#333 阿鼻叫喚の大阪万博で空飛ぶクルマが空中分解!自動車免許で運転できないその真相は? 池田直渡氏

(深田)

皆さんこんにちは。政経プラットフォームITビジネスアナリストの深田萌絵です。今回はモータージャーナリストの池田直渡先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。

(池田)

よろしくお願いします。

(深田)

先生、大阪万博のこと振ってもいいですか?

(池田)

大阪万博全般のこと言われてもわからないですけど。

(深田)

あの中に空飛ぶ車と自動運転バスがあるのですけども、空飛ぶ車、何と飛んでいる時にプロペラ飛んでいったという事件と、先日その自動運転バスの方はですね、長らく維新と交野市長の間で、運転手の取り合いでバトルしているのですよ。自動運転でしょ?自動運転のバスで、運転手の取り合いをしているなと思ったら、この自動運転バス、運転手さんが、ちょっと車庫に止めて車降りたらバスが勝手に運転して壁に激突して壊れたっていうね。こういう、空飛ぶ車と自動運転バスの未来。

(池田)

まず空飛ぶ車から行きましょうか。空飛ぶ車って、それ何の免許で運転できると思います?

(深田)

そうですね。車の免許じゃダメですよね。

(池田)

だって車の免許しか持っていない、持っていますよね、深田さん。

(深田)

持っています。

(池田)

今空飛ぶ車運転して、空飛べと言われたら飛べます?

(深田)

そうですね。何か少し違う。

(池田)

飛び方教わっていませんっていう話じゃないですか?

(深田)

そうですね。何だろう。ブレーキとかどこにあるのだろうみたいな。

(池田)

じゃあ今度はそういうよくわからないけど、試しにやってみますっていう人が、それぞれ我々の家の上を飛ぶとしたらそれ結構やばいじゃないですか?

(深田)

おいおい落ちてくるなよ、みたいになってしまいますよね。

(池田)

だから空飛ぶ車っていう概念を、どこに持っていくか、どういうものとして理解するかによって、まずいわゆる我々普通の消費者が空飛ぶ車を買ったら、空を飛べるという未来の描き方は多分相当無理で。だって航空免許取るのが大変じゃないですか。

普通に考えたら航空免許いります?

(深田)

私ね、航空免許取ろうと思って調べたのですけれども、安くて 2、300万で、 半年以上かかり、しかもね、必ず英語の勉強をしないといけないというね、日本人の苦手なものが詰まっているわけですよ。取れませんよね。

(池田)

だから、じゃあ逆に今度航空免許なしで飛ぶ方法考えましょうって言われるのも、相当いやじゃないですか。そう思いません?

(深田)

そうですね。なんだろう。

(池田)

だから僕空飛ぶ車っていう話が出た途端に、それは何の免許で乗れるのというね。そこを何で考えないのかは僕に不思議ですよね。

(深田)

航空自動車免許みたいな。

(池田)

でもそんな簡単な免許で取られるの、大丈夫ですか?

(深田)

そうですね。なんか2週間の合宿とかで取られても、少しいやですよね。

(池田)

何か例えば2時間の講習とかで取られたらもっといやでしょ。

(深田)

うん。そうですよね。

絶対そんなことになったら、また中国人がね、自分が泊まっているホテルを住居にして、免許発行して、飛びまくりますよね。

(池田)

無理ですよ。社会システムの中に、人の命が大事で、人の資産が大事だっていう考え方がある限り、そんな簡単に空をみんなが飛べる時代はやってきません。無理です。だって仮にですよ、何の機械も使わずに、人体だけで浮遊していたとして、例えば50kg、60kkgの物体が空から落ちてくるって、それだけで人は死ねるわけじゃないですか?

(深田)

まあまあ死ねますね。

(池田)

だって、飛び降り自殺の巻き添いとかあるわけじゃないですか。

(深田)

ぶつかったら死にますものね。

(池田)

だからそういうことを考えましょうと、それがしかも何百キロ下手したら何トンの物が一緒に落ちてくるので、これはもう飛行機の墜落と変わらないですよ。

(深田)

いやいや、あれだってヘリじゃないですか?ドローンとかヘリとか。

(池田)

そう、だからそう思いますよ。

(深田)

そういうものですよね。

(池田)

なので、まず空飛ぶ車っていう定義をもうちょっとしっかりしてくださいっていうのを、僕いつもこの質問を受けるということなのですよ。

(深田)

空飛ぶ車の定義ってあるのですか?

(池田)

みんな適当なのですそこ。

(深田)

だってあれどう見てもヘリに分類するのか、ドローンに分類するのか、どっちかなって感じですよね。

(池田)

どっちにしてもでかいドローンはやばいじゃないですか。

(深田)

そうですね。車の要素がなさすぎですよね。

(池田)

車ってね、例えば、少し小さ目のヤリスとクラウンって、もう室内空間から荷室の広さから全然違うじゃないですか。車のパッケージってそのぐらい外寸に大きく左右されて、言ってみれば内部の機械っていうのは、本当ミリ単位でレイアウトされているのですよね。

(深田)

確かに。

(池田)

そこに空飛ぶ機械を新たに足すって一体どういうサイズになるのですか?という。

(深田)

確かに、ペイロードとか考えると結構大変ですね。

(池田)

少なくとも、ベースがエルフとかの2トントラックぐらいじゃないと無理でしょ。

(深田)

確かにそうなりますね。

(池田)

どう考えても、荷台全部装置で占められるという、要するにトラックみたいな2座になるぐらいしか、メカニズム的にありえないわけですよね。あなたたちが望んでいる空飛ぶ車ってそういうものですかって話しですよ。

(深田)

そうですよね。何だろう、空飛ぶ車ってイメージすると、映画で見ると何かこう車がそのまま空飛んで、そのまま地上も走れるよみたいな、こういうイメージなのですけど。

(池田)

無理です。

(深田)

そうですか。

(池田)

水陸用車って乗ったことあります?

(深田)

ないです。

(池田)

たまに海とかダムとかで、バスがそのまま水の中入って走って出てくる乗り物あるじゃないですか。乗るとめちゃくちゃ乗り心地悪いのですよ。

要するに、船の機能をバスに追加しただけで、車としての機能がかなり損なわれているのですよ。

(深田)

なるほどなるほど。確かにそうですよね。

(池田)

だからね、普通の車と同様に走れるものには全くならないです。それは無理。

(深田)

じゃあ、空飛ぶ車はまず無理と。

(池田)

だからそれは空飛ぶ車の定義によりますよ。皆さんが言っているような、自家用車が、自分たちが生きてないで無理かもしれないけど、もうちょっと先にはきっと空も飛べるようになるのだろうというのは、冷静に考えたら難しいですよね。

(深田)

そうですね。

(池田)

ただそれはやっぱり、何だろうな、条件をきちんとつけていけばできることもあって、マルチローター型の、電動の航空モビリティっていうジャンルは何かに役に立たないのかなって考えると、やはり空飛ぶタクシーとしてはあり得るわけですよ。例えば、今、羽田はもう過密状態で成田はまだガラガラじゃないですか。例えば都内に住んで、都内の企業の例えば経営者のようなエリートが、空飛ぶタクシーで成田までふっと飛んでいける。

これは成田の使い方がもうちょっと変わってくるわけじゃないですか。

(深田)

そうですね。

(池田)

例えばトヨタがやっているのは、ジョビーアビエーションという、アメリカの会社と組んで、マルチローターの空飛ぶタクシーを作ろうとしている。例えば、富士スピードウェイぐらいまでは、30分とか40分で飛んで行ける。

(深田)

便利ですよね。

(池田)

便利です。大体、空飛んで速度が出ているから距離が意外に行くのですけど、キロあたりの料金で言ったらタクシーぐらいでいける。

(深田)

それ、お得ですよね。

(池田)

そうすると、例えば成田まで10万円とかね。4人とかで乗って行くのだったら、可能性あるじゃないですか。

(深田)

確かに。成田までやっぱり東京駅から行くと3万3000円ぐらい取られるかな。

(池田)

そうするとそれがね、そんなもんでできるのだったらいいじゃない。

(深田)

確かに。

(池田)

なおかつですよ。それだとさっき言った重大な問題である免許の問題が解決されていて、運転するのはプロの操縦師ですから。

(深田)

そうですね。

(池田)

だからそれは、多分ヘリの免許になるのだと思うのですけど、ヘリ操縦士の就職口が増えるだけなのですよ。だからすごくスマートでしょ。それだと話が。だから今の法律とか制度の上にしっかり乗っかる形で構築すれば、別に空飛ぶモビリティっていうのは、ありえますよと。だけどあまりにも自由な発想で誰もがそれを手にするっていう未来にしようとすると、それは成立しませんよね。

(深田)

物理的なことの法則を完全に無視しています。あれに空飛ぶ車っていう名前をつけること自体が、私は何かね、詐欺に感じますね。

(池田)

だから、空飛ぶ今までと違う新しいモビリティっていうのは成立し得ると思うけれども、空飛ぶ車って言われると、それ車ってどの程度、道路を、例えば牽引で移動できれば車みたいな話だったら、少しは可能性があるのだけど、でもガードの下をくぐれないとかね、多分そういうことになるわけですよ。だからそれ難しいかな。

(深田)

考えると難しいですね。じゃあ自動運転バスどうですか?

自動運転バスだとか言いながら、運転手足りていませんみたいな。

(池田)

あの例えばね、中国の自動運転もあれはリモートでね、ゲームパッドみたいなので後ろから運転している人がいるのです。

(深田)

そうですよね。

(池田)

今、4台に1人つけないといけないルールになっているのかな。これ実はね、世界の共通の、国際免許とかの枠組の中で、遠い昔にですね、運転手が車に搭乗してなければならないってルール決めちゃったのですね。だからまず無人で運転するっていうのをどうするかっていうのは、その法律を変えるかなんかしなきゃいけないのだけど、

(深田)

ジュネーブ協定ですかね。

(池田)

そう。ジュネーブ協定ともう1つあるのですけど、2つあるのですけどね。これのおかげで、今無人運転はやったら国際的にアウトなのですよ、本来は。

(深田)

なるほど。

(池田)

ただ、これはルールなので、ただ他国間協議だから、それで一定の方向を出して何かやろうとすると、特にいま先進国と途上国の間にね、非常に大きな対があって、

だって、そんな自動運転なんかOKにするのに票を投じて儲かるのは、先進国だけじゃないですか。途上国は1円にもならないと。

(深田)

むしろタクシーで稼いでいますよね。

(池田)

そうすると彼らは何を言うかって言うと、じゃあそれ賛成してやるからうちの国に補助金を出せよって話が毎回もうCOP29とかと同じことになるわけですよ。

(深田)

もう見えていますよね。

(池田)

そう。だからものすごい泥合いになるので、自動運転に関するルールが先に進まないのは、もうそういう対立がずっと続いているのですよ。途上国は、もう俺たちはそれ何も1つもメリットないのに、賛成してやるからにはメリットを出してという必ず手が出てくる。この何か先進国が発展途上国にお金を払って解決するっていう、なんか悪しき慣習が治らないと、色々なことが変えていかれないのですよね。そういう中で、実はその法律の解釈次第でリモートであっても、背後に操縦する人がいれば、これは無人に当たらないのではないかっていう強引な解釈を今しようとしているわけです。

もう決議を変えるのが難しいから、そういうことでさっき言ったような、中国ではリモートでこうやって運転する人がついているから大丈夫でしょっていう。

(深田)

まあでもそれって、通信って脆弱ですよね。

(池田)

途絶しますからね。

(深田)

本当ね、やっぱり未だに高速道路走っていると途切れますし、あとは山間地帯のトンネル色々なところで農村地帯とかね、いろんなところで電波ないのだけれども、それでもやりますかみたいな。

(池田)

あるいはそれを全部途切れないネットワークを、ものすごい金をかけて作って、自動運転するのという話ですよね。

(深田)

けっこうお金かかりますよ。それだけの補助金があるのだったら、そのお金でタクシー運転手を世界中から雇った方が安いっていう。

(池田)

いや結局コストの話になってくるのですよ最後はね。自動運転って言っても、多分深田さん運転されたことないと思うのですけど、例えば今ね、スバルのアイサイトXって一番いいADASがあるのですけど、運転補助ですよね。これとかね、ほぼ自動運転ですよ。

まずだから、今、各メーカーかが採用しているADASの中には、手放し、ハンズフリーをOKにするものがいくつかあるのですよ。それってトップエンドのもので高いのですよね。

テスラ買う人たちは、最初からオプションも含めて全部買うけど、あっちが本体みたいなものだから、国産のメーカーのそういう車買う人たって、やっぱりそれがね40万とかすると買わないのですよ。普通のやつでいいと。アイサイトXの付かないアイサイトでいいと。そうなってしまうから、アイサイトの方だとそれが実感できないのですよ。Xというのに乗ったことあるのは、結局僕らみたいなジャーナリストしかほぼいないのですよね。

(深田)

それって総額でいくらぐらいなのですか?

(池田)

確かに40万プラスぐらいで、しかもグレードによっては織り込まれているやつもあるからちょっと豪華装備と一緒に全部ついてくるというのもあります。

(深田)

全部セットでおいくら万円ですか?

(池田)

えっとね、ちょっと検索しないとダメだな。

(深田)

そうですね。後でちょっとここに出しときます。調べて。

なるほど。今私ベンツのEクラス乗っていますけど、何だろう、こう手を離して20秒ぐらいするとちゃんとハンドル持ってみたいな。

(池田)

そう、そう、そう。それはハンズフリーを許容してないやつなのですよ。

(深田)

許容してないバージョン。

(池田)

許容しているバージョンもあるのです。やっぱり自動車メーカーはちゃんと安全のこと考えていますから無限にはやってくれないのですよね。例えば速度が何キ以下の時とか、あるいはこういう条件の時っていうのは決まっていて、その時だけしかやってくれない。

(深田)

何でしょう?高速道路とかで、白線が綺麗に出ていて、前の車との車間がもう見えているというね。こういう状態だとかなり優秀ですけど、それでもやはり市中になってくると、細かい標識がたくさんあったり、信号がたくさん出てくると、無理ですよね。

(池田)

一応ですね、今ADASは、高速道路でしか使ってはいけないことになっていますからね、一応ね。皆さん大体市街路でも使っているけれども、あれは本来はやってはいけないので。そういうとこでの運転が、要するに自動車メーカーアピールできないのですよ。

やってはいけないことになっているから。

だけどテスラだけそれを主張しちゃうから、できることになっているのです。自動運転といえばテスラっていうのは、日本の法律でやってはいけないことをアメリカでできている。だからすごいでしょっていう話をしているからね。

(深田)

いや、でもテスラ車、結構みんな手放し運転で死んでいますよ。

(池田)

実はね、

(深田)

言っちゃっていいのかわからないですけど。

(池田)

つい最近ね、同業者がテスラ買ったのですけど

(深田)

見ました。

(池田)

彼がびっくりしていたのは、テスラのADAS全然ダメだよって。

(深田)

そうですよね。

(池田)

日本の車よりずっと遅れているって。せめてちゃんとしたADASを作れるようになってから、自動運転とか言ってほしいって言っていましたね。

(深田)

だからあのレベルなのに、オートパイロットみたいな生意な名前つけているわけですよ。

(池田)

もうテストラの話言っちゃったけど、そのバスの自動運転、結局だから自動技術っていうのは、マッチした状況であればできるのですよ。

(深田)

そうですよね。

(池田)

ただそれをどこまでも広げていくと、ものすごく難しい条件のことがいっぱいありますよと。それどうするのですか?例えば、具体的に言うと、例えば目の見えない方が白い杖をたまたま今日は持っていない。この人をどうやって優先するか。人間だったら何か歩き方見てもしかしてこの人、目が不自由なのかなって推測することは可能だけども、そんな機能を車に持たせるのですか?あらゆるその人間の動き方について、持っている資質を想像できるような、AIなりを車の運転のためにわざわざ組み込みますって話なのですよね。

(深田)

いや、分かります。何か運転していると、前の車、こいつ怪しい運転していて、フラフラしているなっていうのを避けますものね。

(池田)

それはやはり、人間のある種の総合力じゃないですか?

(深田)

そうですね。

(池田)

例えば子供がね、道端にいると言ったら、これは飛び出すかもしれないってやはり思うし、あとお年寄りが自転車乗っていたら、ふらつくかもしれないって思うわけですよね。

(深田)

そうですよね。

(池田)

でもこれはお年寄りが自転車に乗っているってセットの情報をどうやって得るかの話になってきて、じゃあそのいわゆるセンサーで、その人の年齢推測まで取れるようなデータを取るのかって話ですよね。いちいちね。

(深田)

そうですよ。今の認識機能だと、自転車もね、前走っている時はこう線に見えるので、認識が遅れるっていう、こういう問題もあるのですよね。

(池田)

だからその辺は技術の問題ではあるけれども、最終的には道路側のセンサーも含めた、あるいは個人そのものが、例えばスマホから常にある程度の情報発信をしていて、それとアクティブに更新するみたいな。スマホ持たないで、出歩いてはいけないルールにしてね。そのぐらい社会の制度を変えないと本当の意味での自動運転は無理です。

(深田)

だからこそ中国はシャロ共同ですよね。スマートシティで道路と車はセットだよみたいなこと。

(池田)

うん。ただそれを進めようとすると、ややはりプライバシーに対して結構ズカズカと踏み込まなければならなくなるので、先進国ではなかなかそれは難しいですよねと。独裁的な国だと、個人の反対とか情報とかそんな知たもんじゃないので、何でもできちゃう。ということですね。だから、自動運転のバスっていうのは、今回みたいな会場の付近のごく限られた環境だけを前提にして動かすのであれば、それはできないことではない。ただそれもやっぱりエッジケースができてきた時には、事故っていうのは起きますよと。ということは当然、織り込んどかないといけない。

(深田)

そうですよね。

(池田)

それをちゃんとやはりそういう問題も避けたいと言うのであれば、人が運転する方が、現実的には全然リーズナブルですよ。

(深田)

自動運転バス、直線のところだけは自動で走って、それ以外は普通に運転手さんが運転しているという詐欺商品でございました。ということでですね、今回はモータージャーナリストの池田直渡先生に、「空飛ぶ車、何の免許で運転するつもりだお前たち」ということについてお話をいただきました。どうもありがとうございました。

(池田)

ありがとうございました。

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