#490 是々非々で語る高市新内閣!小泉防衛大臣、片山財務大臣、小野田大臣、林芳正大臣の評価は? 宇山卓栄氏

(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。
今回は作家の宇山卓栄先生にお越しいただきました。よろしくお願いします。

(宇山)
よろしくお願いします。

(深田)
前回の「自民党総裁は誰になるのか」という予測に続いて、今回は高市早苗新政権について伺いたいと思います。これからどのようになっていくのでしょうか?

(宇山)
これは、予測できませんでした。前回、ここでは、小泉進次郎氏が十中八九、総裁になると申し上げたのですが、この予測が外れたことは嬉しい番狂わせです。高市さんの評価をどうするかという点で、多分この動画をご覧の方の中にも「駄目だ」という人と「一回やらせてみよう」という賛否両論があると思います。

「だめだ」という人は「高市さんが首相になっても自民党政治が続くだけで、自民党の構造そのものが変わらない限りは、誰が総裁になろうと全然変わらない」という指摘で、この動画をご覧の方の中に多いと思います。

私もその気持ちがよくわかります。だからこそ前回にも、萌絵さんと「石破の破れかぶれ解散こそが一番いいんだ」と言っていたのです。

(深田)
そう望んでいました。

(宇山)
中途半端に高市さんが総裁になって自民党が延命をすると、結局日本にとって良くないのではないのかと、前回もお話ししました。

(深田)
だからと言って、野党はろくでもないのですよね。

(宇山)
常識的に考えれば、まず高市さんに、課題解決をしっかりと遂行してもらうことが最も妥当であると考えます。

男系系皇統を守る、夫婦別姓には反対、LGBTなどにも一定の歯止めかけていく。あるいは移民問題についても適切に対応する。完璧ではないです。高市さんがすべてよいとは決して思いませんが、常識的に考えて、小泉氏になるよりもましです。まずは、お手並み拝見というところが私の見方であります。

(深田)
でも、よりによって、進次郎氏を「台湾有事は日本有事だ」と言ってる人が防衛大臣に指名するとは、人を見る目がないのか、それとも失脚させたいのか疑問に感じました。

(宇山)
これはいけません。進次郎氏を防衛大臣に据えるとは「何を考えているのか!」という話ですよ。私は、早い時期に「小泉氏が防衛大臣になる」と聞いて信じられませんでした。高市さんの胸中を想像すると、決選投票まで争い「次は進次郎君よね」という親心で、今から防衛大臣として鍛えておく必要があるということでしょう。高市さんは真面目な人ですから。

(深田)
私は、進次郎氏を防衛大臣に据えて『ポカ』をやらかせて失脚させようという作戦ではないかと考えます。

(宇山)
それもあるかもしれませんね。実は進次郎つぶし、あるいは封印が目的かもしれません。

(深田)
実は売国的な意図で、この国を滅ぼすために「進次郎と中国と戦わせよう」と思っているのかもしれませんね。

(宇山)
様々な解釈があると思います。常識的に考えると、これからロシアや中国との関係、アメリカとの防衛費交渉の前線に立たなければならない状況で、進次郎氏に大臣は務まりません。

(深田)
アメリカに行って防衛費の協議で「セクシー」などと言ったら、終わりですよ。

(宇山)
話になりませんよ。アメリカ側のカウンターパートがピート・ヘグゼス戦争長官ですよ。決して、まともにやり合えるような人ではない思います。

もう一人、だめな人がいます。

(深田)
誰ですか?

(宇山)
林芳正政総務大臣です。総務大臣は総理大臣に次ぐような要職で、地方自治を取り仕切るのですよ。今、外国人問題などで地方が乗っ取られようとしている状況ですよ。その総務大臣が親中派の林芳正氏というのは問題です。

(深田)
その総務大臣に、高市さんは「NTT法を廃止せよ」と指示しています。「日本を守ろう」と言っている人が通信インフラを破壊する政策を推進するとは、一体どういうことなのでしょうか。私はその点が大いに不満です。

(宇山)
そうですね。萌絵さんはいつもそのことをおっしゃっています。高市さんは少しずれているところがいくつかあります。今回の宮城県知事選では自民党が推している現職の村井嘉浩氏を応援すると言いました。移民政策には強く牽制をかけるかと思えば、そうではない部分も見られるのです。

(深田)
共生社会の実現を推進していますよ。

(宇山)
そうなんですよ。『共生社会』などと左派のスローガンを使うのですよね。そして、何よりも納得できないのは『ウクライナ支援万歳』なんですよ。

(深田)
ああ、またこれで何兆円ものお金が流れていくのですね。

(宇山)
そこが安倍(晋三)さんと決定的に違うのです。安倍さんはやはりロシアとも連携をしっかりとしていかなければならないという考えで、その中で中国をいかにして牽制していくのかを外交の基本方針に据えていました。

しかし、高市さんは反ロシア・親ウクライナで「ウクライナの支援は当然であり、ウクライナこそ正義である」という考え方ですからね。やはり私たちのような『ガチ保守』とは、相容れないところもいくつかあるのです。

(深田)
安倍さんはバランス感覚が絶妙でしたよね。

(宇山)
そうだと思います。だからあのような長期政権ができたのですよね。私は、高市さんの政策の全てに同意はしていません。是々非々の立場です。

それでは、その他の閣僚についても見ておきたいと思います。片山さつきさんですね。

(深田)
どのように評価しますか?

(宇山)
財務大臣ですが、いいのか悪いのかですね。

(深田)
全然わからないんですよ。ただ、高市首相が進めている政策は「減税には増税が必要ですよね」とう話ですよ。「ガソリンの暫定税率廃止には別の財源が必要だ。減税と増税はセットだ」ということは、今までの財務省の政策と一体何が違うのですか?

(宇山)
一般に、片山さんは積極財政と言われてはいるけれども、元々財務省の主計官出身で、西田昌司氏のように「とにかくばらまけ」というような積極財政とは違います。財政の拠出については、やはり節度を持たれている部分があって「いけいけどんどん」の積極財政ができるのかどうか、私は疑問を感じています。

ただ、彼女の性格からして、一定のレベルで、財務省の既得権益に切り込んでいくか、財務省と闘っていくとは思います。

(深田)
確かに武闘派は武闘派ですよね。

(宇山)
前大臣の加藤勝信さんと違って、財務省に言われるままに動くことはないと期待はしております。実際、高市さんは党の税務調査会も財務省出身者は一掃すると宣言しています。これは財務省とはある一定のレベルで「戦っていきますよ」という覚悟を示されたと受け止めています。

(深田)
積極財政でお金をどんどん使おうというのはいいのですが、問題はその使い道ですよね。本当に国民のために何に使われるのかということが一番大事な問題ではないのかなと思います。外に流れていくのであれば、我々国民には意味がなく、負担が増えるだけです。

(宇山)
そうです。積極財政をするにしても、今までのようなバラマキ型ではなく、効率投資ができるのかが。今後問われてくるだろうと思います。

もう一つ、注目人事が女性閣僚で小野田紀美さんです。経済安全保障大臣ですね。この人が就いたことの意味を考えたいと思います。私はまず非常にいい人事だと思います。

経済安保大臣は、萌絵さんがご専門の経済スパイを取り締まるための組織ですよね。そして、その法整備も管轄していかなければならないところです。

そこに、小野田さんのような向こう意気の強い人が攻め込んでいくというのは、ある程度評価はできますが、私は不安も持っています。小野田さんは、かつて「私は公明党の支援を受けない」と宣言したことで非常に有名な人です。

そのことで、私たちのような保守派から拍手喝采を受けたわけです。私も「よくぞ言った、大したものだ」とエールを送りました。ただ一方で考えなければならないのは、あのような発言をすることが、自民党の政治家としては非常に問題があるということなのです。

なぜなら、やはり自民党の政治家は、本音を言うと、誰も公明党の支援を受けて戦いたくなんかないのですよ。よほどの親中派は別として、左翼リベラルの自民党議員にもそういう連中はたくさんいますが、普通の自民党の議員から見れば「あんな公明党の支援を受けて戦うなんてごめんだ」という人が、私が見る限りほとんどなのですよ。

にもかかわらず、小野田さんが「私は公明党の支援を受けるような邪道なことはしません」と言い切ったものですから、自民党の議員たちから「何を自分だけ格好つけているんだ」と強い反発を招いたのです。

政治家は組織人なので、ある程度組織の協調を考えないと物事が動かない部分もあるわけです。小野田さんは大臣になって、官僚などを動かす立場になりましたが、あのように自分の主張を押し通すだけでは、官僚組織は動きません。纏まるものも纏まらなくなることを、私は非常に危惧しています。

(深田)
私は、小野田さんはパフォーマンス議員なのではないかと見ています。

(宇山)
なるほど。

(深田)
強い言葉を好んで使うとか、勇ましい発言をすると、簡単に人気を取れます。しかし、国民にはいろいろな考えの人がいますから、それらも考えてどのように制度設計していくのか、具体的に説明せずに、攻撃的な発言をするというのは少し疑問に感じています。

(宇山)
そうですね。今まではそのような印象でした。どこまで中身がともなうのか、お手並み拝見ですね。特に、経済安保大臣の非常に重要な点は、やはりスパイ防止法に強くかかわってきます。

(深田)
スパイ防止法も問題は中身ですよ。戦前の治安維持法を真似るのではなく、アメリカ型のエビデンスに基づくスパイ防止法であるかが重要なポイントになります。しかし、今の自民党が推進しているスパイ防止法案は、戦前の治安維持法に近いのですよ。

(宇山)
そうですね。あんなことをすると秘密警察国家になってしまいます。だからこそ私は、人権への十分な配慮が必要だと考えます。

スパイ防止法を本当に作るのであれば、たとえば第三者の監査機関を設け、逮捕をする時には、その第三者機関に監査を求めるということを条文の中に盛り込む等々、そのチェック機能を司法の監視体制と連携させることも不可欠です。

私はこのスパイ防止法には、国内のスパイ活動を取り締まるだけでなく、対外諜報機関の創設を必ず盛り込むべきだと考えています。日本には、アメリカのCIA、イギリスのMI6、イスラエルのモサド、ロシアのSVRのような機関がありません。

スパイを防止するには矛と盾が必要です。盾としての国内を防備すると同時に矛として日本も情報を外に取りに行く、あるいは情報を仕掛けていく。その盾と矛が両立して初めて、この法律は機能すると思います。そのような意味で、私はスパイ防止法を推進をするべきだと思います。

(深田)
スパイ防止法は内容もさることながら、やはり司法制度の改革が必要だと思うのですよ。宇山先生は被疑者になったことがありませんよね。

被疑者になるとよく分かるのですが、被疑者になった時点で本当に人権がなくなります。理由なき勾留が世界で一番長いのです。

裁判の手続きも検察や警察が自分たちに都合の悪い情報を全部隠蔽できるのです。アメリカではディスクロージャーで、隠している情報を全部出させることができます。しかし、日本の警察・検察は隠蔽工作をして、なくしたとか破棄したと、平気で言い訳をします。

アメリカは取り調べだけではなく、逮捕する瞬間からカメラでずっと録音録画をしていて、警察官がチーティング(不正)ができない仕組みになっています。日本にはそのようなのが全くありません。

理由なき捜査・逮捕で3日、プラス勾留で20日、最大23日間も勾留できるという制度になっていて、このままでは日本は世界で最低の人権侵外国になります。左翼が騒ぐだけの最低なシステムが残っているわけです。

したがって、スパイ防止法を作るのであれば、最低でも司法制度の改革は行わないといけないし、アメリカのスパイ防止法に準拠した形に持っていくということですね。これと同時に憲法が改正されて基本的人権が削除されたら、もうこの国は終わりますよね。

(宇山)
その通りですね。萌絵さんのように国家権力恣意的に被疑者に仕立てられたことを身をもって経験をされた方の忠告というのは極めて重いものがあると思います。今このような形でスパイ防止法が自民党主導で制定をされたら、私たちは真っ先に逮捕されますよ。

(深田)
スパイ政権がスパイ防止法を作るのですよ。英利アルフィヤ氏が政権に入っているのですよ。それがスパイ防止法を作るとは。

(宇山)
私も一発で『お縄』ですよ。

(深田)
そうですよ。逮捕された時に国家権力と戦うための唯一の盾が日本国憲法ですよ。これがなかったら、前回は負けていた(起訴された)わけです。この現実を見ると、今の論調で進めるのは危険ですね。

(宇山)
そうです。スパイ防止の制定はいいけれども、明確に条件を付けなければなりません。そうでなければ、今度は私たちがスパイとして逮捕されかねません。

そういう意味で、被疑者にされた経験を持つ萌絵さんのような方が、本当のスパイだけを取り締まれると、納得できる制度設計を行う必要があります。これを問われる経済安保大臣は責任が重大であると私は考えます。

(深田)
そもそもですが、今は議論ができない国会になっていて、これが最大の問題です。各政党は自分たちのアジェンダ(政策課題)をいかに押し込むかということだけに集中をして、国民の声が上がってこないですよね。そこが一番の課題だと思います。

(宇山)
本当にその通りですね。では、他の人事に進みましょうか。

茂木敏充さんです。『謝謝茂木』が外務大臣になりました。私はこれもだめだと思います。

(深田)
外務省は茂木外務大臣と英利アルフィア政務官ですね。

(宇山)
茂木さんは決選投票で高市陣営に票を大きく乗せてくれたという恩義があって、こういう人事になったのでしょう。今回の内閣の中には茂木派が一番多く入っているわけですが、論功行賞が永田町の政治の力学であるので、百歩譲って、そこは認めますけれどもね。

問題は、茂木さんが10月27日に来日するトランプ大統領の対応する外交の実務を担う立場になるということです。そこではトランプ関税への対応が主要な外交課題になると見られています。その実務を行っていた赤澤亮正さんが、経済産業大臣になっているのですよ。

(深田)
なんとも意外な人事です。

(宇山)
私はどういう意味があるのか、考えたり調べたりしました。赤澤さんはトランプ関税でとんでもない合意をしてきました。関税率を引き下げてもらうために5500億ドルもの融資を約束するという合意を交わしたのです。これは石破政権時代に行われたものであり、トランプ政権側からすれば「してやったり」なのです。

80兆円もの資金が、アメリカに流れ、しかもそこで得られた利益は、アメリカ国内に再投資することを義務づける特約条項まで盛り込まれており、日本に還元することすらできない仕組みになっています。この80兆円という資金は一度アメリカに入ってしまえば、事実上、日本に戻すことができないのです。

(深田)
売国円安政策ですね。

(宇山)
そういうことですよ。これを売国と言わずして、何と言うのか。売国行為そのものです。
アメリカは、赤沢さんと約束したので、その責任を負う経済産業大臣に就けておくよう、一定の圧力をかけているのではないでしょうか。いざとなれば、「あの合意を交わしたのは赤沢本人だ」と迫るのではないかと考えられます。

(宇山)
この80兆円もの資金がどこから拠出されるのかというと、最終的には民間から資金を集めるしかありません。政府系ファンドを通じて投資を行うと説明されていますが、その原資となるのは民間資金です。

(深田)
政府系の銀行からかなりの融資が出るようですよね。

(宇山)
その通りです。ただ、その資金の調達には経済界からお金を集めなければなりません。そして、その取りまとめ役が経済産業大臣です。つまり、アメリカとの間である種の口裏合わせができているのではないかとも考えられます。

この80兆円の件を赤澤さんに担当させるのであれば、一大事ですよ。赤沢さんが大変な売国的な仕切りをしていくということになります。赤沢さんが「約束をしたので守らなければならない」と、アメリカと一緒に動かれると堪ったものではないですよ。

(深田)
私は少し違う見方をしています。赤沢さんは「書面にしない方がいい」とずっと言って、
抵抗してきたわけですよ。ところが、8月中旬ごろから高市さんが「きちんと書面にしろ」と声高に叫んで、ずっと圧力をかけていたのです。結局、赤沢さんは「書面にしない方が日本にとって有利なんだ」と言っていながら、最後は書面に署名するわけですよ。

それで、石破さんは辞任する時に「高市さんはアメリカとのこの約束しっかり守ってくださいね」と捨てゼリフを残したのです。ということは、「この約束を書面にするとは、とんでもないことしてくれたな。あんたの責任でこれをやれよ」ということで、赤沢さんが最後に裏切ったと感じたのでしょう。

これを保守派が主張するのがおかしいのですよ。80兆円をアメリカに差し出す。しかもAI投資で受け取るのはソフトバンクとTSMCですよ。外国へ投資を保守派が推進するとは、考え方が全く間違っています

(宇山)
間違っていますね。確かに、書面でがっちりと決めると抜き差しならない状況になるので、まずは玉虫色で関税を引き下げながら、フリーハンドで日本に有利な交渉を詰めていくという戦略は『あり』だと思います。それを「書面で約束せよ」と、アメリカ主導でこの形で持っていかれてしまったことは、日本の国益を損じているということは、全くその通りだと思います。

(深田)
80兆円投資がスタートしたら確実に円安になり、今以上にチープジャパンで、女性は外国人に買われ、不動産も土地も外国人に買われ、最悪の売国政策ですよ。保守派がこれを推進したということが、私は本当に許せないです。

(宇山)
自民党の保守派は保守派ではないのですよね。

(深田)
そうです。ただのグローバリストですよ。

(宇山)
本当に日本のことを思っている人は、残念ながら今の自民党にはいないですね。そして、もう一つ重要なポストがあります。国土交通大臣です。

(深田)
これは次の回にじっくり取り上げませんか?公明党と国交省については、語れば長い話になりますから。

(宇山)
そうなんですよ。ここにまた利権の問題がたくさんあります。公明党とのかかわりもありますあるからね。

(深田)
はい。次回にゆっくり聞かせてください。ということで、今回は作家の宇山卓栄先生に高市新政権について分析をしていただきました。先生、どうもありがとうございました。

(宇山)
ありがとうございました。

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