#367 何故ロシアは反グローバリズム? 奴隷と呼ばれた民族の衝撃の歴史。 宇山卓栄氏×深田萌絵

(深田)

皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、著作家の宇山卓栄先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。

今、戦争でロシアとウクライナが揉めていますが、ウクライナの起源については色々と教えていただいたので、今回はロシアの起源について教えていただきたいです

(宇山)

そうですね。私たちは、あまりにもロシア人について知らなさすぎると思います。「大東亜戦争の時にひどいことをしたのだ」というイメージが先行していて、保守派の人たちもその一点張りでロシアを批判することが結構あるのですが、まずはロシアの歴史を正しく知るために、特に民族に焦点を当ててロシア人とは何か見てまいります。

昔はスラブ人という呼び方の中で、奴隷と呼ばれていたのをご存知ですか?

(深田)

「スラブ」とは「スレイブ(奴隷)」から来ているのですね。

ウクライナやロシア、そしてハンガリーやモルドバあたりもスラブ民族ですか?

(宇山)

そうです。東欧やバルカン半島などですね。ハンガリーはマジャール人がほとんどですが、スラブ人の方々もいらっしゃいます。ポーランドも含めてスラブの民族国家と言えるわけなのですが、なぜ英語で言うところの「スレイブ(奴隷)」がそのまま民族名になっているのか。そのスラブ人の代表選手がロシア人なのですが、そこのところを少し解説したいと思います。

スラブ人は、元々バルト海の沿岸地域を原住地にしていたのだろうと言われています。

(深田)

金髪碧眼で白い肌の人が多くいるあたりですよね。

(宇山)

そうです。あの辺りにいた人々が、ロシアや中央ヨーロッパ、バルカン半島などに南下していき、紀元前8世紀頃にそこでギリシャ人と出会うのです。このギリシャ人たちが、自分たちとは違う言語を話すスラブ人たちに、「お前たちのその言葉は一体何なのだ」と聞いたわけです。そうしたら、スラブ人はスラブ語で『俺たちの話しているのは「言葉(=スラブ)」だ』と言ったのです。

(深田)

「スラブ」という発音になるのですね。

(宇山)

そうです。

それを聞いたギリシャ人が、「お前たちをスラブと呼ぼうではないか」ということで、スラブ人という呼び方が定着していくのです。

この古代ギリシャ、ローマ時代は、スラブ人たちは一貫して力が弱かったのです。貧しい地域に住んでいましたので、多くが、帝国を作って大きく勢力を伸ばしていくギリシャ人やローマ人の奴隷になっていくのですよ。

特に、ローマの経済文化というのは奴隷によって成り立っているということがよく言われますが、その奴隷たちにかなりの割合でスラブ人が混ざっていたわけです。

先ほど萌絵さんが金髪碧眼の人たちとおっしゃっていましたが、まさにその通りで、彼らは非常に美しいのです。特に女性が美しい。

(深田)

そうですよね。バルト三国は、そもそも美人が多いですよね。

(宇山)

そうなのですよ。金髪碧眼で背も高くてスラっとしているイメージが昔からあります。

ですから、スラブ人の女奴隷が、ギリシャでもローマでも高値で取引をされたのです。

ジャン=レオン・ジェロームという19世紀のフランスの画家が描いた有名な「ローマの奴隷市場」という絵があるのですが、そこにはスラブ人奴隷と思しき女性のバックヌードが描かれています。非常に美しい姿ということで有名なのですが、ほとんど神話的なものとして伝えられ、絵画にまでなっているのです。

そのスラブ人が奴隷として多くが扱われたというところから、ラテン語の「スクラブス」という言葉が、イコール「奴隷」という意味になり、「スラブ人」と「奴隷」という意味に繋がり、そして民族名としても「スラブ」というのが今日まで続いているのです。

この言葉にも表れているように、元々、力は非常に弱かったわけですね。

彼らの血統についても少し触れたいのですが、ヨーロッパ人は大きくは「ゲルマン系」、「スラブ系」、「ラテン系」の3つの民族の系列に分かれるのですよ。

大まかな分布で言うと、「ゲルマン系」はドイツ、ベネルクス3国、北欧、そしてイギリスなどのアングロサクソンを含む北ヨーロッパ地域です。そして「ラテン系」がイタリア、フランス、スペインなどの中央ヨーロッパ一帯です。

(深田)

あの辺のラテン系の国の人たちは楽しそうなイメージがありますよね。

(宇山)

同じヨーロッパ人でもここまで違うのかというくらい、全然気質が違うでしょう?

ドイツからイタリアに入ったら、急にあっけらかんとなりますよね。

(深田)

そうなのですよ。

スイスからフランスに入っても、スイスの少し厳格な雰囲気から、少しふわっとした明るい雰囲気になります。

(宇山)

なりますね。民族がここまで違うかと思います。

例えば、イタリア人の気質を表すときに、「人生の中で一般屈辱と思うのは、貯蓄を全部使い果たすことなく死ぬ時」とよく言われます。お金は、自分が生きている間に必ず全部使い尽くさないと大損だという考え方です。

(深田)

相続という概念はないのですね(笑)

(宇山)

ないのですよ。

それに対して、ゲルマンのドイツ人というのは、貯蓄が大好きなのですよ。「倹約こそが美徳である」という考え方で物事が動いていますから、両極端ですよね。ヨーロッパ人でも全然違うわけです。

言語も同じです。大学で第2外国語を取る時に、ドイツ語、フランス語、イタリア語から選ぶことが多いと思いますが、ドイツ語は、同じゲルマン民族の言葉として英語と文法が全く同じ構造ですし、語順もほとんど変わらないので、学びやすいのですよ。

ところが、恰好つけてフランス語やイタリアを取ると、大学で死ぬのですよ。

(深田)

フランス語なんて地獄ですよね。

(宇山)

フランス語なんか取った日には、ゴールデンウィークはずっとフランス語の勉強をしないといけない。

(深田)

ロシア語も地獄ですよ。

(宇山)

ロシア語はもう、あのアルファベットから覚えなければいけないでしょう。

(深田)

しかも名詞が変わりますものね。

(宇山)

そうなのですよ。全然文法構造が違いますから。スラブ語なんか取った日には、もう全然違います。

だから、いわゆる言語の構造によって、「ゲルマン」、「ラテン」、「スラブ」という分類がされているということを、まず頭に入れておいていただきたいのですね。

それで、例えば街中で外国人を見かけたときに、パッと見て、ドイツの方だなとかロシアの方だなとなんとなく分かることがありませんか?

(深田)

そうなのです。アメリカ人でもロシア系とドイツ系の人は全然違うのですよ。やはり居心地が良いのはドイツ人なのですよね。几帳面で、日本人的な感覚で一緒に仕事ができるのですよ。

(宇山)

質素ですしね。その通りなのです。

ロシア人は全然我々とは気質が違うし、ドイツ人やイギリス人とも風貌や雰囲気が違いますよね。これは、やはりスラブ民族系の遺伝子とゲルマン系の遺伝子で、大きな違いがあるのですよ。

例えば、ゲルマン人の血統というのは、Y染色体のR1bなのですね。それに対して、スラブのロシア人というのはR1aなのです。私は、この遺伝子の違いが、「血の記憶の違い」に現れているのだろうと思います。

実は、日本人と中国人も、全然遺伝子の型が違うのですよ。逆に、朝鮮人と中国人は遺伝子の型が似ているのです。だから彼らは、似たような行動をするのですよ。我々とは全然違います。私は、遺伝子が違えばモノの考え方が全然違ってくるということは、真実として言えると思います。

さらには、ゲルマン人にしてもロシア人にしても、金髪碧眼は共通していますよね。金髪碧眼の遺伝子というのは、Y染色体ハプログループのIから来ているのですよ。このIというのが金髪碧眼を特徴づける遺伝子で、これはゲルマン系にもラテン系にも、そしてスラブ系にも含まれているのです。だから彼らは、いわゆる白人と呼ばれるのです。

それから、「ロシア」というこの言葉の起源についてもお話をさせて頂きたいと思います。

(深田)

そうですね。「ロシア」はどこから来たのですか?

(続きは動画をご覧ください)

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