【大阪万博被害者の告発】マルタ館だけじゃない! 知事と癒着か? GLイベンツ未払い3億越えの真相とは? #394

【目次】
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。
今回は、大阪万博における未払い問題について、被害者の会の方にお越しいただきました。マルタ館に関わったBさん、そして私の隣には、維新・悪政と戦う橋口かずやさんにご同席いただいております。Bさん、橋口さん、本日はよろしくお願いいたします。
まず確認させていただきます。Bさんは今回、大阪万博において下請け工事を請け負っておられたという理解でよろしいでしょうか。
(B)
はい、その通りです。
(深田)
被害額についてですが、総額はどれくらいになりますか?
(B)
すでに裁判に持ち込んでいますが、訴状の中で示している金額は1億2,000万円です。
(深田)
それは、Bさんの会社1社で1億2,000万円の被害ということですね?
(B)
はい、そうです。とても自社だけで負担できる額ではありません。
(深田)
さらに、御社がその下請けの業者に対しても支払い義務を負っているわけですね?
(B)
そのとおりです。
(深田)
下請けにあたる会社は、何社くらいお抱えになっていますか?
(B)
すでに一部の支払いは進めておりますが、事情をご理解いただいたうえで、支払いをお待ちいただいている会社が3〜4社ほどあります。
(深田)
その工事に実際に従事された人数は、どれくらいになりますか? 数十人規模でしょうか?
(B)
いえ、それ以上です。100人は確実に超えています。
(深田)
では、100人以上の方々が現在、報酬が支払われず困窮しているという状況にあるのですね?
(B)
はい。そのうちの一部には弊社からすでに支払いを行いましたが、未払いのまま同様の困難に直面している方々が約30人ほどおられます。
(深田)
資材費なども支払われていない状況ですか?
(B)
はい。未払いの中には、労務費はもちろん、資材費・材料費も含まれています。資材・材料費については弊社が一時的に立て替えています。ただ、労務費については負担が大きいため、一部の方々にはお待ちいただいている状況です。
(深田)
これはもう、人権問題ではないでしょうか?
(B)
まさにその通りです。
(深田)
給与未払いというのは、重大な問題です。
(B)
弊社の社員はもちろん、下請け業者の方々にも正当な給与が支払われない状況が続いており、深刻な困難に直面しています。
(深田)
マルタ館側から、元請け業者に対して「なぜ支払いがなされていないのか」といった話し合いは行われているのですか?
(B)
はい、行っています。実際に元請けとして業務を請け負ったのは、外資系企業です。
(深田)
また外資系ですか……。
(B)
社名は「GL events Japan」という会社です。
(深田)
またGL events Japanですか? 現在、他の館でも未払いの問題が出ていますよね?
(B)
ドイツ館とセルビア館では、あわせて3億4,000万円の未払いがあります。それぞれの館に関わった企業も複数あり、実際の被害総額はそれ以上になります。
(深田)
つまり、GL eventsだけで3億4,000万円の未払いがあり、それにマルタ館の分は含まれていないのですね?
(B)
はい、マルタ館の分は別です。
(深田)
ということは、マルタ館の1億2,000万円を加えると、すでに4億6,000万円に達しますね。
(B)
さらに、ルーマニア館でも1億3,000万円程度の未払いが発生しています。
(深田)
ですが、ルーマニア側の関係者へのインタビューを見たところ、「我々はすでに支払いを済ませており、何の問題もない」と明言されていました。その発言には、大変疑問を覚えました。
(B)
確かに、ルーマニア政府からの支払いは完了していると聞いています。マルタについても同様で、いずれも政府から元請けへの支払いは実行済みです。しかし、元請けから我々のような一次下請けへの支払いが行われていないのです。
(深田)
GL events Japanは、かなり悪質なのではないでしょうか?
(B)
そう思います。GL events Japanは世界的にも有名な企業であり、東京オリンピックにも関与していました。次回の名古屋のアジア大会にも関与することが決まっています。日本国内でも数多くのイベントを手掛けている企業ですが、まさかこのような形で日本のパビリオンで未払い問題が発生するとは想像もしていませんでした。なぜこのような事態になっているのか、本当に理解に苦しみます。
(深田)
次の名古屋でのイベントも、GL eventsが契約を結んでいるのですか?
(B)
はい、すでに契約が結ばれています。ですので、私たちと同様の被害を受ける企業が今後出ないよう、今この時点でしっかりと情報を発信していくことが必要だと考えています。
(深田)
被害総額は、ドイツ・セルビア・マルタ・ルーマニアだけで既に6億円に上っていますね。
(深田)
現在、この被害についてはどこかに訴えを起こされているのですか? 国や万博協会などに対して。
(B)
はい、現在「被害者の会」として被害の状況を共有しながら、大阪・関西万博協会や大阪府、さらには報道機関にもご協力をいただき、発信を行っております。まだ表面化していない被害企業も存在する可能性はありますが、現時点で手を挙げている企業だけでも、複数のパビリオンにおいて被害が生じていることが明らかになっています。
(深田)
現在、被害者の会には何社ほどが参加しているのでしょうか?
(B)
同じ元請け、つまりGL eventsからの未払いによる被害を受けている企業が6社ほど参加しています。これにさらに下請け企業などを含めれば、被害の規模は非常に大きなものになると考えられます。
(深田)
最終的には、被害額が10億円規模に達する可能性もあるのではないでしょうか。
(B)
その可能性はあると思います。私の知る限りでも、まだ他にも被害は存在しますし、声を上げていないパビリオンや被害者の方々がいる可能性は十分にあると考えています。今後、さらに被害が明らかになることもあり得るでしょう。
(深田)
そもそも、声を上げにくい状況があるのでしょうか。
(B)
はい。やはり元請けとの契約関係に縛られているため、「本当に自分たちが発信してよいのか」と迷うケースが多くあります。また、関係者は様々な困難を乗り越えて万博建設に携わってきました。その中で、国家プロジェクトに対して被害を訴えることが、自身への逆風となるのではないかと懸念しているのです。私たちも、当初はそういった不安を抱えていました。
(深田)
実際に声を上げてみて、非難されたりすることはありますか?
(B)
賛否両論のご意見やご指摘があるのは当然だと思っています。ただ、私たちは一切間違ったことをしていません。本当に精一杯努力してきました。それにもかかわらず、未払いという理不尽な問題に直面しているのです。この問題については、毅然とした態度で訴えていく必要があると感じています。努力が報われずに終わってしまうことは避けたいですし、最後には「声を上げてよかった」と思えるような結末にしたいと強く願っています。
(深田)
これはまさに、日本社会の闇を象徴する問題です。被害を訴えた側が「騒ぎを起こすな」と非難されるような構図が、まだ存在しています。
(B)
その通りです。実際に目には見えない圧力を感じることもあります。これだけ大規模な国家プロジェクトですから、そうしたものを肌で感じる場面は少なくありません。今もなお、そのような影響があると感じています。
(深田)
声を上げることで、新たな受注が難しくなるといった影響も出ているのでしょうか?
(B)
そうですね。企業としては、社会的な評判を重視しますので、たとえ自らに非がなくとも、こうした問題に関与していると見られるだけで「この会社は大丈夫なのか」と疑念を持たれ、「関わらない方が良いのでは」と判断されることがあります。いわゆる風評被害のリスクがあるため、企業としては非常に慎重にならざるを得ないのです。
(深田)
ですが、実際にお金を受け取れていないのはBさんの会社です。それにも関わらず、万博協会も大阪府も、まったく対応していないのですね?
(B)
はい。最初の段階から「これは民間同士のトラブルである」と、一切寄り添う姿勢を示していただけませんでした。
(深田)
ですが、最初に万博を呼びかけたのは吉村大阪府知事です。
橋口さん、この点についてどうお考えでしょうか。
(橋口)
これは、日本全体の建設業界に深刻な影響を及ぼす問題になると思います。万博は日本が誇る国家イベントです。その舞台でこのような未払い問題が表面化すれば、若い世代が建設業界に不信感を抱き、建築離れが進むおそれもあります。特に、「働いても給料がもらえない」となれば、末端の職人さんたちが最も打撃を受けるのです。
私も電気・内装関係の建設業を営んでいますが、日本人に限らず多くの外国人の方々も現場で働いてくださっています。そうした方々の立場から見ても、これは国際問題に発展しかねない深刻な事案です。
(深田)
おっしゃる通りです。これは、国際的な問題としても認識されるべき内容です。
(B)
はい。私も、この問題は国際的な視点からもっと大きく取り上げていく必要があると考えています。
(深田)
外国人記者クラブで記者会見を開かれてはどうでしょうか?
(B)
そうですね。現在、開催について検討を進めています。
(深田)
これは明らかに人権問題です。
(B)
その通りです。
(深田)
そして、最も問題なのは、国が無関心であることです。万博は万博特別措置法に基づいて運営されており、その中で万博協会は建築に関する監督権限を持っています。それにもかかわらず、監督がなされていなかったのではないかという疑問が残ります。先日、アンゴラ館のAさんの件では「万博協会や国の問題であるため訴訟は起こさない」という話もありましたが、Bさんのほうは裁判に踏み切られているのですね?
(B)
はい。現時点では、弊社のみが裁判を提起している状況です。ただ、今後は他の企業も訴訟に踏み切る可能性があります。しかしながら、訴訟には多くの費用と時間がかかります。すでに大きな未払いを抱えている中で、さらに費用負担が生じるため、訴訟に踏み切れずにいる企業も多いのが実情です。
(深田)
おっしゃるとおりです。例えば、訴額が1,000万円の場合、弁護士費用として着手金だけでも50万円以上かかります。1億2,000万円規模の訴訟ともなれば、その負担は非常に大きなものになります。しかし、適切な支払いがなされなければ、現場の労働者たちがさらに苦しむことになります。
(B)
まさにそのとおりであり、弊社が「正しいことをしている」ということを示す必要があると判断し、訴訟を決断しました。
(深田)
第1回の裁判期日は決まっているのでしょうか?
(B)
近日中に開催される予定で、現在調整を進めているところです。
(深田)
分かりました。今後の動向についても、ぜひ情報を共有していただければと思います。
今回は、大阪万博未払い問題に関して、マルタ館の工事を請け負ったBさん、そして維新・悪政と戦う橋口かずやさんをお招きし、お話を伺いました。
お二人とも、本日は誠にありがとうございました。