#515 【議員が特権暴露】国民年金で国民は生活破綻のうらで、議員は税金で「特権年金」新設で悠々自適? 山本ひろこ氏
(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。今回は東京都目黒区議会議員の山本ひろこさんにお越しいただきました。山本さん、よろしくお願いします。
(山本)
よろしくお願いします。
(深田)
先日、講演会に来てくださって、お話しされたいことがあるという嬉しいお申し出をいただきました。税金で議員のための年金を作るという話なのですが、今どこで始まっているのですか?
(山本)
これは全く報道されないので、全然知られてはいないのですけれど、何年も前から議員が入れる厚生年金を作ろうという動きが、日本中の議会で意見書を上げるという形で着々と進んでいるのですよ。
(深田)
議員のための厚生年金ですか?
(山本)
今の仕組みでは、議員は雇用関係がないから厚生年金に入れません。
(深田)
国民年金なのですか?
(山本)
国民年金です。
(深田)
国民年金は、結構ひどいですよね。私の親は月に5万円ぐらいしかもらえなくて、とてもではないが「老後を生活できない」と言われていますよね。
(山本)
そうなのですよね。
(深田)
議員年金は昔ありませんでしたか?
(山本)
そうなのですよ。その辺りから何かお伝えできたらなと思って「議員年金と何が違うのか、今どのような活動が実は裏側で進んでいるのか」ということを知ると、おかしいことが分かると思います。
私は、やはりこの活動がおかしいと思うので、署名活動を始めました。そこに賛同していただきたいし、やはり「声が大きくなれば多少は届くのかな」と思って、是非知っていただきたいと思います。
(深田)
議員には、元々議員年金という制度があったけれども、それが無くなって、国民年金だけではその後の生活ができないから、少しかわいそうかなと思っていたのですよ。でも、その年金を税金で賄うということなのですか?
(山本)
そういうことですよ。まず議員年金があった頃からの資料を見ていただければと思うのですけれど、元々、議員年金というのが大昔に存在しました。これは議員しか入れない議員のための専用の年金で、特権という批判も多かったので、もう無くなりました。

(深田)
これはいくらぐらい貰えるのですか?
(山本)
国会議員の方はかなり給付が良くて、国民年金の5倍ぐらいとも言われています。
(深田)
すごい!
(山本)
地方議員の方はそんなに給付は良くないのですが、当時、一般の人は少なくとも年金を貰うまで25年間掛けないといけなかった。でも議員年金については、国会議員10年、地方議員は12年と、他の人の半分の期間を掛ければ支給されるというかなり優遇された制度でした。
(深田)
確かにそれはずるいですよね。国民が一生懸命、国民年金に積み立てても生活できない、生活保護の方がマシじゃないかみたいな額しかもらえない。であれば、国民年金を手厚くして、自分たちも国民年金で生活できるようにしたらいいのではないか、となりますよね。
(山本)
本当その通りだと思うのですよ。2006年に国会議員の議員年金が、まず廃止されました。その5年後、今度は地方議員の議員年金も廃止されました。廃止する時に「廃止する代わりに今度別の何らかの年金制度を検討しましょう」という附帯決議をつけたのですよね。
(深田)
ああ、附帯決議出た!
(山本)
それがあってか、たった5年後の2016年頃には全国で、今度は『議員厚生年金』の創設をしましょうという意見書が出るようになるわけです。その3年後の2019年には全国議長会という全国の地方議会を束ねる組織で、正式に「議員の厚生年金加入を進めていきましょう」みたいな決議大会が行われる。これはどういう建付けで、厚生年金が必要かというと「議員の成り手不足解消」なのですよ。
(深田)
選挙で競っているのだから、成りたい人たくさんいますよね。
(山本)
都会はいるのだけれど、地方の田舎の一部の自治体では定員割れや無投票があります。それは分かるのだけど、それを根拠に「老後は厚生年金がないと、国民年金だと給付が少ないから、不安だから議員の成り手が少ないのだ」と、すごく論理が飛躍しています。そんな建付けで「全国一律で議員の厚生年金を作りましょう」みたいな話になぜかなるのですよ。
(深田)
会社の厚生年金の場合は、働いている人が半分自腹で払って、残りの半分は会社が払うでしょう。議員場合「残りの半分は誰が払うのだ?」という話ですよね。
(山本)
そもそも議員は、報酬も税金から出ています。だから自分の掛金も、税金から出た報酬なのに、残り半分も役所から別に出してもらおうということです。
(深田)
それが地方財政から出るということですか?
(山本)
そうです。役所と労使折半しようみたいな仕組みです。
(深田)
役所に雇われているのですか?
(山本)
雇われてないですよ。そもそも、議員というものは雇用されてないですよね。雇用契約関係も指示命令系統もなく自由に兼業をしてもいいわけですよ。それなのに、役所に折半をさせて、議員だけ厚生年金に入りましょうというのはおかしいですよね。

(深田)
ありえないです。
(山本)
さらに、さっき萌絵さんがおっしゃったように、国民年金は確かに給付が少ない。これは国民年金制度の問題であって、他にも自営業やフリーランスの方などが、やはり給付が少なくて困っています。それがなぜ、議員だけが厚生年金に入れる仕組みを作って、自ら救われようとするのですか?これぞ『議員ファースト』ではないかと、私はおかしいと思って反対なのですよ。
(深田)
それはそうですよね。国民年金の方を手厚くして、国民と共に豊かになろうとか、あるいは国民年金少ないけどこれを甘受して、国民とこの課題を一緒に解決するのだと取り組むのであればわかるのだが「議員だけで特権で先に作ろう」というのはあり得ないですよね。
(山本)
そうですよ。なぜ先にやるのですか?他の人はどうするのですか?それもおかしいと思います。そもそもさっきの「成り手不足だから、議員年金、議員厚生年金が必要」というのもだいぶ論理が飛躍していて、地域によっては、都会はやはり激戦区だけど、地方は定員が足りないと様々な問題があります。それは地域の問題であり議会改革で解決すればいいと思うのですよ。

(深田)
そうですよね。みんな選挙を戦っていて、成りたい人だらけにしか見えないのに、成り手不足と言われても、国民としてはピンとこないですよね。それは過疎地域の問題で、そもそも人口が足りないということですよね。
(山本)
そうなのですよね。全国一律で厚生年金を作ろうというのが、私にはこじつけにしか思えない。もし議員厚生年金を作ろうとしたら、私の住む目黒区で試算すると、議員1人当たり約7.5万円、年間で3240万円。月7.5万円は結構大きいですよ。
(深田)
これを「税金から出せというのか」ということですよ。
(山本)
そういうことです。役所の財源から出せと。各自治体にお金がないなら、例えば国から出すのかわからないですけど、とにかくどこかの税金から出せということです。
(深田)
地方議員がこういうことを言って、国会議員も相乗りするとなると、国、地方自治体ではなくて国会議員も地方議員も一緒に、その制度を作ろうという流れになりますよね。国会議員にも、議員年金ができるとなると、全国で200億円どころではなくなるのではないですか?
(山本)
国会議員に成り手不足はないから、この建付けでは少し難しいのかなとは思いますけれど、労働環境の整備とか、議員は一律に身分が不安定だからとか、何とでも理由付けするのかなとは思います。こういうのが1個できると、萌絵さんが言ったように、国会議員にも必要だとか雇用保険も必要だとか次々と膨らんでいきそうな気がします。
(深田)
非正規雇用の方が、よほど身分が不安定です。給料は安いし、本当に全然優遇されていないので、非正規雇用の方がずっと不遇ですよ。
(山本)
そうなのですよね。こういう『議員ファースト』が、国民年金が安いから老後が不安で、議員の成り手が少ないという論拠で、この制度を進めようとしているわけですよ。
おかしいと思うから、私は反対の署名活動を始めたのです。去年の12月に始めたのですけど、11月10日で目標としていた3万2000人を突破したのですよね。今は5万人を超えて、署名が集まったこともあり、これだけの反対の国民の声があるというのを裏付けとして、全国市議会議長会にアポを取ろうとしたのですよ。連絡してみたのですけれども、我々は議長会をさらに束ねる組織であって、「一議員には対応できない」みたいな回答だった。

(深田)
なるほど。
(山本)
一議員に対応できないと言うのであれば「私の署名活動は経済学者の先生と一緒にやっているので、その経済学者の先生ならいいですか」と言うと、今度は「一民間人にも対応できない」と答えました。これでどのように民意を聞き入れるのでしょうか。せっかく声を集めて、これを持って懇談しようと思っていたけど、実現できなくなったのですね。
その一方で、最新の市議会旬報には、市議会議長会が、厚生年金のための早急な法改正を国会議員にあちこち回っている要望活動を報じている。これだけの先生方に懇談活動をしてきましたということまで載っているのですよ。

(深田)
なるほど。日本維新の会は、身を切る改革と言いながら自分たちの手当てを厚くしようとしているのか。
(山本)
この先生方がどういう回答されたのか分かりませんが、こうやって国会議員の先生方とのアポはできるけれど、私が一生懸命集めた民意というか国民の声は聞いてもらえないのです。
本当に矛盾しているなと思うのですよね。どうやって本当に民意を反映するか聞きたいです。こういうことが密かに行われているということ自体本当に報道されないのです。
(深田)
ほとんど知らないですよね。私も山本さんの話を伺うまで、議員厚生年金ということは知りませんでしたからね。
(山本)
そうですよね。これを多くの方が知ると「おやっ?成り手不足で厚生年金?」と疑問に思いますよね。
(深田)
違和感がありますね。
(山本)
国民年金が少ないというのが問題であって、なぜ議員だけ厚生年金も入れる仕組みで、それを解消しようとするのでしょうか。いろいろおかしな論点があるのです。
(深田)
いやいや、国民年金がやはり元々、月々にもらえる額が小さいという課題があると思うのですよね。それが議員の身分が不安定になる要因だと言うのであれば、では日本国民はどうなの?と我々国民年金だけだけど「私たちはどうなるの?」となりますよね。
(山本)
そうなのですよね。議員の老後の安心のためにこれを作るというけれど、他の国民年金に入っている方の老後はどうでもいいのですか?置き去りですか?なぜ自分たちが先なのでしょうか。
むしろ横並びか後ぐらいであってほしいと気持ち的には思います。なぜ我先にと自分たちのための制度を自分たちで要望して、自分たちで作ろうとするのでしょうか。そういうことをするから、政治不信を招くのですよね。こういうことをするから、議員はろくなことしてないイメージがつくと思うのですよね。
(深田)
ろくなことをしていないですよ。このような活動をされると、議会から追い出されてしまうかもしれないのでね。
(山本)
そうですね。議員厚生年金の意見書が全国の地方議会で上がっているとお伝えしましたが、1700以上ある自治体のうち、7割が賛成しているのですよ。7割が敵というか、私と意見が違うということなのですよね。厚生年金が必要だということなのですよね。
(深田)
大阪の維新はどうなのですか?
(山本)
大阪の議会は、ほとんど維新さんが与党なのだろうから、大阪でも賛成は出ていると思います。政党によってどうなのでしょうか。そもそも反対政党がいるのか、政党ごとの違いはわかりません。
議長会としては、賛成が次々に各地から集まって来ていることを盾に、国会議員の各先生の要望活動をしているので、これがどこまで高まるのか分からないですけど、すでに7割という状況なのですよね。多くはこれが正しいというか、必要なことだと思っている。
(深田)
国会議員も、インフレで物価上がってきたら、最初に自分たちの給料を上げて、自分たちの議員宿舎の家賃に下げるとか、すかさずやりますものね。
(山本)
それを正々堂々と賃上げしてくれというなら、私はまだ同意できる余地はあると思うのです。ただこれの一番嫌なところは、成り手不足ということを盾に、成り手不足解消のためですからと厚生年金を作ろうとする偽善的なところが一番納得いかないのですよね。

(深田)
「何で半分税金なのだよ」ということですね。
(山本)
成り手不足は関係ないし、なぜ議員の老後を税金で賄わないといけないのでしょうか。国民年金の問題をすり替えていると思います。
(深田)
そうですよね。
(山本)
そもそも議員年金は議員特権であり、財源も足りないと言われて無くなったにもかかわらず、厚生年金と名前を変えたらいいのでしょうか。疑問しかないです。
(深田)
そうですよね。議員年金は財源が税金だから批判されたのですよね。しかも国民年金の5倍ももらえて、厚生年金になっても、税金からお金が出るのだったら、また同じことをやっているということですよね。
そもそも、なぜ廃止になったのかということが、論じられないのでしょうか。そこがかなり不思議ですよね。議員の身分が不安定だからかわいそうかなとは思ったのですけれど、その人たちが、老後を税金でのほほんと暮らすというのも違う気がしますね。国民も年金不足で困っていますからね。
(山本)
そうなのですよね。
(深田)
議員厚生年金が始まると皆さんの納めた税金が、議員たちの老後を悠々自的資金に使われるので、是非とも、山本ひろこさんの、署名活動に皆さんご協力いただければと思います。こちらのQRコードを読み込んでいただくか、こちらのリンクを説明欄に貼っておきますので、皆さん是非とも署名いただければと思います。
今回は東京都目黒区議会議員の山本ひろこ先生にお話をいただきました。どうもありがとうございました。
(山本)
ありがとうございました。





