#329 統一教会問題22年の戦いで見えた政界との闇の関係!? 鈴木エイト氏×深⽥萌絵
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォームITビジネスアナリストの深田萌絵です。
今回は、ジャーナリストで作家の鈴木エイトさんにお越しいただきました。鈴木さん、本日はよろしくお願いいたします。
(鈴木)
よろしくお願いいたします。
まず、私たち二人が並んでいるこの光景に、驚かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(深田)
そういった方はあまりいないのではないかと思います。この番組は特定のイデオロギーに偏らず、どなたでもお招きしているので、驚かれることは少ないのではないでしょうか。
(鈴木)
それは素晴らしいことですね。私自身、特定のイデオロギーに縛られることなく、党派性を持たずに言論活動を続けてきました。そうした点も含めて、深田さんからお声がけいただいたときには、即座に「ぜひ」とお返事しました。面白そうだと思いましたし、楽しみにして参りました。
(深田)
ありがとうございます。カルト宗教の問題については、安倍元首相が白昼堂々と銃撃された事件をきっかけに、ようやく広く知られるようになったと思います。それまでは、これほどまでに根深い問題だとは、私自身も認識していませんでした。
(鈴木)
それが多くの方々の一般的な認識だったのでしょう。私は以前からこの問題に強い違和感を覚え、長年追い続けてきました。しかし、やはりあのような事件が実際に起きてしまったことに対しては、大きな衝撃を受けました。
(深田)
それにしても、活動を始められてからもう22年が経つのですね。すごいことだと思います。
(鈴木)
きっかけは2002年6月のことでした。ちょうど日韓ワールドカップが開催されていた頃、東京のJR山手線渋谷駅の改札を出たところで、統一教会の信者が「手相の勉強」などと称して偽装勧誘を行っている場面に遭遇したのです。私はその場で、後先を考えずにその勧誘を止めました。それが、私の活動の原点となっています。
(深田)
「偽装勧誘」というのは、どういう意味なのでしょうか?
(鈴木)
正体を隠して勧誘するという手口です。たとえば、「手相を勉強しているのですが、気になる相が出ていますよ」とか、「意識調査のアンケートを実施しています」といった話を持ちかけて接触し、布教や伝道の目的を明かさずに近づいてきます。そして、個人情報を聞き出して「ビデオセンター」と呼ばれる施設へと誘導するのです。これは信者を養成するための場所です。
(深田)
ビデオセンターとは、どういったところですか?
(鈴木)
ビデオブースが設けられていて、当初は「カルチャーセンター」と名乗り、「さまざまな社会問題について学べます」と謳って大学生や社会人を学校や会社帰りに通わせるのです。最初は社会問題に関する内容で不安を煽るような映像を見せ、徐々に宗教的な教義を刷り込んでいきます。合宿などを経て、約2ヶ月ほどで思考の枠組みを変え、従順な信者へと変化させてしまいます。いわば、パラダイムシフトを引き起こす流れです。
私はこの一連の流れの出発点を断ち切るため、偽装勧誘を阻止する活動を始めました。
(深田)
なぜ、そのような活動を始められたのですか?
(鈴木)
初めて勧誘を止めた際、「これは統一教会によるカルト宗教団体の偽装勧誘ですよ」と説明したのですが、相手の信者は「何ですかそれ? 統一教会? 知りません」と言うのです。こうした反応は皆同じで、私は「何かがおかしい」と感じました。
その後、阻止活動を続ける中で、勧誘を行っている信者たち自身も、もとは同じように騙されて信者となり、勧誘する側へと回っていったのだと気づきました。
つまり、被害者が次の被害者を生んでしまうという、カルト問題特有の連鎖的な構造があるのです。これを放置してはいけないと考え、活動を本格化させることにしました。
(深田)
そうだったのですね。
(鈴木)
おせっかいだったかもしれませんが。
(深田)
そもそも鈴木さんは、ジャーナリストとして活動を始められたのですか?
(鈴木)
いえ、まったく違います。当時は情報発信のような活動は一切しておらず、いわゆる「活動家」としてカルト勧誘の阻止を行っていました。
私は当時、恵比寿に住んでおり、渋谷・新宿・池袋などの繁華街や駅前を巡って、勧誘行為を見つけてはやめさせることを、自分の日常的な活動にしていたのです。当時は普通に仕事をしていましたが、仕事が終わった後や土日には、朝から晩まで現場に出ていました。
今振り返ると、なぜあれほどまでに情熱を注いでいたのか、不思議に思うところもあります。
(深田)
それはすごいですね。
(鈴木)
やがて、活動を始めてから5年ほど経った2007年頃にブログで情報発信を始めました。「カルト宗教のこうした実態がある」ということを知ってもらいたかったからです。2009年には、藤倉善郎さんが『日刊カルト新聞』というメディアを立ち上げ、その創刊メンバーとして参加したことをきっかけに、ライターとして記事を書くようになりました。そして、ある地域のお祭りを巡る問題を取材したことが、私がジャーナリストを名乗るようになった契機でした。
そのお祭りは、足立区の河川敷で開催されていた地域行事で、高齢化の影響により運営側に若い世代が不在となっていました。そこに統一教会の地区教会に所属する青年信者たちが入り込み、まるでお祭りを乗っ取るような形で実質的に運営を担っていたのです。
私はその実態を「地域社会の衰退とカルトの進出」というテーマで記事にまとめました。しかも、そのお祭りには地元の政治家も関与しており、無名だったある政治家が統一教会の支援を受けてトップ当選を果たしたことも判明し、そこから政治との関係も追及するようになったのです。
(深田)
本当に偶然の出会いがきっかけだったのですね。
(鈴木)
そうなのです。初めて偽装勧誘を阻止した前日、当時日本テレビで放送されていた「報道特捜プロジェクト」という番組で、カルトの偽装勧誘について特集していたのですが、その内容と全く同じ光景を目の当たりにしました。考える間もなく、咄嗟にその現場へ飛び込んで勧誘をやめさせたのです。
私の著書でもその場面から書き始めていますが、「とっさの行動が、その後の人生の方向を決定することがある」というのは、まさにそうした出来事だったのです。
(深田)
その感覚、わかる気がします。
(鈴木)
深田さんも、似たような経験があるのでしょうか?
(深田)
私も最初から言論活動をしようとは思っていなかったのです。ただ、自分の会社が、亡くなった日本人の戸籍を乗っ取った中国人によって技術や印鑑、通帳までも盗まれ、最終的に潰されてしまったのです。
その件を調べていく中で、「フォックスコン」という企業が関連していることがわかりました。そしてちょうどその頃、フォックスコンがシャープを買収しようとしていたのです。私の会社は数人規模の小さなものでしたが、シャープのような大企業が奪われたら、多くの人が職を失ってしまう。そう考え、「書かなければ」と思い立ち、情報発信を始めたところ、雑誌などで取り上げられるようになったという経緯があります。
(鈴木)
なるほど。それは「自分からやろう」と決意したというより、何かが起きて、それについて書かずにはいられなかったという点で、私と似ているのかもしれませんね。
(深田)
そうですね。「これ以上、同じような被害者を出してはいけない」という思いが強くなった結果でした。
(鈴木)
私もまさに同じでした。「これは見過ごせない」「何か自分でやらなければ」「自分にできることがあるのではないか」——そうした思いから始めたのです。
(深田)
よくわかります。
(鈴木)
実際のところ、情報発信をせずに現場での活動だけを続けていても、それは自分の目の前で起きている不法行為を一時的に食い止めることにしかなりません。では、この問題をどのように広く啓蒙・啓発していけるのかと考えたとき、ネットという手段に行き着いたのです。そこから情報発信を少しずつ広げていき、今につながっているに過ぎません。
(深田)
たしかに、社会問題に取り組み始めると、10年なんてあっという間に過ぎてしまいますよね。
(鈴木)
本当にそうです。私も活動歴が22年になることを機に本を出しましたが、自分自身では、それほど時間が経ったという実感はありません。常にそのときどきの問題意識を持って行動し続けてきた、その積み重ねに過ぎないからです。途中にはいくつかの節目もありましたが、「よくそんなに長くやってきたね」と言われても、正直なところ、自分ではあまりピンとこないのです。
(深田)
なるほど。しかも、その問題が意外に根深いですよね。
(鈴木)
確かに根深いのですが、社会的にはあまり注目されていない、いわばニッチな領域でもあります。「まだそんな問題があったのか」と驚かれるようなケースも少なくありません。けれども、そうした場所にこそ被害者が存在しているのです。現在も、別の案件を追い続けていますが、そうした社会の陰に隠れた問題が多いと感じています。
今回たまたま、安倍元首相の銃撃事件が起きたことで、この問題に光が当たることになりました。言葉は悪いかもしれませんが、「日の目を見た」という表現が近いかもしれません。社会問題には、多くの人が真剣に取り組んでいても、なかなか注目されないまま埋もれてしまうものが非常に多いのです。
(深田)
本当にそうですね。私も統一教会といえば、子どもの頃にテレビで見た「合同結婚式」のイメージで止まっていて、「まだ存在していたのか」と驚いたのが正直なところです。
(鈴木)
あれは1992年頃ですね。桜田淳子さんが参加されたことで、当時のワイドショーでは連日、大きく取り上げられていました。
(深田)
その影響で、「合同結婚式」や「壺を売る」などの印象が強く残っており、てっきりもう統一教会は消滅したものと思い込んでいました。
(鈴木)
そうでしたか。深田さんのこれまでの言論活動の中では、ここ10年、20年の間に統一教会に関する問題はあまり取り上げてこられなかったのですか?
(深田)
私は主にIT関連の問題を中心に扱ってきたのです。
(鈴木)
でも、政治にも関わる活動もされていますよね?
(深田)
政治の分野に関わるようになったのは、偶然の延長線上でした。
IT分野では、最先端技術が絡むため、多くの政治家の方々が十分に理解されていないという印象がありました。そこで、まず書籍などで世論を喚起し、その後で政治家の先生方に直接ご説明に伺うという活動を行っていました。ところが、台湾の半導体大手であるTSMCの日本誘致に私が反対の立場を取ったところ、特定の政治家グループから突然シャットアウトされるようになったのです。
後になってわかったのですが、そのグループの多くが統一教会とつながっていたのです。
(鈴木)
そのつながりに気づかれたのは、だいぶ後のことだったのですか?
(深田)
はい。山上容疑者の事件が起き、安倍元首相が亡くなられた後のことでした。その後、鈴木さんの記事を拝見したのです。
(鈴木)
いろいろと怪しい動きや違和感のある出来事の背後に、統一教会が関与していたのではないか、という気づきが次第に明らかになってきたということでしょうか。
(深田)
まさにそうです。私は保守的なスタンスを取っていると見られがちなのですが、いわゆる極右系の団体や雑誌からはすでに出禁となっており、一切の関係を絶たれています。その背景を調べていくと、どれも統一教会あるいは台湾関連の利害関係が絡んでいたという共通点に行き着きました。
(鈴木)
おそらく、今おっしゃったような右派系の雑誌やメディアには、私にも思い当たる節がありますが、相当程度、統一教会に深く関わっているところもありますね。
(深田)
そうですね。編集部に統一教会関係者が普通に席を持っているという状況も見受けられます。
(鈴木)
まるで「世界日報」のような状態になっている場合もありますね。
(深田)
まさにその通りです。私自身、そうした雑誌社の社長と親交があり、政治家がやって来て「料亭に行こう」と誘われたり、宮内庁の関係者や元首相が出入りする場にも何度も立ち会ってきました。ただ、私が記事を書く際にイデオロギー的な動機を持っていたわけではなく、日本のIT起業家として直面している課題、特に技術流出という深刻な問題について、国家として全く有効な対策が講じられていない現状に対する問題意識から発信を行ってきたのです。
(鈴木)
つまり、深田さんご自身は「自分は右である」「左である」といった主張をしていたわけではなく、外部の人々が記事や外聞から一方的に判断し、「この人はこういう立場だ」と勝手にカテゴライズしてきたということですね。
(深田)
その通りです。あるときには私は左翼だと見なされたこともありました。
(鈴木)
私もまったく同じ経験があります。右派を批判する記事を書けば「左寄りだ」と言われ、逆に左派を批判すれば「右だ」と言われる。私は右も左も関係なく、ただ事実に基づいて言論活動を行っているにすぎないのですが、こうして一方的にレッテルを貼られるというのは、非常に不思議な現象です。
(深田)
本当にそうですね。
(鈴木)
私が本を書いたのは、あくまで統一教会と深く関係を持っている政治家の多くが自民党に属していたためであって、自民党そのものを攻撃する意図があったわけではありません。しかし、それを理解しない人が非常に多いと感じています。
(深田)
私も、「なぜ公明党を批判しないのか」と言われたことがあります。けれども、公明党と創価学会が一体であることは、すでに公然の事実として知られています。幸福実現党が幸福の科学を母体としていることも同様ですね。
(鈴木)
幸福実現党が幸福の科学を母体としていることは、実際にはあまり知らないという人も多くいます。「幸せを求める政党なのかな」といった認識で票を入れてしまう方が地方には意外と多く、驚かされることもあります。
そして、自民党と統一教会との関係については、「この政党がカルト宗教と結びついている」と公に語られることが少ないため、問題の深刻さが見過ごされがちです。
(深田)
そうした事実が、公然とは語られてこなかったのが現実ですね。
(鈴木)
ただし、それには一定の事情もあります。自民党側は、必ずしも統一教会と特別な関係にあるという認識で付き合っていたわけではないのです。一方で、統一教会側は「我々にはこれほどの影響力がある」と誇示していますが、自民党側にとっては「数ある支援団体のひとつ」として捉えていた節があります。この認識のズレが大きな問題となっています。
しかし、実態としては、1986年の衆参同時選挙以来、統一教会が組織的に自民党を支援してきた事実は否定できません。たとえば、2021年の衆議院選挙において、統一教会の内部資料を入手したところ、日本を5つの地区に分けたうちの第3地区(中部地方)を中心に、自民党候補者全員の当選を目指す運動が展開されていました。全国への『自由民主』の配布なども含まれており、明らかに自民党と連携していなければできないような内容でした。
にもかかわらず、2022年8月の自民党の対応は、現職国会議員による自己申告制という極めて限定的な調査にとどまり、過去の経緯については一切検証されないまま幕引きを図ろうとした。この対応には、「ずるさ」を感じざるを得ませんでした。
(深田)
それは本当に「ずるい」と思います。たとえば、岸家の敷地の隣に統一教会の本部があった、という話もありますよね。
(鈴木)
はい、本当に隣接していました。そういった背景もあり、岸信介氏や安倍晋太郎氏、そして清和政策研究会(旧清和会)との関係が非常に強かったわけですが、それがそのまま安倍晋三氏に継承されたわけではありません。一度、関係に断絶があったのです。
実際、安倍氏は一時期、統一教会と距離を取っていた時期がありました。2005年か2006年ごろ、一部メディアが「安倍氏が教団に祝電を送った」と報道した際には、「それは事務所が勝手にやったことだ」と説明しています。また、2006年には、ある人物が選挙の応援や出馬について相談に訪れたところ、安倍氏から「何か支援してくれる宗教団体はあるのか」と尋ねられ、「統一教会が支援してくれている」と答えると、「あそこはダメだ。私はあの教団が嫌いだ」と述べていたという証言もあります。
そのように距離を取っていたにもかかわらず、2013年の参院選では、ついに統一教会からの組織票による支援を依頼するようになってしまった。その間に何があったのか、そこにはまだ解明されていないピースが残されているのです。
(深田)
やはり、民主党に政権を取られてしまったことが、大きな転機だったのではないでしょうか。
(鈴木)
そうですね。それは非常に大きな出来事でした。安倍元首相は体調不良もあって第一次安倍政権を途中で退くことになり、その後に民主党政権が誕生しました。憲法改正などの政策的課題もありました。
2012年頃、第二次安倍政権の発足が見込まれる時期に、公安当局が「統一教会に対する新たな手入れが行われるのではないか」という情報を察知し、統一教会側がある有力な自民党議員を通じて安倍政権に接近した、という動きがあったとされています。ただ、その“有力議員”が誰であるかについては長らく不明でした。
しかし、昨年9月に朝日新聞がスクープを出し、2013年の参議院選挙の直前、自民党の総裁室において、教団幹部と安倍総裁が面会していたことが明らかになりました。その場には岸信夫氏と萩生田光一氏も同席していたとされています。これにより、「政権に接近するルートをつないだ人物は岸氏あるいは萩生田氏ではないか」という見方が強まりました。ただし、両名とも関与を否定しており、現時点では真相解明には至っていません。
(深田)
そうだったのですね。安倍晋三元首相のお母様である安倍洋子さんは、晋三氏に対して「変な人とは関わらないように」と、非常に厳しく仰っていたのは知っています。
どちらかといえば萩生田さんの方が統一教会との関係が近かったのではないでしょうか?
(鈴木)
そうですね。ただ、萩生田氏自身はさまざまな関係を否定しています。けれども、市議会議員時代から統一教会に出入りしていたという証言を元信者から得たこともあります。一方で、萩生田氏側は「それは証言者が人違いをしている」として、完全に否定しています。このあたりは、事実関係がはっきりしない部分も多いです。
(深田)
萩生田さんという人物は、偉い人にはとことん媚びへつらい、それ以外の人には冷淡に接するという、いわゆる“ジャイアン気質”の持ち主のように見えます。
(鈴木)
そうした気質は、確かにあるかもしれません。
地元では非常に人気があり、先日私も選挙事務所を訪れましたが、支持の強さを実感しました。面白いのは、件の統一教会通いの件について、萩生田氏は「それは自分ではなく、そっくりな別の市議会議員と勘違いされている」と主張しています。この話を、2年ほど前から文藝春秋のウェビナーなどで語っておられました。逆説的にではありますが、そうした発言も含めて興味深く見ています。
また、深田さんも、萩生田氏の秘書の方とトラブルがあったという話を拝見し、大変なご経験だと感じていました。
(深田)
私が萩生田さんと対立するようになったのは、TSMCの日本誘致問題がきっかけでした。
(鈴木)
なるほど。私も現在、統一教会に関連する訴訟を3件抱えています。正直なところ、裁判は非常に面倒です。とはいえ、やりがいもありますし、楽しさを感じる部分もあるのです。もちろん訴訟には費用がかかりますし、対応に追われることで言論活動の時間やエネルギーを奪われることもあります。しかし、それらもまた一つの「トピック」として、社会に伝える素材になることは確かです。
(深田)
そうですね。やりがいはありますよね。
(鈴木)
ええ、まったくその通りです。
(深田)
私は別におかしなことを言っているつもりはありません。それぞれに筋の通った論理をもとに発信しており、あくまで公益性を念頭に、多くの国民のためにと思って書いているものです。ですから、それを「おかしい」と言われるようなことは、本意ではありません。
(鈴木)
私も今、5月14日に判決の言い渡しが予定されている訴訟を抱えています。これは2件目の訴訟で、UPF-Japanという教団の関連団体から提起されたものです。驚くべきことに、私はこの団体について一言も触れていないにもかかわらず、なぜか訴えられてしまったのです。判決は14日の午後3時に予定されており、その後には記者会見も開かれ、テレビ報道も入る見込みです。大きく報道されると思いますので、ぜひ注目していただきたいですね。
(深田)
そうですね。ふと思い出したのですが、萩生田さんに関して、ひとつ思い出すことがあります。私は長年、いわゆる「背乗り中国人」とネット上で争ってきたのですが——
(鈴木)
「背乗り」とは、どういう意味ですか?
(深田)
「背乗り」とは、亡くなった日本人の戸籍を不正に乗っ取る行為を指し、公安用語でもそう呼ばれています。ネット上には、そうした「背乗り」関係者の取り巻きが存在し、主に匿名のアカウントでX(旧Twitter)などに出没しています。彼らは維新の会や清和会を応援する傾向が強く、さらに最近では、前回の衆議院選挙から萩生田さんの応援にも加わっているのです。
(鈴木)
それは興味深いですね。どういった経緯でそうなったのでしょうか?
(深田)
詳細は定かではありませんが、台湾系や統一教会との結びつきの中で、何かしら萩生田さんが関係している可能性もあるのでは、と考えています。
(鈴木)
どうなのでしょうね。自民党としては、統一教会との関係断絶を公式に宣言していますよね。その相手に対し、統一教会側がなおもすり寄るという構図には、「自分たちでそれを恥ずかしいとは思わないのか」と強く感じることがあります。
(深田)
統一教会としては、関係を断ちたくないのでしょうね。
(鈴木)
本来「こちらから関係を断つ」というのは、対等な立場で「もう相手にしない」と宣言する行為だと思います。それにもかかわらず、統一教会側は、まるで「どうか見捨てないでください」とすがるような姿勢を見せている。その卑屈な態度には疑問を感じます。
本来ならば、「これだけ支援してきたのに、なぜ一方的に切られるのか」という感情を率直に表明すれば良いと思うのですが、そうした姿勢も見られず、ただ卑屈に追従しているように見えるのです。
(深田)
しかし、組織のトップが「この政治家を応援しよう」と言えば、表向きには関係を断っているとしても、「私たちは陰でちゃんと支えているのだから、応援しよう」となってしまうのではないでしょうか。
(鈴木)
実際には、いまだに一部の政治家と統一教会とのつながりは残っています。たとえば、最近の衆議院選挙でも、表向きには関係断絶を掲げながら、裏では応援を受けていた大物議員も存在します。また、地方支部では信者が職員として入り込んでいるケースも多く、信者議員も存在しています。そのため、完全に関係を断ち切ることは、現実的にはかなり困難なのだと感じています。
(深田)
そのあたりの詳細については、ぜひ次回に詳しくお聞きしたいと思います。今回は「統一教会との22年間の戦い」というテーマで、さまざまなお話を伺いました。
(鈴木)
そうですね。山上徹也被告の公判がどうなるか、その点についても重要な局面を迎えていると思います。
(深田)
ぜひ、その件についても次回お話を聞かせてください。ということで、今回はジャーナリストで作家の鈴木エイトさんにお越しいただき、「なぜ統一教会の問題に取り組むようになったのか」、そして「これまでの22年間の戦い」についてお話を伺いました。ありがとうございました。