#285 老後破産の恐怖!お一人様は国民年金60万円で破綻する! 永井圭介税理士×深田萌絵

(深田)

皆さんこんにちは、ITビジネスアナリストの深田萌絵です。今回は税理士の永井圭介先生にお越しいただきました。先生の著書を拝読して「結構リアルだな」と思ったのですが、今、老後破産は危機的な状況にあるのですか。

(永井)

お年寄りが老後のお金がなくて困っているとたびたびニュースになっています。それは一部の人だと思って取材をしてみるとそうでもなく、身近な問題でした。孤独死が増えていることに興味を持ち、統計のデータを参考に年金のことなどを色々調べていたところ、かや書房さんからお話をいただき執筆に至りました。

(深田)

私の周りでも、知り合いで70歳代半ばの男性から「年金が年間で60万円ぐらいしかない。国民年金にしか入っていなかったので、若い人は厚生年金に入った方がいいよ」と言われました。「えっ、年間で60万しかなく、どうやって生きていくの」ということで、月5万で、持ち家がなかったら終わりですよ。

(永井)

そうですね。単身用の賃貸住宅は地方では狭い部屋でも大体4~5万ぐらいかかるので、絶望的です。

(深田)

老後破産の危機にある人はどれぐらい広がっているのですか。

(永井)

私の感覚では、予備軍を含めるとざっくりで高齢者の5人に1人ぐらいでしょうか。

(深田)

5人に1人とは結構多いですよ。予備軍とはどのような人ですか。

(永井)

貯蓄をしていなかった人などで、国民年金は40年間加入して、全てきちんと払っていても年間で最大80万円ぐらいです。

(深田)

これの対策はあるのですか。

(永井)

ありきたりですが、年金には期待せずに貯蓄をしておく。厚生年金加入も1つの対策です。ただフリーランスや自営業者は入れないので会社勤めをするか、自分が会社を作り、役員になって厚生年金を負担する。しかし会社を作って厚生年金を支払うとなると、会社分も自分が負担することになります。

(深田)

だったら貯金の方が早い。

(永井)

絶対に早いです。定番ですがNISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)などはおすすめです。若い時に早くからインデックス投資を少しずつやっていけば、年金の少なさは気にならないとは思うのですが、若いうちは合理的な行動をしないですよね。

(深田)

私は40歳過ぎまでほとんど貯金がない状態で、やっと貯金し始めたところです。会社を経営していると貯金が吹き飛ぶような事件などがあって、ようやく貯金を始められるような状況ですが、老後破産は何が一番の危機でしょうか、貯金がないということですか。

(永井)

この本でいくつかの事例を紹介していますが、貯金が少ないということにあります。老後2,000万円問題がありますが、2,000万円では足りないので、3,000万が1つのガイドラインです。

(深田)

3,000万という数字はどこから出てきたのですか。

(永井)

独自で積み上げたものです。ネットの記事では4,000万、5,000万というのもありますが、そこまで必要はないと思います。おひとりさまに限ると、年金から生活費を差し引くと月に3、4万不足して、これが30年続く。これ以外にも突発的な支出があり、例えば家のリフォーム費用では、高齢になるとバリアフリーやヒートショック対策など少しずつリフォームをしてもすぐに数百万円ぐらいになる。

(深田)

なんと、そのような支出が待っているということですか。

(永井)

2,000万円問題は「基礎的な収入-支出」では足りないということだけなので、突発的な支出を含めていません。また介護費用も含めていないです。介護費用は例えば、亡くなる4、5年前に介護施設に入る場合、きちんとした施設では月に最低10万円、年間120万円、5年で600万円かかります。こうして積み上げていくとやはり3,000万円は必要ではないかというのが私の見立てです。

(深田)

『30年間で3,000万円』は60歳で完全にリタイアしたというのが前提ですか。

(永井)

そうですね。もちろんずっと現役で70歳、75歳まで働いている人は多いです。その人は収入があるのでそこまで心配する必要はないかと思います。

(深田)

なるほど、私も多分70歳まで働くのだろうなと思います。そうでないとどう考えても生きていけないので、多少焦りがあります。逆に好きなことを仕事にしているので幸せなのですが、大変な仕事をしている人にはきついですね。

(永井)

肉体労働、特に一人親方は体力勝負の個人事業主なので悲惨です。発注する側も、高齢者が仕事中に何かあると、例えば怪我をされると会社としては面倒なことになるので、高齢者は特に敬遠されがちです。

(深田)

この本はおひとりさまにフォーカスをしていて、夫婦で所帯を持っている人よりもおひとりさまの方が危ういということですね。

(永井)

私は危ういと思います。個人差があって「結婚は無駄しかない」という思いで、きっちり貯蓄をして生活も切り詰めている人は多分お二人様よりも豊かだと思います。おひとりさまになる人とはどのような人を想像しますか。

(深田)

自分はおひとりさまなのですが、自分の好きなことしかしないタイプで、ちょっとわがままですよね。

(永井)

特に男性のおひとりさまは統計的に不健康な人が多いので気をつけなければいけないです。周りにもいませんか。

(深田)

確かに、離婚した途端に不健康になる男の人は結構多いですね。やはり奥様など女性が生活の面倒を見て「ちゃんとご飯を食べなさい、栄養を考えなさい」と口うるさく言ってくれる人がいなくなると、そうなるのですか。

(永井)

それがなくなると男は途端に不節制になりますよね。

(深田)

逆に女性は離婚をして夫がいなくなると「何か肩の荷が…」という人は多いですよね。自分のやりたかったことをやろうとエクサイズなどで綺麗になっていくという人は結構いるのではないかとは思います。

(永井)

そうですね、まさにそれが統計的に出ているようです。離婚をすると『女性は長生きで男性は短命』というのは、番組を見ている皆さんも実感があると思います。

(深田)

やはり男性は弱いのですね。

(永井)

よく言われるのは孤独に弱いです。職場を退職して、引退した場合にコミュニティを持つのが苦手という人は割合的に女性より多いです。

(深田)

なるほど、だからひとりぼっちになって孤独死ですか。

【続きは動画をご覧ください】

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