#425 日本経済沈没の根源「消費税」導入に隠されたグローバリストの謀略とは? 稲村公望氏

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は元日本郵便副会長の稲村公望さんにお越しいただきました。稲村さん、よろしくお願いします。

(稲村)

よろしくお願いします。

(深田)

先生は先日『稲村公望の気炎万丈』というコラムで「消費税は廃止せよ」と主張されていました。

(稲村)

そうですね。消費税というのは非常に大きな制度です。もともとは所得税や企業の負担を軽くするということで導入されたと思います。

トランプ政権が今度の日米交渉の中で「消費税を廃止しろ」と言いました。その理由は消費税が輸出促進進税制になっているからなのです。消費税は、日本から輸出する自動車などの製品を応援するための税制ではないかと考えています。トランプ政権がそれを言ったことは本当に図星だと思うのです。

戦後、日本企業は意図的にダンピングをしました。日本国内では高く売って、外国に輸出する時には安く売ったのです。

(深田)

へー!

(稲村)

それは当時の通産省の政策でした。相手国からダンピングだと言われてトラブルになったこともいくつもあります。輸出促進税制はある意味でダンピングです。だから、トランプ政権が「それはおかしい、公平にしろ」と言ったのです。その時すぐに「あなたの言っていることは正しい。受け入れます」と言ったら、関税がもう少し交渉の対象になったと思います。

日本は片方で交渉すると、片方で綱引きができないのです。英語で「ディール」と言いますが、単なる取引ではありません。自分が得になるように、どこで引っ込め、どこで出すのか、往来があるのがディールなのです。日本人にはそれがよく分かりません。名前は言いませんが、今度、アメリカに交渉に行かれた政治家も、全く分かっていないのではないかと思います。ディールために消費税の問題を交渉材料に使えばよかったのです。

もう一つ申し上げます。消費税は、消費者が負担しているというのも問題なのですが、実は『非正規労働を導入するための謀略の仕掛け』が入っていたということはあまり知られていません。

(深田)

それはどういうからくりなのでしょうか?

(稲村)

消費税は、非正規労働者の雇用を増やすと税金を負ける(安くする)という制度になっているのです。

(深田)

非正規労働者は消費税の税額控除の対象になるけれども、正規社員は税額控除の対象にならないということですか?

(稲村)

分かりやすく言えばそういうことです。消費税の仕掛けはあまりよく知られていません。消費者がスーパーでの買い物をする時に消費税を安くすればよいといういう話ではありません。

非正規労働者を雇えば雇うほど、払う税金が少なくなるので、大企業が競って非正規労働の会社を作りました。有名なのは“パソナ”という会社で、そういう会社が儲かったのです。消費税は非正規労働や特定の輸出企業を応援する制度ですから、全部やめた方がいいし、日米関係のためにもいいのではないかと思います。

税金を負けてもらったものをダンピングして売るのは不公正です。日本車が売れているのは、ハンドルを右側にするとか左側にするとか、お客様のために便利だというのが理由です。他に悪い理由があれば、それをやめて「公正な貿易は何か」という議論をした方がいいのではないですか。そうすれば、アメリカにも「日本で売る車は右ハンドルにしてください」とか「シートベルトをきちんとしてください。日本人は体が小さいからそれに合わせて作ってください」と言えるのです。

そういう議論をせずに、日本は輸出促進税制を進めるので「それは不公平だ」と言われても「はい、そうです」と言うしかなくなります。貿易は公平にやらないといけません。ギブアンドテイクですから、お互いが儲からないといけないのです。片方が儲かって、片方だけが損するというのは良くないです。

(深田)

むしろ、中小企業だけが損をして大企業だけが潤っているという構造になっていますよね。

(稲村)

今、移民が問題になっていますが、移民にまともに賃金を支払えば、日本の悪口を言う人は少なくなります。ところが、自動車会社の下請け関係の人に聞くと、実態はものすごく安く叩いているところがあります。彼らは日本に何年かいて、腕が上がっても給料が上がりません。したがって、彼らは搾取されていることがよくわかるのです。だから、日本が嫌いになって帰ってしまうのです。

(深田)

そうなると思います。時給数百円で長時間労働させられているのですよね。

(稲村)

もう一つ問題があって、彼らの給料が安いので日本人はもっと安くなるのです。日本人の賃金を安くして、安く働かされている外国人もいます。コロナの時でしたが、永田町のコンビニで外国人が働いていて、私は「あなた大変ね、うちに帰りたいでしょう?心配だから」と言ったら、私にビール瓶を投げようとしました。

私は、その国の価値観で同情されるのを嫌います。しかし、私は本当に同情しました。彼らは金を借りて日本に来ています。ブローカーがいて、金を返せないから早く帰るわけにもいかないのです。

(深田)

アメリカでは空港のお手洗いのドアに『あなたはきちんと自分でパスポートを持っていますか?誰かに持たれていませんか?あなたは安い賃金で労働を強制されていませんか?1日何時間以上働かされていませんか?脅されていませんか?』と、必ず張り紙があるのです。『もし奴隷労働をさせられているのであれば、ここに連絡してください』と救済策の電話番号があるのです。

しかし、日本は世界中の人に奴隷労働を強いている面があるのに、救済策は全く打ち出していませんよね。

(稲村)

だから日本が嫌いになって帰る人がたくさんいるのです。

日本の習慣を知らない外国人がいます。ある中南米から来たと思われる女性がサンドイッチを食べて、紙くずをその辺に捨てたので「それはだめです。あなたの国ではいいかもしれないけど、日本ではだめです」と注意しました。私たちは外国人に対して『日本とはどういう国なのか』ということをきちんと説明し、従えとまでは言いませんが、尊敬してほしいのです。

私はアメリカに行けばアメリカの習慣を尊敬します。そうでなければ平和は守れません。「俺たちが一番だ」となると大変です。ですから、日本の習慣を尊敬する人だけを入れるのです。

名古屋の居酒屋に行ったのですが、そこは経営者が外国人でした。中で働いていた人に「どうですか?」と英語で聞くと「低賃金労働で、日本語も勉強できないし、何もできない。こんな国に来なければよかった」と言われました。

(深田)

パスポートを取り上げられ、強制労働状態になって、しかも日本語も分からない人たちの中には逃げ出す人もいますよね。

(稲村)

国内で逃亡した人がどれくらいの数なのか把握できていないのではないですか。

(深田)

移民労働者が逃げ出した事業者に対しては、きちんと懲罰を与えないといけないと思います。

(稲村)

安易に入国管理法(出入国管理及び難民認定法)を変えてしまったから、そうなったのです。今回の参議院選挙でも大きな話題になりましたが、どうすればよいのか具体策は出ていませんが、答えは簡単です。他の国でもいろいろな例があり、トランプ政権にどうすればいいのか聞けばよいだけの話です。

(深田)

外国人問題と言われていますが、基本的には日本政府の問題ですよね。

(稲村)

そうです。私たち日本の問題であって、外国人で貧乏な人は、どこ国の行ってどうすれば飯が食えるのかと必死なのです。本当は難民ではないのに難民だと偽って来る人もいます。彼らは命がけで来ていますが、それを受け入れるかどうかは私たちが主体的に判断すべきで、単に安いから来てくださいというのは間違いだと思います。私たちは「お互い尊敬し合える関係を作りたいから来てください」と言うことが大事なのです

(深田)

アメリカでは移民政策で不法移民を取り締まり、強制送還が始まっていますが、いろいろなな誤謬が発生しています。

(稲村)

それはそうです。

(深田)

アメリカ人が困っているのは、ギャング化した不法移民たちの存在に脅かされていることです。

(稲村)

そうですね。合成ドラッグなどもそうです。

(深田)

ところが、政府がそのギャングを取り締まろうとすると、彼らは武装しているので、激しく戦って無理やり捕まえるよりも、農場の大人しい低賃金の移民を集めて強制送還する方が数字上は成果が上がるのです。そうすると農家は労働力が足りなくなる一方で、都市部でドラッグディーラーをやっているギャングがのさばり続けるという本末転倒な状態になっています。

(稲村)

日本の農業も、農家を痛めつけておいて、外国人労働者を入れるので、外国人労働者は不満になる。その不満がだんだん積み重なって、日本の中で分断しているのではないかと想像しています。

(深田)

本当にそういう問題が出てきそうですよね。

(稲村)

消費税の問題に戻ると、5%減らすなどというのではなく、全部減らす、廃止です。少し前の物品税(※1)の時代のように、お金持ちからたくさん取るのです。お金持ちが「私たちはお金があるから税金を払うのが素晴らしい」と思えるようにすればよいのです。

※1 物品税:1940年に制定された物品税法により、奢侈品や嗜好品が課税対象となっていたが、1989年4月1日の消費税法施行に伴い廃止された。

(深田)

物品税という名前ではなく「チャリティ税」にしたらいいと思います。

(稲村)

チャリティならば、お金持ちがお恵み(寄付)をするような印象になります。

(深田)

例えば、ロレックスの時計など高級ブランド品や高級車を買うと、20%とか30%の税金をいただく。それを物品税や贅沢税ではなく『チャリティ税』と言うのです。そうすれば、お金持ちは「俺はこれからチャリティに行ってくる」と胸を張って買い物ができます。

(稲村)

「今日のナンバーワンの納税者はこの方です。拍手!」というのは、おもしろいですね(笑)

(深田)

「ポルシェを買い上げになったこの人は30億円の納税者です」とか、そんなに高くはないですか(笑)

(稲村)

単にお恵みではなく、お金持ちが当然、税金をたくさん払うというのは立派なことなのです。累進課税のことも書きましたが、これもよい税制です。お金持ちがたくさん払い、大きな会社がたくさん払う。今、大企業は税金の専門家が社外重役で来て「節税だ」と、税金を払わないのが優れているという価値観になっていますが、それをやめないといけません。

例えば大金持ちになったら、どこかにミュージアムを作るとか劇場を作るとか、ある種のドネーション(寄贈)をするのですね。しかし、日本にはそういうファウンデーション(基盤)がありません。日本で突然大金持ちになった新興財閥の人もいますが、そういう人が学校や美術館、博物館を作ったという話は聞きません。銭ゲバ(金の亡者)ばかりです。

(深田)

日本は美術館も学校も余るぐらいありますから、子供食堂ぐらいしかやることないのではありませんか?

(稲村)

しかし、子供食堂をどんどん作ろうという人はいないですよね。大企業で子供食堂に献金した話は聞かないです。

(深田)

今回は元日本郵便副会長の稲村公望さんに、消費税から移民の話まで幅広くお話をいただきました。どうもありがとうございました。

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