#497 電力余剰の九州で発電して捨てれば儲かる!日本最大メガソーラー200億利権の闇とは!? まきやま大和氏、佐々木浄榮氏

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム プロデューサーの深田萌絵です。

今回は、長崎県議会議員のまきやま大和先生と、妙蓮寺(佐世保市宇久島)ご住職の佐々木浄榮さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

(まきやま・佐々木)

よろしくお願いします。

(深田)

まきやま先生は県議会で、日本最大規模の宇久島のメガソーラーについて質問されていると伺いました。これは何か問題があるのでしょうか?

(まきやま)

今、釧路湿原や阿蘇山などでメガソーラーに関する懸念が多く発生しています。その阿蘇山の7倍の規模のメガソーラーが、長崎県の宇久島という小さな島で建設される計画なのです。

佐々木浄榮さんから「議会で取り上げてほしい」という依頼を受けて、一般質問を行いました。調べていくうちに分かったのですが、島の4分の1がソーラーパネルで埋め尽くされることになります。最初に調べたときは「火事が起きたら誰も止められないのではないか」と思いました。

(深田)

メガソーラーのパネルは火災が発生しても水をかけられないので、火事が怖いですよね。

(まきやま)

はい。しかも宇久島には消防車が1台しかありません。そのため、何かあった場合は自衛隊や消防団に本土から来てもらわなければなりません。最初は火事の心配をしていたのですが、調べるうちに、洪水の危険性や地下水が枯渇する可能性など、もっと深刻な問題があることが分かったのです。そこで「これは議会の一般質問で取り上げなければならない」と考えました。

(深田)

いつ頃からですか?

(まきやま)

約2年ほど前からです。

(深田)

これは急に出てきたプロジェクトなのですか?

(佐々木)

いえ、急ではありません。場所は長崎県佐世保市宇久町にある宇久島です。五島列島の最北端にある小さな島で、現在の人口は1700人ほどです。全体で2500ha(ヘクタール)ほどの面積です。実は平成24年度(2012年度)にメガソーラー計画が始まっています。

(深田)

10年以上前ですね。

(佐々木)

はい。始まった当初は、1kw/h(キロワットアワー)あたり40円という非常に高い固定価格で電力を買い取る再エネ事業認定(FIT、Feed-in Tariff、固定価格買取制度)を受けている事業です。

(深田)

これはかなり利益が出る案件ですね。今のFIT価格は15円ですから、今契約すると、ほとんど儲からないと言われていますが、宇久島のメガソーラーは40円で契約しているので、始めれば必ず事業者が儲かりますよね。

(まきやま)

しかも九州では既にソーラーパネルが多く、発電した電力を余らせて捨てている状況です。そのような中で、日本最大規模のメガソーラーを建設しようという計画なのです。

(深田)

発電して、捨てても、その分の料金は宇久島のメガソーラー事業者に入る。その負担は全国民が『再エネ賦課金』として支払っているわけですよね。年間どれくらいになるのですか?

(佐々木)

約200億円と言われています。

(深田)

200億円、我々の負担が増え、電気を作って捨てる。本当に、いい加減にしてほしいですよね!

(佐々木)

総事業費は2000億円規模です。本来なら既に完成しているのですが、工事が遅れているため、当初見込んだ回収ができていません(※FIT認定は20年のため)。今は工事を急がなければ、1年に200億円ずつ損失が生じてしまうので、事業者としては急いで進めたいということで、最近樹木の伐採が始まっているのです。

(深田)

10年間工事が動かなかったということは、その間ずっと議会でもめていたのですか?

(佐々木)

議会では全く取り上げられてこなかったのです。まず「宇久島ってどこ?」という方が多く、ほとんどこの事業のことを知らないと思うのです。発電規模は480MW(メガワット)で日本最大規模のメガソーラーで阿蘇の7倍です。それにもかかわらず、佐世保市議会でも長崎県議会でも、ほとんど議題にされてきませんでした。

(深田)

他の議員の方々には相談されたのですか?

(佐々木)

もちろんです。本来このような大規模開発には『環境影響評価法』による環境アセスメントが必要です。

(深田)

そうですよね。1年ぐらいかかて、住民説明会を実施し、周辺環境を調査し、それを住民に説明するプロセスが必要ですよね。今回は開かれましたか?

(佐々木)

いえ、開かれていません。

(深田)

開かれていない!?でもこれは相当巨大なメガソーラー計画ですよね?

(佐々木)

ところが、うまくアセスメントをしなくて済むようになっているのです。

(まきやま)

開発面積は720haで、東京ドーム153個分です。

(深田)

それは、絶対にアセススメントに引っ掛かりますよね。

(まきやま)

はい。長崎県条例では、30ha以上ならば、しなくてはいけないのです。

(深田)

30haでしないといけないのに、720haの巨大なメガソーラーがアセスメントをしなくてもよいとはどういうことですか?

(佐々木)

長崎県の条例では『土地の改変面積が合計30haを超えた場合にアセスを行う』と定められています。しかし、事業者が提出している工事計画には「土地の改変は26ha程度しか行いません」と記載されているのです。

(深田)

しかし、720ha分の木を伐採するのであれば、それは土地の改変に当たるのではないですか。

(佐々木)

いいえ、木を伐採するだけでは、土地の改変にはなりません。根を抜き取ったり、土地を掘ったりすれば改変になりますが、切土、盛土を行わなければ改変にはならないと扱われるのです。

(深田)

でも、メガソーラーを設置するのに根を抜かないと、木が生えてきたらソーラーパネルを突き破りますよね。

(佐々木)

その通りです。しかし事業者の説明では「切り株を残し、草を生やすので『流出係数』という土地が水を吸収する量は工事前後で変わらない」と述べています。そんなわけがないと思うのですよ。

(まきやま)

からくりを説明すると、ソーラーパネルを支える台の四角い柱の部分だけを土地改変として申請しているのです。そうして30ヘクタール以下に抑えているわけです。

(深田)

インチキではないですか!

(まきやま)

その通りです。詭弁ですよね。

(深田)

TSMCの熊本工場も散々アセスメント逃れをしています。全く住民説明会を開かず、アセスメント逃れをするために工場を二つに分割して面積を超えないようにしているのです。けち臭いやり方ですよね。

(まきやま)

「別の工場だ」と言い張って、建築基準の時だけは「同じ事業です」と言うのですよね。

(佐々木)

この手のアセス逃れは、全国的にもよく見られます。私は平成25年(2013年)に移住して、もともと島民ではありません。こうした問題の噂は以前から耳にしていましたが、具体的な内容が表に出てきて、初めて詳しく知った時には、その規模の大きさに驚きました。

(深田)

島の4分の1がソーラーパネルというのは、火災が起きたら島が全焼しますよね。

(佐々木)

私も当初は「再エネは必要だ」と考えていました。しかし今回の計画は島の暮らしを破壊してしまうので『宇久島の生活を守る会』を立ち上げ『全国再エネ問題連絡会』にも参加して、全国で情報を共有しながら活動しています。

火災の問題もさることながら、事業者の「流出係数が変わらない」という説明には疑問を抱いています。もともと木と草が保水してじわじわと浸透させていたところに、パネルの下に草が生えても、パネルが屋根のようになれば、雨はそのまま一気に流れてしまいます。

宇久島は海底パイプラインが来ておらず、島民は地下水、井戸水で生活しています。したがって涵養、すなわち水が地下にしみ込まなくなると、井戸水もなくなってしまいます。さらに川への流出量が増えれば水害や土砂災害の懸念もあります。

(深田)

カリフォルニアでは、ソーラーパネルを設置した地域で地下水が汚染され、飲用に適さなくなったという報道もあり、どうなのか懸念されます。

(佐々木)

事業者は「パネルには毒物は含まれておらず、流出する可能性はゼロだ」と言っていますが、私もそこについてはわかりません。

(深田)

パネルの種類にもよりますからね。

(佐々木)

一応、京セラがパネルを製造するらしいのですよね。

(まきやま)

私がもう一つ懸念しているのは、宇久島は有人国境離島なのです。

(深田)

人が住んでいる国境の島、ということですね。

(まきやま)

国境の島で国防に関係します。大規模メガソーラーは敵から見れば「佐世保市に電力を供給する基地」とみなされます。仮に戦争状態になれば、ここをミサイルを撃てば、エネルギー問題が生じます。

(深田)

もし私が敵であれば、このメガソーラーに放火して宇久島を全焼させ、無人島にした上でそこから長崎へ攻め入るでしょう。

(まきやま)

最も重要な国防が危機に晒されているのです。

(佐々木)

やはり国境の島なのですからね。

(深田)

そもそも、九州ではメガソーラーで作られた電気は、今は捨てられているわけですよね?

しかも、これは九電工(現クラフティア)と京セラの事業ですよね。九州電力は電気が捨てられていることを分かっているわけで、それを推進するのは、単なる税金を吸い上げたい装置というか、国民から再エネ賦課金として、毎年200億円を吸い上げたいだけの開発ですよね。

(佐々木)

私もそのように思います。

(まきやま)

さらに言うと、既にソーラー事業を行っている九州の事業者の買い取り分が減るのです。そのため既存ソーラー事業者は売り上げがどんどん下がっていくことになり、みんな困ります。しかも電気代は安くならない。

(深田)

電気代はむしろ上がり、作った電気は捨てら、環境は汚染される。これは良いことがない事業ですね。

(佐々木)

もともとこの島には昭和の中頃には1万人以上が住んでいたのですが、現在は1700人で過疎化が進んでいます。私は島に住んでいますが、この事業を行えば、生活環境が変わり、本当に無人島になってしまうと危惧しています。

(深田)

政府は無人島にしたいのではないでしょうか?

(佐々木)

その可能性も考えられます。そしてこのような事業は、外資に転売される可能性があります。現在、事業者は35年間、720ヘクタールの土地を地権者から借りて、事業を行うことになっていますが、その先どうなるかは全く分かりません。

(深田)

誰が地権者ですか?

(佐々木)

1000人ほどで、了解しています。ただ地権者で現在島に住んでいるのは4割程度で、残りは東京や福岡などに住んでいます。その人たちに「あなたのご実家の畑を貸していただけませんか?」と連絡が行き「使っていない土地だからいいですよ」となるわけですね。畑があっても、島に戻って畑をすることはないでしょうから、遊ばせるよりは貸すと、事業者が管理をしてくれて、賃料が入りますからね。賃料といっても年間1坪200円ですけれどもね。

(深田)

年間1坪200円!?私も借りてみようかな。しかし、なぜこれが今まで議会で取り上げられなかったのでしょうか?

(佐々木)

九電工(クラフティア)や京セラなどが中心になる事業なので、新聞・メディアにはなかなか取り上げてもらえないのです。

(深田)

こういうケースは、事業者と議員が癒着していることが多いですよね。

(佐々木)

あります。この事業は、宇久島出身の佐世保市会議員が「宇久島を衰退させたくない」と、計画を持ち込み推進していたのです。その市議が、佐世保市長に100万円の賄賂を渡そうとして発覚し、辞職したということがあります。市長が受け取らず突き返したので明るみに出たのです。もし受け取っていれば逮捕されていたでしょう。

(まきやま)

加えて、行政も後押しするような、不可解であり得ない申請許可をしているのです。

(深田)

TSMCと同じですね。水利権の付け替えをしているのです。宇久島でも、役所の職員が関与しないとあり得ないことが起きているわけですよ。何が起こったのですか?

(まきやま)

農地法に基づく『農業振興地域』というものがあり、農業推進地域の土地を別用途に変える場合、5ヘクタール以上であれば代替地を確保して申請しなければなりません。しかし今回は350ヘクタールもの土地の代替地が無いにもかかわらず「仕方ないですね」で済ましている。本来、農地法は農地を守るための法律ですが、その農地が350haまるごと失われているのです。

(佐々木)

本来これは非常に厳しい申請です。農地を別用途にするには相当な審査が必要で、普通はこのような大規模な農地転用はできません。しかし今回は通っているのです。

(深田)

それは法律違反ではないのですか?

(佐々木)

違反にはなっていません。

(まきやま)

「仕方がない」という形で、話が終わっているのです。

(深田)

「仕方ない」…ですか。TSMCの件でも似たようなことがありました。農地を開拓すると涵養(土壌が水を貯える力)が減ります。その減った分については新たに涵養を作らなければならないという法律があるはずなのですが「減った分の野菜を買えば相殺にする」というような仕組みに変わってしまっているのです。

(まきやま)

それは地下水とは関係がありませんよね。

(深田)

ええ。涵養は増えていないのですが、野菜を買ってJAにお金が流れるようにすれば涵養をしたことにするというスペシャルソリューションを出しているわけです。

(佐々木)

おかしな話ですよね。

(深田)

宇久島はもっと酷いですよ。「足りないなら、しょうがないよね」という論理ですから。

(佐々木)

令和元年(2019年)8月29日には、宇久島の農地転用の許可が下りていますが、同じ日に林地開発の許可も下りているのです。林地開発もそう簡単には審査が通らないのです。しかし今回は68haもの林地を開発する申請が、ほとんど議論もされず通っています。

(深田)

ああ、口裏を合わせて決まっていたわけですね。

(佐々木)

やはり、税収が大きいのです。固定資産税や法人税が年間19億〜20億円が市に入るのです。

(深田)

宇久島のメガソーラーが始まれば、佐世保市は税収が増えて嬉しいのでしょう。

(佐々木)

それまで何の利益も生まなかった土地から税収が生まれるわけですから。

(まきやま)

それだけ大きな力が働いているということです。もし私が大村湾に浮かんでいたら、それは自殺ではありませんからね。

(深田)

まきやま先生、浮かばないでくださいね。では、どうしましょう。もし宇久島の太陽光パネルが火災を起こしたら、島全体が焼けてしまい、もう戻れない島になりますよね。

(佐々木)

そうですね。しかもここは台風の通り道です。さらに、宇久島には海底ケーブルが通っていません。漁協の反対があり、まだ敷設されていないのです。つまり、メガソーラーを建設したとしても、最後まで海底ケーブルが通らなければ送電できず、売電もできないことになります。そのような事情も含め、島に住む者として、私はこの事業をやめてほしいと考えて、現在署名活動を行っています。

(まきやま)

私たちにできることは、やはり署名活動だと思います。ぜひ全国の皆さんのお力を貸してただきたいです。

(深田)

署名活動の概要はどのようになっていますか?

(佐々木)

『voice(ボイス)』というサイトを使って署名を集めています。2025年内いっぱい署名を集め、来年、経済産業大臣などに直接提出したいと考えています。

(深田)

分かりました。皆さん、この動画の説明欄に『宇久島メガソーラー反対署名フォーム』のリンクを掲載しておきますので、ぜひ署名のご協力をお願いいたします。

今回は、長崎県議会議員のまきやま大和先生と、妙蓮寺ご住職の佐々木浄榮さんにお越しいただきました。どうもありがとうございました。

(まきやま・佐々木)

ありがとうございました。

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