テレビ信者の誤り!? 最高の子育ては自然派&カンガルー法だ! 医師 内海聡氏

【目次】
00:00 1. オープニング
00:39 2. 真弓先生との出会い
03:22 3. 野生動物や先住民から学ぶ
07:40 4. 不登校の子に強制してはいけない
11:16 5. 内海先生の青年時代(1)
14:38 6. 内海先生の青年時代(2)
17:50 7. 母子は一緒にいるべき
21:50 8. 自分で考えてやる子に育てる
(深田)
今回は、Tokyo DD Clinic院長、内海聡先生にお越しいただきました。
よろしくお願いします。
内海先生が女性から人気が高い秘密は、健康問題、特に子どもたちの健康を守るということですけれども、先生がそんなふうにお考えになるようになった思想の原点というのはどちらにありますでしょうか?
(内海)
最初にこの番組に出させて頂いた時、精神科だったと思います。一応最初が精神科の問題をみた時からで、その時に親子が多く、子どもの薬漬けがめちゃくちゃ多いのです。それを見て、子どもって本当にかわいそうというか、支配下に置かれているなというふうに感じました。当時は私に子どもはいませんでしたが、子どもが欲しくないと思っていました。
(深田)
でも、そういう顔していますよね。
(内海)
どういうことや(笑)。でも、嫁さんが、「やっぱり一人は子ども欲しいよね」という話になり、経済的余裕も出てきたから「いいよ」という話になりました。いざ子どもが産まれたら「めちゃかわいい!オレ、嘘つきでした(笑)」みたいな話です。そういう風になってから、本とかもどんどん出して、社会活動も広がるようになり、お会いしたのが真弓定夫先生という方です。
(深田)
真弓定夫先生とは?
(内海)
真弓先生は、2021年に九十歳でお亡くなりになりましたが、吉祥寺で小児科をやっていた有名な方です。1974年に開業したのですけれども、小児科・自然派の世界では知らない人はいない、伝説の小児科医です。その方が僕の講演に、80歳の時に娘さんと一緒に来てくれました。僕の医学論を真弓先生が他の患者さんから聞いたらしく、それで僕の本を読んで、「もう自分とほとんど同じ意見だ」と。それで、「こんな素晴らしい若手の医者が出てきた」みたいな感じで、会いに来てくれました。そこから意気投合するようになり、真弓先生は吉祥寺でラジオ番組をやっており、年配になってきたから、「一緒にやらないか」と誘ってくださって。それで、ずっと一緒にラジオ番組をやっていました。それで、コラボ講演とかも色々やったりして、交流するようになったっていう感じです。
(深田)
真弓先生という方は、自然な形で子どもたちを育てるという。
(内海)
いわゆる自然派育児の総本山みたいな存在の方で、真弓先生も先住民とずっと昔から繋がりがありました。
(深田)
その「先住民」とは、一体誰ですか?
(内海)
真弓先生のイメージでいうと、先住民とはネイティブ・インディアンになると思います。僕は別にネイティブ・インディアンに囚われているわけではありません。
(深田)
ネイティブ・ジャパニーズはどうですか?
(内海)
縄文人は混血ばかりでいませんが、いわゆる太平洋圏内の先住民というのは、実はみんな同族です。そういう人たちの生活とか、もっと言うと、世界中の先住民を研究した研究があります。先住民は、本当に虫歯ゼロです!
(深田)
私、もう虫歯だらけです。
(内海)
がん、膠原病、難病、アレルギー、脳梗塞、心筋梗塞、遺伝病もないです。90歳になっても背骨が真っすぐで、曲がりません。ハゲもいない!ボケもいません!
(深田)
ハゲいないのですか?
(内海)
なんかイメージ的に、みんな長髪じゃないですか。そういうのをちゃんと示す歴史的資料もあります。
(深田)
ハゲの原因って、何ですか?
(内海)
ハゲの原因は、今だと結構栄養不足、化学物質の汚染、ホルモン類似作用の過剰摂取というのがあるかなと思います。でも、彼らは昔から病気が全然ないから、野生動物とか先住民を見習えば良いと。それが病気の予防になりますよということを言っていました。それは僕の考えとも同じでした。
(深田)
そういう形で、子育てに悩んでいるお母様方のお悩み相談にのっていらっしゃったと?
(内海)
それって、食事・薬・育児・環境・教育について、基本的にはその考え方がベースとなって真弓先生はお教えになっていました。それが僕の考えにも近かったです。
(深田)
先住民の育児とは、どうなっていますか?
(内海)
先住民の育児は、基本的には「カンガルーケア」です。
(深田)
カンガルーケアとは?
(内海)
子どもが生まれたら、ほとんどずっと一緒にいます。そして、年子がいない。それで、3~4年に1回ぐらいのペースで子どもを産みます。彼らは人口調整がものすごく上手です。増えすぎても民族は滅びるし、減っても民族は滅びます。だから、3~4年に1回ぐらいの間隔で産みます。大体、4人くらいです。映画とかでも、そういう描かれ方をしていると思います。2年ぐらいは「カンガルーケア」で、ずっと一緒にいます。母乳も大体2年ぐらいはあげる。それで、3歳くらいになったら、子どもは一応母親から離れて、次の子どもを作る準備を始めます。その時に大事なのが、子どもを作る半年ぐらい前から、一番いいものを女性に食べさせることです。栄養学的な理論があるわけではないのですが、今の科学的な視点から見ても、ものすごく理にかなっています。それをやって準備をして、子どもを産みます。だから、めちゃくちゃ丈夫な子が生まれます。そうしないと、一族が滅びてしまいます。
(深田)
確かに。
(内海)
それから、必ず幼い子どもでも仕事があります。今は何でも過保護にしがちだけれども、彼らはそうではなく、そういう環境が、子どもたちの自主性の尊重になります。
(深田)
でも、母乳育児を2年もするのは、長くないですか?
(内海)
今でも自然派育児をしている人は、2年くらい母乳育児をしていると思います。もちろん、現代では「絶対に母乳じゃないといけない」とは思いません。でも、今のミルクの混合乳とか、人工乳の中身があまり良くありません。見た目には、栄養価が高そうに思えますが、添加物とかいろんな成分が入っている場合があるので、そういうのを嫌がる人もいます。ただ、いわゆる自然派のお母さんたちは、母乳が弱いです。
(深田)
母乳が弱いとは?
(内海)
母体の栄養状態が弱いと、当然母乳もカスカスになってしまいます。
(深田)
そういう時は、女性は何を食べればよいでしょうか?
(内海)
その場合、肉とか魚とか卵などのタンパク系です。どちらかというと、動物系が足りていないです。脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルが足りていない場合が多いので、多く食べたほうが良いです。逆に、植物は解毒作用が強いです。だから便通が良くなるので、植物は栄養を入れるための食材ではありません。
(深田)
私、薬草とかサラダが好きです。ルッコラ、パクチーなど香りの強い野菜が好きですが、それって身体にいいですか?
(内海)
その時と場合によります。体に栄養を補充したい時は、そういう薬草とか香りの強い野菜はあまり役に立ちません。でも、現代はある種毒物、化学薬品が多い世界なので、そういうものを体の外に追い出したい時には、植物が結構役立ちます。目的に応じて使い分けることが大切です。
(深田)
では今の現代の日本って、子どもの自殺率が上がってきていますよね?
(内海)
上がってきています。実は公式に発表されている数字も嘘です。よく言われますが、日本は多い時で自殺者3万人超の時代と言われていました。それも前回話した精神科の問題が関係しています。薬を飲むと、もう勢いで衝動的にやってしまいます。やっぱり薬が一番売れていた頃がその時代で、1990年代後半から2000年ぐらいです。ただ、それは表向き「明らかに自殺である」という人の数字です。遺書が無い場合とかは、全部「不審死」に回されています。実際、不審死は今18~20万人程います。その人たちの多くが、自殺の可能性があります。それは公式の自殺者数にはカウントされていません。そして、今は子どもの一番死亡率が高い原因が「自殺」です。20代まで、全部自殺がトップです。
(深田)
私の小学校でも自殺者がでました。小学校の中で先生が子どもたちをいじめているというか。先生が他の子どもたちにターゲットを作らせて、「あいつをいじめろ」みたいに仕向けているなと。
(内海)
教師がどうしようもないです。クソです。
(深田)
そういう話を聞くと、子育てをしているお母さん方も不安になりますよね。
(内海)
私は、不登校になった子は学校に行かせなくていいと、ずっと言っています。実際に、不登校の相談もめちゃくちゃ受けています。実質精神科医、小児科も標榜しています。講演会でもクリニックでも、そういう相談は本当にたくさんあります。
昔から原則でした。不登校に関しては「登校刺激」という言葉を使います。
(深田)
登校刺激?
(内海)
不登校の子に「学校に行きなさい!」と言うことを、登校刺激と言います。不登校の子に登校刺激をするのは、一番悪化する要因です。これは精神医学の教科書にも書いてあります。だから、絶対にやっちゃいけません。
(深田)
先生は、不登校されたことありますか?
(内海)
私はないです。忖度マシーンみたいな子どもで、自分を出さない、仮面キャラみたいな感じの小学生・中学生でした。
(深田)
そんないい子に見えないです。
(内海)
あの頃は「いい子」でした。もうどうでもいいやみたいな、周りに適当に合わせて、目立たないようにしている陰キャ、陰キャゲーマーでした(笑)。大学に入ってから、地元の兵庫から逃げるようにして筑波大学に入学しました。筑波大学でアイスホッケー部に入り、活性化しました。それまではずっと陰キャでした。
(深田)
なんか陰キャ感のオーラ出ていますよね、ひねくれていますよね。よっぽど抑圧された少年時代を歩まないと、こんなに歪まないですよね?
(内海)
そんなに歪んでいますかね(笑)父親が医者で、母親は弱い主婦で、いつも夫婦喧嘩していました。僕は長男だから、助けなきゃいけないというプレッシャーがずっとありました。精神分野では、これはもうドストライクの「プラケーター」です。
(深田)
プラケーターとは?
(内海)
プラケーターとは、弱い親の愚痴を聞いて、自分が助けなきゃと頑張っちゃう子どものことです。本当はそんなことやりたくないのに、親を助ける役割を勝手に背負っちゃう。それを繰り返すうちに、どんどんキャラが変わっていって、仮面をかぶった精神状態にいきます。それが「プラケーター」。僕はまさにそれでした。しかも、一族が両方とも本願寺系の浄土真宗の結構大きなお寺で、一族がマジでクソで(笑)。
(深田)
全国どころか、全世界に配信されちゃう(笑)
(内海)
いやでも、浄土真宗に限らず、仏教だろうが神道だろうが、どこも似たようなものだと思います。表向きはきれいごとを言っているけど、裏ではお金や権力絡みのドロドロがあります。
(深田)
京都、大阪、奈良の金持ちは、みんな寺です。
(内海)
でも、仏典とかをちゃんと読むと、仏そのものは別に悪いことは言っていないです。
(深田)
般若心経、いいですよ。
(内海)
だから、それを唱えている側の大人たちはクソだな、みたいな(笑)。その後、中学生になってから、ニーチェにはまり、「ツァラトゥストラはかく語りき」を読んでいました。
(深田)
ダメなコースですね。
(内海)
それを読んで、人類ってすべてカスだなと思いました(笑)。そこから、「超人思想」みたいなものに傾倒していき、この負のループから抜け出すにはどうすればいいんだということを研究し、今に至ります。
(深田)
どうして先生は、そんなにひねくれているのかなと、前から気になっていました。女性ファンが異常に多いですが、正直ルックスではないじゃないですか?
(内海)
コメント欄荒れますよ(笑)
(深田)
多分、ちょっと真面目でいい子なのに、社会的な圧がかかってひねくれちゃったけど、一生懸命頑張っている姿が女心をくすぐるのでしょう。
(内海)
母性本能くすぐると、よく言われます(笑)。
(深田)
そうなのでしょう。でも、よっぽど鬱屈した少年時代じゃないと、そういう雰囲気は出ませんよね。
(内海)
さっき言ったみたいに、色々あったから鬱屈していったのでしょうね。
(深田)
明るい少年時代を送った感じがしないです(笑)。
(内海)
普通に真面目でした。進学校に行って、サッカー部に入って、ゲーセンにも行って、そのくらいの普通の学生でした。不登校にもなったことないです。どちらかというと平凡でした。進学校の人間としては、平凡な学生生活でした。ただ、それはものすごく仮面をかぶりながら過ごしていた思春期でした。ただ、0~5歳の時期が一番根深いです。幼少期に一族、家庭が崩壊しています。そんな小さな子どもだから何もできません。中学生とかになると、ある程度自分を表現できるけど、小さい頃はただ耐えるしかないから。
(深田)
私も家庭が崩壊しそうになるのを、なんとか保とうとしていました。17歳の時に、父親の愛人の清算に付き合わされたことがあります。結構大変でした。
(内海)
僕は親の愛人問題とかはありませんでした。どちらかというと、僕の家庭の父親は親戚付き合いばかりして、あまり家に帰ってきませんでした。だから、家には母親と僕と妹の三人でご飯を食べることが多かったです。母親が弱いから、僕が世話するような感じになっていました。妹と母親が一緒にいることが多くて、僕は少し距離を置くような立ち位置でした。今のうちの家庭の構図と変わらないですね(笑)。
(深田)
結局、娘と母親が仲良くやっていると幸せじゃないですか。だから、最後はお父さんいらなくなりますよ、お金だけ稼いでね(笑)。
(内海)
今日も旅行に行っています(笑)。
(深田)
内海先生がどうして伝説の小児科医に認められたのか、その原体験を聞きたかったのです。
(内海)
やっぱり、ひとつは「先住民的思考」みたいなものが根っこにあったことです。それともうひとつは、真弓先生の影響です。真弓先生は、対外的には優しい先生だって思われがちなのですが、実際に診察を受けた人は分かるのですが、ズバッと急所を突いてきます。外と中で結構違うというか、診察の時は、母親指導がコワいと有名でした。それが私に似ています。私も患者さんとか患者さんの家族に対して、コテンパンというところがあるので、真弓先生に似ていると思います。
でも、それで薬漬けになったり、社会的に追い詰められたりする人もいます。それでも、誰かにちゃんと話を聞いてもらうことは、すごく大事です。あとは、怒ってほしい人もいます。怒られた後に、「本当は何が問題だったのか?」っていう本質的な部分に気付くことがあります。本質的な部分を聞いて泣くみたいなパターンが多いです。真弓先生もそういうところがあったと思います。
自分の育児が間違っていたと言われると、母親は半分くらい「そんなわけない!」って反発するかもしれないけど、相手が伝説の小児科医と言われている真弓先生ですから、真弓先生が言うことは本質的だから、グウの音も出ないみたいな(笑)。
(深田)
子育て間違っていると言われたら、女性にとっては死刑宣告、人格否定ですよね。
(内海)
ちょっとしたことで変われます。ただ、その時にプライドを捨てられるかどうかが大事です。あとは、テレビ信仰の育児モデルがいかにやばいに気がつけるかどうかです。今は「カンガルーケア」は全否定されています。母子は早く離さなきゃいけないという考えが主流になっています。子どもと親は、くっつけちゃいけない、みたいな。
(深田)
今、抱っこしてはいけないのですか?
(内海)
ダメです。生まれたらすぐに母親から離すべき、みたいな考え方になっています。そもそも昔は産後臍帯もすぐに切らない、すぐに母子を離さないのが普通でした。もちろん、昔のやり方が全て正しいわけではないけど、今はそういう知恵が全部無視されています。とにかく、親と子どもは接させちゃいけないというふうになっています。
(深田)
テレビの弊害ですね。
(内海)
何でもかんでも優しくすればいいわけじゃないけど、まずは親と子どもが一緒にいることが基本です。触れ合わないとダメです。母子のスキンシップが大事です。
(深田)
確かに、子どもの頃は、お母さんと一緒にいたいと思っていました。
(内海)
それが当たり前です。
(深田)
しかし母親教育の影響はテレビだと。
(内海)
母親側もテレビに影響されていて、最近は母親も楽をしたいと思う人が増えています。
(深田)
子育てが大変だから、楽をしたいという気持ちは分かります。
(内海)
それでワンオペ育児になって、旦那が協力しないと、さらに大変になり悪循環になります。それって結局、社会の問題だし、国も弱ってしまいます。
(深田)
女性の育児をどうやってサポートするのが良いでしょうか?イクメンですか?
(内海)
育児は手伝っていました。でも嫁さんには「そんなにやってない」って言われそう(笑)。自己評価65点くらい。夜、土日は育児していました。一応育児本を真弓先生や医学的理論を元にして2冊書いています。例えば、子どもを連れて出かける時は、余裕をもってと1時間や1時間半前に出かけることはダメです。2時間半前には出ないといけません。私の子どもが1歳半くらいでしたけど、バギーは使っちゃダメです。子どもが興味あるものには、全部反応させます。寝たら、バギーを使用してもいいです。ただ2歳くらいの子どもがおもちゃに興味をもっているのに、親が早く行こうと連れて行ってしまうことは、普通ではありません。そうやって子どもに勉強意欲をつけていくというのが、真弓先生、先住民の育児です。親が雑魚側、親が子どもに教わっている側というイメージです。だから子どもの興味を止めない、子どもが満足するまで付き合うと、倍の時間がかかってしまいます。
(深田)
倍の時間をかける価値があると?
(内海)
そういう育児をしていると、自分で考えて自分でやるような子どもになります。
(深田)
伝説の小児科医にご指導頂いたというよりかは、意気投合した内海聡先生、イクメン通知簿65点なのに、こんなにも語って頂きました。
内海聡先生、ありがとうございました。