「政府PB黒字化で日本沈没」安藤ひろし×深田萌絵 No.91
【目次】
(深田)
自由な言論から学び行動できる人を生み出す政経プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田萌絵がお送りしています。今回は前衆議院議員で税理士である、安藤ひろし先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。
(安藤)
はい、よろしくお願いします。
(深田)
先生、今回はですね、岸田政権の骨太方針、プライマリーバランス黒字化で国民は痩せ細るのではないのかなというふうに心配しています。
(安藤)
はい、その通りです。
(深田)
この辺り、ちょっと詳しく教えていただきたいと思います。
(安藤)
はい、今年の骨太の方針はもう閣議決定されてしまいましたが、残念ながら来年度、2025年度のプライマリーバランス黒字化目標が見事に書き込まれました。財務省の完全勝利です。
(深田)
これだけ世の中で「ザイム真理教」と言って、財務省を叩いているのに、全然効果がないですね。
(安藤)
全然効いてないです。やっぱりマスコミを味方にしていますし、財務省がマスコミ、特に日経新聞を先頭に、財政とか経済に関する記事を全部コントロールしていますから、国民はまだまだその洗脳から抜けることができません。日経新聞を読んでいたら、プライマリーバランス黒字が当然だって思いますよね。最終的には消費税増税は当然、金利上げろっていう話になりますよね。
(深田)
そうですよ。もう地獄の未来図しか見えてこないです。安藤先生も早く本を書いて布教活動をしてください。アンドウ心理教の布教活動をよろしくお願いします。
(安藤)
この聖書を読んでください(笑)。
(深田)
ということですね、ちょっと教えていただきたいです。
(安藤)
はい。2025年度のPB黒字化目標が書き込まれましたけど、政府の財政健全化、財政黒字化目標というのは、国民の赤字が目標であるということですね。
(深田)
そうですよね。我々から吸い上げていくってことですもんね。
(安藤)
はい、そうです。誰かの赤字は必ず別の誰かの黒字になるってことですから。だから僕と深田さんの二人しかこの世の中にいないとしたら、僕が深田さんに1万円渡せば、僕は赤字になるけど深田さんは黒字になるってことですね。ということで、赤字と黒字は常に表裏一体です。
(深田)
そうですね、常にセットですね。
(安藤)
そうです、常にセットです。政府が黒字になるってことは、別の誰かが赤字にならなきゃいけないってことですから。
(深田)
民間部門ですね。
(安藤)
そう、赤字になるのは、あなたです。
(深田)
赤字になるのは私たち国民ってことですよね。いや、消費税増税とかされたら、またお金が減りますよね。
(安藤)
その通りです。だから政府の財政健全化とかPB黒字化、これがいいことだと思っている人が多いですが、皆さんこちらを広めてください。実際は「国民赤字化目標」です。
(深田)
そうですよね、政府の財政健全化って、国民赤字化目標ですよね。政府はちゃんと「国民赤字化目標」と言いなさいってことですよね。
(安藤)
そうです。政府の黒字化、財政黒字化ではなく、「国民赤字化を2025年達成します!」ということを岸田内閣は宣言したわけです。
(深田)
そうですよね。それを言ったら、岸田政権崩壊ですよね。
(安藤)
そうです。「国民赤字化目標がいよいよ設定されました。来年です。」ということを広めたいのです。
(深田)
恐ろしいです。
(安藤)
これどうして簡単にやってしまうのかという話なのですが、今の日本経済の現状は、税収は過去最高を更新しました。
(深田)
そうですね。我々生活が苦しいですから。
(安藤)
税収が過去最高になったということは、政府が国民から過去最高に金を取り上げた。
(深田)
そうですよね。消費税増税ですからね。
(安藤)
法人税、所得税は、利益から取っているので、それはまだ良い。消費税は、物価が上がれば上がるほど税収が上がる、とんでもない税。
(深田)
現在円安で輸入物価が上がっているということは、税収はどんどん増え、我々の生活がもっと厳しくなるということ。
(安藤)
そうです、どういうことかと。そして、実質賃金は26カ月マイナス。2年以上国民は貧乏になり続けている。それから上半期1-6月の企業倒産は、前年同月比21.9%増、4000件を超え、3年連続で増えています。それから公租公課倒産。
(深田)
税金を払えなくて、コロナ融資を返せなくなって潰れた。
(安藤)
コロナの時に、消費税とか社会保険料とか、とりあえず払わなくても良いが、後で払ってねと。後で払ってねというのが、今請求がきている。
(深田)
恐ろしい。社会保険料はハンパないですよね。
(安藤)
ハンパないでしょう。ただでさえ毎月払うのも厳しいのに、溜まったからまとめて払えなんて無理ですよね。
(深田)
零細企業とかでも、何百万とかになりますよね。
(安藤)
そうです。それを今強硬に取り立てに来ています。差し押さえとか。
(深田)
差し押さえまで来ているのですか?
(安藤)
そうです。あるいは取引先に社会保険事務所から「うちに社会保険料払ってもらってないですけど、あなたのところはちゃんと払ってくれていますか?」ってわざわざ聞いて回るのですよ。
(深田)
なんて親切なのですかね。恐ろしいですよね。
(安藤)
そんなことされたら、「いや、うちちゃんと払っているけど、あなたは払ってないの?じゃあ、ちょっと心配だから先に仕入れ代払ってくれ、それから材料渡すわ」ってなりますよね。
(深田)
資金繰りが悪くなりますね。
(安藤)
そうです。余計に資金繰りが厳しくなり、それで潰れていく企業が今いっぱい出ています。
(深田)
自民党は中小企業を潰すのを政策に掲げている、裏アジェンダがありますよね。私はこの始まりは、岸信介さんだと思います。岸信介さんの演説集には「悪いが中小企業には潰れてもらう」と書かれているのです。
(安藤)
それは読んだことがないですね。
(深田)
その発想が何十年も続いていて、今も自民党は中小企業を潰そうとしているのです。
(安藤)
今は確かに中小企業を潰そうとしています。中小企業を潰して、新しい技術を身につけて成長産業に移動すれば日本経済は成長する、というシナリオですね。企業が潰れるのは政府としては想定内なのです。日経新聞なんかも新陳代謝がないとか、ゾンビ企業延命するのかと書きますけど、ゾンビ企業を潰したいなら景気を良くすればいいのです。そうすれば、企業なんかいなくなります。
(深田)
景気が良かったら収入が増えてゾンビから脱却できるので、景気を良くしてくださいという話ですよね。あと生産性が低い会社を潰すべきだと言っているが、我々中小企業は生産性の為に仕事をしているのであり、生産性を高めるためにやっているのではない。
(安藤)
そうですよね。介護職とかも、政府が単価を決めているから、給料を倍にすれば生産性も倍になりますよね。簡単なのです。政府が色々単価を決めているから、単価を上げてしまえば生産性は上がります。
(深田)
その通りです。保育士さんも給料を上げたら、生産性が上がります。
(安藤)
だから生産性を上げたいのならば、政府支出を拡大して財政赤字を増やせば良いのです。簡単です。
(深田)
この国で最も生産性が低いのは、政府ですよね。何も生み出していません。
(安藤)
そうです。政府がもっと国民を豊かにするために働いてくれればいいのですが、そうしていません。
(深田)
存在するだけで害です。
(安藤)
現状を確認すると、GDPもまた1-3月期はマイナス成長でした。10-12月期は一応プラスでしたが、プラス0.0、プラス0.1とか、ほぼゼロ成長です。個人消費も4四半期連続でマイナスですね。そして、7月9日に内閣府が発表した需要不足は年8兆円です。
(深田)
これは税収が増えた分、需要が減っているからです。我々のお金取られているので。
(安藤)
こんな状況で、経済好調と言えるのか。
(深田)
日銀の植田総裁が不気味なことを言っています。賃金と物価の好循環と言っていますが、物価は上がり続けていて、実質賃金は下がり続けているのに、何が好循環なのかよく分からない。
(安藤)
その通りです。賃金が追いついていない。
(深田)
実質的な好循環にはなっていません。
(安藤)
これでまた賃上げ分を物価上げろと言っているが、いつになったら追いつくのか。しかし、こんな状況なのにPB黒字化目標を設定したから、来年の予算像はどうなるのでしょうか?税と社会保障の一体改革では、結局は国民への給付減と国民の負担増です。
(深田)
この30年間やってきたことと同じではないか。
(安藤)
そうです。これをさらに強めにやると。強めにやらないと政府が黒字にならない。国民への給付減と国民の負担増を必ずやると。消費税の減税や廃止なんて絶対にしません。現状維持か増税への議論を進めるでしょう。今もこういう話が始まっています。
(深田)
増税への議論誘導。増税をいかに国民に理解してもらうか。
(安藤)
最近は厚生年金や国民年金の議論が始まっています。国民年金が安すぎるから底上げしなければいけないという議論が始まっているが、その財源は国民から取るわけです。そうすると、国民から取る、保険料を上げる、消費税を上げる、年金を減らす、どれが良いか聞いたら、消費税増税に皆さん賛成するのです。
(深田)
東京財団か日本財団が提言していました。
(安藤)
東京財団です。この議論がもう始まっています。消費税は現状維持か、増税への議論誘導です。インボイスは現状維持で、絶対やめません。防衛費や子育て支援の予算を増やすとか、異次元の子育て支援とか、それは確かに増えるでしょう。しかしPB黒字化目標を設定しちゃったから、これ以外の予算を減らすのです。
(深田)
何を減らすのですか?
(安藤)
それはこれから見物なのですけど、増やす方を増やす分、減らす側が出てきます。増やされる側はいいけれども、減らされる側は溜まったものじゃないですよね。
(深田)
何が減らされるのだろう?文部科学省、教育利権は萩生田さんが絡んでいるし、医療利権をもっている議員も多いから。
(安藤)
医療利権は、手を付けにくいでしょう。
(深田)
そうですね。じゃあ、法務省とかですかね?
(安藤)
法務省はもともと予算が少ないですからね。例えば刑務所の施設なんかはボロボロで、刑務官の宿舎なんかも立て替えたいけど、予算を取るのが下手なので厳しいです。
(深田)
そういった弱いところが狙われるのでしょう。
(安藤)
そうするとやっぱり文部科学省かな。そして、2025年度のPB黒字化目標が確定したことで、自民党は積極財政、消費税減税、ガソリン税減税、社会保険料軽減は絶対にやらないことが確定しました。
(深田)
そうですね、絶対にやらないでしょうね。
(安藤)
これで野党にはチャンスなのです。これと裏のことをやればよいのです。
(深田)
野党が、積極財政、消費税減税、ガソリン税減税、社会保険料軽減を掲げれば良いのですね。どこが掲げてくれそうですか?
(安藤)
今れいわぐらいしかないけど、立憲民主党とかがこういう経済の議論とか国民が希望を持てるような議論をやらなければいけません。
(深田)
でも今の立憲民主党じゃ無理じゃないですか?
(安藤)
そういう声も多いですが、そういうところがやらないといけません。
(深田)
立憲民主党にも積極財政派はいます。例えば、原口先生のような人たちがいますが、党を牛耳っているのは緊縮派です。
(安藤)
なぜか与党も野党も緊縮派しか幹部になれない。
(深田)
そうなると、どっちを選んでも同じという感じになりますね。
(安藤)
その通りです。だから、結果的に自民党を選ぶことになるのです。これで国民は来年貧困化することは確定しました。今年の秋以降に総選挙があるとしたら、野党が本気で政権を取るつもりなら、これを掲げるべきです。
(深田)
これ布教しましょう。
(安藤)
来年自民党は、積極財政、消費税減税、ガソリン税減税、社会保険料軽減をやらないと言ったわけですから、これを潰すために布教していけば自民党政権を倒せます。
(深田)
ぜひ安藤先生には、芸名「志村けん」で立候補してほしいです。東村山市から立候補したら絶対当選します(笑)視聴者の皆さんにも意見をコメント欄に書いてもらいたいです。
(安藤)
私のYouTubeチャンネルが「志村けん」チャンネルになったら、たぶん訴えられるでしょう(笑)
(深田)
そうですよね。私も選挙の神様みたいに、好きな人が当選するように仕掛けたいなとアイデアを練っていました。そして、安藤先生には是非、本を書いていただいて、この思想を広めていってほしいです。
今回、安藤先生には政府骨太方針で我国民が細っていくという内容で、恐ろしいお話を教えて頂きました。ありがとうございました。
(安藤)
ありがとうございました。