#353 衆参ダブル説、解散はあるのか? 与野党の思惑と深田萌絵の行く末を徹底分析! 宇山卓栄氏×深田萌絵
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は、著作家の宇山卓栄先生にお越しいただきました。宇山先生、よろしくお願いします。
先生、衆参ダブル選挙はあるのでしょうか。
(宇山)
あるかどうか、見極めの難しいところまで来ましたね。
(深田)
私は、あるかもしれないと思っていたところ、出馬準備のために八王子駅の近くで選挙事務所を借りたいと不動産屋さんに言って回ったら、萩生田さんから刑事告訴をされました。おそらく不動産屋さん経由で耳に入ったのでしょうね。それで、これは衆参ダブル選挙はありなのだと思ったのですよ。
その一方で、大手の街宣車屋さんに連絡すると、「いやいや、ないでしょう。急にそんなダブルできたら、もう車ないよ」という感じだったので、どちらなのだろうと思ったのです。
(宇山)
萌絵さんは、あるという前提で今動いていらっしゃるのですね。
(深田)
そうですね。万が一、衆参ダブル選挙になってしまったら、今から準備しておかないと間に合わないのです。
(宇山)
それがあるかどうかですけれども、6月3日に石破総理が、「もし内閣不信任案を野党が出してきたら、すかさずそこから解散を打つぞ。衆参ダブル選挙に持ち込むぞ。」という思い切った発言をしたわけですね。私は、ここまで「戦うぞ」ということを言うのかと思うと同時に、これは一種の牽制ではないかとも思いました。
(深田)
そうなのですよ。微妙なのですよね。今やると石破さんではなく小泉さんになってしまいますものね。
(宇山)
問題はそこなのですよ。結局、内閣不信任案を出させないようにしたいという思惑が石破さんにはあり、牽制をしようとして言ってみたものの牽制になっておらず、野党の方も主戦論があの発言以降高まってきて一触即発という状態ですし、これは先月までとは状況がガラッと変わってきている感じはしていますね。
小沢一郎さんや小川淳也立憲幹事長あたりも、ここまで言われたのだから、必ずこの内閣不信任案を出してやらねば気がすまないという勢いですが、問題は野田さんですね。野田さんがかなり慎重のようです。
その理由を考えてみると、まず、石破総理があのような強気の発言をしたものの、本当に内閣不信任案が出された時に、総辞職ではなく解散に本当に打って出られるかが問題だと思っています。党内がそれを許すかなのですよ。つまり、もし石破総理が解散に打って出るとすると、「石破」という顔で衆議院議員選挙も参議院議員選挙も同時に戦わなければいけないことになります。もし情勢がどんどん悪化してきて負け込むようなことになれば、衆参ダブルで負け込むわけです。そうすると完全に政権の座から転がり落ちることになってしまうので、党内でそれを本当に許すでしょうか。もしこの内閣不信任案が突きつけられたら、森山幹事長が石破総理のところに行って引動を渡すのではないかと思います。「もう、あなたでは戦えない。リスクが大きすぎるから、もう総裁の座を退いてください。」と必ず言うと思います。
この6月にも都議選がありますが、自民党が勝てる要素は1つもないわけです。
(深田)
1つもないのですか?
(宇山)
ないと思いますね。完全に敗退すると思います。裏金問題が都議会議員の中にも広がって、彼らの尻に火がついているような状態の中で、自民党はまともに戦えないですよ。そうしたら都議選で惨敗した状態のままで、さあ参議院議員選挙にも突入する。ましてや衆議員議員選挙にも突入するとなったら、それでいいという人は、さすがに自民党の中にはいない状況になってきているかなと思います。
私は、前回、自民党は全く気力を失っているということを言いましたけれども、この石破さんの主戦論というのが出てきて、「俺は解散で打って出るぞ」という発言を聞いてから、先月までとはだいぶ違って、永田町はだんだん熱を帯びてきているように思っています。
そして、石破さんをめでたく総裁の座から降ろすことができたとして、総裁選を1から10まで手順を踏んでやっている暇なんてないのですよ。では、どうするかというと、衆参両院の両院総議会というのがあるのです。これは自民党の執行機関でして、この両院総議会で基本的に幹部たちがある意味密室談合をして、次の総裁はこれで行きますよと一任を取り付けるのです。議員たちも、もう分かった、幹部たちだけでやってくれということになれば、1週間で総裁を変えるのは物理的に可能なのですよ。
(深田)
それができてしまうのですね。
なんだかおかしいのですよ。米不足、お米の値段が下がらないとやっていたのに、小泉さんが農水大臣になったら、急にお米の価格下がりましたという大宣伝が出たでしょう。あれは広告代理店が絡んでいるのではと疑うような大手メディアの動きですよね。そうすると支持率も上がってくるのですよね。
(宇山)
そうですね。役所の圧力もあると思います。参議院議員選挙のネタにするために、様々な流通、JAや農家など全部ある意味みんなグルで、急激に下げ方向に走っている状況だろうと思います。
(深田)
そうですよね。古古古米まで出して。
(宇山)
そういう中で言うと、米の値段が落ち着いてきたという象徴である小泉進次郎農水大臣が、次の有力な総裁候補になるという観測が非常に強いのですよ。せっかく「石破をとことんとっちめてやろう」と思っていたのが、客寄せパンダの小泉さんが総裁に立って選挙の顔になって衆参ダブル選挙になると、一番困るのは野党なのです。戦いにくくなりますからね。私たち保守の中では、「進次郎はとんでもないやつだ」という思いがあるかもしれないけれども、やはり全国的に見たら「進次郎さんがいい」という人たちも結構いるのですよ。女性票が強いのです。
高市さんの可能性についてですが、自民党の政調会のすぐ下に、「自由で開かれたインド太平洋戦略本部(FOIP)」というのが設けられていて、麻生さんが本部長になっておられます。
そこに中核として高市さんが絡んでおられますが、小林鷹之さんや茂木さんも絡んでおられて、これがポスト石破を狙う1つの組織の母体になって動いているのではと言われているのですね。ただ、私が見たところ、高市さんで一致してまとまるような動きには、現状全くなっておりません。
やはり小林鷹之さんや茂木さんもいますし、次の総理を狙う連中がこれだけいると、さすがの麻生さんも動きが取れないのでしょう。そもそも麻生さんという人は、大変紳士な方で、自分が率先して現職の総理を引きずり下ろすようなことは絶対にしない人なのですよ。自分がやられましたからね。
(深田)
ですが、麻生さんが石破おろしを仕掛けているというようなニュースがたまに出ますよね?
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