#484 日本人よ見習え!あのプーチンが小国に謝罪!アゼルバイジャン民間機撃墜事件の全容と外交の闇。アリベイ氏

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。

今回は、アリベイチャンネルのアリベイさんにお越しいただきました。アリベイさん、よろしくお願いします。

(アリベイ)

よろしくお願いします。

(深田)

最近、アゼルバイジャンの旅客機墜落事故に関して、ついにロシアが謝罪したということですが、これは1年ぐらい前の事故ですか?去年の12月ですか?

(アリベイ)

そうですね。10か月以上前です。やっとプーチン大統領がロシアの罪を認めました。

(深田)

事故直後にアゼルバイジャンが発表した通り、ロシアからのミサイルで撃墜されたのですか?

(アリベイ)

ミサイルが2回発射されて撃墜されましたが、これをロシアが認めたのです。大変な悲劇でした。2024年の12月25日、ちょうどクリスマスの日に、アゼルバイジャン航空の旅客機が、アゼルバイジャンの首都のバクーから、ロシアの南部にあるチェチェン共和国のグロズヌイ空港に向かう途中、いきなりミサイルを発射されたのです。

そのため、カザフスタンのアスタナに緊急着陸しました。着陸は成功したのですが、29名が生き残り、38名は亡くなりました。機体の半分くらいが綺麗な形で残って、残りは全焼しましたが、機中で撮られた映像、生き残った方々の証言と、残った機体により撃墜を証明できたのです。機体と機内にいた人たちの体の中にミサイルの破片が入っていたので、間違いなくロシアの対空ミサイルシステムの発射だということが証明されたのです。

アゼルバイジャンは、事故当日からそのように主張していましたが、ロシアは「調査をしないといけない」と撃墜を否定しました。これは時間稼ぎです。

その日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、プーチン大統領に会うために飛行機でバクーからペテルブルグに向かう途中でしたが、その話の報告を受けて、ロシア上空で飛行機を戻して、プーチンと会わずにバクーに戻ったのです。

当初、プーチン大統領は認めていなかったのですが、数日後にアリエフ大統領に電話をして「ロシアの上空で事故が起きたことを謝罪します」と言ったのです。しかし、ロシアがミサイルで撃ち落としたこと、その責任を取って謝罪すること、補償金を支払うこと、法的な措置をとることなど、アゼルバイジャンの主張は一切受けなかったのです。これは過失かもしれないのですが、民間人が死んでいるのです。

その後、両国の様々な国民感情が絡み、お互いの国で多くの人が逮捕されました。アゼルバイジャンでは、ロシア国籍の二つのグループの人間が逮捕されました。一つ目は日本でいうオレオレ詐欺で、アゼルバイジャン人のお金を盗むグループです。もう一つは、イランから麻薬を密輸してアゼルバイジャン国内で販売したグループです。

逮捕されたロシア人は元の顔が分からないぐらいに暴行を受けて、それをアゼルバイジャン国営テレビ放送したので、ロシアはものすごく怒りました。その前には、ロシア国籍で50代から60代のアゼルバイジャン人の男性家族3名がロシアの特殊部隊と警察に殴り殺されたのです。

ロシアは「もう忘れて、お互いに許しあいましょう」というのですが、アゼルバイジャンは一切譲りません。

アゼルバイジャンは、世界がロシアに圧力をかけているのにロシアに制裁を課さず、むしろ支持をしている。ウクライナには、人道的な支援はしているが、武器も天然ガスも石油も売らず、ロシア寄りの立場を取っている。ロシアが世界中の国から制裁を受けて、相手にされていない状態でも、アゼルバイジャンだけは、去年の8月にプーチン氏の公式訪問を迎え入れて、経済交流を進めてきたのです。

ロシアはアゼルバイジャンを戦略的なパートナーと言うのであれば、ロシアを戦略的パートナーとして処遇しているアゼルバイジャンに配慮が足りないのではないかということです。

(深田)

そうですよね。そもそもなぜ、ミサイルを発射したのですか?誤爆だったのですか?

(アリベイ)

ミサイル発射から10か月後、タジキスタンの首都ドゥシャンベでアリエフ大統領とプーチン大統領が会談をしました。その時にロシアの大統領から初めて「この飛行機事故から始めましょうか」と切り出したのです。アリエフ大統領は民間人が38人も亡くなっているという国民感情があるので、すごく悲しい表情でした。

プーチン大統領によると「原因は二つあり、一つ目はウクライナから来たドローン3機をロシアの国防軍が追跡していた時に、たまたまその場に旅客機がいた。もう一つは、ロシアの対空ミサイルシステムに技術的なミスが起きてコントロールできなかった」ということでした。調査に10か月もかかって、会談の前日にやっと結果が出たので、翌日、プーチン大統領はアリエフ大統領に説明したのです。

ウクライナのドローンがあったと言い訳をして、軍が間違って発射したものだと釈明しています。ミサイルは飛行機から10メートルくらい離れたところで爆発しており、意図的な発射であれば直接撃ち落としていると言うのです。

それでも今回、初めてミサイルでの撃墜を認めると同時に「間違いを犯したロシア軍の責任者、関係者を法的に処分し、補償金を支払い、改めて謝罪をします」とプーチン大統領が直接言ったわけです。これは凄いことです。

事故から10か月たって、ロシアが小国アゼルバイジャンに、ミスを認めたのです。遅い対応でしたが、やらないよりはましです。飛行機を失った航空会社への補償金も支払われました。8月に中国で上海協力機構の首脳会議が開催された時に、プーチン大統領とアリエフ大統領が会談をしました。その頃はまだ両国は、仲が良くなかったので挨拶程度でしたが、プーチン大統領から航空会社に約16億円を払ったと報告がありました。しかし、アゼルバイジャンは「まだ法的な措置が取られていない」と強く迫ったのです。

よく考えてみてください。ウクライナは全世界の支援を受けて、ロシアと戦っていますが、アゼルバイジャンは力がないので、ロシアとは戦えないのですよ。それでも言うべきことをしっかりと言って、主張してきました。ずっと正義を求めてきた結果、やっとプーチン大統領が応じたのです。

(深田)

日本政府にその姿勢を学んでほしいですよ。

(アリベイ)

日本には、プーチン大統領やアメリカの大統領に対して、そのように自国の正義を求める政治家はいますか?

(深田)

いないです。ゼロです。

(アリベイ)

今、首相候補に高市早苗さんの名前が挙がっていますが、彼女が首相なったとしても言えないでしょう。

(深田)

言わないのではないですか。

(アリベイ)

私は、日本にはアゼルバイジャンのような小さな国の行動を参考例にしてほしいと思います。

今回のことで、私の経験話もしたいと思います。アゼルバイジャンとロシアはお互いにビザなしで入国できますが、事故後、両国は関係が悪化していました。私は、8月に会社の決算が全部終わって、ロシアに行くことにしました。疲れていたので、ビジネスクラスを取って、快適なフライトでした。日本からのロシアへの直行便はなくなっているので、上海経由でモスクワに入りました。

ビジネスクラスだったので、一番目に入国しようとしたら、ロシア人の入国審査官にじっと見られて嫌な予感がしました。すると「追加で調査しないといけないので、後ろに下がってください。パスポートはこちらで確保しておきます」と言われたのです。

『あれ?僕は毎年5、6回来ているのに、何が起きたのだろう?スパイ容疑はなく、何があったのだろう?』と思っていました。僕はロシアを応援しているので、何があったのかよく分からない。1時間20分待たされても何も連絡がない。さらに、別の担当者に「マムマドフ・アリベイさん」と冷たい顔で呼ばれて、そこから200m後ろに下がりました。6時に着いたのに既に9時です。

待たされた後に質問されて、携帯電話を調べられました。僕のプライベートの写真があり、それらを全部見られて「この人は誰ですか?ここで何をしていましたか?テロに関与していますか?ロシアでは何か企画していますか?」などと、聞かれました。

向こうにすれば、当たり前の事務的な質問ですが、私はそんな経験をしていないので「あれ?なんだろう?テロ容疑か何か?私、何をしたのだろう?」と自分を疑ってしまいました。そのようなことに慣れていないし、警察から聞かれたこともないので、自然と怖くなりました。

3時間たってやっとパスポートの窓口に行くと「プライベートで来たのですね?」と質問されました。50~60代の入国審査官が二人いて、一人はおそらくアゼルバイジャン人でロシアの特殊部隊のために働いてきた人だと思うのですが、その人から「あなた、2台目の携帯も出しなさい」と言われました。

なぜ知っているのか?多分、カメラで監視していたのでしょうね。でも気持ち悪いです。2台目の方が、たくさん情報が入っています。もちろん、ロシアに対するものは何もありません。しかし、見せないと「入国は拒否します。帰ってください」となってしまうので、協力しました。

ロシアは去年、プーチン大統領が署名した大統領令があって、入国審査で全ての外国籍の人に対して、たとえば髭が少し長いとか、顔色が良くないというだけでチェックできるようになっているのです。

(深田)

髭はいい感じですよ。

(アリベイ)

私は綺麗にしたつもりですが、向こうがどう思ったのかですよね。嫌でしたよ。入国審査に4時間もかかりました。迎えに来た人を待たせているし、みんな心配しています。結局が出たのは夜中の1時です。

私のような人はたくさんいましたが、アゼルバイジャン以外の外国人には、それほど厳しくはなかったのです。たとえば、キルギス人でどう見ても怪しい顔でしたが普通に入れるのですよ。何もチェックされてない。審査官はパスポートで国を判断しますから。

(深田)

どう見ても怪しい人とは、どんな顔なのですか?

(アリベイ)

服装や顔から見ると、間違いなく出稼ぎ労働者です。

(深田)

アベイさんは身なりが良くいつも綺麗にされていますよね。

(アリベイ)

逆に、何か裏がありそうだと綺麗な方がやられるのですよ。

(深田)

インテリマフィアか何かと思われたのですか?

(アリベイ)

インテリマフィアや政治活動をしそうな人の方がチェックされます。あとは、アゼルバイジャンとウズベキスタン国籍が、特にやられています。

ロシア国籍のウズベキスタン人のタクシー運転手がロシア人男性にから「あなたはウズベキスタン人だ、あなたはロシア人の奴隷だ」と言われてパワハラ・モラハラ受けました。しかもそのロシア人男性がそれを自分で動画に撮って拡散したので、ウズベキスタンの外務省がロシアの外務省に抗議をするほどの問題になりました。

今、ロシアは移民対策がものすごく強化されて、やりすぎの部分があります。ロシアを守りたい気持ちは分かりますけれど、政治的にかなり悪用されている部分もあります。

アゼルバイジャンとロシアの関係が10か月間悪化したために、私も2回やられました。アゼルバイジャンに行く用事があったので、パスポートを更新してきた時には「パスポートを更新したから、もう1回チェックします」と言われて、また3時間です。ロシアは厳しくチェックするのでしょうが、私にすれば非常に悪い気分です。なぜ特定の国籍に対してやるのかと言う話ですよね。

(深田)

何かあったのだと思いますよ。アリベイさんが知らないところで、アゼルバイジャン人が何か悪いことをしているのではないですか?

(アリベイ)

そういう人はいますよ。出稼ぎ労働者もいます。ロシア国内には違法、合法を含めてアゼルバイジャン人は5番目に多いのです。上位はウズベスタン、タジキスタン、キルギス、アルメニア、アゼルバイジャンです。しかも、私は日本から北京経由で来た唯一のアゼルバイジャン国籍です。私は何も悪いことをしていないのに、日本に永住していて、何かスパイのように思ったのでしょう。

私のパスポートを見れば、ロシアに100回入っていることが分かります。問題を起こしていればデータに登録されるはずですよね。しかし、何もないじゃないですか?何で止めるのですか?

(深田)

逆に100回も来ているのが怪しいのではないですか?

(アリベイ)

そうでしょうね。「これほどモスクワに来ているのに、なぜロシア国籍を取らないのか?」と聞かれます。それは私が決めることであり、私はアゼルバイジャン国籍に誇りを持っていますが、そのように言われるのです。

(深田)

私もアメリカの入管で捕まった時に、驚きました。始めはなぜ捕まったのか分からなくて、後から分かったのですけれど、日本人女性がアメリカで出稼ぎ売春している人が増えていて、その中の一人と思われたようです。

40歳を過ぎて、売春をしないでしょう。20代の若い女性は、2週間で200~300万稼げるという噂ですが、40代でそれぐらいのお金が稼げるのかというと、多分ないでしょう。

(アリベイ)

萌絵さんもそうですが、アメリカ人は日本人が若く見えるので、そう思ったのでしょう。もしくは、単純に入国審査官がいじめたかったのではないですか?

(深田)

そうかもしれないですよね。やはり悪事を働く女性がいるというのも確かです。だから『自分がアメリカの入管で辱めを受けたのは、我が同胞のせいか!』と思いました。

(アリベイ)

私も同じですよ。ロシアで悪いことをしているアゼルバイジャン人もいます。昔、ロシア人の若い子をレイプしたり、殺したりしてニュースになったこともあります。そういうことがあるので、ロシアが自分の国を守りたいというのは分かります。

逆に、日本もそういう部分は見習ってほしいです。日本は誰でも簡単に入れる国になって、オーバーツーリズムの状態です。私たちは新幹線のチケットも簡単に買えず、東京駅では1時間も2時間も並ぶので大変です。ロシアほどやり過ぎなくても良いのですけれど、ロシアの対応の50%でもいいので、日本は見習って、日本と日本に税金を払っている人たちを少しでも守ってほしいのです。

私はロシアが悪い国だとは思っていません。旅客機事故は悪かったですが、かなり遅れたとはいえ、プーチン大統領が小さい国であろうとロシアの大統領らしく、謝って、しっかりと対応したことは、リーダーらしいと思いました。

(深田)

そうですよね。プーチン氏は、そういうところはきちんとしている人だなと思います。

(アリベイ)

アゼルバイジャンがアメリカなどに持っていかれることも心配したのでしょうね。味方を失いたくないということもあったかもしれません。

(深田)

そうでしょうね。トランプ大統領が急にロシア寄りになったことも関係があるのかもしれません。その辺りは次回に教えていただきたいと思います。皆さんよかったら、アリベイチャンネルも見てください。アリベイさん、ありがとうございました。

(アリベイ)

ありがとうございました。

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