税理士が警鐘「ステルス増税に注意せよ!」2025年増税地獄から生き残れるか? 永井圭介氏 #309

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【目次】
00:00 1. オープニング
00:40 2. 保育料は「経費?」ある弁護士夫婦の裁判事例
03:49 3. なぜ給与所得者は声を出さないのか? 必要経費控除の仕組み
04:47 4. サラリーマンが必要経費の実額を控除できない理由:年末調整
11:23 5. 必要経費の税法上の解釈
14:30 6. 判例の「一般化」を封じ込んでいる税務署
15:25 7. 税制改正の提言と今後の展望

(オープニング)
いよいよ来たか増税地獄。
はい、増税そんなされているかという風に思っている人の方が、実は多いんと思うのです。
ステルス増税。
その通りです。皆さんの身近な例としては、社会保険料です。まさにお1人様の、いわゆる独身サラリーマン増税というのが今の大筋。
それから通勤って…。うんうん。増税地獄の対策ってなにかあるのですか?
いや、もうこれは“深費”でしょうね。

(深田)
皆さんこんにちは。政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵です。今回は税理士の永井圭介先生にお越しいただきました。
先生、先日は「老後破産の恐怖」というテーマでお話をいただいたのですが、今回は「いよいよ来たか増税地獄」。少しこちら、詳しく教えていただけませんか?

(永井)
いや、もう話題になっていますよね。いろいろなYouTuberも上げていますですが、ただ皆さんどうなのですかね? すごく増税されているな、なんとなく生活苦しいなという人はいると思うのですですが、「増税そんなされているか?」って思っている人の方が、実は多いんと思うのです。でもそれは――

(深田)
ステルス増税。

(永井)
その通りです。ステルス増税のおかげでそうなっているのです。

(深田)
なにか日本政府っておかしくないですか? やたらステルスが多いと思うのです。
警察までなにかカモフラージュして隠れているじゃないですか。
なぜそんなにステルスするのだ? この国のお上は、イラつきますよね。

(永井)
うん。まあやはり、純粋に国民の反感を恐れているのでしょうね。ただ、なるべく反感が起きないように、ステルスに、ステルスを重ねてやるというのが、これ“常套手段”。
自民党税調の”インナー”と呼ばれている人たちもそうやって、財務省からも頭のいい財務官僚の方からも意見を聞いて、結果的に今の税制になっているというところかと思いますね。

(深田)
今回の増税地獄、どういうようなものがあるのですか?

(永井)
そうです。例えば2025年については色々あるのですけれども、皆さんの身近な例としては、“税”、大きく言うと税なのですが、社会保険料です。

(深田)
社会保険料また上がるのですか?

(永井)
上げられます。そうです、これも本当ステルスというか、お金持ちから取るという仕組みなのですが、上限が引き上がるのです。後期高齢者医療保険の上限が引き上がって、令和5年は66万円でしたと。で、令和6年は73万円、そして令和7年――今年です――80万円まで引き上げられるという。

(深田)
それは、どういうことなのですか?

(永井)
結局、後期高齢者医療保険、これは国民健康保険料もそうなのですがも、ざっくり言うと「均等割」と呼ばれるみんなが一律負担してくださいねという部分と、あと「所得に比例する部分」があるのです。で、後期高齢者なので、大体の方は引退しているので上限にはかからないのですが、75歳以上になっても収入が非常に多いと。まあ年金が、厚生年金に加入していた時代に報酬が高かったとか、もっと言えば現役でまだ働いているという方もいますよね。で、そういう人って上限に引っかかるのです。
後期高齢者医療保険の年間の限度額って、ここまででいいですよという基準があります。それ以上の計算式を組んで、所得に比例して何%って計算した時に、それ以上になってもその金額まででいいのですが、そこが引き上げられるのです。
なので、もうそれ実質的な増税と。

(深田)
それは、いくらの人が危険なのですか?

(永井)
どうなのですかね、年収1000万円ぐらいあると、やはり危険じゃないですかね。

(深田)
75歳で年収1000万円。

(永井)
あまりいないのですが、それなりに格差が広がっている。儲けている人は儲けていますし、あと投資とかで儲けている人もいますよね。

(深田)
まあ、そうですよね。確かに。

(永井)
だからそういう人は頭数で言うとそんなにいない。だからその人たちに反感を買ったとしても、政治家は票取れるので、そういうところで増税を出す。

(深田)
怖い~。

(永井)
そうです。あとは、国民健康保険料。これも同じように、106万円から109万円です、今年引き上げられる。上限が3万円引き上げられるという。こっちは少し小幅なのですが、ただ国民健康保険料というと、後期高齢者ではないですよね。若い人も、自営業も、国民健康保険。で、若くして稼いだ人も、もちろん実質的な負担増と。
この辺がやはり2025年、今年の主だった増税と。

(深田)
いや、だって社会保険料も十分高いですよね。
だからと言って、何か我々メリットがあるのかと言うと、そんなにないかも。まあ、健康だからかもしれないのですけどね。

(永井)
とにかく健康保険はね、3割負担で済むという。言ってしまえばそれだけ。傷病手当とか色々あるのですが、健康なうちはもうすべて掛け捨てですからね。

(深田)
うん、そうなのですよ。これだったら、民間の掛け捨ての保険の方が安くないか、という風に少し思いますよね。
でも社会保険が上がる時に1番不満に思うのは、製薬会社の社長が厚生労働省の役人をなにか接待にして、高額な薬品とか高額な治療とかをね、保険の対象にさせているところなのですよね。
何千万とか何百万、千万する治療ってあるじゃないですか。治療薬とかね。
それを保険で賄うのが本当にいいことなのか、その他の代替品はないのかとか、そんなに高いものまで賄うのか。
万が一それを認めるとしても、接待とかキックバックとかなにかやっているのではないのですかって、ものすごく思うのですよ。

(永井)
ま、やっているでしょうね、それはね。

(深田)
うん、だってね、政治家の勉強会行って、厚生労働省の役人が来た日というのは、もうそのテーブル中、製薬会社の社長だらけですよ。
で、普段はね、そんな絶対にね、勉強会終わった瞬間に講師の元にみんなすぐ駆け寄るなんてことはないのに、厚生労働省の役人の時だけ社長たちが長蛇の列で、「よかったら食事でも」のような話をしながら、名刺をずっと交換しているのを見て、めちゃイラつきました私は。あれを見た時に、「こうやって私たち、社会保険料引き上げられているの?」と思ったのですよ。

(永井)
それはね、実際見た人じゃないと分からないですよね。聞いたことなかったですよ、私。

(深田)
ものすごく闇だと思います。

(永井)
異様な光景ですね。

(深田)
異常、異常ですよ。
やはりその、まあ知り合いの社長、会社経営者で、厚労省の役人と話をすることがあるという人いるのですが、「深田さんね、厚労省のお役人さんって結構すごいよね」って言うのです。その方は、すごく一流のお店にいろいろ行かれているのですよ。
で、結構有名な社長なのですが、その社長がね、そのレストランに行くと、社長の前に、店長とか料理長とかが行列するような人で、ものすごい高級店行っているのです。
その人が行くお店はですね、客単価で5万円とか10万円、1人ね。その人が「僕が結構行っている店に厚生労働省の官僚の人来ているのだよね」、「やはりそういう人達って収入すごいのかな」とか言っているのですが。
そんなわけないだろう。年収800万円とか1000万円で、客単価5万円10万円のレストランを点々とするなんてありえないじゃないですか。

(永井)
うんうん、そうですね。

(深田)
そう思うと、社会保険料の引き上げを聞くたびに、ものすごく頭に来るのです。

(永井)
そこに繋がるわけですね。

(深田)
そこに繋がるのです、はい。じゃあ2026年度。次の増税は何ですか?

(永井)
あ、今後です。今後がもう最近これね、非常によく言われているのですが、いやまさに少し、また少し宣伝になって申し訳ないのですですが、まさにお1人様の人。大打撃ということなのですが、いわゆる独身税というやつです。
で、これも独身税って言われているのですが、これはまあ税金かもしれないのですけれども、これも社会保険料なのです。子供子育て支援金という名の社会保険料が付加されますと。

(深田)
いくらですか?

(永井)
これもじわじわとなんですが、年収に応じて違いますということで、例えば年収200万円程度の人でしたら、年間で、2026年度、これは来年からです、来年2026年4月からなのですけれども、年間で2400円。で、その次の年は年間で3000円、その次の年は4200円ぐらいと。

(深田)
え、上がってくの?

(永井)
そうです。で、この後は未定です。ひょっとしたらまた上がってくるかもしれない。

(深田)
ちょっと、だってね、収入が低い若者世代が1番恋をしてね、結婚して子供作んなきゃいけないわけじゃないですか。そこから取っちゃだめですよね。

(永井)
そうですね。一応その、これ「独身税」というぐらいなので、まあなぜかというと、年収に応じて全員から取るのですけれども、結局そのお金をどうするのだというところで、まあこれももうね、なにか言ったもの勝ちという感じもするのですが、それを子育て支援金とか、そういったものに回しますよと。
だから結局全員から取るけど、あなた、子育てしている人には恩恵を与えますよと。ただ結局損しているのは独身だねってことで、なぜかいつの間にか「独身税」という言葉が1人歩きして、そう言われたのですけれども、まあ独身だけじゃないよなというのがありますね。

(深田)
そうです。もう子育て終わっている人達も含まれますし。

(永井)
そう、負担するわけですよね。

(深田)
いや、ひどいなあ。もうなんていうの?独身罰金。ひどいよね。好きで独身じゃないよ。好きで独身ですか?

(永井)
いや、好きで独身ではないです。

(深田)
何が、何がダメなのですか?こんなにイケメンでね、それなりに収入もあって。怪しいじゃないですか。

(永井)
はい、そう、いやいや、それ、ごめんなさい、全然思ってないですが、まあまあいろいろな機会、縁があって結婚しましたって皆さん言うじゃないですか。まあ、縁なくてここまで来ましたというのが。

(深田)
あの、本当に縁がなかったのですか?なにか、寄り好みしているのですか?何がダメなのですか?

(永井)
うん、ね。それを少し皆さんに教えてほしいですけどね(笑)。
で、これ最近特に言われていますね。あの退職金増税ってやつ。

(深田)
え、退職金増税、怖いです。

(永井)
あの、特に最近また石破さんが言って叩かれているのですけれども、まあ石破さんだけじゃないですよね。
やはりあの自民党の人たち、多くの人たちが言っているのですけれども、あの退職金に対する税金って非常に優遇されていまして。
最初の勤続20年は、1年につき40万円、その後の20年超の部分は70万円控除できるのです。だから、その部分、それ以内だったら0にできますと。
でも、いきなり20年後に70万円の控除が増えるのですよね、いきなり。
で、それって今こんなに労働市場が流動化しているのに、なにか1個のところで1箇所で働き続けることを前提としてないか、古くないかみたいな増税のための理屈としてそれをなくそうとしているのです。
だから1つの案としては、20年超だとしても、控除額を年に40万円に引き下げるとかいうことも考えられているということです。
ただこれは案の段階です、まだ案の段階です。

(深田)
うん。なにか通勤手当にも課税する、のような話出ていませんでしたか?

(永井)
あ、それ、次にね、あのお話ししようと思ったのですが。
通勤手当は今、月15万円です。月15万円までは、常識的なルートであれば非課税、つまり本人は所得税を負担しなくていいと。
例えば10万円の通勤手当をもらったとしても、非課税でもらえますということです。
ただ、これもう……なんでしょうね、なんでそういう理屈になるのかわかんないですが、それって給与のようなものでしょ、という風に言っているのです。

(深田)
え、だって、移動って経費ですよね?

(永井)
そうです。

(深田)
会社で出張するとかの移動って、あれ全部経費じゃないですか。
サラリーマンが通勤するって、この移動、経費ですよね?

(永井)
そうですね。だから非常におかしいのですけれども、ただ一応サラリーマンも給与所得控除というのが認められているでしょう、というのを多分言い出すと思いますね、その反論に対して。

(深田)
うん。だったらお前たち、文書交通費に課税するよ、みたいな話ね。文書交通費は、何使っているか明細もないではないかみたいな話に、絶対になりますよね。

(永井)
そうなのですよね。だからそれで結局、まあ課税しましょうと。ただ、実は社会保険料はかかっているのです。通勤手当も取られているのですよ。

(深田)
ええ、どういうことですか?

(永井)
あの、給与明細を見られると分かるのですけれども、通勤費部分も社会保険料って、かかっているのです、基本給や賞与部分と。
だから、まあ結局その辺も絡めて、なにか説明してくるのかなとは思いますけどね。
なんで税金かかっているの?おかしいの?という風なことを言い出しそうだなというのが、これは少し私の想像ですけどね。

(深田)
いやあ、恐ろしい……恐ろしい。

(永井)
通勤手当てね。本当、でもさすがに……ま、これも「検討中」なのですが。

(深田)
検討するなって感じですよね。検討することすら許せない!

(永井)
ね、だからこれはさすがに反発があるので……そうですね。
ま、「いわゆるサラリーマン増税」というのが、今の退職金、それから通勤手当というのが代表格です。

(深田)
それぐらいですか? 増税予定って。

(永井)
あとは、いわゆる「防衛増税」ですかね。
ま、これ若干少し身近ではないかもしれないのですが。
タバコ吸う人に関しては、来年からですね。
加熱式タバコも紙巻きタバコに合わせましょうとか。
ていうのがまずあって、で、2027年からは、1本あたり0.5円ずつ。
だから20本だったら10円ずつですかね、また上がってくというとこですかね。
あとは法人税については、もうこれは決まっていることなのですけれども、令和8年からです。来年か、来年ですね。
そこから、法人税額の一定率、500万円超えた部分の4%、これは法人が払ってくださいということで。
これはまだ時期は決まってないのですが、皆さんに馴染みのある「所得税」、これもひょっとしたら増税されるかもと。
いうとこで、諸々で年間1兆円確保しましょうというのが、あの岸田政権の時に決めた「防衛増税」。
それを未だに引きずっています。

(深田)
はあ〜……岸田の呪いが……、まだ続いていて。
なにかね、選挙に行く意味あるのかなって思うのですよ。
投票しても投票しても増税。じっと手を見るみたいな、ね。
「石川啄木か!」のような気持ちになるのですが。
だって首相変わっても変わっても増税じゃないですか。

(永井)
ねぇ、結局そうですよね。

(深田)
そうなのですよ、安倍さんも増税、岸田さんも増税、石破さんも増税でね。
首相になるまではみんないろいろなこと言っていて、個性が際立っているのですが、首相になったらいつもの自民党になるというね。
もう「いつもの自民党」だ、「通常運転」だった、のような。こうなっちゃうのですけど。
どうですか? そろそろ今「五公五民」を超え始めたところですか?

(永井)
国民負担で、大体半分ぐらいって言っていますよね。

(深田)
はい。これ、だって「増税地獄」で「六公四民」みたいに、なるのではないですか?

(永井)
なりそうですよね。

(深田)
これ、なりますよね。だって、積み上がっていくと。

(永井)
タバコ吸っていて、独身で、遠くに通っている、通勤手当多い人なんてもう最悪ですよね。

(深田)
もう最悪ですよ。
いや本当、恐ろしいです……。
この「増税地獄」の対策って、なにかあるのですか?

(永井)
いや、もうこれは不可避でしょうね。
ほんと、「稼いだらダメ」ってやつですよ。
とりあえずなにか収入があったら、結局それに対して課税されるわけなので、もうおとなしくしているかというとこです。
ただですね、もうひとつひどいのが、「じゃあ稼がなきゃいいと、じゃあ私専業主婦になろう」って言ってね。
さきほどおっしゃった「腰かけ」になると。
ただその「主婦年金」ってありますよね、「第3号被保険者」、これの廃止が検討されているのです、実は。

(深田)
うん、もうひどすぎる!

(永井)
「主婦にもなるな」と。

(深田)
それってどうですか? なんだろうな、それは少しひどいじゃないのって思うのですよ。
だって周り見ていても、やはりね、結婚してお子さんが大きくなるまでは働きづらいってあるじゃないですか。

(永井)
そうですね。

(深田)
で、そう、そういう人たちからさらにね、お金を取る、負担を増やすって、それは少しなんて言うのかな、「今こそフェミニストが戦うべき時」じゃないですか? 女性の権利を侵害しているという。

(永井)
そう、「主婦年金が廃されたら、もうね、すごく運動起きそう」ですよね。

(深田)
ああ、それは少しチラシ作ろうかな。いいアイデアいただきました。

(永井)
ま、これも「案」ですけれどもね。ええ、まあ、そんなことも言われているということです。

(深田)
ということで今回は、税理士の永井圭介先生に「増税地獄でこの国は六公四民もう目前」というお話をいただきました。
先生、どうもありがとうございました!

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