日本はすでに移民大国!92万人の永住外国人が語る日本の現実とは? 浅川晃広氏 #450

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【目次】
00:00 1.オープニング
00:37 2.日本に居る外国人の4つの分類
01:54 3.日本に居る外国人の統計値
05:54 4.体感的には外国人が増えた
13:40 5.人身売買ブローカーの暗躍
16:36 6.闇バイト・裏稼業が増えている

(深田)
みなさん、こんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。
今回は行政書士の浅川晃広先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。

(浅川)
よろしくお願いします。

(深田)
先生には、これまで入管の問題についてお話をいただいてきました。今回は、日本はすでに移民大国であるという現実についてお話しいただきたいです。

(浅川)
以前の収録で、外国人には4つの類型があるとお伝えしました。改めて整理します。
第1に訪日外国人、つまり90日以内滞在のインバウンドの人々。
第2は在留外国人で、期限付きの就労ビザや就学ビザなどで滞在する人々。
第3が永住外国人、在留外国人の中で永住権が認められた人々。
第4に不法滞在の外国人。
この四つです。仮に『移民』という言葉を使うのであれば、私は永住外国人を指すのが適切ではないかと考えています。
アメリカの移民法では、ノンイミグラント・ビザ(Non-Immigrant Visa、非移民ビザ)とイミグラント・ビザ(Immigrant Visa、移民ビザ)があり、イミグラント・ビザは日本でいう永住許可に相当します。私の定義では『移民』とは永住許可を得た外国人のことです。
統計では、令和6年末時点で永住許可を受けた在留外国人は91万8116人、約92万人です。在留資格別で見ると永住者が最も多いのです。次に多いのが技能実習生で46万人、その次が留学生で40万人です。

(深田)
技能実習生が46万人、留学生は40万人もいるのですか⁉

(浅川)
そうです。そして永住許可については、年間でおおよそ3万人前後が新たに許可されているようです。この数は人により受け止め方が異なりますが、永住外国人を移民と呼ぶのであれば、統計上は92万人もの移民がいるということです。

(深田)
そうですね。アメリカではドキュメンテッド・イミグラント(Documented Immigrant)、すなわち正式な書類を持つ移民とアンドキュメンテッド・イミグラント(Undocumented Immigrant)、書類を持たない不法移民といった区分があります。最近では左派が「イリーガル(illegal、不法)という呼称をやめろ」と運動しており、新しい表現が生まれています。
日本国民が大きな問題と感じているのは、正規の許可を得ていない人々が何者なのか、という点ではないでしょうか。

(浅川)
なるほど、そうですね。

(深田)
正規の許可を得ている人だけでも多いと感じていて、技能実習生や留学生についても同様です。彼らは5年以上日本に滞在すれば、自動的に帰化要件を満たすことになります。

(浅川)
ただし、以前にも申し上げましたが、要件を満たしていても必ず許可されるとは限りません。

(深田)
帰化のハードルは高いのですか?

(浅川)
そこがなかなか難しいところで、実際にどういう運用をしているのかはブラックボックスとなっていて、外からは見えないのです。

(深田)
見えないのですか?

(浅川)
はい、よく分からないですね。実務を担当している行政書士などに詳しく聞けば分かるのかもしれませんが、私自身はお客様の帰化申請を扱ったことがありません。

(深田)
そうなのですね。

(浅川)
不法残留者についてお話しします。合法的に入国したものの、期限切れのまま居残っている人が、令和7年1月1日時点で7万4863人います。
これは深田さんも覚えておられるかもしれませんが、かつてイラン人によるテレホンカード偽造事件や、代々木公園への蝟集(いしゅう)の問題がありました。平成5年(1993年)には最大で29万8000人もの不法滞在者がいたのです。このとき政府は「不法滞在半減計画」を打ち出し、とにかく摘発を強化しました。

(深田)
かつてはしっかり取り締まっていた時期があったのですね。

(浅川)
そうです。実際、その取り組みで減少しました。しかし、近年はやや増加傾向にあります。とはいえ、30万人の時代に比べれば大きく減少しています。もちろん少しでも減らす努力は必要ですが、現状は今年1月1日時点で約7万5000人の不法残留者がいるということです。

(深田)
平成5年(1993年)と比べれば減っているのですね。一方で、体感としては“外国人だらけ”と思うのです。

(浅川)
問題はそこなのです。私は職業柄、例えばコンビニで働く外国人を見ると「この人の在留資格は何だろう?」と考えてしまうのです。おそらく留学生のアルバイトだと思うのですが、外から見ただけでは分かりません。「ここでこういう仕事をしているから、こういう資格だろう」と推測するしかありません。しかし、不法残留者がレジに立っている可能性もゼロではない。もちろん、雇用側も在留カードを確認しているはずで、実際には考えにくいでしょう。

(深田)
さすがにコンビニの場合は在留許可を持っている人でしょう。労働基準法に基づいて給料を支払い、税金も納めなければなりませんから。不法残留者が働いているとすれば、身内の中での白タクや、解体業者での現金払いといった形ではないでしょうか。

(浅川)
その可能性はあると思います。現在アメリカのトランプ政権が行っているのは、不法移民が約2000万人もいるので、とにかく不法移民の送還を徹底しているのです。これは滞在許可がないので、非常に分かりやすい対応です。
日本で同じことを行う場合、追い出す対象となるのは約7万5000人程度です。したがって、人口でアメリカと比較すれば、日本の不法残留者数は相対的に少ないです。もちろん、この数字を肯定的に評価しているのではありません。ゼロに近づける努力は当然必要です。

(深田)
この不法残留者の中には、難民申請をしている人も含まれるのですか?

(浅川)
含まれる場合もあれば、含まれない場合もあります。

(深田)
含まれない場合はどこに分類されるのですか?

(浅川)
その場合は特定活動だと思われるので、在留外国人の枠内に含まれることになります。ただし、その人たちが本当の意味での在留外国人かと言えば、そこはやや微妙です。合法的な在留資格を持ちながら難民申請中の人が何人いるのかという統計は公開されていないため、実態が分かりにくいのです。

(深田)
確かに微妙ですね。結局、大量の外国人が日本に入ってきた際に、日本人が感じるストレスや摩擦というものは、不法残留者の数だけではなく、別の要因からも生じているということですね。

(浅川)
そうだと思います。むしろ私自身もそうですが、インバウンドの人々が多数来日することに伴い、日常生活の中でストレスを感じることの方が大きいのではないでしょうか。

(深田)
インバウンドの数は年間2000万人(※1)でしたか?

(浅川)
そう言われていますね。

(深田)
そうすると、日本の人口の2割弱に相当しますね。

(※1)令和6年の訪日外国人数(出入国在留管理庁)
外国人入国者等の総数:4,034万人=外国人入国者数3,678万+特例上陸許可外国人356万
平成27年に2000万人を超えた。

(浅川)
今朝、私は品川のホテルを出て浅草線で日本橋まで移動したのですが、おそらく羽田空港から来た電車で、多くの外国人が乗っていました。もちろん短期滞在の訪日外国人なので、入管法的には全く問題はありません。しかし体感的には、朝のラッシュ時に大きな荷物を抱えている姿を見ると、どうしても生活上の摩擦を感じる場面はあります。

(深田)
電車の中でスピーカーホン通話をしている人も見かけます。日本人の感覚では、人前で相手との会話を丸聞こえにするのは信じられないことです。

(浅川)
確かにそうですね。ただ、海外では電車内で平気で会話するのが一般的です。オーストラリアに行ったときも、そのような光景をよく見かけました。

(深田)
日本人は子どもの頃から「お口にチャック、人前では騒いではいけません。走ってはいけません」などと躾けられて育ち『公共空間では静かにする』というマナーが当然と考えます。しかし、別の文化圏から来た大人がそのルールを気にせず破っているのを見ると、どうしても「公共の場なのだからマナーを守ってほしい」と感じます。その異なるマナー同士が衝突すると、ストレスを覚えるのです。

(浅川)
さらに統計的に見れば数は少なくても、特定の地域に集中することで社会的なインパクトが大きくなる問題もあります。埼玉県川口市の事例などがその典型です。

(深田)
なるほど。地域によって比率が一気に高まるということですね。

(浅川)
そのとおりです。

(深田)
確かにそうですね。川口市やその隣の蕨市の辺りは、中国人やクルド人が多いですね。そうなると、やはりかなり混沌とした状況に見えます。以前は中国人が公園でスズメを捕まえて食べていたり、最近ではセミを捕って食べていたりする、という話も耳にします。一応美味しいらしいのですが。知り合いの中国人から「日本にはスズメがたくさんいるのに、なぜ日本人は食べないのか?美味しそうなのに」と言われたときには驚きました。やはり文化の違いを感じる瞬間です。
私は『除草ヤギ』が好きなのですが、最近では川辺で雑草を食べさせるためにヤギを飼っている人たちがいます。とても可愛らしいのですが、ベトナム人が「美味しそう」と思って持ち去り、食べてしまうこともあると聞きました。また、知り合いの農家が鶏を飼い始め、数が20羽にまで増えたものの、ある日突然すべて盗まれてしまったという出来事もありました。
こうした話を聞くと『外国人がこれ以上増えたら農産物や無人販売所の野菜が盗まれるのではないか』と不安に思ってしまいます。道徳観のすり合わせは本当に難しいと感じます。
逆にシンガポールのように厳格に管理している国もあります。唾を吐けば罰金、タバコのポイ捨ても罰金、妊娠すれば強制送還といった具合です。「そこまで徹底してくれればいいのに」と思うこともあります。

(浅川)
日本人は「言わなくても分かるよね」という暗黙の了解で社会を成り立たせてきました。しかし、そうした感覚を持たない人が入ってくると、結局はルールを明文化して徹底するしかありません。ゴミの出し方は典型的で、説明をするしかないのです。日常生活上の問題と制度的な問題は、混同せず議論する必要があると思います。

(深田)
先生に一つ伺いたいのですが、人身売買のブローカーのような存在は実際にあるのでしょうか?

(浅川)
その点について、私は具体的な情報を持ち合わせていません。正直に申し上げると分からない、というのが答えです。

(深田)
昔シンガポールに滞在していたとき、ホームステイ先にメイドがいて、その人は月に20ドルしか給料をもらっていませんでした。どういうことか尋ねると、フィリピンからシンガポールに出稼ぎに来る際に「月に何十万円もらえる」という話を信じ、保証金を積んで業者に渡したそうです。ところが、実際に働き始めると月に20ドルしか支払われず、パスポートも取り上げられ、帰国もできないし家族とも連絡が取れない状況だったのです。大使館に相談してはどうかと勧めても、「マフィアとつながっているから、相談すればどうなるか分からない」と言われたそうです。あまりにも深刻で、私も相談に乗りきれませんでした。
最近ではアメリカの空港のトイレに、「あなたはパスポートを持っていますか」「自分の手元にありますか」「不当に安い賃金で働かされていませんか」「強制労働させられていませんか」といった張り紙が必ず掲示されています。こうしたことが日本でも起きていないのか、私は非常に心配しています。

(浅川)
私も確かなことは分かりませんが、起こっている可能性はあると思います。

(深田)
そうですよね。技能実習生として日本に来た人たちが逃げ出すという話もよく聞きます。彼らが逃げ出す要因は何なのでしょうか?

(浅川)
特定技能制度が見直された際に行われた調査で、逃げ出した人にアンケートを取った結果があります。その回答で最も多かったのは「より高い賃金を求めて」という理由でした。

(深田)
単なる転職のようなものなのですか?それは、元々の賃金が違法に低かったのではないのですか?

(浅川)
違法に低いわけではなく、単純にもっと稼ぎたいという理由が多かったようです。

(深田)
資本主義的な理由なのですね。

(浅川)
そうです。彼らのモチベーションは非常に明確で、「日本に来て少しでも現金を残し、それを送金すれば本国では得られない大金になる」という考え方です。合理的な判断として「ある程度の賃金で技能実習を続けるより、そこから抜けて、より稼げる仕事に就いた方がよい」という結論に至るのです。中には、太陽光発電のケーブルを○○するというような、怪しい仕事でお金を稼ぐケースもあります。もちろん、それが認められるわけではありませんが、彼らなりの合理性はあるのです。

(深田)
彼らの合理性の中で行動しているのですね。

(浅川)
そうです。「もっと効率的に稼ぎたい」という動機です。今の日本人の若者が闇バイトに手を出す感覚に近いかもしれません。

(深田)
闇バイトをする人たちのことを私は最初、騙された被害者なのかと思っていました。ところが、意外と情報通な人も多いのです。以前、政治家の資金パーティーで若い男性と話したことがありました。「若いのにこんな場によく来ましたね」と声をかけると、「昔、闇バイトをして捕まったことがあります」と言うのです。母子家庭で学費が足りず、バイトに応募したら実は闇バイトだったと。最初は「騙されたのか、かわいそうだな」と思いましたが、その後彼は「今は資金洗浄の仕事をしています」と話していました。「ああ、全然被害者ではない」と気づき、同情した自分が愚かでした。外国人で逃げ出す人たちも、同じように情報に精通しているのでしょうね。

(浅川)
そうですね。彼らは本当に強かです。これは難民申請者から間接的に聞いた話ですが、最初は首都圏に来ていたそうです。しかし、飲食業ぐらいしか仕事がなく生活費も高い。ところが東海地方に行けば自動車関連の工場で働ける。しかも賃金は高く、生活費も安い。だから「こちらに来ました」ということでした。私は「なるほど、合理的だな」と思いました。

(深田)
日本人だったら「東京に残りたい」と考えるところですが。

(浅川)
彼らは「お金を稼ぐために来ている」ので判断が合理的なのです。賃金が高く生活費が安い場所を選ぶのは当然のことです。だから東海地方に移り、自動車工場で働くという話を聞きました。

(深田)
確かに、外国人と話すと「日本の田舎は住みやすくて安い」と言う人が多いですね。

(浅川)
やはり家賃が安いのは大きいです。左側の人はそのような外国人を被害者に仕立てようとしますが、実際には彼らは戦略的に動いています。自らの合理性に基づいて行動しているのです。

(深田)
しかも彼らは情報通で、マニュアルが出回っている雰囲気があります。

(浅川)
内部のネットワークの強さ、情報拡散力、情報交換の力は驚くほどです。

(深田)
コミュニティが強いのですね。

(浅川)
そうです。だから制度の隙を突くのが非常に上手い。

(深田)
日本人はそうしたコミュニティ力が弱いので負けている気がします。

(浅川)
そう思います。制度の隙を突かれた場合には、そのバグを迅速に修正していくしかありません。

(深田)
そうですね。技能実習制度にしても、逃げ出した場合には受け入れ企業が責任を取らなければならないなど、何らかの抑制機能が必要だと思います。
今回は行政書士の浅川晃広先生に「移民大国日本の現実」についてお話を伺いました。先生、ありがとうございました。

(浅川)
ありがとうございました。

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