森永卓郎に続け! 日本国民を救う最後の希望!財務省VS消費税減税派の闘い。

【目次】
(深田)
皆さん、こんにちは。政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵です。
今回は元衆議院議員で税理士の安藤裕先生にお越しいただきました。
安藤先生よろしくお願いします。
これまで103万円の壁がどうだとか、少子化対策には消費税減税が必要だという話をして来ましたが、「私たちが社会の中で抱えている問題のおよそ全てを消費税減税で解決できる」というように私には聞こえているのですがどうなのでしょうか?消費税はそんなにスペシャルですか?
(安藤)
スペシャルですね。経済的な問題のかなりの部分は積極財政で解決できるのですが、その象徴的な部分が消費税だと思います。
(深田)
どうしてですか?
(安藤)
消費税というのは、以前この番組でも説明させてもらいましたが、事業者に対する第2法人税で非常に過酷な税金なわけです。法人税に加えて消費税という税金が企業には課されている。だから、普通だったらもっと利益が出ているはずなのに、消費税に相当取られているから利益が元々圧迫されている。だから賃上げもできないわけです。
(深田)
私も会社経営者だから思うのですが、消費税は法人税より悪質ではないですか?赤字でも払うのですよ。
(安藤)
そうです。法人税より悪質です。
それがきちんと理解されていないので、お客さんから預かってるお金だと思っているから、みんな赤字でも「預かっているお金だからちゃんと払わなきゃいけないよね」と思って、無理して借金をしてまで払っているわけです。
本当は「こんな税金払えるか!」と蹴飛ばして帰って来るぐらいの怒りを事業主の方は持たなくてはいけないのですが、みんな騙されているから大人しく借金して払うという状況になっているのです。
これにしっかりと怒らなくてはいけない。「こんな税金おかしいだろう!」とみんな机を蹴って抵抗しなくてはいけない。
(深田)
そうですよね。1950年代に確か「付加価値税」というのがありました。法案は通ったのですが、その後、国民がみんな怒ってポシャったのですよね。戦後の日本の国民はそんなに世論が強かったのでしょうか?
(安藤)
賢かったのかも知れません。でも戦後は本当に生活が苦しかったのでしょうね。
(深田)
そうですよね。戦後10年も経ってない頃ですから、そうなりますよね。
(安藤)
はい。経済は大混乱していて、みんな貧しくて食べるものにも困っていた時代ですから、下手なことが政府はできなかったのでしょうね。
政治の状況もかなりまだまだ混乱していました。自民党一強みたいな状況ではなくて、政権交代も起き得るような、下手をすれば政治家が暗殺されるようなこともあったわけです。世相が乱れていた時代なので、下手なことができなかったというのはあると思います。
(深田)
当時の国民のように世論の力を強めたいですよね。
(安藤)
今回の衆議院選挙の結果、自公がだいぶ減らして少数与党になったので、すごくいい状況になって来ましたよ。
(深田)
そうですね。しかも玉木さんが「103万円の壁を引き上げる」とおっしゃって、皆さんの減税意識は高まりましたよね。
(安藤)
はい。でも本当は、立憲民主党が消費税減税に賛成すれば消費税減税をできる直前まで今来ているわけですよ。だって衆議院は減税を言った政党が今回多くなっています。立憲が消費税減税を取り下げてしまったからそれを言わなくなったけれども、立憲も前の国会の時には、消費税5%減税法案を提出していたじゃないですか。
今回の衆議院選挙ではそれを公約から落としているけれども、あれをそのままやって いたら、維新だって「8%に減税しろ」と言っていたわけですし、他の野党みんなが消費税減税を言っていたわけです。
だから野党でまとまって法案を通したら衆議院は通るのですよ、消費税減税法案も。
(深田)
でも今の立憲って野田さんですよね?
(安藤)
そうです。野田さんは下手したら消費増税派でしょう?本当にタチが悪いですよ。
(深田)
もう上がる一方ですよね。
(安藤)
そうです。だからせっかく政権を取れるチャンスなのに、なんで自民党の応援しているのよとなる。
(深田)
だから立憲民主党は不思議な党で、自民党と戦っているのかなと思ったら、やはり国民と立憲に割れた後から迎合しているようにしか見えないというか、闘わない立憲民主党になりましたよね。
(安藤)
立憲民主党は自民党の最大の支援団体ですから。だって立憲民主がいるから自民党の政策は前に進む。例えば消費税減税をしなくて済むわけですよ。むしろ増税の方向に行けるのです。立憲が全部協力していますからね。
(深田)
それなら別に自民党でなくていいのですね?
(安藤)
自民党が与党でいられるのは立憲民主党がアシストしているからです。そして立憲民主党の人たちは今の位置がいいのですよ。与党になりたくないのです。野党第1党が1番居心地がいいのですよ。
(深田)
そうですよね。与党になったら忙しいですから。
(安藤)
責任もあるでしょう?
(深田)
はい。野党第1党で給料をもらってのんびりしている方がいいですものね。
(安藤)
そうです。そして与党の悪口を言っていたら「そうだ、そうだ!」「頑張れ!」と国民が言ってくれるし選挙も安泰だから、一番楽なのですよ。
(深田)
野党の議員先生にこれを言ったら申し訳ないですが、野党の議員の先生はものすごい時間に余裕ありますよね。与党の先生は朝から晩まで部会の勉強会でものすごいスケジュールがきついのですよ。野党の先生は比較的ゆったりしているというか、悪口言っているわけではないのですが。
(安藤)
それ本当ですから。僕も衆議院議員をやっている時に、私の選挙区のある野党議員が国対委員長だったのですが、ある会合でこういう挨拶しているのですよ。僕もいる時ですよ。そこで「私は国会対策委員長になりました。だから朝1番に国会に行くことにしました。何時だと思います?朝8時に国会に行くのです。誰もいません」と言うのですよ。
「いやいや、俺たちは朝8時どころか7時半には党本部に行って会合やってますけど」となる。
自民党の議員はそうなのです。8時から必ず部会が始まる、あるいは7時半から始まる。9時からは国会で議論があるから、9時の前に党本部でそういう会合をやるのです。でも野党の議員はそれがないのだなというのが、その時にすごく良く分かった。そりゃ8時の国会なんか誰もいません。与党議員は党本部で会議していますから。
(深田)
実は野党の議員は給料も高いし遊んでいてもいいし、そしてちょっと不倫してもあまり重要なポジションではないので報道もされないのですよね。
だから有名になってくるといきなりやられてしまう。与党の議員の先生は見つからないように、もっと慎重にやっていると思うのですよ。
(安藤)
今、少数与党になったじゃないですか。ということは野党が多数になったわけです。これによって何が起きるかというと、今まで野党の議員さんは「なんとか法案出しました」とかアピールしていたじゃないですか。例えば「消費税減税法案」もそうです。
でも、野党が提出する議員立法の法案なんて国会で審議されないのですよ。出したというポーズを取るのが大事で、国会の法案の審議は自民党がやろうと言わないと審議されないから、もう出すだけで終わりなのです。
それが店晒しになって「継続審議」という手続きを踏む。国会で一応「継続審議ですよ」というポーズを取ることで、「うちの出した法案が今、継続審議になってますから」というような挨拶が野党議員はできる。
それでやっているふりができたのですが、今度は小数与党になり野党が多数になった。そうすると、野党できちんと話をすればその法案は通せるのですよ。状況はものすごく変わったのです。だから今までのように、野党が「法案出しました」と言って写真撮って終わりでは済まされない。野党の責任はものすごい大きくなっているのです。
今の少数与党の状況、野党が多数を持っている状況で野党の議員がどれだけ本気で国民のための法案を通そうとしているかどうか、それを今回の国会では国民の皆さんは良く見ておくべきだと思います。
(深田)
それは本当に知らなかったです。やはり経験者は違いますね。
(安藤)
これまで通り「法案出しました」と写真を撮って終わりにしている立憲民主党がいたら本当に罪ですよ。彼らは本当に野党第1党のままでいたいのだなと。
(深田)
ポーズだけですものね。
(安藤)
本気だったら衆議院で野党をまとめて「これ通せよ」とやらないといけない。「それだけの数があるだろう?」というプレッシャーを野党にはかけていきましょう。
(深田)
最近、与党では元アイドル系の方が政務官に2人入りました。今ネット上で「アイドル議員たちは何か仕事してきましたか?」と揶揄されています。「議員立法の法案を1本も書いたことないじゃないですか」と叩かれているのですが、これについてどう思われますか?
(安藤)
僕も議員立法の法案なんか1回も書いたことはないです。
(深田)
与党は逆に議員立法しようと思うと党3役の許可がいるので、野党議員が法案を出すよりもハードル高いのですよね?
(安藤)
ハードル高いですね。だって与党なのだから、自分がやりたい仕事は内閣にやらせればいいのです。だから別に議員立法に命をかける必要はなくて、与党議員は内閣提出の法案に自分の意見を入れれば良いのです。
そのために党の部会があって、「これからこういう法案を内閣が出しますよ」という時に意見が言えるわけです。だからそこで意見を言っていけば良いし、僕は別に議員立法よりも、「内閣の方針が間違っているからこれを変えさせる」ということを議員の時にやっていて、そちらの方が大事だなと思っていました。だから議員立法を私は一遍も出したことがない。
(深田)
内閣の法案は結構間違っていますよね。いろんなことが間違っているなと思います。
『NTT法廃止で日本は滅ぶ』という本を去年2024年に出しているのですけれど、NTT法を廃止したいという法案の意味が全然理解できません。
NTT法を廃止してNTTの株やインフラが外資に渡ってはダメじゃないですか。でも、そういう反対の声がなかなか与党の中から上がって来ないのは残念だなと思っていました。石破政権になって唯一良かったことは、そこがトーンダウンして、NTT法廃止がポシャりそうだというところです。
(安藤)
甘利さん落選効果です。
(深田)
甘利さんはやはりすごかったのですね?仕事ができる男なのですね?
(安藤)
なぜあの人が、仕事ができる立場にいるのかが良く分からないです。
(深田)
落選しているのにまだ半導体関連政策のトップを握っていますからね。
(安藤)
でも、もうだいぶ力が落ちるのではないですか?
(深田)
そうですよね。これ以上、彼にはこの国に関わって欲しくないと正直なところ思います。
(安藤)
今回面白いなと思ったのは、NTT法廃止がポシャるという話が自民党の中でも会議で議題になったらしいのですが、ほとんどそれに反対する意見がなかったようです。要するに、廃止を辞めるという話が出てきた時に「廃止しなくていいんじゃないの」とみんな何となくフワッと決まった。「何なんだよ、推進していた人たちって!」って話じゃないですか。
(深田)
落選していなくなっちゃったみたいな(笑)。
(安藤)
そうです。当時賛成していた人たちもその会議に居たはずですが、結局何も考えてなくて、ただ甘利さんがやると言っているから「どうぞどうぞ」とやっていた。みんな要するに何も考えてないということですよ。
(深田)
甘利さんのバックには麻生さんがいたのです。私がNTT法廃止反対運動を会館の前でやっていて、チラシとかを配っていたら警備員に摘み出されたのです。
その時、「麻生事務所が怒ってるから、ちょっとごめんなさい」と言って謝られました。「皆さんの人権を侵害したくないのだけど、麻生さんが怒ってるからごめんなさい」というようなことを言われたので、「あ、じゃあ私たちも引き下がります。おじさんたちも怒られたら大変でしょうから」と応じた。
なので、甘利さんが麻生さんの虎の威を借りて進めていたのですけれど、麻生さんももうお年ですし、強力に推進する甘利さんもいなくなった。そして総務省も実は嫌がってたのですよ。役人は嫌だったのです。だから多分これがひっくり返ったのだろうなとは思います。
(安藤)
すんなりと総務省がそういう結論を出してきたから「おっ、総務省頑張ってるやんか」と思いましたよ。官僚がそういう馬鹿な政治家がやる政策に反対しているケースは結構あるのですよね。
(深田)
内心は嫌ですよね。内心「おいっ!」とおそらく思っているのですが、人事権を内閣が握っているので大っぴらに反対できないのですよ。スガーリンに首を切られた官僚はいっぱいいますからね。
(安藤)
菅さんは本当にあくどい使い方をしていて、人事権で官僚に言うことを聞かせるというとんでもない政治をやってましたからね。
(深田)
そうですね。「黒光りの菅」と呼ばれてました。
(安藤)
(笑)だから「これが国民が求める政治主導なのか?」ということですよ。
(深田)
政治家が間違っていたら、すごく間違った方向に国が一気に主導されていく恐ろしい事態でしたからね。はっきり言って、知能のレベルで言うと政治家よりも官僚の方が上なわけじゃないですか。賢い官僚にまともなことをやってもらってる方が実はマシだったのかも知れません。
(安藤)
その通りです。今、官僚組織がすごく劣化しているから、ずっと官邸の方ばかり見ている「ヒラメ官僚」ばかりになってしまいましたが、バカなことを言う政治家を一喝するくらいの骨のある官僚がやはり必要ですよ。
(深田)
そうですね。80年代、90年代はいましたが、2000年代ぐらいからどんどん粛清されていったので…
(安藤)
そうですね。世論も官僚バッシングがすごかったじゃないですか。
(深田)
そうですね。確かに「財務真理教」と言われています。
財務省は増税を進めたいのだとは思うのですが、私が先日財務省の方とお会いした時、実は財務省の中にも「減税した方がいいよね」と言っている人もいるので、実は増税一色でもないようです。
私もそういう部分があるのではないのかと思うのです。「緊縮財政、緊縮財政」と言っていますが、政治家がお金を使いたいところにはすぐ出るじゃないですか。例えばウクライナとか。でも、「能登半島の復興」と言ったらお金が出て来ないのです。
(安藤)
おかしいですよね。
(深田)
甘利さんが「半導体を作りたい」と言ったら10兆円ぐらいのお金が出て来るわけじゃないですか。でも「少子化対策」と言ったら「じゃあ増税しようね」となる。来年からは「独身税」ですよ!
(安藤)
あれをやったら、また更に少子化が進みます。
(深田)
私は来年から「独身税」を納めていく身となりますけれども、やはり「消費税減税」が全ての国民の幸せのためであるということですね。
(安藤)
消費税廃止です。
(深田)
廃止?
(安藤)
消費税は廃止です。廃止一択!インボイスも廃止です。
(深田)
消費税がなかったらインボイスもなくなりますか?
(安藤)
自動的になくなります。
(深田)
本当にインボイスのおかげで…ちょっとインボイスには言いたいことがいっぱいありますけれども。インボイス倒産もなくなる、消費税廃止で国民は幸せになれますということで、やはりこの国を良くするには「消費税は廃止一択」ということです。
今回は元衆議院議員で税理士の安藤裕先生にお越しいただきました。
先生ありがとうございました。