#392 大阪万博未払い問題。吉村知事逃亡で建築業界は崩壊の危機!? 森山高至氏×深⽥萌絵
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォームプロデューサーの深田萌絵です。
今回は、建築エコノミストの森山高至先生にお越しいただきました。先生、どうぞよろしくお願いいたします。
(森山)
よろしくお願いします。
(深田)
お久しぶりですね。
(森山)
そうですね。ご無事で何よりでした。
(深田)
ありがとうございます。実は私、先日、刑事告訴されました。相手は自民党の現職議員である萩生田光一氏で、名誉毀損による刑事告訴でした。そのため、八王子警察署に呼び出されたのです。ただ、私自身は特別に過激なことを言ったつもりはありません。
実際の経緯としては、萩生田議員から「これ以上チラシ配りを続けるようであれば、法的措置を取る」と記された文書、いわば脅迫状が届いたことが発端でした。私はそれを非常に恐ろしく感じ、「脅迫された」と訴えるために八王子警察に足を運んだのです。
しかし当初、警察は被害届を受理してくれませんでした。何度かやり取りを重ねた結果、6月12日に改めて刑事告訴状を提出したところ、ようやく受理されたという状況です。
(森山)
そもそも、相手側から名誉毀損で刑事告訴されてしまったわけですよね。
(深田)
はい、その通りです。
(森山)
通常であれば、刑事告訴されるというのは、一般の人にとって非常に恐ろしいことではないでしょうか。
(深田)
ええ、やはり怖いものです。相手は自民党の政権幹部ですから。萩生田光一氏は今もなお、自民党内部を実質的に動かしている人物です。そういう立場の人となると、ほとんど国家そのものと言っても過言ではありません。
しかも、当初、警察は「このような告訴状は受理できない」と言って、半年もの間、受理を拒否し続けていました。それを、ある種の“スーパーパワー”で、ようやく無理やり受理させたのです。提出から6か月後のことでした。
その後、私のもとに警察から電話がかかってきまして――
(森山)
ということは、いったん手続き上受理された以上、次の段階として、容疑者を呼び出すという流れになるわけですね。
(深田)
はい、そうなります。深田萌絵容疑者ということになります。
(森山)
なるほど。これは、まるでかつての旧ソ連のような状況ではないでしょうか。もし同様のことがあちらで起きていたら、すでに収監され、秘密警察によって拷問を受ける、そんな展開になっていたかもしれませんね。
(深田)
そうですね、そのまま連行されてしまうようなイメージです。
実は今回の憲法改正において、「公務員による拷問の禁止」という条項が削除される可能性があるのです。
(森山)
それは本当ですか?
(深田)
ええ、そうなのです。ですから、将来的に拷問される可能性も否定できませんし、極端な話ですが、「虹の橋を渡らされる」といった事態もあり得るかもしれません。
(森山)
仮に名誉毀損で告訴されて、警察に連行された場合、拷問を受けながら「名誉毀損したと認めろ」と強要される可能性もあるわけですよね。そして「一体何を言ったのか」と尋問され、「豚」とか「タコ」とか、いろいろ言わされるわけでしょう。
そうなると、それをすべて警察が記録に残すことになるのでしょうか。いやはや、実に大変なことですね。
(深田)
本当に大変な経験でした。ですから私は、「こちらだって恐怖で震えていたのに、なぜ私の被害届は受け取っていただけなかったのですか!」と、強く抗議しました。
最初の抗議行動では、2,000人もの方々が集まってくださいました。第2回目には、およそ500人の方が来てくださいました。
さらに、80人の皆さんとともに被害届を提出したにもかかわらず、警察には受理を拒否されました。そのことに非常に憤りを感じ、弁護士を伴って刑事告訴状を提出することにしたのです。
その際、弁護士の先生が警察官の方を丁寧に説得してくださいました。その結果、脅迫の罪での刑事告訴が受理され、現在は萩生田光一議員も「容疑者」として扱われることになりました。
(森山)
容疑者になったというのは、すごい展開ですね。警察は官僚的な組織ですから、一度手続きを受理してしまえば、公平性の観点から、相手側の届け出も同様に扱わざるを得なくなる、ということでしょうか。
(深田)
まさにその通りです。
(森山)
しかし2,000人もの人が集まるというのは、もはや一種の一揆のようなものですね。「八王子一揆」あるいは「深田一揆」として、いずれ歴史に刻まれるかもしれません。
(深田)
ええ、たしかにそうかもしれませんね。そもそもの発端は、いわゆる「女子トイレ事件」でした。萩生田氏が、女子トイレを撤廃するような内容の法律を作ろうとしていたという背景があったのです。
森山)
萩生田さんは、そもそも女子トイレそのものに嫌悪感をお持ちなのでしょうか。
(深田)
それは正直なところ、私にも分かりません。ただ、彼については、こういう話があるのです。
自身が育った地域――八王子のごく限られた地域では、当時、水洗トイレではなく、汲み取り式トイレ、いわゆる「ぼっとん便所」しかなかったそうです。そして、子どもの頃、そのことで周囲からいじめを受けたというエピソードがあるようです。
(森山)
そのような過去の経験からくるルサンチマンによって、「女子トイレをなくせ」と主張している、ということなのでしょうか。
(深田)
可能性はありますね。
そもそも、彼が政治を志したきっかけも、「ぼっとん便所をなんとかしたい」という思いだったとされています。つまり、それを改善するために国会議員になったというわけです。
(森山)
そうだったのですか。つまり、トイレのために議員になったと。
(深田)
そういうことのようです。
(森山)
それでは、いわば“トイレット博士”ということになりますね。あまりご存じないかもしれませんが、私たちの世代では、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた「トイレット博士」という漫画が非常に人気だったのですよ。
(深田)
いえいえ、私はその世代ではありませんので、ちょっと分からないです。
(森山)
『トイレット博士』という漫画は、排泄物やトイレにまつわる、いわゆる下ネタが満載の作品なのですが、子どもたちには非常に人気がありました。作中には「マタンキ」や「スナミちゃん」といったキャラクターも登場し、当時の子どもたちを喜ばせていましたね。50代後半から60代前半の世代の多くは、この漫画をよく覚えていると思います。作品の内容は、ほとんどがトイレの話ばかりでした。
(深田)
そうなのですね。
萩生田さんに関しては、ご自身が汲み取り式トイレのある家庭で育ったという背景から、女子トイレに対して複雑な感情を抱いていたのかもしれません。
(森山)
深田さんが最初に言い出したわけではなく、もともと世間で言われていたことを、さらに言及しただけなのに、なぜか深田さんだけが名誉毀損と言われてしまったということですね。それはつまり、深田さんのことが気になって仕方ない、あるいは好意を抱いているのではないですか。
(深田)
そういうことでしょうか?
(森山)
そうではないでしょうか。もしそうでなければ、同じような発言をしている他の人たちにも、同様の対応があって然るべきです。
(深田)
そうですね。私のことだけが、特に気になってしまったのでしょうか。
(森山)
そうそう、気になって仕方がないということですよね。もしかすると、支持者の中にも同じように「気になって気になって仕方がない」という方がいるのかもしれません。もはや、それはストーカーのようなものではないでしょうか。
(深田)
すみません、そろそろ本題に入りましょうか。
(森山)
そうですね。失礼しました。
(深田)
大阪万博の未払い問題が、大変な状況になっていますね。現在、未払いのパビリオンは6館ほどあるのでしょうか。
(森山)
いえ、それ以上に増えてきています。
(深田)
さらに増えているのですか?
(森山)
はい、後から後から増加している状況です。最近では、アメリカ館についても未払いが指摘されるようになりました。
(深田)
そうですね。アメリカ、ルーマニア、中国もそうです。
(森山)
さらにセルビアも該当しています。
(深田)
そもそも、こうした状況を招くようなスキームが、あらかじめ組まれていたのでしょうか。
(森山)
その点については、私自身も明確には分かっていません。ただ、元請けとして入っているのは「GLイベンツ」という会社で、複数のパビリオンに関わっています。そのほかにも、外資系のイベント会社「NOE」や、「ESグローバル」といった企業が関与しており、いくつもの会社が、いくつもの館に関わっている構図となっています。
ですので、これらの企業の対応が極めてずさんだった可能性もありますし、あるいは、そもそもずさんにせざるを得ないような構造が当初からあったのかもしれません。または、この状況を利用して、何か別の目的を果たしている可能性すら考えられます。ただ、その真相については断言できません。
私としては、かなり安易な姿勢で受注していたのではないかという印象を持っています。
(深田)
そうですよね。工事の内容を見ても、壁を張っては剥がし、また張っては剥がすという作業を何度も繰り返すなど、非常に不自然な施工が行われていました。
(森山)
おそらく、そもそもの設計図やデザイン案がまずあり、その後、現場で「これを具体的にどのように実施するか」という指示が出され、さらに実際の工事段階で不具合が生じたのだと思います。
本来であれば、こうした不具合は現場レベルで調整されるものです。たとえば「この仕様では作業が困難なので、こう修正してほしい」「分かりました」というやり取りを重ねながら対応していくのが通常です。しかし、今回はそうした調整が一切なされていなかったのではないでしょうか。
その結果、材料を持ち込んでも設置できず、再施工を繰り返すような事態が発生しました。その過程で人件費は増大し、工期も延びてしまい、最終的には現場の混乱が収拾できなくなったのだと思います。そして、そのしわ寄せが最終段階の施工業者に集中し、結果的に割を食う形となった印象を受けます。
(深田)
現在、支払いをしていないのは元請け業者ということになりますよね。各国のパビリオンは元請け業者に対して費用を支払っているにもかかわらず、その元請けが下請け企業への支払いを滞らせているという構図です。
(森山)
ただし、その下の二次請け、つまり二番目の会社が支払いをしていないケースも一部にあります。そもそも、各国が発注主体として元請け業者に対し契約金を支払っているわけですが、その予算が途中で足りなくなったということなのだと思います。
(深田)
そうした事態に対して、大阪府も国も、まるで関係がないかのような姿勢を貫いています。
(森山)
まさに、その「我関せず」という態度こそが問題だという話ですよね。
(深田)
おっしゃる通りです。今日、7月12日には、大阪でブルーインパルスが飛行していました。あの飛行展示には、何億円という費用がかかっているのです。
であれば、そのような予算があるのなら、まずは下請け業者への支払いを保証すべきではないかと思います。
(森山)
一応、制度上の理屈としては、大元であるパビリオンの直接の発注先への支払いが滞っているだけなので、「自分たちは関係ない」と言いたいのだと思います。しかし、末端で実際に働いている人たちは、「これは万博の工事だ」「国の事業だ」「市の案件だ」と理解して受注しているわけです。
そうした人々は、報酬が支払われないことで、当面の資金繰りができず困っているのです。
建設工事の現場では、「仕事をしたからといってすぐにお金が入るとは限らない」というのはよくある話です。例えば「月末締め翌月末払い」といった契約形態が一般的であり、1〜2か月分の資金繰りを見込んで業務を行っています。
しかし、今回のように支払いが大幅に不足している、あるいは数か月にわたって支払われないとなれば、その間の資金が完全に止まってしまうのです。だからこそ、「何とかしてほしい」という切実な声が上がっているのだと思います。
本来であれば、大阪府や大阪市も「これは民間同士の取引だから関係ない」と突き放すのではなく、「たしかに支払い義務は我々にはないかもしれないが、当座のつなぎ融資については、府や市が債権保証をすることで、金融機関からの支援が得られるように働きかけます」といった対応をすべきです。
働いている方々も、次の仕事をすればまた収入が入るわけですから、仮に融資を受けたとしても、返済の見込みは十分にあります。その上で、実際に支払いを滞らせている元請け業者等に対しては、大阪府や大阪市、あるいは万博協会が責任を持って取り立てを行い、支払わせる必要があると考えています。
(深田)
まったくその通りです。パビリオンの予約やチケットの販売などで、万博そのものにはすでに一定の収入が入っているはずです。
(森山)
そうなのです。お金は回っているのに、なぜ実際に働いた人たちの手元に届かないのか、そこが最大の問題なのです。
(深田)
まさにその通りです。
ですから私は、下請けの業者の方々がパビリオンの前に立ち、「私たちは報酬を受け取っていません」「ノーペイメント」と書かれた看板を掲げて、独自に入場料を徴収してもよいのではないか、とさえ思うのです。
(森山)
まあ、そうした行動を取れば、警備員が来て追い出されるなどの騒動が起きるかもしれませんが、それが報道されれば、少なくとも世間の注目を集めることにはなります。
やはり、この問題がどうして起きているのか、世の中に対して明確にアピールしていかなければ、誰にも事情が伝わらないのです。
おそらく今、維新への批判を避けたい人々は、「これは政府とは無関係だ」「市の責任でもない」「業者間の取引でお金が止まるのはよくある話だ」といった理屈で、この問題を矮小化しようとしているのでしょう。
しかし、実際に現場で働いた人たちの立場からすれば、「これは普通の民間工事とは明らかに違う」と言いたいのです。
(深田)
今回の万博では、たとえば電通のような大手の事業者が間に入ることもなく、いわゆる公務事業に関与するような大手企業もほとんど参加していませんでした。その代わりに、「中小の事業者の皆さん、ご協力をお願いします」と、吉村知事ご自身が呼びかけて人を集めた経緯があります。
(森山)
その通りです。ですから、たとえ大阪府や市が直接的に支払い義務を負わないとしても、そうした資金の流れの中で、これらの事業者が困窮しないような仕組みを整えてあげる必要があります。
(深田)
本当にそう思います。まさに、その対応が今、求められているのだと思います。
(森山)
個人への支払いは一旦脇に置いたとしても、業者の方々が困窮しないようにするには、どうすればよいかを考える必要があります。
そもそも「中小の業者の皆さん、助けてください」と声をかけたのは吉村知事自身だったわけです。であれば、その業者たちを支援する責任も、吉村知事にあるのではないか、私はそう思うのです。
資金の流れの調整は、後からでも構わないでしょう。
大手の元請け企業は、おそらく自社の利益を確保したうえで、下請け企業には支払いをしていたものの、途中からそれを止めています。つまり、当初の見積もりが甘く、工事の進行に伴うマネジメントに失敗した結果だと考えられます。
(深田)
おっしゃる通りです。全体として、即席で組まれたような体制だったという印象を受けます。
(森山)
そうですね。そもそも、当初から時間が限られており、その中で何とか工事を進めなければならないという状況に置かれていました。
さらに、日本の仕様とは異なる資材や機材が海外から持ち込まれ、それを現場で修正しながら使う場面も多々あったのです。そうした対応は、工事を担当する側にとってみれば、明らかに追加作業にあたるため、「この分の手間賃も支払ってほしい」と要求するのは当然のことです。
しかし、元請けであるGLイベンツ側としては、「もともとこの金額しか見積もっていない」と主張し、自社の都合を前提に支払いを拒んでいるのが実態です。
とはいえ、日本の建設業法では、元請けが一方的な都合で下請けへの支払いを拒否することは明確に禁じられています。
おそらくGLイベンツは建設業の許可を取得しているのでしょうが、日本国内で今後も継続的に事業を行うかは不透明なため、「いっそ、このまま逃げてしまおう」と考えている可能性も否定できません。
(深田)
おっしゃる通りです。しかも、国が行ったのは、元請け企業に対して「きちんと支払いをするように」という勧告を出しただけであり、業務停止命令などの厳しい処分は一切行っていませんよね。
(森山)
その通りです。
(深田)
本来であれば、そうした措置を取るべきではないでしょうか。
(森山)
まさにその通りです。業務停止命令などの厳格な対応をすべきですし、GLイベンツに関して言えば、彼らは横浜の花博など、今後の事業にも関わろうとしているわけです。こうした企業には、次の案件を許可しないという形で、明確なメッセージを示すべきだと思います。
(深田)
やはり、業務停止処分を行うべきですよね。
(森山)
業務停止に加えて、「出てこい」「説明をしろ」と求めるのが筋だと思います。
(深田)
まさにその通りです。それをしないということのほうが、むしろおかしいですよね。
(森山)
おかしいと言わざるを得ません。現在も万博は開催中ですから、なおさら対応が必要です。
(深田)
そうなのですよね。
(森山)
今のうちに手を打たなければなりません。このまま何もしなければ、3か月も経てば「もう会期は終了しました」という話になり、未払いのまま放置される恐れがあります。
(深田)
そうですね。そのうち世間に忘れ去られてしまう可能性もあります。
結局、維新はみんなが忘れてくれるのを待っているのではないでしょうか。
(森山)
確かに、そうした思惑もあるのかもしれません。ただ、実際に被害を受けた方々は、決してこの出来事を忘れないはずです。
(深田)
おっしゃる通りです。忘れることはないでしょう。
ところで、この問題に対する解決策はあるのでしょうか?
(森山)
まず当面の解決策として重要なのは、「何に困っているのか」という点を明確にすることです。多くの業者の方々は、本来受け取れるはずだった報酬が支払われず、それによって生活が立ち行かなくなっているのです。
たとえば、家賃が払えなくなった、子どもの学費が支払えないなど、日々の生活に直接的な支障が出ているわけで、まずはこの部分を早急に支援しなければなりません。
(深田)
そうですよね。子どもに見せてあげたいという思いで、一生懸命に取り組んだパビリオンの工事であったにもかかわらず、そのせいで自分の子どもが学校を辞めなければならなくなったというのは、あまりにも気の毒です。
(森山)
まさにそのような状況だからこそ、その部分については一時金というかたちでも構わないので、万博協会や大阪府、大阪市が主体となって金融機関に声をかけ、一時的な資金を貸し出せるようにすればよいのです。
そもそも、これらの業者は、きちんと仕事が回れば借りたお金も十分に返済できる立場にあります。しかし、いまのように支払いが滞ったままでは、生活の基盤そのものが崩れてしまい、返済どころか事業そのものを継続できなくなってしまいます。
そうなれば、ただでさえ深刻な建設職人の不足という社会的課題がある中で、万博をきっかけに職人たちをさらに現場から離れさせることになってしまいます。それでは本末転倒ですし、万博の意義そのものが問われることになるでしょう。
(深田)
次に予定されている花博も、かなり危うい状況になりそうですよね。
(森山)
そうですね。この状況を見たら、多くの人が「もう絶対に関わりたくない」と感じると思います。
(深田)
花博をやりたくないと考えるのも、無理はありませんよね。
(森山)
そう思います。加えて、今回関与している外資系のイベント会社も、こんな事態を起こしていては、今後は日本で仕事を続けるのは難しくなるのではないでしょうか。
(深田)
そうですよね。やはり、「外資は信用できない」と受け止められてしまいますよね。
(森山)
そのように見なされても仕方ないと思いますし、どうせ現地法人の日本人スタッフといっても、形ばかりの存在で、実質的には機能していないのではないかと感じています。中には、途中で辞めたような人が呼ばれているだけという可能性すら考えられます。
ですから、今回の件については、大阪府も市も責任を持ってきちんと解決にあたるべきですし、外資系のイベント会社側も、事態を誠実に収拾しなければ、企業としての信用やブランディングに深刻なダメージを与えることになるでしょう。
(深田)
そうですね。そもそも、彼らは日本で真面目に仕事をしようとは考えていないのかもしれませんね。
(森山)
その可能性も十分にあると思います。
(深田)
GLイベンツのオフィスには、実際に多くの人が抗議に行っている様子が映像でも出回っていました。
(森山)
もっと声を上げていくべきだと思いますよ。
(深田)
そうですよね。抗議に訪れていた方々の中には、いわゆる模様の入った方々。銭湯に入れないような立場の方もいらっしゃったように見受けられました。
(森山)
そうですね。まさに、一般的には公共施設の利用が制限されるような方々だったと思います。
(深田)
私もそう感じました。
しかしながら、これは本当に、国が責任をもって対処しなければならない問題です。
(森山)
おっしゃる通りです。立て替え払いを議論する以前に、まずは目の前で困っている人々をどう救うかを最優先に考えるべきです。
工事費の未払いに関しては、「どう整理するのか」を法的な枠組みも含めて対応すればよいのですが、そうした手続きには時間がかかります。そのため、その間に当事者たちが支援を受けられないようでは意味がありません。
やはり、今まさに苦しんでいる人たちへの即時的な支援が最も重要なのです。
(深田)
おっしゃる通りですね。まずは、当面の生活を支えるための「つなぎ融資」くらいは速やかに提供していただきたい、ということですね。
(森山)
そのようにするのが望ましいでしょう。
(深田)
ということで、今回は建築エコノミストの森山高至先生に、大阪万博におけるパビリオン未払い問題についてお話を伺いました。ありがとうございました。