#471【万博の闇】被害者が告発!万博1.2億円未払い問題は「維新支配の地獄絵図」!? マルタ館請負B氏

(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。

今回は大阪万博のマルタ館を製作された下請け業者のBさんにお越しいただきました。Bさん、よろしくお願いします。

(Bさん)
よろしくお願いします。

(深田)
前回ご出演いただいたのは、今年の6月頃でした。大阪万博の未払い問題で、建築エコノミストの森山高至さんのご紹介でご出演いただきました。マルタ館の未払い額はいくらでしたか?

(Bさん)
約1億2000万円です。

(深田)
1億2000万円ですか。いつ倒産してもおかしくない額ですよね。その1億2000万円はあれからまだ1円も払われていないのですか?

(Bさん)
もちろんです。1円も払われていません。

(深田)
1円も払っていないとは、ひどくないですか?

(Bさん)
そうですね。支払い自体が工事中からストップしているので、もうかれこれ半年以上、7か月ぐらいでしょうか。

(深田)
7ヶ月、1円も?それは元請けからの支払いが止まっているということですよね?

(Bさん)
まあ、そうです。

(深田)
元請けは、あの外資系企業のGLイベンツ・ジャパンですね。今、あの会社は、結構炎上していませんか?

(Bさん)
そうですね。社名が出たりとか、ニュースでも取り上げられたりと、以前よりは認知度が上がってきています。世間的にも騒がれつつあるという状況ですね。

(深田)
GLイベンツが大阪万博の元請けとして入って次は愛知のアジア競技大会の仕事を受けています。未だに大阪万博の未払い問題が解消されていない状態なのですが、今後どうなっていくとお考えですか?

(Bさん)
我々もそこをすごく懸念していまして、このまま次の大きな日本でのイベントを彼らが受注するとなると、同じようなことがまた起こる可能性があります。

実際、彼らが日本で仕事をするのであれば、日本人は今の状況を把握した上で、きっちりと精査しないといけないと思っています。しかし、まだ知らない人が多いのです。

(深田)
実際に知らない人の方が多いですよね。今朝も、お会いした近所の方が「ついに大阪万博行ってきたわ」と楽しそうに話しているのを聞くと、胸が痛くなりますよね。

(Bさん)
はい。そうですね。

(深田)
その後、訴訟など対策をされているのですか?

(Bさん)
そうですね。現在裁判中で、第1回の答弁は9月中旬に終わり、次の第2回が11月に予定されています。

(深田)
先方の主張はどのようなものでしょうか?

(Bさん)
当社が工事を完成させていないという主張です。

(深田)
実際にはパビリオンとして使われているのに「工事が完成していない」と言っているのですね。

(Bさん)
そうです。「不完全で終わらせている」と主張をしています。しかし、我々は、もちろん開幕までに間に合わせて、引き渡しが終わり、その後ずっとパビリオンは営業されています。自分たちの中では『何の滞りもなく完成させた』と思っています。

(深田)
完成時には点検や検収をしますよね?

(Bさん)
はい。もちろんそれも元請けにも確認していただいています。

(深田)
確認印をもらっていますか?

(Bさん)
開幕前のギリギリの段階で、元請けの担当者と一緒にパビリオンを全部巡回し「これでオッケーだ。精算に入る」と言われました。

(深田)
それは口頭で言われたのですか?

(Bさん)
口頭で「完了したので、請求書を出してくれ」というやり取りにはなるのですが、もちろん検査は受けていまして、万博協会や消防の検査も全部クリアした上で、完了検査の書類を出しています。

(深田)
それで、肝心の大阪万博協会はどのような対応なのですか?

(Bさん)
相変わらず「この未払い問題自体が民々(民間同士)の問題で行政は関係ありません」と、我々が協会に行って初めて被害の相談した時から同じ回答でした。大阪府知事などに要望書を提出したり、会見を開いたり、被害者の会として訴えてきましたが、何一つ変わらないですね。

僕の中では、民間同士、民々と四文字で片付けられて、その言葉を聞くと本当に腹立たしくなります。

(深田)
本当に頭にきますよね。私は「民々の問題だから」と繰り返し聞かされて、強い怒りを覚えました。特に今年の参院選では、私の親しい知人が大阪選挙区から立候補し、維新や自民党の候補者と討論を行っていましたが、何を問われても「民民の問題」「自分たちは関係ない」「民間の問題に口出しできない」と繰り返すばかりでした。彼ら自身が誘致して集めた万博なのに、その責任を全く感じていないのです。

(Bさん)
そうなんですよ。確かに契約に関しては民間同士のことかもしれないのですが、大阪・関西万博という世界が注目するような工事が国を挙げて進められているのに、これほど多くの未払いが発生している状況は異常です。当社だけでなく、未払い被害の企業はすでに30社を超えています。

未払い被害が確認されているのはすべて海外11か国のパビリオンです。これほどの被害が出ているにもかかわらず、管理体制を担う万博協会が何の責任も取らないのは、どう考えてもおかしいと思います。吉村洋文大阪府知事は会見で「被害者に寄り添う」と繰り返していますが、実際には私たちのもとに寄り添うような具体的な支援は一切ありません。

(深田)
何もやってないですよ。

(Bさん)
何もないのです。具体的「いつまでにこうする」という対策を、私たちは求め続けてきましたが、返ってくるのは「紛争審査会のような窓口を設けます」といった曖昧な話ばかりです。会社が倒産するかもしれないという緊迫した状況で、時間稼ぎのような対応ばかりされても、何も前に進んでいません。

(深田)
ただの時間稼ぎですよね。大阪万博は10月13日に終わるので、関係者たちは「終わったら、世間も忘れる」と考えているのでしょう。一般の人たちはイベントが終われば関心を失い、話題にもならないので「ごまかしておこう」という姿勢が透けて見えるのです。

紛争解決窓口というのは、当事者が“対等な立場”で意見を述べる場ですよね。しかし今回は、完成させて工事の代金が支払われていないという、明確な加害者と被害者の関係です。両者に言い分があるという立ち位置が間違いです。

(Bさん)
おかしいですよね。

(深田)
今回の工事の監督権限は万博協会にあります。したがって、支払いが完了したかどうかまでを監督権限がある万博協会が見ないといけないのです。プリツカー賞を受賞された山本理顕先生は「万博建築の総合プロデューサーである藤本壮介氏に『この状況をどう考えているのか』と問いただすべきだ」とおっしゃっています。

大阪府は「自分たちは関係ない」と繰り返していますが、一方で経済産業省は「これは民民の問題ではない」と明確に述べ「解決に向けて動かなければならない」との立場を示しています。

(Bさん)
そうですね。

(深田)
その後、経産省はどのように動いているかご存じですか。

(Bさん)
はい、経産省もいろいろと働きかけをしてくださっていると聞いています。ただ、具体的「こうします」と明言はされていません。とはいえ、本日もこの後に経産省との協議の場が設けられていますので、具体的に前に進むような要望を行うつもりです。

当初に比べれば、少しいい方向に向かっていると期待感があります。誰からも助けてもらえないという状態ではなく、これまで訴え続けてきた甲斐があり、そういう方向に向かっている感じがします。ただ、時間がかかっていることも事実です。

(深田)
これは資金繰りとの戦いですよね。

(Bさん)
本当にその通りです。

(深田)
せめて融資を受けることができればと思うのですが。

(Bさん)
で、やっぱり
未払い金額があまりにも大きいため、銀行からは「返済能力がない。返す当てがない」と判断されて、すべての金融機関から融資を断られています。お金を借りたくても借りられないので、私たちは本当に多くのものを犠牲にしています。
社員も多く抱えていましたが、食べさせていくことができないので、他社へ移ってもらうか退職してもらうしかなく、会社の規模も縮小せざるを得なくなりました。本来であれば事業を拡大できたはずが、この未払い問題によってすべてが変わってしまったのです。

(深田)
なるほど。
じゃあでも今後一体どうどうしていくんですかね?
私が最も許せないのは本来、第一に責任を持つべき万博協会とそれを主導した大阪府ですよ。その大阪府と万博協会が『自分たちは関係ない。知らぬ、存ぜぬ』で、全ての責任を投げ出して経産省にお願いしていますよね。あの態度が一番ひどいです。

(Bさん)
本当に無責任です。「万博が無事開幕しました。来場者が増えて黒字です」ということだけを表面に出して、陰では昼夜を問わず真面目に働いて、開幕に間に合わたのにそれを取り上げてもらえない。それどことか、我々には未払いという仕打ちでしょうか。本当に悔しいです。

(深田)
私は今回の大阪万博の未払い問題を、日本社会の近未来の縮図だと考えています。外資系企業が次々と日本に参入し、政府との癒着し、外国企業が犯罪をしても誰も取り上げない。結果として、日本人だけが搾取され、使い捨てにされていく。この問題は、その象徴のように思えます。

(Bさん)
まさしく、そこが問題なのです。僕たちは未払いと言っていますが、本質はそこを訴えたいのです。仕組みがおかしく、目に見えない力が働いていて、その中でおいしい思いをしている人がいる。そのような闇の部分というべき、日本の建設業を変えていかないともう本当にだめになりますよね。

(深田)
前回の参議院選挙の討論会で橋口和也さんがこの問題を取り上げてくださった際、自民党の回答は「下請法を改正して、そうした問題が起こらないよう努めてきた」というものでした。しかし、実際には建設業界は下請法の適用外で、守られていないのです。

私は、外資系企業と日本政府の癒着を以前から問題視していました。たとえば独占禁止法に関して、外国企業がどれだけ市場を支配し、新規参入を妨げても、全くお咎めなしです。一方で、日本企業は独禁法に締め付けられ、次々に事業を諦めています。

本来であれば公平な基準であるべきなのに、実際には外国企業と日本企業でダブルスタンダードになり、日本企業や日本人労働者が疎外され、外国勢だけが優遇されるという実態が長年続いてきました。

そして今回、大阪万博を通じてその構造が初めて明るみに出た。日本人が、これ以上この問題を無視するなら、これが日本の未来の姿になってしまうと私は危惧しています。

これまでも同じような不正や不均衡はありましたが、表に出ることはほとんどありませんでした。問題が公になった今こそ真剣に議論をしないといけないいと思います。

(Bさん)
まさしくその通りです。私たちが閉幕までに訴えたいのは「未払い分を支払ってほしい」ということだけではありません。日本の建設業の根本的な課題を、この未払い問題を通して社会に問いかけたいのです。

(深田)
万博に行って、横断幕を張って、“We are unpaid!(支払われていない!)”とやらないといけないですよ。私は、行ってきましたよ。

(Bさん)
拝見しました。あの日はとても暑かったですね。

(深田)
本当に暑かったです。今、私たちはお揃いのTシャツを着ています。これは“UNPAID(未払い)ミャクミャクTシャツ”です。未払い問題を訴えるために作ったもので、胸元にはおしゃれなドクロのデザインになっています。今後も引き続き訴えていかなければなりません。
今回は、大阪万博の未払い問題で被害を受けたマルタ館の製作を担当されたBさんに、「1億2000万円がいまだに支払われていない現状」についてお話を伺いました。本日はありがとうございました。

(Bさん)
ありがとうございました。

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