#313 グローバリズムの真実 なぜ世界統一ルールでは動けないのか? さとうみつろう氏
(深田)
皆さん、こんにちは。
政経プラットフォーム、プロデューサーの深田萌絵です。今回は作家のさとうみつろうさんにお越しいただきました。
(さとう)
前回のことで、100年前の計画についてもう1回聞いてもいいですか?太平洋戦争の後から半島系の左派、台湾系だけれど中国大陸から来た台湾系の右派がいて、その間で日本人が窮屈になったという計画です。これを100年前あるいは80年前、それくらい前に誰が計画したのですか?
(深田)それは誰が計画したのでしょうね。色々な文献を見ていると、右派の中に大東亜共栄圏という構想を作った人がいるのですね。
その大東亜共栄圏の流れを、なぜか岸信介が言い始めて、それを安倍晋三氏がRCEP(地域的な包括的経済連携、Regional Comprehensive Economic Partnership)という中国との経済圏構想で実現してしまったのです。

(さとう)
ああ、そうなんだ。では、その流れをおじいちゃんからきちんと引き継いだということですか?
(深田)
そうです。しかし、大東亜共栄圏を考えたのは日本人ではなく、中国人が考えました。その中国人の中にもグローバリストがいます。グローバリストの中国人が考えた構想で、アジア圏を一つにまとめる。ヨーロッパはヨーロッパで一つに、アメリカはアメリカでまとめる。天下三分の計でアジア圏は中国がまとめるという構想が大東亜共栄圏なのです。
(さとう)
ああ、そうなんだ。
(深田)
でも岸信介(元首相)は「これは日本が中心だ」と言っていたのですけれども、安倍さんが実現したRCEPという経済協定は──後で編集でここに大東亜共栄圏とRCEPの地図を出しますが──同じ領域です。
RCEPの地域には中国、台湾、韓国など東アジア全体が含まれます。オーストラリアやニュージーランドも入っていて、経済圏はすべて中国が中心になって、関税もかかりませんという考えです。ダボス会議のことはわかりますか?
(さとう)
はい、もちろん、名前は知っています。
(深田)
ダボス会議が始まった時に、鄧小平(元・中国中央軍事委員会主席)が初期メンバーに入っています。
(さとう)
おお!?そうなんだ。
(深田)
彼はグローバリストです。毛沢東は中国だけを支配する共産主義だったのですが、鄧小平はグローバリストで、ダボス会議に参加しました。そして、天下三分の計ですよね。それで三極会議のようなものも作ります。三極会議というのは、アメリカとアジアとヨーロッパで世界のことを決めましょうという、ダボス会議のパラレル版のような会議ですね。そういうものもあるのです。
(さとう)
ではどこかの一門か何かがもうやっているのでしょうね。
(深田)
そう、血族がやっています。
(さとう)
では何々人とか何々DNAは関係なく、何々家、たとえば山本家とか、ロスチャイルド、ロックフェラー家か何か知らないけど、そういうハプスブルク家のようなものですね。
(深田)
岸家からはもう3人も首相が出ているわけではないですか。
(さとう)
はい。
(深田)
しかし、全員名字を変えていますね。
(さとう)
何々家がやっていたのか。それが100年前に「三つぐらいに分けておけばいいでしょう」というグローバルな話があった。
(深田)
あったのでしょうね。今、それに着実に向かっています。
(さとう)
グローバリストと反グローバリストの戦いというのは、少し違いますか?
(深田)
グローバリストと反グローバリストの戦いは、ここ10年、20年の新しい潮流ですね。
(さとう)
ああ、そうなんだ。
(深田)
よく見て欲しいのですがけれど、左翼もグローバリストです。
(さとう)
左翼こそグローバリストだと思っています。
(深田)
右翼もグローバリストなのです。
(さとう)
右翼というのは?
(深田)
右翼とは自民党の右派の政治家を中心とする保守論壇のことですね。
(さとう)
保守である限り、本来はグローバリズムとは逆のはずですよね。保守とは自国の産業を守るものですから。
(深田)
そう言いながら、安倍さんがやってきたことは、日本の産業の弱体化ですよね。
(さとう)
何を信じていいのかが、僕のような小市民にはわからない。
(深田)
政治家が言っていることよりも、やっていることを見た方がいいです。移民化政策を推進したのは、安倍さんですね。そして、貧富の差を大きくしたのも安倍さんです。アベノミクスで金持ちにどんどんお金を流しました。アベノミクスでお金を刷れば刷るほど、中国が強くなった。
(さとう)
では、安倍さんは中国とも仲がいいのかな?
(深田)
もちろんです。安倍さんが亡くなった時、習近平(中国共産党中央委員会総書記)は安倍さんのことをものすごく褒めちぎっていたでしょう。ものすごく助けられたからですよ。
(さとう)
実際のところ、グローバリズムとは何かと考えると、ジョン・レノン的な思想があるとしたら、正解といえる気がします。地球上の人みんなが仲良くして“イマジン・オール・ザ・ワールド・ピープル”のような感じですよね。
(深田)
そう思います。
(さとう)
それが左翼の最初の思想だと思いますが、それは悪いことなのかな?グローバリズムという言葉自体がよく分かっていません。グローバリズム企業が悪いのは分かります。モンサントとかバイエルだとか。
(深田)
みんなと仲良くするのであれば、世界が一つである必要はないよね。
(さとう)
仲良くなるためには、一つである必要はない。違いがあったままお互い認め合えばいい。
(深田)
グローバリズムとは何かというと、漢字で書くと全球主義(全球化)です。
(さとう)
全球、完全に球体という意味ですか。
(深田)
地球は一つだという意味ですが、そこに一つのルールで地球全体を統治するというのがグローバリズムです。
(さとう)
ああ、それは無理がありそうですね。
(深田)
色々な病気が蔓延したときに、アジア人と欧米人で薬の処方が違うはずでしょう?
(さとう)
DNAが違うから違うはずです。
(深田)
異なる処方をしなければいけない。それを一つにまとめてしまうと、誰かが死んでしまいます。それよりも『インターナショナリズム』の方が正しいのです。インターナショナルは国家間での話です。グローバリズムは地球全体で一つのルール、インターナショナリズムは、各国間でルールを決めます。
(さとう)
うんうん。では、日本人として、金子みすゞが正しいのですね。「みんな違って、みんないい」という。
(深田)
「みんな違って、みんないい」のですよ。
(さとう)
本当はそれがいいのですね。一つの「いい」でみんなを染め上げようとしているのが、グローバリズムなのですね?
(深田)
そうです。
(さとう)
ヘゲモニーという言葉があります。ヘゲモンとは、古代ギリシャのポリスが発展してさらに大きくなっていき、覇権国家となった。
(深田)
はい。
(さとう)
フランスの南にある、悪の枢軸というと悪いけれど、15世紀にスペインとポルトガルが「ここから右の世界は俺たちが全部もらうね。ここから左側は君がもらえばいいよ」とトルデシリャス条約で勝手に地球を真っ二つに分けましたよね。

その当時、どの勢力も地球が丸いとを知らなかったのです。地図もない中で進んでいって「ここに何かいる。黒い人たちがいる」となって、全員殺しました。アステカ文明があって、そこでも全員殺して金銀財産を持ち帰ったわけですよね。そのような野蛮で恐ろしいことを、トルデシリャス条約に基づいて、イベリア半島から右と左で行っていった。
そのイベリア半島から一番遠い場所にあるのが日本です。日本に来たときには、戦略も変わっていた。最初にアフリカにいたときは、ただ殺して、そこの人たちを奴隷にした。しかし、僕が好きなレゲエのジャマイカのあたりに来ると、黒人奴隷を船に積んで運び、現地の住民を殺させて、お互いに戦わせる。
僕たちの国に来るときは、これは豊臣秀吉が暴いたのですが、サン・フェリペ号事件がありました。四国に漂着したスペインの船の船長を、織田信長か豊臣秀吉か、どっちかが捕まえたのです。それで、「何故お前たちは、破竹の勢いで世界を征服できているのか。文化がそれぞれあるのに、どのようにしてみんなを殺してきた。どんな仕組みがあるのか」と聞いた。そうすると、船長が白状したのです。「私たちはまず、その国に2つの勢力を作る。そのうちの反政府勢力に武器を売る」と言った。「そして、反政府軍と元からある政府が戦っているところに、スペイン艦隊がやってきて攻撃する」という。
それほどまでグレードアップしている。これは、1600年代、家康の時代にはもう分かっていたことです。それでバテレンは追放された。そこからさらに200年、300年が経って、今はグローバリズム化が進み、自分でヘゲモニーを取っていくやり方も変わってきている。昔は金本位制、その後は「ペトロダラー」という形をとって、今は(支配側が)SNSを使い始めていると思います。
SNSには「エコーチェンバー現象」というものがあって、自分が発信した情報をファンが「それ、いいね」と言ってくれる。そして、自分がそれを見て気をよくして「やっぱりそうだよね」と言うと、さらに評価が上がる。でも、それって、ただエコーがかかっているだけで、本当はすごく小さい世界の中にいるのですよ。その世界のすぐ横で起きていることなど、もう分からない。
(深田)
そのSNSはもともと諜報機関が作っているのです。
(さとう)
SNSはそうなのですか?誰が作ったのですか?
(深田)
NSAです。
(さとう)
アメリカのNSAが作ったのですか?
(深田)
アメリカの国家安全保障局です。なぜかというと、若いIT起業家にはSNSは作れないのです。なぜなら、あれはデータセンタービジネスなのです。土地、電力、通信インフラなどが必要で、データセンターを作るためには、一つの街を作らなければならないです。
(さとう)
ああ、そんなに。
(深田)
それだけ必要です。何億人分ものデータを収容するために、ものすごくお金を使います。
(さとう)
まあ、確かにそうですね。
(深田)
そのデータセンターを作れるだけのお金が二十歳そこそこの若者に調達できるはずがないのです。
(さとう)
マーク・ザッカーバーグとか。
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