#462 目覚めよ日本人! 自民党総裁選の候補者は、誰を選んでも〇〇の手先!? 大西つねき氏
(深田)
皆さま、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、無所属連合共同代表の大西つねきさんにお越しいただきました。大西さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
(大西)
つねきさんでいいですよ。
(深田)
今日のテーマは自民党総裁選の行方です。この国は一体どうなってしまうのか、自民党の総裁は次に誰がなるのか、その人物が本当に日本の首相となるのか。こうした点について、お話しいただきたいです。
(大西)
今日、その話題が出てくるとは、全然思っていませんでした。
(深田)
いえ、総裁選直前なので、当然聞くでしょう。
(大西)
いやもう、私はまったく気にしていないのです。
(深田)
総裁選まであと1週間ですよ。
(大西)
そうなのですが、これまでずっと総裁選は行われてきました。自民党の総裁が変わって、それに伴って首相も変わってきましたが、それで何かが変わったでしょうか?
(深田)
変わっていませんね。
(大西)
結局、意味がないということです。
(深田)
それでも、今の政界やその周辺では「高市早苗氏が良い、いや小泉進次郎氏だ」とか「エボラかセクシーか」と議論されているわけですよ。
(大西)
もう、その話題には何も言いたくないぐらいですね。そこに一切、意識すら向けたくないという気持ちです。
(深田)
それでも、あえて一言お願いできませんか。「今、誰を応援すべきか、誰が総裁になればこの国は救われるのか」とまだ真剣に議論をしている人がいるので、その人たちにとどめを刺してください。(笑)
(大西)
今回、小泉進次郎さんは依然として相当数の票を集めています。「進次郎!」と応援する人が少なからず存在します。若さもあり、ややポエミーですが「これまでのおじさん政治家とはちょっと違う」というほのかな期待が少し残っている気がします。そうであるならば、いっそ総裁に就任して粉々に打ち砕かれてしまえばよいと考えています。
(深田)
(笑)
(大西)
この国に最後に残っているかもしれない希望が完全に消え去り「結局は根本から変えなければならない」と国民全体が認識するような総裁選になってほしいと少し期待しています。
(深田)
私は石破茂首相によって、この国がそのようになるのではないかと思っていました。
(大西)
確かに、ある意味で石破さんは異質な存在でしたね。
(深田)
最後に石破さんが「首相を辞めるのなら先に解散総選挙を行う」と自爆的な手を打つことを私は期待していました。しかし、それもなく「やはり辞めます」と言って総裁選に入ってしまい、肩透かしでした。
(大西)
つまり、石破さんでさえ何も変えることができなかったのです。その後に控えている人たちは、結局“入れ替え要員”であり、これまでの体制に従順な人々が揃っているのだと思われます。
(深田)
石破さんは、自民党の中でも最も異質な存在でした。いつも独特の表情をしていて、あのような人物はなかなかいません。党内では左派と見られていましたが、これまでの首相と何か違うのかといえば、大差はありませんでした。極端に右にも左にも振るわけでもなく、中庸を保つような舵取りをしてきました。あれほど異質だった石破さんでさえ、舞台裏の意向に従っていたとすれば、高市さんや小泉さんを選んだとしても、何かが大きく変わるのかというと、期待は持てません。
(大西)
グローバルの大きな流れがあり、特に日本はアメリカの影響下にあることがますます明確になってきています。その中で石破さんの後、小泉さんのように『軽い神輿』が都合よく操られて、その結果、この国がどうなるのかを私たち自身が体験し「本当に日本は独立しなければならない」となるための流れなのではないかと感じています。
(深田)
要するに、今回の総裁選は私たちの罰ゲームということですね。
(大西)
最後にはそう痛感せざるを得ない方向へと、どんどん進んでいるのだと思います。
(深田)
これまでも十分に痛感してきました。もはや「誰が総裁になれば良いのか」という生ぬるいレベルの問題ではないですよね。
(大西)
むしろ「誰が総裁になったら、人々が本当に気づくほどの悲惨なことが起きるのか」という点で私は見ています。これまでの経験では全然足りないので、もっと大きな出来事が起きなければ、人々は目を覚まさないでしょう。
(深田)
これまでで十分にお腹いっぱいなのですが、まだ悪くならければならないのですね。
(大西)
率直に言って、この数年で死者が大幅に増えているではありませんか。40〜50万人単位で増えているでしょう。それに対して、私たちは「なぜそうなったのか」という検証では、言い過ぎかもしれませんが、過去に自分たちがやってきたことも含めて、まったく振り返っていません。
(深田)
だから、右も左も嘘つきだったことに、誰も気づいていないのですよね。
(大西)
そうですし、私たち自身が本質に目を向けてこなかった側面もあります。おそらく国民は、その現実を直視したくない、目を背けたいという思いがあるのでしょう。その結果、右や左など様々な言説にうまく利用され、信じたくて信じ続けてきたのだと思います。
(深田)
本当にそうです。よく「深田さん、一体誰を信じたらいいのですか?」という質問を受けます。
(大西)
そこですよ!「誰も信じるな!自分以外、何も信じるな!」ということです。
(深田)
愛の鞭ですね。(笑)
(大西)
政治活動をしていると、そこに行き着いてしまいます。財政や金融の問題など、いろいろな議論をしていますが、結局は「どうしたらいいのか」という答えをみんなが求めているのです。「こうすれば良い」という提案は、ある程度示すことができます。たしかに、現在の金融システムは古く、限界を迎えています。しかし、この金融体制は世界的に100年単位で続いてきた仕組みですから、すぐには変わりません。
そうすれば『変わらない中でどうするか』を一人ひとりが主体的に考えなければならないのです。「誰に投票すればいいのか、誰を信じて誰を選べばいいのか、誰が首相になれば助けてもらえるのか」という発想のままでは、何も変わらないと感じています。
(深田)
その通りです。私も選挙では、選挙用のチラシを印刷会社に頼んだのに間に合わなかったとか、街宣車をオーダーしても選挙開始日に届かなかったなど、さまざまなトラブルを経験しました。そうした経験すると、印刷業者や街宣車業者が特定の政治家の圧力を受け、一般の候補者にはサービスを提供しないことがあるのではないかと感じるようになりました。
つまり、私たちは民主主義的に誰かを選んでいるつもりが、実際にはこの国を操る“闇”によって用意された手駒の中からしか選べていないのではないか、そういうことではないかと思います。
(大西)
そもそも、人間は『よく知っている者』から選びます。商品選びも同じで。そう考えると、露出度の高い候補者がはるかに有利で、その露出を作り出しているのは基本的にマスメディアです。したがって、そこでの取捨選択は表向き“ニュートラル”に見えても、実際には何らかの思惑が働いています。誰かが意図的に操作する場合もありますし、構造的にそうなっている場合もあるのです。
私は以前から指摘していますが、いわゆる『ディープステート』と呼ばれる存在があります。ディープステートとは、選挙で正当に選ばれたわけではない人々が権力を持ってしまう構造です。その背景にはお金の力が大きく作用しています。商売の世界では、相手に忖度したり、自分に有利な方向で事を進めたりします。
政治は本来、非常に面倒な営みであり、そこに思想が入り込めば意見が分かれて衝突も生じます。その結果「みんなで仲良く商売をしたい」と考える立場からすると、面倒なものは排除しようとすると、議論を呼ぶような事柄は避けたいと考えるのです。
これは意図的に行われる場合もありますが、面倒を避けて動く場合もあります。そこで働いている人たちも、自分の意思や善意、良心よりも、上司の指示や顧客との関係性、商売やお金の事情を優先してしまう。そうした余計な忖度の積み重ねにより、今の社会が形作られています。
構造的におかしなことが数多く存在する一方で、一人ひとりがもう少し自由意志を持ち「これはおかしい」と思ったことに声を上げ、時には反発する姿勢を見せることが重要です。みんなの小さな行動の変化が起きなければ、社会は根本的には変わらないだろうと感じています。
どうしても個人個人の意識の話になってしまいます。結局、社会は無数の個人によって成り立っているので、それぞれが自分の意識を変容させていかなければならないと思っています。
(深田)
では、つねきさんが各地で開催されているお話し会に参加されている方々は、意識が高まっているのでしょうか?
(大西)
私は必ず座談会を組み込み、参加者からの質問を受けながら、それに答えるという形で進めています。すると、多くの人が『日本』や『右』『左』といった概念的な言葉を使って議論していることに気づきます。しかし、日本は一億数千万人の集合であり、他の国も同様で、一つ一つの個別の人や事象によって構成されているのです。その具体的な実態を見ないまま、空疎な概念だけでやり取りしてしまうことが多い。
(深田)
あっ、それはあります!
(大西)
そこで私は、対話を通じてその“言葉を砕く”作業をしています。そうする、参加者の意識は現実に対する解像度が上がってきます。
(深田)
そうなんです。「憲法改正に賛成ですか反対ですか」と問われても「では改正案の中身をどうするのか」という具体的な議論にまで入らないのが現状です。
(大西)
多くの場合、議論は手前で終わり、右か左に割れてしまいます。結局「誰を選んだらいいか」という段階とどまってしまうのです。しかし本来は、選ばれた人物が具体的にどのように行動し、その結果、何がどう変わるのか、そうした細部まで精査する必要があります。そうすると「誰を選んだから大丈夫」という単純な話ではないことが分かります。
やはり「それぞれが何をして、何をしようとしているのか」という個別の事象をきちんと見極め、考えられるようにならなければ、社会は変わらないと思います。したがって、まずマインドセットからやり直さないと、政治改革は無理だと考えています。
(深田)
つまり、座談会では、マインドセットの部分まで踏み込んでいるのですね。
(大西)
はい。私はオンラインで個人セッションまで行っています。
(深田)
個人セッションまで受けられているのですか?
(大西)
いえ、私が「提供している」側です。政治や経済に限らず、一人ひとりの生活レベルにまで踏み込み、人間関係や親との関係性が実は大きな影響を与えている場合が多いのです。
(深田)
具体的には、どのような関係性でしょうか。
(大西)
この国は毒親ばかりだと思います。自分の考えを当たり前のように押し付けて、子どもが自由意志を持てるような育て方をされていない。それがこの社会を形作っているのです。だから、それを再生産させないようにすることが重要です。実際、子育てや人間関係に悩んでいる人は非常に多い。そこで「子としてどう自立していくか」というテーマでセッションを行うこともよくあります。
(深田)
私は自由すぎて、こんなふうになってしまいましたけど。(笑)
(大西)
全然問題ありません。自由すぎるということは、決して悪いことではありませんから。
(深田)
ほとんど親に怒られたことがなく、好き放題に生きてきました。ただ、東京地検に捕まりそうになった時だけは母から電話で「あんた捕まった後、家賃どうするの?」と聞かれました。それぐらいですね。(笑)でも、毒親で良いのではないでしょうか。毒のない親より、毒のある親の方が、どこか味わい深い気がします。
(大西)
それは毒の種類によるのではないですか。ある意味、そういう親がいるからこそ、それを自分が体験することで「自分はどうするか」を決められる。そこで切り離すことができれば、どんな親でも反面教師にも、教師にもなります。
(深田)
私は、自分が父の娘でなかったら、一生懸命働こうとか、世の中に反抗しようとはならなかったと思います。
(大西)
だからこそ、大切なのは自分の外側で起きた出来事にあまり囚われずに「では自分はどうするのか」と切り離して考えられるようになれば、あらゆる出来事が自分の糧となるので、良いも悪いもないのです。
(深田)
確かにそうですね。PTSD(※1)という言葉がありますが、その逆にPTG(※2)、最後のGは“Growth”つまり「成長する」という意味の言葉もあります。私はむしろ踏みにじられた経験があった方が成長できると感じます。
※1)PTSD:Post Traumatic Stress Disorder=心的外傷後ストレス障害
※2)PTG:Post Traumatic Growth=心的外傷後成長
(大西)
自分自身で考えられるようになれば、外側で起きることは「仕方がない」と受け止め、自分はどうするかを主体的に考えられるようになります。しかし、この切り離しができずに苦しんでいる人が多く存在します。
「あれはあれ、自分は自分」と分けられないと、いつまでも影響を受け続けてしまいます。そういう人が非常に多いため「もうどうでもいいじゃないか」と割り切れるようにお手伝いをするセッションも行っています。
(深田)
そのような意識を持つと、政治も良くなっていくということなのですね。
(大西)
みんなが個人として自立すると、外側にいる人やシステムにあまり影響されず「自分がどうするか」を決められるようになります。そうすれば余計な感情移入もなくなり、自分に集中できるようになる。そして、誰かのせいにすることもなくなります。
(深田)
やはり私は「良い親に育てられた方が、だめになるのではないか」と思う部分があります。「どの政治家を信じたら良いのか」と悩むのは、親を信じて守られて幸せに生きてきくれば、そのように考えてしまう発想につながるのかもしれません。
(大西)
結局、良い親や悪い親は白黒に分けられる話ではありません。要するに、親や上司、あるいは社会のルールに対して、自分の行動をどのように決めているのかどうかということです。日本は、自立がまだまだ心もとない国だと感じます。多くの人が「自分で決める」ということができていないし、そうさせない仕組みにもなっています。
(深田)
自分で決めない人が多いですよね。自分で決めればいいですよね。
(大西)
確かにそうなのですが「そうしてはいけない」というプレッシャーが非常に強いのです。萌絵さんのように、そうした影響を受けずに自由でいられる人は、むしろ不思議に思うでしょう。しかし現代の日本人の大多数は、そのプレッシャーに影響され続けています。回りの常識やルール、政治や親の価値観などに依存してしまっているのです。
その結果「政治家は誰を選べば良いのか、総裁が誰になれば良いのか」という発想に陥ってしまう。結局、「自分は自分、あの人たちはあの人たち」と切り分けられないのです。
(深田)
誰が首相になろうと「自分の国は自分で作る」という確固たる意思が大切なのですね。
(大西)
そうです。そのためには「自分の行動は自分で決める」という確固たる意識を持って初めて、そうした人々による自立した国が実現できます。
(深田)
本当に良いお話ですね。
(大西)
結局、すべてはそこからなのです。
(深田)
今日、総裁選の話を伺えて良かったです。
(大西)
総裁選の話そのものは、何分も語れるものではありません。
(深田)
重要なのは「誰が総裁になるか、誰が首相になるか」で国が良くなるのかという話ではないのです。国民一人ひとりの意識が高まることで「誰が首相や総裁になろうが関係ない。自分が決めるのだ」という意識で行動すれば、この国は必ず良くなります。
(大西)
その通りです。そこに尽きます。ありがとうございます。
(深田)
今回は、無所属連合共同代表の大西つねき先生に「総裁選、次は誰になるのか」というテーマでお話を伺いました。先生、本日はどうもありがとうございました。
(大西)
ありがとうございました。





