞いてもらわないと分からないとお互いに言っているのです。井上氏は、二人ともに統一教会とは密接な関係があり、井上氏自身は「賛助会員だ」と公表しています。萩生田氏自身も、選挙の付き合いがあったとは渋々認めています。

本当のところについては藪の中で追求できず、実態は明るみにならないのです。一番聞きたいのは、誰が統一教会を紹介してバックアップをし、段取りをつけたのかというところなのですが、恐らく安倍晋三氏以外いないと思うのですが、それについては二人とも、「安倍氏ではなかったような気がする・元々あの人たちは何処かでするりと入って来た」というようなことを言い、安倍氏からの紹介ということは殆ど認めず、なぜか否定する。

(深田)

萩生田氏は、統一教会のバーベキューパーティーが好きだったことが指摘されていますよね?

(森)

それについてもお聞きしました。クリスマスパーティーや、礼拝と言ういわゆる統一教会が開く集会があり、そこでバーベキューパーティーをして信者を集め近所の人を誘ったり、もてなしたりする所に萩生田氏が行っていたと週刊新潮が報じたわけですが、あれは人違いだと言っていました。本当に人違いかもしれません。

萩生田派の市会議員で萩生田氏によく似た人が、そこに行っているのは確かです。その人本人が「あれは私です」と言っているので、本当にそうなのかもしれません。そうだと言っても萩生田氏が統一教会と関係が無いのかと言えば、そうではなく、確かに統一教会らしき人との付き合いがあり、「世界平和女性連合の人たちは応援してくれていて付き合いはありました」と微妙な認め方をするのです。

しかし、安倍氏だけは否定と言いますか、触れてほしくないという感じなのです。二人の共通点は色々ありますが、例えば、加計学園の問題です。加計学園の客員教授としてこの二人が落選中に学園から給与をもらって働いたりしていたのです。

(深田)

教えられることがあるのですか?

(森)

一応、危機管理学部という分野の客員教授で、政治と金の支援についてだと思います。

(深田)

月々どの位もらえるのですか?

(森)

前に萩生田氏に聞きましたが、大した金額ではなく10万円程度だったかと思います。それでも落選中の人たちにとっては、やはりありがたいお金だったとは思います。

(深田)

萩生田氏は色々と活躍中ですが、安倍元首相が暗殺されてから統一教会問題が色々と明るみに出て、彼らがこんなにも日本の与党に食い込んでいるとは思いもよらず、一般国民の自分からすれば、この国はカルト宗教の連立政権だったのかということに非常に驚きました。

(森)

カルト宗教や宗教団体と自民党政治というのは、統一教会に限らず、カルトではないのですが立正佼成会もあります。いわゆる宗教と政治は、かなり密接に繋がっている部分はあります。

(深田)

議員も宗教を「3つ・4つ・5つ」と掛け持ちして入るのは当たり前ということも言われていますよね。でも、統一教会だけズバ抜けて自民党への浸透度が他の宗教よりも俄然高いわけですよね。

(森)

俄然高いというよりも食い込んでいます。それだけ重宝したということですが、先ほども言ったようにやはり選挙です。統一教会の部隊が壺を売るよりも選挙活動をする方が彼らも楽で、自民党の政治家の秘書たちの本音を聞くと本当に一生懸命やってくれるらしく、どうしても頼ってしまう。選挙は毎回毎回なので断ち切れないわけです。本当に統一教会を断ち切ってしまえば厳しい議員もいるでしょう。

(深田)

次の選挙でまた統一教会の人たちが自民党議員の応援に来ることは変わらないのですか?

(森)

さすがに難しいかもしれません。時期がくれば分からないのですが、私は「統一教会員です」という形でボランティアをしているわけではないので、「熱心なボランティアだな」というくらいはあるのかもしれませんが、分からないのです。逆に分からない様にしていた方が、議員にとっても議員事務所にとっても良いわけで、後から知らなかったと言えるのです。

その様な事をやられると統一教会もたまらないので、政策協定を結んだりするわけです。大袈裟ですが「統一教会の公約に賛同します」という書面を交わして、それが時々明るみに出たりするわけです。いわゆる念書のようなモノで脅しの一環ではありますが、例えば、文科大臣の盛山正仁氏は、「知らずにサインしただけ」という言い逃れが通用しているのが現状です。

(深田)

恐ろしいですね。宗教が公約を作って「これを推進してください」という書面にサインまでしてしまうということですか?

(森)

はい。明らかになっているではないですか。今の文科大臣はサインをしているわけです。安倍派の下村氏も宗教団体所管の文教族なので、統一教会にとっては割と狙い目です。その様な人たちを味方につけておけば宗教法人的な優遇もしてもらえる。

下村氏は当時、統一教会という名称変更した時の文科大臣であって、改称の認可もおろしているわけです。客観的な事実を並べるといかに密接かが分かります。その様な所に食い込むために、念書的なものまで交わし、政策の公約を統一教会寄りの公約の書面を交わし、それを担保にしていると言う実態があるのです。

(深田)

萩生田議員も元々は文科大臣で文教族ですよね。萩生田氏だけではなく、いろいろな安倍派の旧派閥議員らが選挙で人員が足りず、カルト宗教が推進する公約にサインをしてまでもお手伝いをしてもらうことは、我が国の政策にかなり影響を与えているということですよね。

(森)

今でこそカルト集団扱いされていますが一応、宗教法人として認可されているわけです。認可をおろした方も方ですが、許可を取り消さなかったと言うこと自体が問題で、宗教法人として国がお墨付きを与えていると認定された法人なのです。その様な政策協定的な公約として認めても表向きはそれほどおかしくはない。今となっては違いますが、実態としては随分乖離をしていると言うことです。

(深田)

今日は、とても良いことを教わりました。今後、私も誰か議員の選挙応援に行く時は、私の公約に賛同して下さいという念書の書面にサインをしてもらってから行く方が良いということですね。

(森)

その人のために「何かをしてあげます」ということですからね。

(深田)

私も今度から、その様に応援した方が良いと思いました。結構、応援に行った議員があとから手のひらを返して、違う政策の逆をやってしまうということがあるのです。統一教会の方式から我々一般国民が学ぶことがあるということですね。

(森)

当然といえば当然です。統一教会側からしてみれば、それだけの事をしてあげているので何らかの見返りを期待するのです。政治と金と同じです。資金こそ払っていないかもしれませんが、ボランティアとして事実上選挙活動を支えているわけです。

本来ならば、秘書がやらなくてはならない話で、色々なボランティアを使って出来る今の政治と金の問題に通じるというところの話で言えば、日本の政治家は大体小選挙区で、平均一人当たり10人以上、広い選挙区になると20人くらいの秘書が必要なのです。

20人の秘書を雇うには公費や助成金だけでは無理なのです。その資金を「全部税金で賄え」という議論もありますが、それは国民への増税という話になります。それをカバーしてくれるのが宗教団体で、何十人もの秘書のようなものなのです。それを選挙のたびに手伝ってくれる人がいるのですから何千万円分の価値があるのです。

(深田)

確かにそうですね。アメリカですと議員一人あたり20人くらい雇えるくらいの予算が付きます。日本とは違いカルト宗教に依存しなくて良いのです。

(森)

しかし、アメリカはそこが問題だと思います。なぜならアメリカにしても大金持ちが寄付をする。カルト教とは違いますが、その寄付をした企業の政策を実現してあげる必要がある。根本的には同じだと思います。

(深田)

大企業の味方かカルト宗教の味方かということで、国民の声は一切政治には反映されないという問題もあるのですが、私たちも新興宗教、カルト宗教に負けないように有権者もきちんと良い候補者を見つけて自分たちで応援に行きましょうとの教訓だと思いました。

今回は語ってはいけない日本の黒幕列伝、統一教会についてノンフィックション作家の森功先生からお話を聞きました。ありがとうございました。

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