#447 次期総裁は高市か小泉!?解散選挙で自民党が連立を組む先は!? 海老原嗣生氏

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、雇用ジャーナリストの海老原嗣生先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。

(深田)

今日のテーマは『石破、辞めるってよ』です。そろそろ解散総選挙があるのではないかと思っているのですが、海老原先生はどう思われますか?

(海老原)

深田さんからその話を聞いて、私が「解散総選挙はないですよ。何を言っているのですか?」と答えると、すごく威圧的な態度を取られました。

(深田)

そんなことないですよ(笑)

(海老原)

私は「解散総選挙はない」と読んでいて、その理由はいくつもあります。

まず、インフレ対策をしなければなりません。国民みんなが貧乏になっています。「そのためにお金をばら撒くか、何をやるか」という議論があって、臨時国会を開かなければならない状況です。

こういう現状で、臨時国会を開いて年末までにすべてを終えるためには、10月4日に総裁選挙を行わなければならず、逆算でその日程が出ています。そのために自由民主党の支部は非常に混乱しています。総裁選挙は投票用紙を送ってから始まるので、そういうこともこの短い期間に全部やらなければなりません。それが「臨時国会を開かずに解散」ということになると、みんなが「ふざけるんじゃない!」という心理になると思うのです。

前回、石破茂氏が総裁選に立候補した時は、参議院も衆議院も絶対多数でした。したがって「どうにでもなる」と思っていたのですが、今は連立が必要で、その相手を見つけなければなりません。そういう時期なので、連立相手を見つけずに解散すれば、大変なことになるだろうと思っています。

だから、私は「解散はない」と思っているというわけです。

(深田)

分かりました。しかし、今は連立したい政党が動き回っているのではないですか?

(海老原)

面白くなってきています。なぜ面白くなってきたかと言うと、日本維新の会(維新)が分裂したのです。

(深田)

分裂しましたよね。

(海老原)

維新は元々、藤田文武氏が幹事長になる前に「吉村洋文代表と馬場伸幸元代表のグループで分かれる」という話があって、これが分かりやすいシナリオでした。馬場グループは高校卒もしくは肉体派が中心で、超高学歴でスマート系が吉村さんです。筋金入りの保守(馬場グループ)と中道右派(吉村グループ)に分かれば、政治が非常に分かりやすくなります。この筋金右派(保守)と参政党、高市早苗氏が連立すれば、さらに分かりやすくなります。

そうなるのかと思ったら、全く違う方向に分裂しました。維新を離党した3人(守島正氏、斉木武志氏、阿部弘樹氏)とも、かなりのリベラルで中道右派や左派の中間ぐらいの人たちです。彼らが出ていってしまったので、分からなくなりました。

仮に小泉進次郎氏が総理大臣になったら、この3人との連立もあるのではないかと思います。元々、吉村さんとは気が合うから、吉村グループとの連立はあり得ると思っていましたが、一番ニュートラルな人たちが(維新を)出て行ってしまったのです。

衆議院には『有志の会』という四人組(緒方林太郎氏、北神圭朗氏、吉良州司氏、福島伸享氏)がいます。確か旧民主党系です。この中道の人たち4人と維新を出た3人は非常に合流しやすいわけです。

(深田)

親和性が高いですか?

(海老原)

そうです。旧党には移れませんが、新党であれば比例代表の人も移れます。ですから、(維新を)出て行った3人も新党を作ることはできます。そこで7人の塊になれば影響力は大きいですよ。ここまで来ると、あと少しです。

(深田)

あと少しとは?

(海老原)

衆議院は、自民党と公明党にプラス11か12議席で過半数になります。ここに7人が加われば、過半数まではあと少しです。

(深田)

確かにそうですよね。

(海老原)

どの政党と組むにしても、自民党はお金がかかるわけですよね。

(深田)

お金がかかるとは?

(海老原)

例えば、国民民主党と組むと『年収の壁』と『ガソリン税の暫定税率廃止』に手を付ける必要があります。「年収の壁」だけで7.6兆円、「ガソリン税」で1兆円余り必要なので、この2つで9兆円くらいのお金が掛かります。この金を捻出するのはものすごく大変です。

では「維新のほうが組みやすいのか」というと、維新は「大学無償化」という問題があります。あれは悪手だと私は思っています。

(深田)

なぜですか?

(海老原)

実現するとFランク大学がどんどん増えます。今、すでに大学全入時代になっているから、これ以上増やすと、ますますFランク大学が増えるだけですよ。

(深田)

そうですね。そうなると(定員を埋めるために)外国人留学生を受け入れざるを得ないようなことになります。

(海老原)

私は、外国人留学生は良い施策だと思っています。よく考えて下さい。人を育てるのは18歳までが一番お金が掛かります。彼らの国の税金で育てて、来日して日本の大学で4年ほどの期間を日本の費用で育成したら、彼らは日本で日本人がやりたがらないようなコンビニや家電量販店などで働いてくれるわけです。

(深田)

しかし、一部の留学生には結構な額のお金が日本から出ていると聞きます。

(海老原)

それは、全体で見れば小さな額なのだから、多少そういうことがあってもいいのではないでしょうか?今、留学生の多くがFランクに近いような大学に来ています。裏を返すと、慶應大学や早稲田大学、旧帝国大学などレベルの高い大学の留学生のほとんどは大学院に入ります。理系であれば需要がありますが、実際は8割が文系です。文系の院卒を誰が採用するのでしょうか?

(深田)

そこが問題ですよね。文系の大学院に行く意味はほとんどないと思います。しかし、中国であれば大学院に行く意味はあります。中国では、大学を卒業する時に就職できなかったら田舎に帰らなければならないので、国を出るしかありません。アメリカに行ける人は良いけれども、お金がない人は日本を目指すわけです。

(海老原)

しかも、慶應とか早稲田の大学院で平安文学や日本のサブカルチャーを研究しているのですよ。そんな人をどの企業が採るのですか?

(深田)

そうですね。どこが採用するのでしょう。

(海老原)

ですから、そのような方たちは、しばらくして帰ってもらえばいいわけなのです。

(深田)

それが、なかなか帰らないですよね。

(海老原)

最近、とても有難いと思ったことがあります。未納問題はありますが、大学生でも20歳を超えていたら国民年金を払わなければならないのです。国民年金を払ってくれているのは歓迎できます。健康保険も未納の問題がありますけれども、加入してくれると、彼らは若くほとんど病気をしないので、圧倒的に払い損になります。日本の財政には非常に寄与するので、私は良いと思うのです。

(深田)

しかし、健康保険もいろいろな問題がありますよね。高額医療だけをやたらと使うとか…

(海老原)

高額医療の問題で言うと、今、日本に外国人は約370万人いて、短期在留者も入れると470万人で、人口の3%から4%います。それに対して、医療費で使っているのは1%少しなので、2%はプラスなのです。トータルで得をしているから、良いのではないでしょうか。

(深田)

そうしておきましょう(笑)。

(海老原)

もっとすごい話もあります。「政党を作ればすごいお金儲けができますよ」と私はよく言っています。そこには利権があるからです。日本で働いてくれても、技能実習生も特定技能も期限が来たら帰ります。特定技能5年、技能実習3年で8年働けるわけです。

(深田)

5年経ったら帰化申請ができますか?

(海老原)

できません。

(深田)

できないのですか?

(海老原)

帰化申請するには10年経たなければならなくて、そのうちの半分は働いていなければなりません。特定技能に関しては、働いたことにならないので「特定技能2号」を取得してから5年働かなければなりません。ということは、全部で15年滞在しなければならず、その前に「2号になれるかどうか」という大きなハードルがあります。そのことよりも、この人たちが帰国すると、払った年金がどうなるのか知っていますか?

(深田)

どうなるのですか?

(海老原)

社会保障協定を結んでいる国であれば、帰国の際に年金は持って帰れます。ところが、協定を結んでいるのは日本と同程度の先進国のみで、発展途上国はこの協定をほぼ結んでいません。その場合、自分が払った分は持ち帰って良いのですが、企業が払った分は国庫に納入されるのです。

(深田)

そうなのですね。

(海老原)

特定技能では、企業は年間25万円くらい払っています。8年働くと1人当たり200万円です。このような人たちが20万人いれば、今後およそ2000億円が国庫に入ってくるようになっているわけです。「これを国庫に入れるのはおかしい!」という話をもっと盛り上げれば、そこから一大財源が作れると私は思っています。

(深田)

なるほど、それが財源ですか?

(海老原)

はい。それをうまくやれば「第2のODA」のようになると思います。そうすれば、新たにすごく面白いことができるのではないかと私は思っています。

(深田)

ODAはそれほど良いものなのでしょうか?

(海老原)

利権でしょうね。

(深田)

ただの利益ですよね。

(海老原)

けれども、それがかなり細ってきていて、しかも取り締まりも厳しくなっています。新しくできたものは取り締まりが緩いので「第2のODA」ができたら、いろいろなことが起きるだろうとみています。

(深田)

例えば、どのようなことが起きると思われますか?

(海老原)

うーん…分かりません。

(深田)

え?分からないのですか?

(海老原)

起きてからでないと分からないです。

(深田)

外国人にお金をばら撒いてばかりなのもどうか思います。

(海老原)

逆ですよ。本来、社会保障協定を結んでいれば、彼らに所有権があって、持ち帰れるものなのです。「それを日本が半分持っていくということがおかしいだろう」と言われているわけです。「この半分を好きに使おう」という新しい政党を作れば良いと私は思っています。深田さんが作って、河合悠祐氏(埼玉県戸田市会議員)と組めば、いかがですか?

(深田)

それは…(笑)

(海老原)

私は河合氏のことを確信犯だと思っています。頭が非常に良いです。

(深田)

そうでしょうね。

(海老原)

河合氏のYouTube動画を見て、面白かったことがあります。彼はクルド人のことをものすごく批判しています。ある時、クルド人を非難する男性を連れてきたのです。その人は町の不動産業者で、その町のキーマンでもあり、フィクサーのような雰囲気がありました。その人が「クルド人はこういう手口で悪いことをたくさんやるんだ」という話をするのです。

実は、クルド人の20倍ぐらい中国人はいるのですが、その男性が途中から中国人の話を始めました。すると、中国人をベタ褒めするのですよ。

(深田)

その男性がですか?

(海老原)

そうです。例えば「中国人は、昔はゴミ出しがものすごく汚かったけれども、今はそういうことをすると嫌われるから、昔からいた中国人が教育して、新しく入ってくる中国人は絶対そういうことをしないので、すごく良くなっています。皆に愛されている中国人です」ということを言っているわけですよ。このような人を自分のチャンネルに出してしまうのです。

河合氏は(中国を強く非難している)平野雨龍さんと一緒に活動しているような人です。ですから「この人は面白いな」と私は思いました。

(深田)

なるほど…不思議ですよね。クルド人のことは批判するのに、中国人のことは褒める。そのロジックがよく分かりません。

(海老原)

私は理由が分かりました。

(深田)

なぜですか?

(海老原)

彼は浙江財閥からかなりお金を投入されていると思います(笑)。

(深田)

そこですか(笑)。

(海老原)

それで骨抜きにされていると思います(笑)。

今日のテーマの話を続けますね。私は、小泉進次郎氏とは仲がいいですし、男惚れするくらい好きなのです。

(深田)

本当ですか?

(海老原)

ただ、今回は総理大臣にならないでほしいと思っています。

(深田)

なぜですか?

(海老原)

衆参両院で過半数が割れて上手くいかない状況で、トランプ関税の影響で来年は深刻な不況になってリーマンショックのようになるかもしれないからです。ホープと言われ続けてきたのに、総理大臣なったら1年で終わりますよ。

(深田)

では、誰がなりそうですか?

(海老原)

私が考えているのは「高市氏が首相になって、昔からの保守派を全部集めて、1回大きな失敗をしてくれたら良いな」というのが1つ目です。

2つ目は、あえて戦略的に小泉さんが降りることもあるのではないかということです。父親の小泉純一郎氏は、進次郎氏が総裁選に出ることを前回初めて許したそうです。

(深田)

そうですよね。

(海老原)

だから進次郎氏は父親に頭が上がりません。(総裁選に)出たときに面白かったのは、みんなが取材で小泉純一郎氏にインタビューした時です。料亭から出て車に乗る際に「どうしてですか?」と聞かれて「出るの?今、出ない方がいいのにね。バカだね」と言って、ドアをと閉じたのですよ。

(深田)

そう言いましたよね!

(海老原)

今回も全く同じだと思うのです。もし今回も出たら「バカだね」となるでしょう。前回は「試しに1回くらい出たらいいのではないか」今回は「出ない方が良いのではないか」と純一郎氏は言っていると思います。

私の読みはこうです。勝手な空想で、今までこんなことを言っている人は1人もいません。林芳正官房長官は石破氏の後継なので、前回石破氏に投票した人は林氏に投票しやすい環境です。そして、林氏に進次郎氏が乗るなら、旧岸田派も含めて林氏で一本化できると思っています。

この流れができると極右に傾いていき、参政党と連立をすれば、公明党は逃げていくと思うのです。

(深田)

もちろんそうですよね。

(海老原)

また、進次郎氏は党三役を一度も経験していませんし、官房長官もやっていません。その状態で総理大臣をやるのはおかしいです。そう考えると、林氏を推すことは充分あると思っています。

(深田)

ニュースでも「幹事長のポジションを出すのではないか」と言われています。

(海老原)

石破氏がそう言っていましたよね。でも「その話には乗らないよ」ということを菅義偉元首相と(9月6日に)話に行ったわけですよね。「私は幹事長にはならない。それよりも、もっと(辞任を)本気で考えてください」と、説得したのだと思います。説得しておいて自分が出ることはないと思います。

そういう意味で言うと、今回は「進次郎氏が降りる」というのが一番のサプライズになるのではないかと思います。

(深田)

ああ!そして高市氏と林氏の対決になる。そして、自民党は「公明党を取るか、参政党を取るか」でそろばんを弾き出すわけですか? 

(海老原)

もしくは、高市氏が丸く柔らかくなって、公明党との連立はそのままで、国民民主が付くかでしょうね。

(深田)

なるほど!

(海老原)

しかし、一番のサプライズは、小泉進次郎氏が立候補しないことだと思います。

(深田)

面白いですね。今回は雇用ジャーナリストの海老原嗣生先生に、特別に政治を語っていただきました。次回もお楽しみに!

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