占領軍が作った「防衛省〇〇局」はスパイ組織という疑惑に迫る!? 田母神俊雄氏 #457
(深田)
みなさん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。
今回は元航空幕僚長の田母神俊雄先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いいたします。
(田母神)
よろしくお願いします。
(深田)
先日も少しお話を伺いましたが、実は、自衛官は非常に恵まれない待遇を受けているとのことでした。トイレットペーパーを自分で買わなければならないとか、ご飯とパンの両方を食べただけで処罰されたと聞いて驚きました。国民としては、厳しい肉体労働を担っているのだから、むしろしっかり食べてもらいたいと思います。
(田母神)
世界を見渡せば、軍人は国民から敬意を払われている場合が多いのです。しかし、日本だけは自衛官に対して国が敬意を表していません。
(深田)
アメリカでは、空港に入る際に軍人専用のレーンが設けられていますよね。
(田母神)
その通りです。消費税が免除されるところもあり、さまざまな形で軍人が優遇される仕組みが整い、軍人が尊敬される制度が確立しているのです。ところが日本の場合は「軍人は悪いことをするから監視が必要だ。軍は危険なので、できる限り小さくしておいた方がよい」と国民に反軍感情を抱かせる体制が作られてしまったのです。
(深田)
確かに思い当たる節があります。私も20歳の頃、家庭教師だった先生が自衛隊に入ると聞いて、「そんなところに行ってしまうのは残念だ」と思った記憶があります。教育の過程で、子どもにそうした意識を植え付けているということなのですね。
(田母神)
そうです。日本軍は強かったので、日本占領下のアメリカが、日本の軍隊が再び強くなって立ち向かってくることを恐れ、日本国民に徹底的な反軍感情を植え付ける教育を行ったのです。日教組を作ったのもGHQであり、子どもたちが反軍思想を持ったまま社会に出るよう仕組んだのです。その影響は現在も続いていると言えるでしょう。
各国では軍人の給与が一般公務員より2〜3割高いのが普通ですが、日本では逆にキャリア公務員よりも低く設定されています。
(深田)
命を懸けていますから、高くて当然ですよね。なぜそのような状況になっているのでしょうか?
(田母神)
防衛省にはキャリア組による“内部部局”(内局)という背広組の組織があります。防衛省設置法により、自衛隊が防衛大臣に意見を述べる際は必ずこの内部部局を経由しなければならず、自衛官が直接発言することはできません。大臣からの指示も背広組を経由して自衛隊に伝えられる仕組みです。つまり、自衛官が政治家に直接ものを申すことは禁止されていたのです。
私が航空幕僚長を務めていた頃には徐々に緩和され、私自身が大臣に直接会うこともできましたが、建前としての報告文書や指示文書はすべて内部部局を通す決まりです。
給与や待遇に関する案も、この背広組が作成します。国家公務員の指定職の格付けも背広組が決定しています。かつて自衛隊創設当初は自衛官の指定職の格付けが高かったのですが「自衛官が高いのはおかしい」として次第に調整され、現在ではキャリア公務員の方が上位になっています。
(深田)
命を懸けない人たちの方が高給なのは、不公平ですよね。
(田母神)
現実にはそのようになっています。したがって、自衛官から見れば、防衛省の背広組は不用意な組織です。
(深田)
なくなったら困る側面もあるのではないでしょうか?
(田母神)
いえ、彼らの業務を自衛官が代わりに行えばよいのです。背広組でなければできない仕事ではないので、背広組の課長や局長といった役職に自衛官を配置すれば解決できます。そもそも、この内部部局は「自衛隊は悪いことをするから監視する必要がある」という東京裁判史観に基づき設置された組織です。
(深田)
その内部部局を作ったのは誰だったのですか?
(田母神)
これは占領軍でしょうね。ですから、そういう体制になっているのです。これを解消していく過程では、内局の課長や局長をどんどん自衛官に入れ替えていけばよいと私は考えています。
(深田)
キャリア組と一般の自衛官では、入り口が違うのですか?
(田母神)
違います。自衛隊の幹部になるには幹部候補生学校を経る必要があります。陸上自衛隊は福岡県久留米市、海上自衛隊は広島県江田島市、航空自衛隊は奈良市に幹部候補生学校があり、そこを通じて自衛官の幹部(制服組)に登用されます。これに対して、キャリアの防衛省背広組は防衛省で採用されてそこで勤務するだけであり、自衛隊とは一切関係がありません。
(深田)
一般の大学から入省するのですね。
(田母神)
そうです。自衛隊(幹部)側は防衛大学校だけでなく、一般大学出身も多く含まれています。私は航空自衛隊出身ですが、防衛大学出身が100名、一般大学出身が50名で同期は150名でした。一般大学には東大など幅広く含まれています。つまり自衛官は一般大学と防衛大学の出身者で構成され、背広組は一般大学出身が中心です。
(深田)
東大や早稲田などで左翼的な教育を受けた人も多いということなのですね。最近は左翼でも「東大の教育は劣化した」と言われることもありますが(笑)。
ところで自衛官の食事は、国民とすれば、好きなだけ食べさせればいいと思うのですが…
(田母神)
ご飯とパンを両方食べたので上司が罰したのですが、私が指揮官であれば、上司に処分をさせません。それを「すごく悪い」とニュースにするのもおかしいのです。
それにしても自衛官から見れば、背広組の組織は目の上のたんこぶのような存在です。
(深田)
罰したのは背広組ですか?
(田母神)
処分をしたのは現場の上司です。ただ背広組を通じて自衛官の人事が上に行く仕組みになっており、人事と予算を握ることで自衛隊をコントロールしようとしています。防衛省で予算の説明をする際、自衛隊内部でまず説明資料を作成しますが、内部部局が同じことをもう一度行うため二度手間になっています。
(深田)
自衛隊内で作成したものを、内部部局で同じようにやり直すのですか?
(田母神)
彼らは自衛隊のことを何もわかっていないので、外部には説明はできません。我々の説明を受けて財務省などに持っていくという窓口の役割です。実際に財務省と折衝するのは自衛隊(制服組)であり、背広組はあくまで窓口に過ぎません。
(深田)
伝書鳩以下ですか?
(田母神)
その通りです。自衛隊からすれば、既に一度説明し終えたものを再度説明しているに過ぎず、不要な存在です。しかし背広組の中には局長や事務次官がいるわけです。
(深田)
彼らは自衛隊を支配したいということですね。そこにスパイが入り込んでいることではないのですか?
(田母神)
可能性はあります。
(深田)
可能性があるのですか?
(田母神)
元防衛事務次官の自宅の壁に、共産党のポスターが貼られていたことがあるそうです。
(深田)
では、もし内部部局にスパイが入り込み、優秀な人材を遠ざけ、外国の思想に染まった人々を優遇するようなことがあれば、自衛隊そのものが変わってしまうということですね。
(田母神)
まさにその通りで、背広組は『自衛隊の士気低下システム』です。背広組の存在は自衛官からすれば本当に目の上のたんこぶであり、こうした組織を持つ国は日本だけです。他国には存在しません。
(深田)
そうなんですか。韓国はどうでしょうか?
(田母神)
韓国には『政治将校』という制度があります。政治将校は大統領の意向を受けて、一般の軍人が不正を働かないよう監視する役割を担います。日本の背広組は、それに近い存在です。
(深田)
目付け役のようなものですね。内部部局の背広組を選ぶのは誰なのですか?
(田母神)
内局の背広組が選びます。
(深田)
では、最初に作られたチームがその後も人材を採用していくのですね。
(田母神)
そうです。新人を採用する際は、面接などを通じて選抜します。
(深田)
その際に、歴史観などをさりげなく確認するのでしょうか?
(田母神)
自衛官は基本教練を受けていますから、行動や姿勢が規律正しいのですが、内局の職員はそのような教育を一切受けていません。ごく一般の人材であり、いい加減な部分も見受けられます。
(深田)
では、本当に内部部局は不要だということですね。
(田母神)
私は不要だと考えます。現実的には、内局の課長や局長といった役職に自衛官を送り込めば、十分に代替可能です。
(深田)
そして自衛官の人事評価を引き上げていくということですね。では、自衛隊が発足した当初に比べて、待遇は下がってきて、一方でキャリア組は自らの待遇を上げているのですか?
(田母神)
その通りです。かつては、例えば航空幕僚副長の格付けは内局の局長よりも高かったのですが、それがいつの間にか下げられてしまいました。
(深田)
幕僚副長でさえ、そうなのですか?
(田母神)
そうです。もちろん在職中に給与そのものが減るわけではありません。しかし。他の職種が昇格していくのに対し、自衛官の側は格付けが上がらないので、結果として追い抜かれてしまうのです。
(深田)
つまり、後から入ってきたキャリア組が評価基準を変え、自分たちが自動的に上がるように制度を作り替えた。その結果、相対的に自衛官の待遇が下がってしまったというのが現状なのですね。ところで、自衛官の給与は具体的にどの程度なのでしょうか。
(田母神)
例えば、私が航空幕僚長だったとき、他省庁の事務次官とほぼ同格の給与水準でした。事務次官より一段低い位置づけですが、ほぼ並んでいます。自衛隊では統合幕僚長が事務次官と同等の格付けです。
(深田)
しかし、命を懸けている人が、そうでない人と同じ給与というのは納得しがたいです。
(田母神)
かつては、命を懸ける自衛官の給与は一般事務職より2割から3割高い水準にありました。しかし長年にわたり自衛官の給与が引き上げられなかったため、当初は下に位置していた事務方が次第に追い抜いてしまったのです。
(深田)
建築業界も、少しおかしな状況になっていますよね。
(田母神)
その通りです。建築業界では、かつて現場で高所作業や重量物運搬といった危険作業を担う人の給料は、エアコンの効いた事務室で働く人よりも2〜3割高かったのです。ところが競争入札が徹底されるようになると、受注を勝ち取るために単価を下げざるを得なくなり、その結果、建設単価が下がりました。当然、従業員に支払う給料も下がります。そうした状況が続いたことで、気がつけば、危険を伴う現場労働者の給料が事務職よりも低いという逆転現象が生じてしまったのです。
(深田)
それでは、人が集まらなくなってしまいますよね。
(田母神)
その通りです。これが建設労働者不足の原因です。そして現在、低賃金でも働いているのは中国人や東南アジアの人々など外国人労働者です。そのため「外国人労働者がいなければ業界が成り立たない」と言われる状況になっています。しかし、きちんとした給料を支払えば、日本人も十分集まります。
(深田)
確かにそうですね。若い頃は体力を使う仕事でも、稼げるのであれば挑戦したいと思いますよね。
(田母神)
現在、国内に約170万人の日本人失業者がいます。これは労働条件とマッチングしていないだけで、給料を適切に設定すれば働き手は確保できます。実際には「その作業では給料が安すぎる」と考え、求職せず失業者となる人が多いのです。
(深田)
では、自衛隊に入りたいという人は足りているのでしょうか?
(田母神)
志望者は減少傾向にあり、厳しい状況です。人を集めるのは難しくなっています。自衛官の給料や待遇を改善しなければ、今後さらに人材確保は難しくなります。
(深田)
今の若い世代は、きつい仕事や長時間労働を避けますからね。
(田母神)
それでも「大変だけれど給料が高いからやる」というのが普通の人間の判断です。
(深田)
もちろんそうですよ。私が就職活動をしていた頃、外資系金融機関は「仕事がきつく、早朝から深夜まで働き、睡眠時間は2〜3時間」という話を聞きました。しかし、初任給で年収1000万円を目指せるのは外資系しかなく、日本企業では1000万円に到達するのに10年以上かかることが多いですよね。であれば、一発で得られる場所で勝負したいと思いました。
(田母神)
日本は昔から、同じ民族が同じ土地で歴史を紡いできたので、社会の仕組みは最適化されていました。しかし小泉純一郎総理の時代から、日本のぶち壊しが始まったのです。この30余年、日本が築いてきたよい仕組みが破壊され、その結果、国民の生活は貧しくなってきています。
(深田)
確かにその通りだと思います。今回は元航空幕僚長の田母神俊雄先生に、自衛官の厳しい実態について教えていただきました。先生、本日はありがとうございました。
(田母神)
ありがとうございました。






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