#419 元府議会議員が決死の告発「腐敗で自民内部崩壊」衝撃の真相とは!? 二之湯真士氏
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、元京都府議会議員の二之湯真士さんにお越しいただきました。二之湯先生、よろしくお願いします。
選挙お疲れさまでした。なかなか検討されましたね。
(二之湯)
どうもありがとうございました。2度も応援していただきありがとうございました。
(深田)
無所属で5万5千票は凄くないですか?
(二之湯)
自分でどう評価して良いのか迷うところですが、一応4.7%の得票でした。すぐ上の「れいわ新選組」がだいたい5%なので「国政政党並み」という結果でした。
(深田)
1人で「国政政党並み」にまで行けたのは凄いと思います。演説もお上手ですし、ルックスもきれいなので、候補者として凄く良いと私は思いました。
(二之湯)
ありがとうございます。
(深田)
でも、残念だったのは「ステルス自民」と疑われたことですよね。
(二之湯)
そうですね。元自民党議員であり、辞めた理由が「京都市長選挙に出るため」でした。その後、当時の府連会長の西田(昌司)氏に除名されたということで、自民党の方からの同情も多少あったので、そういう風に思われたのかもしれません。
でも、おかしいですよね。そもそも「ステルス自民」とは「自民党が応援しているのに、裏金の問題などで看板を付けられないから無所属で出る」というものなので、僕は全然違います。でも雰囲気で「ステルス」と言われました。
(深田)
元自民党議員として、今後の自民党はどうなると思いますか?石破氏のままで行くのか、高市氏になるのか、小泉氏になるのか、何か予測はありますか?
(二之湯)
予測ですか…。誰が首相になっても、自民党はもう元には戻らないだろうと思っています。
(深田)
私も同感です。誰が首相になったとしても、右寄りの議員が首相になれば左に偏り、左寄りの人が首相になれば右に偏って、結局いつもの「増税自民党」になる。これがパターンですよね。
(二之湯)
そうだと思います。京都選挙区で西田氏が辛勝されましたが、その後、西田氏が「石破退陣論」をぶち上げて、ご自身のYouTubeでも語っておられました。
石破氏の気持ちを推し量ると、「『裏金』の問題などで今自民党が批判されているのは、自分の責任ではない」と思っておられると思います。
そして、西田氏が面白いのは「『裏金』も『新幹線問題』も『ひめゆり発言』も真意が伝わっていないだけで、私も無実の3重苦に苦しんだ」とおっしゃっていたことです。
(深田)
ヤバい人ですね。
(二之湯)
更に、石破氏と自分の違いについて「石破さんは国会議員に見放されているが、自分は地方議員から“頑張れ”と言われて当選した。国会議員に見放された石破さんは辞めた方がいい」といった趣旨の発言もされていました。
(深田)
いやいや、石破氏を支えているのは地方議員ですよ。
(二之湯)
僕もそこで気が付いたのですが、もうこれは修復不可能なくらいの溝が出来ているのではないかということです。
(深田)
自民党内の右派と左派の間には凄い溝がありますね。
(二之湯)
おそらく国民から見たら、石破氏も西田氏も、どちらもズレてるように見えていると思います。全然、国民の真意を汲み取っていません。
(深田)
この国の政治は、国民の真意とは関係なく進んで行くのです。
(二之湯)
そのことを私は本当に強く実感しました。
(深田)
「未だに派閥争いをしているの?」と思います。
(二之湯)
そうですよね。あれだけ派閥が批判されて解消されたはずなのに。
(深田)
「旧安倍派」「旧茂木派」に加えて、まだ現存する「麻生派」の麻生氏も出てきて、「石破、許さねえ」みたいな感じになって、引きずり下ろそうとしています。
(二之湯)
また、そのように報じられる事に対して違和感がないのでしょうね。
(深田)
恥ずかしくないのでしょうか?
(二之湯)
恥ずかしくないのでしょうね。いずれにしても、党内の分断を呑み込めるような大物がいないのです。そして国民との乖離があります。
特に今回の選挙結果を見ても、おそらく全国的に高齢者の方が自民党を主に支持して投票されたと思われます。高齢者の方は「自分たちが若い頃に業界や地域で自民党にお世話になった」「(あの頃は)良かった」という幻影を信じたまま、ずっと自民党を支持しておられる人が多いのではないかと感じます。
(深田)
確かに、昔ほど自民党は役に立っていないですよね。
(二之湯)
そう思います。萌絵さんがご自身で「非正規雇用」の体験をされたのも、自民党政治の中でしたからね。
(深田)
そうですね。
(深田)
安倍政権時代に一時的に若者の就職状況が良くなり、支持された時期もありました。しかし、長らく自民党政治の中で「失われた30年」が続いたため、その世代は「自民党に特別に世話になった」という感覚がないと思います。
(深田)
全くありませんね。「自民党に人生を破壊された」とさえ思っています。
(二之湯)
ですから、自民党は「これからの政党」ではないと思います。自民党には今の混乱を掌握できるボスがいませんし、現在の小選挙区制のままではそのようなボスは生まれて来ないでしょう。
(深田)
これも小選挙区制の問題なのですね。
(二之湯)
それもあると思いますし、そもそも国民感覚とズレていると思います。特に若い世代とズレていますから、再生は難しいだろうと思います。
(深田)
今の自民党の目玉の政策は「女子トイレの長蛇の列を解消します」というような事です。それは国政政党がやるべきことなのでしょうか?
(二之湯)
トランプ大統領と交渉をして来た一方で「トイレ」というのであれば、ピントはズレズレですよね。
(深田)
他にやる事がありますよね。
(二之湯)
例えばアメリカとの関係では、自民党が今まで築いてきた「対米従属」的な関係を今の自民党が盛り返せるのでしょうか?盛り返せないのであれば、それは国民にとって幸せでしょうか?
(深田)
結局、(今回の関税交渉の)80兆円投資も「対米従属」ですよね。しかも、投資先がソフトバンクの「クリスタルランドプロジェクト」です。ただの利権だと感じます。
(二之湯)
だから、誰が(首相に)なっても難しいのです。「誰がなるか」というのは競馬の予測みたいなもので、大きく見ればあまり関係ないと思います。
(深田)
誰が勝ってもいつもの自民党に戻るという事ですね。
(二之湯)
石破氏が首相を続けることで、自民党の体制が崩壊するのが早まるかも知れません。
(深田)
だから、私は石破氏をとても応援しています。彼のお陰で自民党は空中分解してくれるのではないかと。次の衆議院選挙まで続投して、1回惨敗して欲しいです。
(二之湯)
「石破氏が自民党総裁を解任されても総理であり続けて、国会が開催されたら解散する」という可能性も囁かれています。それも、ここまで来たら「無きにしも非ず」ですよね。
(深田)
(笑)
(二之湯)
それでも、実は自民党の個々の議員の能力は他の政党と比べても非常に高いと思います。
(深田)
同感です。
(二之湯)
自民党が本当に再生したらいいとも思います。
(深田)
そうですよね。
私は今回の選挙で「無所属連合」というスキームを推していました。それは「国会が正常化するには、もっと闊達な意見が交わされて、極端な意見で引っ張らないといけない」と思っていたからです。但し「外交問題」や「防衛問題」を取り仕切るのは、自民党で長年与党として経験値を積んできた議員でないと出来ないと思っています。最近までOLや会社経営をやっていた人が仮に当選して議員になっても、「国防問題」や「外交問題」をやってはいけないと思います。
(二之湯)
その通りだと思います。
自民党が今までの延長線上で残った場合、その枠組みの中でもがき苦しむ優秀な人たちがいて、「本意ではない事をしなければならない」というのであれば、一旦自民党は崩壊した方がいいと思います。
(深田)
それならば「石破氏支持」ですね?
(二之湯)
頑張っておられますよね。(苦笑)
実は私も過去に府議会の副議長を辞めさせられた事件がありました。
(深田)
西田昌司氏ですか?
(二之湯)
その系列の人たちです。あの時は結構あっさりと辞めたのです。ですが、石破総理の今の状況を見たら「あれだけ粘ったら粘れるのだな」と教えられました。議会や党の職などの公職は、基本的に「自分が辞める」と言わない限りはなかなか辞められません。ですから「私はあの時はまだ打たれ弱かったな」と思います。
(深田)
リスペクトですか?
(二之湯)
石破総理の粘りに感動しています。
(深田)
あの精神力は凄いですよね。毎日新聞や読売新聞が「石破首相、退陣表明」というような号外まで配っていましたからね。普通に否定されていましたが。
(二之湯)
どういう世界が見えているのかにも興味があります。
(深田)
ポジティブなのだと思います。
(二之湯)
そうですね。「ナルシストだ」と言う人もいます。
(深田)
自分を見てウットリするタイプではないと思います。パラレルワールドが見えているのだと思います。
(二之湯)
「自分の世界」が見えていて、そこでは自分が正しいということですよね。ある意味でそれは、政治の世界では非常に大事な事だとは思います。でも、余りにも自分の世界と周囲の世界がズレてくると「おっ?」と思われると思います。
(深田)
歴代の総理もそうでしたよね。決して国民の姿が見えていない気がします。今は「物価の上昇と賃金の上昇の好循環が発生している」と言っていますが、そんなものはありません。「スタグフレーション」ですよね。「現実逃避能力が凄いな」と思います。
決して石破政権だからそうなのではなくて、おそらく省庁も同じようなスタンスです。都合の悪いことは絶対に話しません。国会議員も都合の悪いことは絶対に言いません。批判する立場の時には批判しますが、自分が中心部に行くとパタっと言わなくなります。
(二之湯)
組織にはそれぞれが持っている論理があります。「あなたの意見は分かる。だけどこの村にはこの村の掟がある」と言われて、その村の掟に負けるのです。
(深田)
(二之湯氏は)自民党の府議会議員だったわけですが、「村の掟」の中で生きて来たわけですよね。
(二之湯)
そうです。私が副議長を辞めた事件の話をします。
コロナの時に、非常にチグハグな緊急経済対策が続きました。事業規模や業種・業態によらずに一律の給付金支援をしました。そのために、もの凄く潤った所がある一方で、全く(支援金が)足らずに廃業や倒産する事業者がありました。
そうしたことが問題として一般に認知された後に、京都府は「1事業所10万円」をやったのです。元々財政力が弱い中で、政府からのなけなしの交付金でそれをやったのです。しかも、西田氏の直系である当時の自民党の代表幹事が、議会で審議をしないまま「やろう」と言い出したのです。
さすがに「『政策について』と『議会のあり方について』に一石を投じてやろう」と思って、私は反対をしました。当時の予算委員長が私の兄貴分のような人だったので、事前に「私は反対します。後ろで見えにくいと思いますが、『おっ!反対がいるみたいですね!』とやって下さいね」とお願いしました。
反対をした後で、団長に「反対するのは共産党や」と言われました。
(深田)
どういうことですか?
(二之湯)
つまり、私たちは選挙で知事を選んでいるので、4年間は「白紙委任」みたいなものだと思っておられるのです。ですから「反対するのは共産党だ」というわけです。「君は村の掟を破った。私たちは仲間であれば徹底的に守るけれど、そのためには掟は守ってもらわないといけない」と言うのです。
(深田)
ヤクザじゃないですか!(笑)
だから「政党に投票しても無駄なのだ」という演説を私は全国津々浦々でして来ているのです。二之湯先生が自民党にいる限り、(有権者が)「この人は無駄遣いを止めてくれる」と思って投票しても、弾圧されてしまうわけですね?
(二之湯)
そうですね。「それは言ってはいけない。それをやるのであれば出て行け」となるわけです。これはあくまで京都府議会の例です。
(深田)
「フラクタル構造」(どこも同じ)ですよ。
(二之湯)
そうだと思います。
自民党はそういう状態なのですが、どこの議会に行っても同じ事柄についてほぼ同じ内容を言っているのが共産党と公明党です。しっかりした組織では「党としてこうだ」ということ以外は、地元の細かな課題については発言の自由はあるでしょうが、それ以外はなかなか難しいのではないかなと思います。
そう考えると、果たして議会の言論の自由はどこで担保されて、多様な住民の意思を反映しているのでしょうか。非常に疑問です。
(深田)
議会で意見を言ってはいけないのなら、意味があるのでしょうか?
(二之湯)
そういうことも含めて、私は京都市長選挙に出てみようと思って、地方議会を飛び出したところもあります。
自民党の話に戻ります。
小選挙区になって、国会でも衆議院は党幹部の顔色を窺っています。実質、参議院も選挙区が大きく、党が仕切る選挙です。そしてほとんどが、複数区といえども1人の公認だから、党になかなか逆らいにくいです。
地方議会でも、昔のように「無所属で勝って自民党に入る」という人は少ないです。「自民党の公認を貰わないと無理だ」というような人が多いです。
小さな市町村であれば、以前は無所属で出ると「地域や集落の代表」でした。ところが段々と市街化されていったので、かつてのような形で選ばれにくくなりました。すると、やはり党の公認や推薦で出る人が多くなって来ました。ですから、市町村議会でも党の意向や党幹部の顔色を窺う人が非常に増えています。
国から市町村に至るまで、全体主義的な傾向が濃くなって来たと思います。そういう状況では自浄作用は働きにくく、自由闊達な議論は起こりにくいと思います。
(深田)
意見を言わないことで10年、20年と過ごした人が「21年目に自分の意見を言うか」といえば無理だと思います。
しかも、自分の意見を言った人が全員粛清されるという「北朝鮮級」のことが起こっているわけですから、もう自浄作用はないと思います。
(二之湯)
そうですよね。だから一旦、自民党を中心に既存政党の解体をする必要がありそうですね。
(深田)
そのためには、石破氏にしがみついてもらって「右派が怒って(自民党を)割る」というシナリオしか無いですよね。
(二之湯)
同感です。
(深田)
今回、笹川(博義)氏が両院議員総会の署名の取りまとめ役をやった事についてどう思いますか?
(二之湯)
「オールド自民党」ですね。
(深田)
そうですね。未だに笹川一族が「自分たちがキングメーカーだ」と思っていて、「競艇法」という法律で決まっている通りに「船舶振興協会」からのお金が毎年2〜3%入って来て、自分たちは肥え太っています。「自分たちが首相を選ぶ」という利権と権力を持っていて、しかも自民党の中で工作活動をしていることは、もの凄く国民として迷惑ですよね。
(二之湯)
このあたりも「国民とのズレ」でしょうね。そうした事も含めて、まさに「戦後体制」から脱却するためには、政界の再編が不可欠だと思います。
(深田)
「戦後体制」から脱却するためには、「競艇法」を改正して「船舶振興協会」の売上を「日本財団」ではなくて違う所に使ったほうがいいと思います。能登半島の復興にお金を使うとかするべきだと思います。
(二之湯)
あれは極端な利権ですよね。
(深田)
もの凄い利権で、しかも、その人たちがバーベキューパーティーを開いて首相まで選んでいるとしたら、こんなにおかしい国はありません。我々が首相を選んでいないのです。これは絶対に脱却しなければなりません。
(二之湯)
そうですね。今が良いチャンスではないですか?
(深田)
良いチャンスですね。自民党を解体できるのは「デストロイヤー石破さん」しかいないと思って期待しています。
(二之湯)
何かを興すのは「よそ者」「若者」「馬鹿者」です。石破氏は「若者」ではありませんが、「出戻り組」なので自民党からしたら若干「よそ者」ですからね。また、この場合の「馬鹿者」とは「相場に合わない」という意味なので、新しい政治の地平を切り開くための好条件を備えておられると思います。
(深田)
破壊なくして創造なし。自民党を本当の意味でリストラクチャリング(再構築)して
いただきたいなと思っています。
今回は、元京都府議会議員の二之湯真士さんにご登壇いただきました。先生、どうもありがとうございました。